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公開番号2024005046
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-17
出願番号2022105027
出願日2022-06-29
発明の名称加熱炉
出願人日本碍子株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類F27B 9/12 20060101AFI20240110BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】ワークにクラックが生じるリスクを低減することができ炉内ガス温度分布の均一性向上に寄与することができる加熱炉を提供する。
【解決手段】炉内に冷却ガスを導入可能であると共に、炉内ガスを吸引可能な複数の蓄熱冷却器を備えており、前記複数の蓄熱冷却器はそれぞれ、炉内と連通するガスノズルと、炉外と連通し、蓄熱冷却器への給気及び蓄熱冷却器からの排気を切り替え可能なガス配管システムに連結されているガスポートと、前記ガスノズルを前記ガスポートに連通し、蓄熱体を充填するための空間を有するガス通路と、前記蓄熱体を充填するための空間に充填されている蓄熱体とを有する、加熱炉。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炉内に冷却ガスを導入可能であると共に、炉内ガスを吸引可能な複数の蓄熱冷却器を備えており、
前記複数の蓄熱冷却器はそれぞれ、炉内と連通するガスノズルと、炉外と連通し、蓄熱冷却器への給気及び蓄熱冷却器からの排気を切り替え可能なガス配管システムに連結されているガスポートと、前記ガスノズルを前記ガスポートに連通し、蓄熱体を充填するための空間を有するガス通路と、前記蓄熱体を充填するための空間に充填されている蓄熱体とを有する、
加熱炉。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記加熱炉は、入口、加熱帯、冷却帯及び出口を順に備え、少なくとも一つのワークを入口から出口に向かって炉内で搬送しながら加熱処理するための連続式加熱炉であって、
冷却帯に前記複数の蓄熱冷却器を備えている
請求項1に記載の加熱炉。
【請求項3】
前記複数の蓄熱冷却器のうち少なくとも一つの蓄熱冷却器は、蓄熱体交換用の少なくとも一つの出入口を有する請求項1又は2に記載の加熱炉。
【請求項4】
前記複数の蓄熱冷却器のうち少なくとも一つの蓄熱冷却器は、
前記ガスノズルから水平方向に延びる第一ガス通路と、第一ガス通路よりも下方に位置する前記蓄熱体を充填するための空間を第一ガス通路に連通する第二ガス通路とを有する前記ガス通路と、
第二ガス通路の上方に設けられた蓄熱体交換用の第一出入口と、
前記第一出入口を第二ガス通路に連通する連通路と、
を有する請求項3に記載の加熱炉。
【請求項5】
前記複数の蓄熱冷却器のうち少なくとも一つの蓄熱冷却器は、前記蓄熱体を充填するための空間の下部に連通する蓄熱体交換用の第二出入口を有する請求項3に記載の加熱炉。
【請求項6】
前記蓄熱体がボール、ハニカム又はメッシュの形態にある請求項1又は2に記載の加熱炉。
【請求項7】
前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、第一内壁に前記ガスノズルを有し、前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、第一内壁に対向する第二内壁に前記ガスノズルを有する、請求項1又は2に記載の加熱炉。
【請求項8】
以下の(1)及び(2)の一方又は両方の条件を満たす請求項7に記載の加熱炉。
(1)前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、前記第一内壁の高さの半分よりも上方に前記ガスノズルを有し、前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、前記第二内壁の高さの半分よりも下方に前記ガスノズルを有する。
(2)前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、前記第二内壁の高さの半分よりも上方に前記ガスノズルを有し、前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、前記第一内壁の高さの半分よりも下方に前記ガスノズルを有する。
