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公開番号2024076303
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-05
出願番号2022187827
出願日2022-11-24
発明の名称光学式エンコーダ
出願人株式会社ミツトヨ
代理人個人
主分類G01D 5/347 20060101AFI20240529BHJP(測定;試験)
要約【課題】アパーチャ等の光学素子により生じ得る不要光の影響を低減できる光学式エンコーダの提供。
【解決手段】本発明の光学式エンコーダ1は、測定方向に沿って所定の周期で配置されるスケール格子40を有するスケール4と、光を照射する光源2と、スケール4を介した光を受光する受光手段6と、を備える。また、光学式エンコーダ1は、光源2から照射される光の形状であるビーム形状を整形する遮蔽板3(ビーム形状整形素子)を備える。遮蔽板3は、光源2とスケール4との間に配置され、光源2から照射される光の形状であるビーム形状B1を整形し、スケール4を介して受光手段6に照射される光源2からの光のビーム形状B1の輪郭B2における測定方向に延びる部分である長尺輪郭部が、受光手段6の輪郭R1における測定方向に延びる部分である長尺辺部の形状と相関がない形状となるように、ビーム形状B1を規定することを特徴とする。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
測定方向に沿って所定の周期で配置されるスケール格子を有するスケールと、前記スケールに向かって光を照射する光源と、測定方向に沿って所定の周期で配置される複数の受光素子を有し前記スケールを介した光を受光する受光領域を有する受光手段と、を備える光学式エンコーダであって、
前記光源から照射される光の形状であるビーム形状を整形するビーム形状整形素子を備え、
前記ビーム形状整形素子は、
前記光源と前記スケールとの間に配置され、
前記スケールを介して前記受光手段に照射される前記光源からの光の前記ビーム形状の輪郭における前記測定方向に延びる部分である長尺輪郭部が、前記受光領域の輪郭における前記測定方向に延びる部分である長尺辺部の形状と相関がない形状となるように、前記ビーム形状を規定することを特徴とする光学式エンコーダ。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記長尺辺部の形状は、直線であることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
【請求項3】
前記ビーム形状整形素子は、
所定の形状のエッジを有するビーム形状整形部を備え、
前記長尺輪郭部を規定する前記ビーム形状整形部の前記エッジの形状は、
共通の半径を有する複数の円弧を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダ。
【請求項4】
前記ビーム形状の輪郭における前記測定方向と直行する方向に延びる部分である短尺輪郭部を規定する前記ビーム形状整形部の前記エッジの形状は、
前記半径を有する円弧からなることを特徴とする請求項3に記載の光学式エンコーダ。
【請求項5】
所定の周期で配置される格子を有するインデックス格子を前記スケールと前記受光手段との間に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダ。
【請求項6】
前記スケールを介した光を集め、前記受光手段上に結像するレンズを前記スケールと前記受光手段との間に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダ。
【請求項7】
前記光源から照射される光は、
レーザ光であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドとスケールとの相対的な変位を測定する光学式エンコーダに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、変位に対応した干渉縞の位相変化を検出する方式の光学式エンコーダが実現されている(例えば特許文献1を参照)。
図8は、このような方式の光学式エンコーダ100の構成の従来例を示す概略図である。
図8に示すように、光源200から発したレーザ光が、コリメートレンズL0によって平行光化される。その後、光路に挿入されたビーム形状整形素子であるアパーチャ300によって光ビームのサイズおよび形状が制限され、ミラーMでの反射を経てスケール400に入射する。スケール400に入射した光ビームは、2本の回折光ビームに分岐され、それぞれがインデックス格子500に入射する。インデックス格子500によって、2本の光ビームは再度回折し、2本のビームが交差する方向に向きを変える。そして、2本のビームが重なり合った空間に干渉縞が形成される。干渉縞が形成される位置に受光素子700の素子列710を備える受光手段600が配置される(図9参照)。光源200、アパーチャ300、ミラーM、インデックス格子500、および受光手段600は、ヘッド101に設けられる。ヘッド101は、これらの構成をスケール400に対して一体で進退可能とする。光学式エンコーダ100では、ヘッド101とスケール400との相対位置の変化に伴う干渉縞の位相変化を素子列710(図9参照)によって検出し、変位量を求める。
【0003】
