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公開番号2024062420
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-09
出願番号2024017196,2024504676
出願日2024-02-07,2023-02-27
発明の名称ガス吸着システムの運転方法
出願人日本碍子株式会社
代理人個人
主分類B01D 53/32 20060101AFI20240430BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】効率的に所定のガスを分離・回収することができるガス吸着システムおよびガス吸着システムの運転方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態によるガス吸着システムは、所定のガスを吸着および放出するように構成される電気化学素子を含むガス吸着部を、複数備える。複数のガス吸着部は、所定のガスが供給される第1吸着部と、第1吸着部を通過したガスが供給される第2吸着部とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ガス吸着システムの運転方法であって、
前記ガス吸着システムは、所定のガスを吸着および放出するように構成される電気化学素子を含むガス吸着部を、複数備え、
複数の前記ガス吸着部は、
前記所定のガスが供給される第1吸着部と、
前記第1吸着部を通過したガスが供給される第2吸着部と、
前記第2吸着部を通過したガスが供給される第3吸着部と、を含み、
前記ガス吸着システムの運転方法は、
前記第1吸着部に前記所定のガスを供給するとともに、前記第1吸着部を通過したガスを前記第2吸着部に供給して、前記第1吸着部および前記第2吸着部に前記所定のガスを吸着させる第1吸着工程と、
前記第1吸着部に対する前記所定のガスの供給を停止するとともに、前記第2吸着部に前記所定のガスを供給し、前記第2吸着部を通過したガスを前記第3吸着部に供給して、前記第2吸着部および前記第3吸着部に前記所定のガスを吸着させる第2吸着工程と、を含む、ガス吸着システムの運転方法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記第1吸着工程の終了後かつ前記第2吸着工程の終了前に、前記第1吸着部に吸着した前記所定のガスを、前記第1吸着部から放出させる第1放出工程と、
前記第2吸着部に対する前記所定のガスの供給を停止するとともに、前記第3吸着部に前記所定のガスを供給して、前記第3吸着部を通過したガスを前記第1吸着部に供給し、前記第1吸着部および前記第3吸着部に前記所定のガスを吸着させる第3吸着工程と、
をさらに含む、請求項1に記載のガス吸着システムの運転方法。
【請求項3】
前記第1吸着工程、前記第2吸着工程および前記第3吸着工程を順に繰り返し、
前記第2吸着工程の終了後かつ前記第3吸着工程の終了前に、前記第2吸着部に吸着した前記所定のガスを、前記第2吸着部から放出させる第2放出工程と、
前記第3吸着工程の終了後、かつ、繰り返された第1吸着工程の終了前に、前記第3吸着部に吸着した前記所定のガスを、前記第3吸着部から放出させる第3放出工程と、
をさらに含む、請求項2に記載のガス吸着システムの運転方法。
【請求項4】
前記電気化学素子は、
第1の活物質を含む機能電極と、
第2の活物質を含むカウンター電極と、を備える、
請求項1から3のいずれかに記載のガス吸着システム。
【請求項5】
前記所定のガスは、二酸化炭素であり、
前記第1の活物質は、アントラキノンを含み、
前記第2の活物質は、ポリビニルフェロセンを含む、
請求項4に記載のガス吸着システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス吸着システムおよびガス吸着システムの運転方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
ガス混合物から所定のガスを分離・回収する技術の開発が継続的に進められている。特に近年、地球温暖化を軽減するために二酸化炭素(CO

)排出量を抑制する必要があり、ガス混合物から二酸化炭素を分離・回収する取り組みがなされている。そのような取り組みの代表例として、二酸化炭素回収・利用・貯留(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage:CCUS)サイクルが知られている。ここで、二酸化炭素の回収に関しては、例えば、化学吸着法、物理吸着法、深冷分離法、膜分離法、電気化学的回収方法が知られている。しかし、現在、これらの技術はいずれも、二酸化炭素の回収能力が不十分であり、二酸化炭素の効率的な回収には限度があり、実用化に向けて種々の検討課題が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2018-533470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主たる目的は、効率的に所定のガスを分離・回収することができるガス吸着システムおよびガス吸着システムの運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の実施形態によるガス吸着システムは、所定のガスを吸着および放出するように構成される電気化学素子を含むガス吸着部を、複数備える。複数の前記ガス吸着部は、前記所定のガスが供給される第1吸着部と、前記第1吸着部を通過したガスが供給される第2吸着部と、を含む。
[2]上記[1]に記載のガス吸着システムにおいて、前記電気化学素子は、第1の活物質を含む機能電極と、第2の活物質を含むカウンター電極と、を備えている。
[3]上記[2]に記載のガス吸着システムにおいて、前記所定のガスは、二酸化炭素であってもよく、前記第1の活物質は、アントラキノンを含んでいてもよく、前記第2の活物質は、ポリビニルフェロセンを含んでいてもよい。