【請求項9】
前記第一内壁に前記ガスノズルを有する蓄熱冷却器の数と、前記第二内壁に前記ガスノズルを有する蓄熱冷却器の数が一致する請求項7に記載の加熱炉。
【請求項10】
前記第一内壁に前記ガスノズルを有する少なくとも一つの蓄熱冷却器と、前記第二内壁に前記ガスノズルを有する少なくとも一つの蓄熱冷却器は、炉内に冷却ガスを導入するタイミングと、炉内ガスを吸引するタイミングが逆となるように構成されている請求項7に記載の加熱炉。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は加熱炉に関し、特に焼成炉に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
屋根瓦、衛生陶器、食器、及びハニカム構造体(例:フィルタ及び熱交換器)等のセラミックス製品を焼成する焼成炉には、バッチ式及び連続式の焼成炉があるが、何れもワークを加熱処理した後は、ワークを冷却する必要がある。
【0003】
ワークの冷却方法としては、炉外の空気を冷却ガスとして直接炉内に打込み、ワークと熱交換させて冷却する直接冷却する方法が一般的である(例:特許第2859987号公報、特開平4-124586号公報)。また、熱回収効率を高めたり、ヒートカーブの制御性を高めたりする目的で、直接冷却に加えて間接冷却器を用いて冷却を行う方法も知られている(例:特公平3-40317号公報、特開2020-29988号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第2859987号公報
特開平4-124586号公報
特公平3-40317号公報
特開2020-29988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ワークの仕様に応じて、所望の加熱処理をワークに対して行うための最適なヒートカーブが存在する。そのため、加熱炉は、そのような最適なヒートカーブが得られるように運転条件が設定されるのが通常である。ワークを冷却するために、上述したような直接冷却及び間接冷却が知られているが、以下のような課題が残っている。
【0006】
直接冷却の場合、所望のヒートカーブを得るのに必要な量の冷却ガスが炉内に供給されるが、炉内に供給する冷却ガスの温度を細かく制御することは難しい。このため、炉内に供給する冷却ガスの温度と炉内ガス温度に大きな乖離が生じることが多い。特に、直接冷却では、冷却ガスの供給口に近い位置を通過するワークの表面が急激に冷却されてクラックが発生する事象が生じやすい。また、直接冷却の場合、特に連続式の加熱炉においては、冷却ガス量を変動させると冷却帯の炉圧にも変動が生じやすく、炉内のガス流れに狂いが生じるおそれがある。
【0007】
また、間接冷却は直接冷却に比べて冷却能力が乏しいため、単独では炉内のヒートカーブを制御することが難しいという問題がある。また、間接冷却は炉内ガスに対する撹拌能力がないことから炉内ガス温度に分布が生じやすい。特に、連続式の加熱炉の場合においては、ワークの進行方向に垂直な断面において炉内ガス温度に分布が生じやすい。このため、間接冷却器に近いワークと間接冷却器から遠いワークの間で冷却速度に差が生じやすい。間接冷却器から遠いワークの冷却速度を適正化しようとすると間接冷却器に近いワークが過度に冷却され、更にはクラックも発生するおそれが生じる。一方で、間接冷却器に近いワークの冷却速度を適正化しようとすると間接冷却器から遠いワークの抜熱不足が生じやすくなる。
【0008】
このように、従来の直接冷却及び間接冷却の何れの方法においても、冷却時のワークのクラック抑制、及び、炉内ガス温度分布の均一性(連続式の加熱炉においてはワークの進行方向に垂直な断面の炉内ガス温度分布の均一性を意味する。)という観点では課題がある。本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、一実施形態において、冷却時にワークにクラックが生じるリスクを低減することができ、且つ、冷却時の炉内ガス温度分布の均一性向上に寄与することができる加熱炉を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討したところ、所定の構造を有する蓄熱冷却器を使用することで、冷却時に炉内ガス温度と乖離が少ない冷却ガスを炉内に供給可能であることを見出した。本発明は当該知見を基礎として完成したものであり、以下に例示される。