図9は、従来の受光手段600を示す図である。具体的には、図9は、受光手段600を、当該受光手段600に照射される光ビームの光干渉パターンpとともに示している。受光手段600は、複数の素子列710を備える。各素子列710は、干渉縞の周期に等しいピッチで測定方向に沿って並設された複数の受光素子700を備える。複数の素子列710は、受光手段600の受光面において測定方向(X方向)と直交する方向である直交方向(Y方向)に並べて配置されている。また、複数の素子列710は、測定方向(X方向)に沿ってずらして配置されている。具体的には、受光手段600は、A相信号を検出するA相素子列711と、B相信号を検出するB相素子列712と、AB相信号を検出するAB相素子列713と、BB相信号を検出するBB相素子列714と、を有し4相信号を検出する。A相素子列711を基準にすると、B相素子列712は90°、AB相素子列713は180°、BB相素子列714は270°の位相差となるように、測定方向(X方向)にずらして配置される。このような4相分の素子列710の組(以下、素子列群という)を、直交方向に複数組並べることで、受光手段600に照射されるビーム内で光強度のばらつきがあっても、複数組の素子列群で受光強度の平均化をすることにより各相の信号強度のばらつきを緩和している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-32530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように構成される光学式エンコーダ100において、高次回折光や意図せぬ光路を経た迷光等の不要な光が受光手段600の受光面610に照射されることがある。アパーチャ300(図8参照)は、遮蔽板に開口が設けられたビーム形状整形素子であり、このような不要な光の照射を防ぐべく、光ビームのサイズ・形状をできるだけ小さくなるように制限している。すなわち、光ビームの必要最小限の形状・サイズは、受光手段600における受光領域620(受光素子700が形成されている領域)と同じ形状・サイズであるが、実際の光ビームの形状・サイズは、この最小限の形状・サイズに、光学式エンコーダ100の組み立て、加工の精度上必要なマージン、遮蔽板に設ける開口の加工工程の制約で必要な余白を加えた形状・サイズとされる。
【0006】
図10(A)は、従来のアパーチャ300を示す概略図である。例えば、アパーチャ300は、図10(A)に示すように、長穴(長方形の短辺を半円弧で置き換えた形状の貫通孔)形状の開口310を有する。このようなアパーチャ300で制限された光は、開口310と略等しい形状の光ビームとなり、スケール400等(図8参照)を経て受光手段600に照射される。このとき、光ビームは、中央部の長方形の領域が、受光手段600における受光領域620を覆うように受光手段600に照射される。
【0007】
受光手段600に照射される光ビームは、変位量を求めるのに必要な回折格子による干渉縞を除いて、その内部での光強度が、略均一であることが望ましい。しかし、光源200(図8参照)からの光がアパーチャ300を通過する際、開口310の縁(エッジ)320で回折現象が起き、受光手段600の受光面610において、不要、かつ規則的な光干渉パターンが形成されてしまうことがある。
【0008】
図10(B)は、従来の開口310のエッジ320での回折に伴って生じた光干渉パターンpの一例を示す図である。図10(B)に示すように、光干渉パターンpでは、光ビームの輪郭と略平行に、交互に明暗のパターンが形成される。受光領域620をカバーするようできるだけ小さく光ビームを制限した場合、光ビームの輪郭における測定方向に沿った部分が、受光領域620の輪郭における測定方向に延びる部分の形状と相関のある形状となる(本例の場合どちらも直線状)。すると、図9に示されているように、光干渉パターンpによる明暗の分布が素子列710と重なり、例えば、A相素子列711やB相素子列712には、光干渉パターンpの明部が照射される一方、AB相素子列713やBB相素子列714には光干渉パターンpの暗部が照射されるといったように、素子列間で受光強度に大きな差が生じ得る。
【0009】
このような素子列間の受光強度の大きな差は、素子列群を複数組設ける平均化の手法では十分に相殺することができず、A相信号(0°)とAB相信号(180°)、B相信号(90°)とBB相信号(270°)の組み合わせで差動信号(差動A相信号と差動B相信号)を求めたときに、差動信号にDCオフセットが生じたり、振幅に差異が生じたりする。DCオフセットがあると、差動A相信号と差動B相信号で描かれるリサージュ波形の中心位置が原点からずれる。また、振幅に差異があると、リサージュ波形の形状(理想的には円)が変形(楕円化)したり縮小したりする。これらは測定精度を悪化させる要因となる。
【0010】
また、上記の構成において、図8に示すように、スケール400とヘッド101との間隔や、スケール400に対するヘッド101の姿勢(相対的な角度)などのミスアライメントがある場合、受光手段600に対して光干渉パターンp(図10参照)の位置が変化することがある。これにより、各素子列710に照射される光の平均光量が変動し、これに伴い、検出される信号も変動して誤差が生じ、測定精度が低下するという問題もある。
(【0011】以降は省略されています)

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