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公開番号2024062098
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-09
出願番号2022169878
出願日2022-10-24
発明の名称ガスセンサ
出願人日本碍子株式会社
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類G01N 27/416 20060101AFI20240430BHJP(測定;試験)
要約【課題】第1ポンプセルを用いて行われる処理と第2ポンプセルを用いて行われる処理とを共に精度良く行う。
【解決手段】ガスセンサ100は、センサ素子101と、第1,第2インピーダンス測定部47a,47bと、制御装置とを備える。センサ素子101は、素子本体と、内側ポンプ電極22を有する主ポンプセル21と、測定電極44を有する測定用ポンプセル41と、ヒータ72と、を有する。第1インピーダンス測定部47aは、内側ポンプ電極22に電圧を印加して第1インピーダンスR1を測定する。第2インピーダンス測定部47bは、測定電極44に電圧を印加して第2インピーダンスR2を測定する。制御装置は、第1インピーダンスR1が目標値R1*になるようにヒータ72を制御する。制御装置は、第2インピーダンスR2に基づいて、測定用ポンプセル41のポンプ電流Ip2を補正するか又はポンプ電流Ip2に基づいて導出される値を補正する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被測定ガス中の特定ガスの濃度である特定ガス濃度を検出するガスセンサであって、
酸素イオン伝導性の固体電解質層を有し、前記被測定ガスを導入して流通させる被測定ガス流通部が内部に設けられた素子本体と、
前記被測定ガス流通部に配設された第1内側電極を有し、酸素のポンピングを行う第1ポンプセルと、
前記被測定ガス流通部に配設された第2内側電極を有し、酸素のポンピングを行う第2ポンプセルと、
前記素子本体を加熱するヒータと、
前記第1内側電極に電圧を印加して第1インピーダンスを測定する第1インピーダンス測定部と、
前記第2内側電極に電圧を印加して第2インピーダンスを測定する第2インピーダンス測定部と、
前記第1インピーダンスが目標値になるように前記ヒータを制御するヒータ制御処理と、前記第2インピーダンスに基づいて、前記第2ポンプセルを流れる第2ポンプ電流を補正するか又は前記第2ポンプ電流に基づいて導出される値を補正する補正処理と、を行う制御装置と、
を備えたガスセンサ。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載のガスセンサであって、
前記特定ガス濃度の検出の基準となる基準ガスと接触するように前記素子本体の内部に配設された基準電極と、
前記第1ポンプセルを有し、前記被測定ガス流通部のうちの酸素濃度調整室の酸素濃度を調整する調整用ポンプセルと、
を備え、
前記第1内側電極は、前記酸素濃度調整室に配設され、
前記第2内側電極は、前記被測定ガス流通部のうちの前記酸素濃度調整室よりも下流に設けられた測定室に配設された内側測定電極であり、
前記第2ポンプセルは、前記測定室から前記特定ガスに由来する酸素を汲み出す測定用ポンプセルであり、
前記制御装置は、前記酸素濃度調整室の酸素濃度が目標濃度となるように前記調整用ポンプセルを制御する調整用ポンプ制御処理と、前記調整用ポンプ制御処理によって前記第1ポンプセルに流れる第1ポンプ電流に基づいて前記被測定ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出処理と、前記基準電極と前記内側測定電極との間の電圧が目標値になるように前記測定用ポンプセルに印加される制御電圧をフィードバック制御する測定用ポンプ制御処理と、前記測定用ポンプ制御処理によって前記測定用ポンプセルに流れる前記第2ポンプ電流である測定用ポンプ電流に基づいて前記被測定ガス中の前記特定ガス濃度を検出する特定ガス濃度検出処理と、を行い、
前記制御装置は、前記補正処理において、前記第2インピーダンスに基づいて、前記特定ガス濃度検出処理における前記測定用ポンプ電流を補正するか又は前記特定ガス濃度を補正する、
ガスセンサ。
【請求項3】
前記酸素濃度調整室は、前記第1内側電極が配設された第1内部空所と、前記被測定ガス流通部のうち前記第1内部空所よりも下流且つ前記測定室よりも上流に設けられた第2内部空所と、を有し、
前記調整用ポンプセルは、前記第1ポンプセルである主ポンプセルと、前記第2内部空所に配設された補助ポンプ電極を有し酸素のポンピングを行う補助ポンプセルと、を有し、
前記調整用ポンプ制御処理は、前記主ポンプセルを制御して前記第1内部空所の酸素濃度を調整する主ポンプ制御処理と、前記補助ポンプセルを制御して前記第2内部空所の酸素濃度を調整する補助ポンプ制御処理と、を含む、
請求項2に記載のガスセンサ。
【請求項4】
前記第1インピーダンス測定部は、前記第1内側電極に1kHz以上の周波数の前記電圧を印加して前記第1インピーダンスを測定し、
