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公開番号2023180186
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-20
出願番号2022094810
出願日2022-06-13
発明の名称炉頂カバー、及び誘導炉
出願人東京窯業株式会社
代理人個人
主分類F27B 14/12 20060101AFI20231213BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】炉頂部の膨張による亀裂等の損傷を低減する炉頂カバー、及び炉頂カバーが設置された誘導炉を提供すること。
【解決手段】炉頂カバー1は、カバー部材10と、少なくとも一部がカバー部材10に形成され、誘導炉50の炉体51と係合可能な係合部2を備える。カバー部材10は、出湯口52を取り付け可能な出湯口用凹部3と、炉頂部70への設置面である底面5と、炉頂部70への組込状態において、炉体51の内周面と対向する外周壁6と、炉頂部70に合わせて開口7を形成する内周壁8を備える。係合部2は、少なくとも出湯口用凹部3と底面5との間にある。係合部2が炉体51と係合すると、炉頂カバー1は炉体51に対して第一方向への相対的な移動が規制される。係合部2が炉体51から離間すると、炉頂カバー1は炉体51から分離可能であり、誘導炉50の内部を開放可能である。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
円筒状の誘導炉における炉頂部に組込可能であって、
カバー部材と、
少なくとも一部が前記カバー部材に形成され、前記誘導炉の炉体の被係合部と係合可能な係合部を備え、
前記カバー部材は、
出湯口を取り付け可能な出湯口用凹部と、
前記炉頂部への設置面である底面と、
前記炉頂部への組込状態において、
前記炉体の内周面と対向する外周壁と、
開口を形成する内周壁を備え、
前記カバー部材は、定形耐火物によって形成され、
前記誘導炉の円筒中心軸と、前記開口の開口中心軸とは略同一線上にあり、
前記円筒中心軸に沿う方向を第一方向とし、前記第一方向と直交する方向を第二方向とし、
前記係合部は、少なくとも前記出湯口用凹部と前記底面との間にあって、
前記係合部が前記炉体と係合すると、前記炉体に対して前記第一方向への相対的な移動が規制され、
前記係合部が前記炉体から離間すると、前記炉体から分離可能であり、前記誘導炉の内部を開放可能である炉頂カバー。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記カバー部材は、前記開口中心軸を中心とする周方向に、複数に分割された分割カバー部材を備え、
前記係合部は、それぞれの前記分割カバー部材の前記外周壁から、前記第二方向に突出する凸部であり、
それぞれの前記分割カバー部材は、前記円筒中心軸を中心とする径方向において、異なる方向へ移動させることにより、前記凸部が前記炉体の前記内周面に形成される前記被係合部に係合可能である請求項1に記載の炉頂カバー。
【請求項3】
前記分割カバー部材が前記炉頂部に組み込まれた状態において、
前記周方向において、隣接する前記分割カバー部材との間に生じる隙間に取り付けられ、前記炉頂部の一部を覆う補助カバー部材を備え、
前記補助カバー部材は、定形耐火物によって形成され、前記周方向に隣接する前記分割カバー部材との間で、少なくとも一部が接触するか又は所定量以下の隙間を有する請求項2に記載の炉頂カバー。
【請求項4】
前記補助カバー部材は、前記炉頂部に組み込まれた状態において、前記周方向における側面が、前記径方向に沿って互いに平行な補助カバー側面である請求項3に記載の炉頂カバー。
【請求項5】
前記補助カバー部材と前記分割カバー部材が前記炉頂部に組み込まれた状態で、
前記周方向において、前記補助カバー部材と隣接して対向する前記分割カバー部材の分割カバー側面は、前記補助カバー側面と平行であり、
前記補助カバー側面と前記分割カバー側面とは、互いに面接触を含む接触をするか又は所定量以下の隙間を有する請求項4に記載の炉頂カバー。
【請求項6】
前記補助カバー部材は、
前記炉頂部に組み込まれると前記炉体の前記内周面と対向する補助カバー外周壁と、
前記補助カバー外周壁から前記第二方向に突出する補助凸部を備え、
前記補助カバー部材は、前記分割カバー部材が前記炉頂部に組み込まれた状態で、前記径方向に移動させることによって、前記補助凸部が前記炉体の前記内周面に形成される前記被係合部に係合可能である請求項5に記載の炉頂カバー。
【請求項7】
前記補助カバー部材は、前記補助カバー側面に前記第二方向に突出する補助側凸部を備え、
前記分割カバー部材は、前記分割カバー側面に分割カバー凹部を備え、
前記補助カバー部材は、前記分割カバー部材が前記炉頂部に組み込まれた状態で、前記径方向に移動させることによって、前記補助側凸部が前記分割カバー凹部に係合可能である請求項6に記載の炉頂カバー。
【請求項8】
前記係合部は、係合凹部と係合部材を備え、
前記係合凹部は、前記第二方向において、前記カバー部材の前記外周壁から前記内周壁の途中までに形成される凹みであり、
前記係合部材は、前記第二方向において、前記炉体の外周面から前記内周面までに貫通して形成された前記被係合部、及び前記係合凹部に係合可能である請求項1に記載の炉頂カバー。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれかに記載の炉頂カバーと、