【0010】
[1]
炉内に冷却ガスを導入可能であると共に、炉内ガスを吸引可能な複数の蓄熱冷却器を備えており、
前記複数の蓄熱冷却器はそれぞれ、炉内と連通するガスノズルと、炉外と連通し、蓄熱冷却器への給気及び蓄熱冷却器からの排気を切り替え可能なガス配管システムに連結されているガスポートと、前記ガスノズルを前記ガスポートに連通し、蓄熱体を充填するための空間を有するガス通路と、前記蓄熱体を充填するための空間に充填されている蓄熱体とを有する、
加熱炉。
[2]
前記加熱炉は、入口、加熱帯、冷却帯及び出口を順に備え、少なくとも一つのワークを入口から出口に向かって炉内で搬送しながら加熱処理するための連続式加熱炉であって、
冷却帯に前記複数の蓄熱冷却器を備えている
[1]に記載の加熱炉。
[3]
前記複数の蓄熱冷却器のうち少なくとも一つの蓄熱冷却器は、蓄熱体交換用の少なくとも一つの出入口を有する[1]又は[2]に記載の加熱炉。
[4]
前記複数の蓄熱冷却器のうち少なくとも一つの蓄熱冷却器は、
前記ガスノズルから水平方向に延びる第一ガス通路と、第一ガス通路よりも下方に位置する前記蓄熱体を充填するための空間を第一ガス通路に連通する第二ガス通路とを有する前記ガス通路と、
第二ガス通路の上方に設けられた蓄熱体交換用の第一出入口と、
前記第一出入口を第二ガス通路に連通する連通路と、
を有する[3]に記載の加熱炉。
[5]
前記複数の蓄熱冷却器のうち少なくとも一つの蓄熱冷却器は、前記蓄熱体を充填するための空間の下部に連通する蓄熱体交換用の第二出入口を有する[3]又は[4]に記載の加熱炉。
[6]
前記蓄熱体がボール、ハニカム又はメッシュの形態にある[1]~[5]の何れか一項に記載の加熱炉。
[7]
前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、第一内壁に前記ガスノズルを有し、前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、第一内壁に対向する第二内壁に前記ガスノズルを有する、[1]~[6]の何れか一項に記載の加熱炉。
[8]
以下の(1)及び(2)の一方又は両方の条件を満たす[7]に記載の加熱炉。
(1)前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、前記第一内壁の高さの半分よりも上方に前記ガスノズルを有し、前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、前記第二内壁の高さの半分よりも下方に前記ガスノズルを有する。
(2)前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、前記第二内壁の高さの半分よりも上方に前記ガスノズルを有し、前記複数の蓄熱冷却器の少なくとも一つは、前記第一内壁の高さの半分よりも下方に前記ガスノズルを有する。
[9]
前記第一内壁に前記ガスノズルを有する蓄熱冷却器の数と、前記第二内壁に前記ガスノズルを有する蓄熱冷却器の数が一致する[7]又は[8]に記載の加熱炉。
[10]
前記第一内壁に前記ガスノズルを有する少なくとも一つの蓄熱冷却器と、前記第二内壁に前記ガスノズルを有する少なくとも一つの蓄熱冷却器は、炉内に冷却ガスを導入するタイミングと、炉内ガスを吸引するタイミングが逆となるように構成されている[7]~[9]の何れか一項に記載の加熱炉。
[11]
冷却帯は、前記複数の蓄熱冷却器のうち最も出口に近い蓄熱冷却器よりも、更に出口に近い側に、炉内に冷却ガスを導入可能な一つ又は複数の冷却ガス供給口を備えており、当該一つ又は複数の冷却ガス供給口はそれぞれ、前記複数の蓄熱冷却器のうち少なくとも一つの蓄熱冷却器の前記ガスポートと連通しており、当該少なくとも一つの蓄熱冷却器からの排気を冷却ガスとして当該冷却ガス供給口から炉内に導入可能に構成されている、[2]又は[2]に従属する[3]~[10]の何れか一項に記載の加熱炉。
[12]
冷却帯は、前記一つ又は複数の冷却ガス供給口のうち最も出口に近い冷却ガス供給口よりも、更に出口に近い側に、炉外と連通する一つ又は複数の炉外空気導入口を備える[11]に記載の加熱炉。
[13]
焼成炉である[1]~[12]の何れか一項に記載の加熱炉。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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