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載のガス吸着システムにおいて、複数の前記ガス吸着部は、前記第2吸着部を通過したガスが供給される第3吸着部をさらに含んでいてもよい。
[5]本発明の実施形態によるガス吸着システムの運転方法は、上記したガス吸着システムの運転方法であって、前記第1吸着部に前記所定のガスを供給するとともに、前記第1吸着部を通過したガスを前記第2吸着部に供給して、前記第1吸着部および前記第2吸着部に前記所定のガスを吸着させる第1吸着工程と、前記第1吸着部に対する前記所定のガスの供給を停止するとともに、前記第2吸着部に前記所定のガスを供給し、前記第2吸着部を通過したガスを前記第3吸着部に供給して、前記第2吸着部および前記第3吸着部に前記所定のガスを吸着させる第2吸着工程と、を含む。
[6]上記[5]に記載のガス吸着システムの運転方法は、前記第1吸着工程の終了後かつ前記第2吸着工程の終了前に、前記第1吸着部に吸着した前記所定のガスを、前記第1吸着部から放出させる第1放出工程と、前記第2吸着部に対する前記所定のガスの供給を停止するとともに、前記第3吸着部に前記所定のガスを供給して、前記第3吸着部を通過したガスを前記第1吸着部に供給し、前記第1吸着部および前記第3吸着部に前記所定のガスを吸着させる第3吸着工程と、をさらに含んでいてもよい。
[7]上記[6]に記載のガス吸着システムの運転方法は、前記第1吸着工程、前記第2吸着工程および前記第3吸着工程を順に繰り返し、前記第2吸着工程の終了後かつ前記第3吸着工程の終了前に、前記第2吸着部に吸着した前記所定のガスを、前記第2吸着部から放出させる第2放出工程と、前記第3吸着工程の終了後、かつ、繰り返された第1吸着工程の終了前に、前記第3吸着部に吸着した前記所定のガスを、前記第3吸着部から放出させる第3放出工程とをさらに含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、効率的に所定のガスを分離・回収することができるガス吸着システムおよびガス吸着システムの運転方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態によるガス吸着システムの概略構成図である。
図1のガス吸着システムが備える電気化学素子の概略斜視図である。
図2の電気化学素子のセルが延びる方向に平行な方向の概略断面図である。
図2および図3の電気化学素子のセルが延びる方向に直交する方向の要部拡大概略断面図である。
本発明の別の実施形態に係る電気化学素子のセルが延びる方向に直交する方向の要部拡大概略断面図である。
本発明のさらに別の実施形態に係る電気化学素子のセルが延びる方向に直交する方向の要部拡大概略断面図である。
本発明のさらに別の実施形態に係る電気化学素子のセルが延びる方向に直交する方向の要部拡大概略断面図である。
本発明のさらに別の実施形態に係る電気化学素子のセルが延びる方向に直交する方向の要部拡大概略断面図である。
本発明の1つの実施形態のガス吸着システムの運転方法を説明する工程フロー図である。
図9の第1吸着工程を説明する工程フロー図である。
図9の第2吸着工程を説明する工程フロー図である。
図9の第3吸着工程を説明する工程フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
A.ガス吸着システムの全体構成
本発明の実施形態によるガス吸着システムは、電気化学的プロセスにより所定のガス(例えば、二酸化炭素)を吸着および放出するように構成される電気化学素子を用いて、ガス混合物から所定のガス(例えば、二酸化炭素)を分離・回収するものである。
【0010】
図1は、本発明の1つの実施形態によるガス吸着システムの概略構成図である。図示例のガス吸着システム110は、ガス吸着部の一例としての吸着塔11を複数備える。
吸着塔11は、所定のガス(例えば、二酸化炭素)を吸着および放出するように構成される電気化学素子を含む。複数の吸着塔11は、第1吸着部の一例としての第1吸着塔11aと、第2吸着部の一例としての第2吸着塔11bとを含む。第1吸着塔11aには、所定のガス(例えば、二酸化炭素)が供給される。第2吸着塔11bは、第1吸着塔11aを通過したガスが供給される。このような構成によれば、所定のガスを第1吸着塔11aおよび第2吸着塔11bに順に吸着させることができ、所定のガスが第1吸着塔11aからスリップしても、第1吸着塔11aからスリップした所定のガスを第2吸着塔11bに吸着させることができる。例えば、1つの吸着塔11によってガス混合物から所定のガスを分離・回収する場合、吸着塔11のガス吸着領域におけるガス混合物の通過方向の下流端部に所定のガスの吸着に必要な距離(助走区間)を設けて、吸着塔11から所定のガスがスリップすることを抑制する必要がある。助走区間は、通常の吸着工程では、所定のガスの吸着に利用されないマージン領域である。これに対して、上記のような構成であれば、所定のガスが第1吸着塔11aからスリップしても、第2吸着塔11bが所定のガスを吸着できるので、第1吸着塔11aのガス吸着領域における助走区間を短くでき、第1吸着塔11aのガス吸着容量を効率的に利用できる。また、第1吸着塔11aのガス吸着領域に助走区間を設けることなく、第1吸着塔11aのガス吸着容量を全て使い切ることもできる。その結果、ガス混合物から所定のガスを効率的に分離・回収することができ、かつ、所定のガスがガス吸着システム110からスリップすることを抑制でき得る。例えば、工場や火力発電所の排ガスは10%程度の二酸化炭素を含むところ、そのような排ガスと同様の構成のガス混合物を、本発明の1つの実施形態によるガス吸着システムにより、吸着塔11を通過したガス混合物における二酸化炭素濃度を0.1%以下まで低減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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