前記炉体と、
前記炉体の内部に設置されるスリーブ材と、
前記炉体の内周と前記スリーブ材との間を埋める不定形耐火物と、
前記出湯口を備え、
前記炉頂カバーは、少なくとも一部が前記スリーブ材と前記出湯口との間に組み込まれ、
前記係合部が、前記被係合部に係合されると、
前記炉頂カバーは、前記炉体に対して前記第一方向への相対的な移動が規制され、
前記係合部が、前記被係合部との係合状態から解除されると、
前記炉頂カバーは、前記出湯口と共に前記炉体から分離可能であり、前記炉体の内部から前記スリーブ材を取り外し可能となる誘導炉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導炉の炉頂部に組込可能な炉頂カバーと、炉頂カバーが組み込まれた誘導炉に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、誘導炉は、るつぼ等の定形耐火物を使用した際にるつぼ等に投入された金属を溶解する際に高熱となることに伴い発生する課題があった。るつぼ内の金属を溶解する際、るつぼが高温となり、炉頂部分も高温となるため、炉体内部のるつぼもしくはスリーブ材が膨張して亀裂が発生する不具合が生じうる。特に、スリーブ材が膨張することに伴い、出湯口が浮き上がって金属溶湯の出湯がうまくできないという問題が想定される。
【0003】
この課題を解決するために、るつぼ型誘導炉における炉頂部を冷却するための炉頂カバーが提案されている。例えば、特許文献1によれば、図20に示すように、炉頂カバー820は、空洞820aを有する薄い鋼材からなるリング状体821の側部に装着された鋼材からなる筒体822とからなる。空洞820aは冷却水の通水口として用いられるもので、冷却水の入口部823、出口部824を有し、しかも補強機能を有する仕切板825で所定間隔毎に仕切られる。この場合、仕切板825は底より所定の高さの位置に二個の通水口826を有している。上記リング状体821は、出湯口を覆うごとく延在しており、この延在部の空洞は通水口827を介してリング状体821の空洞と連通している。
【0004】
この構成によれば、空洞820aはリング状体821の内部全体に広がっており、冷却水は空洞820a全体に広がる。るつぼ型誘導炉に対し、冷却したい部分は高温になりやすい内周に近い部分であり、この場合耐火れんがも冷却対象に含まれる。なお、説明のため、図20に記載する符号は特許文献1に記載されている図面の符号と異なっているが、構成要素とその機能は同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
実開昭51-156003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来例では空洞820aはるつぼ型誘導炉の内周から遠い外周部にまで広がっており、冷却水が外周部にまで広がる。よって、本来冷却したい部分以外にも冷却水が広がるため、冷却効果の低下が予測される。また、従来例の構成では、出湯口の周辺には冷却水が行き渡らないため、出湯口周辺に対する冷却効果は期待できない。よって、出湯口が浮き上がるという課題に対しては何ら解決されていない。
【0007】
本発明の目的は、従来の課題を解決すべくなされたものであり、出湯口を含めた炉頂部の膨張による亀裂等の損傷を低減する炉頂カバー、及び炉頂カバーが組み込まれた誘導炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様に係る炉頂カバーは、円筒状の誘導炉における炉頂部に組込可能であって、カバー部材と、少なくとも一部が前記カバー部材に形成され、前記誘導炉の炉体の被係合部と係合可能な係合部を備え、前記カバー部材は、出湯口を取り付け可能な出湯口用凹部と、前記炉頂部への設置面である底面と、前記炉頂部への組込状態において、前記炉体の内周面と対向する外周壁と、開口を形成する内周壁を備え、前記カバー部材は、定形耐火物によって形成され、前記誘導炉の円筒中心軸と、前記開口の開口中心軸とは略同一線上にあり、前記円筒中心軸に沿う方向を第一方向とし、前記第一方向と直交する方向を第二方向とし、前記係合部は、少なくとも前記出湯口用凹部と前記底面との間にあって、前記係合部が前記炉体と係合すると、前記炉体に対して前記第一方向への相対的な移動が規制され、前記係合部が前記炉体から離間すると、前記炉体から分離可能であり、前記誘導炉の内部を開放可能である。
【0009】
これによれば、炉頂カバーは、係合部が少なくとも出湯口用凹部と底面との間にあって、係合部が炉体と係合すると、炉体に対して第一方向への相対的な移動が規制される。よって、炉頂カバーは、炉頂部の周辺が高温になって炉頂部が膨張しても、炉頂部の亀裂、及び浮き上がりを抑制することができる。少なくとも、出湯口用凹部と底面との間は係合部が形成されるので、出湯口が浮き上がることが抑制される。
【0010】
係合部が炉体から離間すると、炉頂カバーは炉体から分離可能であり、誘導炉の内部を開放可能である。よって、誘導炉の内部を修繕、或いは内部部品等を交換するときに、炉頂カバーを取り外すことによって、炉内の内部部品等を容易に取り出すことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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