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公開番号2024058337
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165627
出願日2022-10-14
発明の名称熱発生部材および熱取り出しシステム
出願人日本碍子株式会社
代理人個人
主分類H05B 3/72 20060101AFI20240418BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】水素吸蔵金属部を円滑に加熱でき、温度コントロール性の向上を図ることができる熱発生部材および熱取り出しシステムを提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による熱発生部材は、セラミックス基体と、抵抗発熱体と、水素吸蔵金属部と、を備えている。抵抗発熱体は、セラミックス基体に埋設されている。水素吸蔵金属部は、水素を吸蔵および放出可能で水素の拡散により熱を発生可能である。水素吸蔵金属部は、セラミックス基体の表面の少なくとも一部に配置されている。セラミックス基体は、水素吸蔵金属部において発生した熱を作動流体に伝達可能である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セラミックス基体と、
前記セラミックス基体に埋設される抵抗発熱体と、
前記セラミックス基体の表面の少なくとも一部に配置され、水素を吸蔵および放出可能で水素の拡散により熱を発生可能な水素吸蔵金属部と、を備え、
前記セラミックス基体は、前記水素吸蔵金属部において発生した熱を作動流体に伝達可能である、熱発生部材。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記水素吸蔵金属部は、
前記セラミックス基体の表面の少なくとも一部に配置されている母金属層であって、水素を吸蔵および放出可能な母金属層と、
前記母金属層上に配置されている多層膜であって、第1金属層と前記第1金属層に積層される第2金属層とを備える多層膜と、を備える、請求項1に記載の熱発生部材。
【請求項3】
前記母金属層および前記第2金属層のそれぞれは、Niから構成され、
前記第1金属層は、Cuから構成されている、請求項2に記載の熱発生部材。
【請求項4】
前記セラミックス基体は、絶縁性セラミックス材料から構成されている、請求項1に記載の熱発生部材。
【請求項5】
前記絶縁性セラミックス材料は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、または、これらの複合材料を含む、請求項4に記載の熱発生部材。
【請求項6】
前記セラミックス基体を収容する筐体をさらに備え、
前記セラミックス基体は、
平板形状を有し、
前記筐体の内面と接触して、前記筐体の内部空間を、作動流体が流通可能な第1流路と、水素含有ガスが流通可能な第2流路であって前記水素吸蔵金属部が面する第2流路と、に仕切っている、請求項4に記載の熱発生部材。
【請求項7】
前記筐体は、オーステナイト系ステンレス鋼から構成され、
前記セラミックス基体は、酸化ジルコニウムから構成されている、請求項6に記載の熱発生部材。
【請求項8】
前記セラミックス基体は、円筒形状を有し、
前記セラミックス基体の内部空間が、作動流体が流通可能な第1流路として機能し、
前記水素吸蔵金属部は、前記セラミックス基体の外周面の少なくとも一部に配置されている、請求項1に記載の熱発生部材。
【請求項9】
前記セラミックス基体は、作動流体の通過方向と直交する方向に延びる仮想線であって前記セラミックス基体の中心を通る仮想線に対して、前記通過方向の上流側に位置する上流部分と、前記通過方向の下流側に位置する下流部分と、を有し、
前記上流部分における前記抵抗発熱体の配置密度は、前記下流部分における前記抵抗発熱体の配置密度よりも大きい、請求項1に記載の熱発生部材。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の熱発生部材と;
前記抵抗発熱体に電圧を印加可能な電圧印加手段と;
前記水素吸蔵金属部において発生した熱が伝達された作動流体の温度、または、前記セラミックス基体の温度を測定する温度検知センサーと;
前記温度検知センサーの検知結果に基づいて、前記電圧印加手段を制御して、前記抵抗発熱体の温度を調整する制御部と;を備える、熱取り出しシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱発生部材および熱取り出しシステムに関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷低減の観点から、二酸化炭素などの温室効果ガスを発生しないクリーンなエネルギー源が望まれている。そのようなエネルギー源として、例えば、中空の筒体と、筒体の外面に設けられる発熱体と、筒体の内面により形成される流路と、を備える発熱装置が提案されている(特許文献1参照)。