前記第2インピーダンス測定部は、前記第2内側電極に1kHz以上の周波数の前記電圧を印加して前記第2インピーダンスを測定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のガスセンサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排気ガスなどの被測定ガスにおけるNOxなどの特定ガス濃度を検出するガスセンサが知られている。例えば、特許文献1には、酸素イオン伝導性の固体電解質層を含み被測定ガスを導入して流通させる被測定ガス流通部が内部に設けられた素子本体と、被測定ガス流通部のうちの酸素濃度調整室の酸素濃度を調整する調整用ポンプセルと、被測定ガス流通部のうち酸素濃度調整室の下流側に設けられた測定室に配設された測定電極を有する測定用ポンプセルと、基準電極と、を有するセンサ素子を備えたガスセンサが記載されている。このガスセンサでNOxの濃度を検出する場合、まず、調整用ポンプセルによって酸素濃度調整室の酸素濃度が調整され、酸素濃度が調整された後の被測定ガスが測定室に到達する。測定室では、被測定ガス中のNOxが、測定電極の周囲で還元される。そして、測定電極と基準電極との間に生じる電圧V2が所定の目標値となるように測定用ポンプセルをフィードバック制御して測定電極の周囲の酸素を汲み出す。このときに流れるポンプ電流Ip2に基づいて、被測定ガス中のNOxの濃度が検出される。
【0003】
また、ヒータによりガスセンサの素子温度を制御するにあたり、セルの抵抗値を測定することが知られている。例えば特許文献2には、酸素濃度測定セルの2本のリード線の間の抵抗値を測定し、測定された抵抗値が素子温度740℃に対応する80Ωとなるようにヒータパターンへの通電状態を制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-091669号公報
特許第3340110号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ガスセンサのセンサ素子が少なくとも2つのポンプセルを備える場合、一方のポンプセルについて測定されたインピーダンスに基づいてヒータを制御すると、他方のポンプセルの温度も変化してインピーダンスが変化する。そのため、2つのポンプセルのインピーダンスを共に目標値に制御することができない場合があった。これにより、他方のポンプセルのインピーダンスの変化に起因して、他方のポンプセルに基づく処理の精度、例えばガスセンサの制御の精度又は特定ガス濃度の検出の精度が低下する場合があった。特許文献2のガスセンサでは、酸素濃度測定セルの抵抗値に基づいてヒータを制御する場合における、他のセルの温度やインピーダンスの変化については考慮されていなかった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、第1ポンプセルを用いて行われる処理と第2ポンプセルを用いて行われる処理とを共に精度良く行うことを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
[1]本発明のガスセンサは、
被測定ガス中の特定ガスの濃度である特定ガス濃度を検出するガスセンサであって、
酸素イオン伝導性の固体電解質層を有し、前記被測定ガスを導入して流通させる被測定ガス流通部が内部に設けられた素子本体と、
前記被測定ガス流通部に配設された第1内側電極を有し、酸素のポンピングを行う第1ポンプセルと、
前記被測定ガス流通部に配設された第2内側電極を有し、酸素のポンピングを行う第2ポンプセルと、
前記素子本体を加熱するヒータと、
前記第1内側電極に電圧を印加して第1インピーダンスを測定する第1インピーダンス測定部と、
前記第2内側電極に電圧を印加して第2インピーダンスを測定する第2インピーダンス測定部と、
前記第1インピーダンスが目標値になるように前記ヒータを制御するヒータ制御処理と、前記第2インピーダンスに基づいて、前記第2ポンプセルを流れる第2ポンプ電流を補正するか又は前記第2ポンプ電流に基づいて導出される値を補正する補正処理と、を行う制御装置と、
を備えたものである。
【0009】
このガスセンサでは、第1ポンプセルについて第1インピーダンスが測定され、第1インピーダンスが目標値になるようにヒータが制御されるため、第1ポンプセルについては第1インピーダンスを目標値付近に保つことができる。したがって第1ポンプセルを用いて行われる処理を精度良く行うことができる。一方で、このようなヒータ制御処理を行っても第2ポンプセルの第2インピーダンスは所望の値になるとは限らない。しかし、このガスセンサでは、第2ポンプセルについて第2インピーダンスが測定され、第2インピーダンスに基づく補正処理が行われる。そのため、第2ポンプセルを用いて行われる処理、特に第2ポンプ電流に基づく処理を、精度良く行うことができる。以上のことから、このガスセンサでは、第1ポンプセルを用いて行われる処理と第2ポンプセルを用いて行われる処理とを共に精度良く行うことができる。ここで、「酸素のポンピングを行う」とは、被測定ガス流通部から酸素を汲み出す場合と、被測定ガス流通部に酸素を汲み入れる場合と、を含む。第1ポンプセル及び第2ポンプセルは、それぞれ、このような酸素の汲み入れと酸素の汲み出しとの少なくとも一方を行うセルであればよい。
【0010】
この場合において、前記第1ポンプセルは、前記第1内側電極と、前記素子本体の外側の前記被測定ガスに晒される部分に配設された第1外側電極と、前記素子本体のうち前記第1内側電極と前記第1外側電極との間の電流の経路となる固体電解質と、を含んで構成されていてもよい。また、前記第2ポンプセルは、前記第2内側電極と、前記素子本体の外側の前記被測定ガスに晒される部分に配設された第2外側電極と、前記素子本体のうち前記第2内側電極と前記第2外側電極との間の電流の経路となる固体電解質と、を含んで構成されていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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