このような発熱装置では、発熱体に水素系ガスを供給して水素を吸蔵させた後、加熱された流体を流路に供給して発熱体を所定温度以上に加熱し、吸蔵されている水素を放出させて量子拡散させることで、流体の温度以上の過剰熱が発生する。過剰熱は、筒体を介して流路を流れる流体を加熱する。これによって、熱エネルギーが回収される。しかし、特許文献1に記載の発熱装置では、加熱された流体から筒体を介して発熱体に熱を伝達して、発熱体を所定温度まで加熱して、発熱体における水素拡散を開始するので、発熱体の昇温に要する時間の短縮が困難であり、かつ、熱発生時の温度コントロール性が不十分であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2021/100784号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主たる目的は、水素吸蔵金属部を円滑に加熱でき、温度コントロール性の向上を図ることができる熱発生部材および熱取り出しシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の実施形態による熱発生部材は、セラミックス基体と、抵抗発熱体と、水素吸蔵金属部と、を備えている。抵抗発熱体は、セラミックス基体に埋設されている。水素吸蔵金属部は、セラミックス基体の表面の少なくとも一部に配置されている。水素吸蔵金属部は、水素を吸蔵および放出可能で水素の拡散により熱を発生可能である。セラミックス基体は、水素吸蔵金属部において発生した熱を作動流体に伝達可能である。
[2]上記[1]に記載の熱発生部材において、上記水素吸蔵金属部は、母金属層と、多層膜と、を備えていてもよい。該母金属層は、上記セラミックス基体の表面の少なくとも一部に配置されている。該母金属層は、水素を吸蔵および放出可能である。多層膜は、母金属層上に配置されている。該多層膜は、第1金属層と、該第1金属層に積層される第2金属層とを備えている。
[3]上記[2]に記載の熱発生部材において、上記母金属層および上記第2金属層のそれぞれは、Niから構成されていてもよい。上記第1金属層は、Cuから構成されていてもよい。
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載の熱発生部材において、上記セラミックス基体は、絶縁性セラミックス材料から構成されていてもよい。
[5]上記[4]に記載の熱発生部材において、上記絶縁性セラミックス材料は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、または、これらの複合材料を含んでいてもよい。
[6]上記[1]から[5]のいずれかに記載の熱発生部材は、筐体をさらに備えてもよい。該筐体は、上記セラミックス基体を収容している。上記セラミックス基体は、平板形状を有していてもよい。上記セラミックス基体は、該筐体の内面と接触して、該筐体の内部空間を、第1流路と第2流路とに仕切っていてもよい。第1流路には、作動流体が流通可能である。第2流路には、水素含有ガスが流通可能である。上記水素吸蔵金属部は、該第2流路に面している。
[7]上記[6]に記載の熱発生部材において、上記筐体は、オーステナイト系ステンレス鋼から構成されていてもよい。上記セラミックス基体は、酸化ジルコニウムから構成されていてもよい。
[8]上記[1]から[5]のいずれかに記載の熱発生部材において、上記セラミックス基体は、円筒形状を有していてもよい。該セラミックス基体の内部空間が、作動流体が流通可能な第1流路として機能してもよい。上記水素吸蔵金属部は、該セラミックス基体の外周面の少なくとも一部に配置されていてもよい。
[9]上記[1]から[8]のいずれかに記載の熱発生部材では、上記セラミックス基体は、上流部分と、下流部分と、を有していてもよい。作動流体の通過方向と直交する方向に延びる仮想線であって上記セラミックス基体の中心を通る仮想線に対して、上流部分は通過方向の上流側に位置し、下流部分は通過方向の下流側に位置している。該上流部分における抵抗発熱体の配置密度は、該下流部分における抵抗発熱体の配置密度よりも大きくてもよい。
[10]本発明の別の局面による熱取り出しシステムは、上記[1]から[9]のいずれかに記載の熱発生部材と、電圧印加手段と、温度検知センサーと、制御部と、を備えている。該電圧印加手段は、上記抵抗発熱体に電圧を印加可能である。該温度検知センサーは、上記水素吸蔵金属部において発生した熱が伝達された作動流体の温度、または、前記セラミックス基体の温度を測定可能である。該制御部は、該温度検知センサーの検知結果に基づいて、該電圧印加手段を制御して、上記抵抗発熱体の温度を調整可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、水素吸蔵金属部を円滑に加熱でき、温度コントロール性の向上を図ることができる熱発生部材および熱取り出しシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、本発明の1つの実施形態による熱発生部材の概略構成図である。
図2は、図1に示すセラミックス基体および抵抗発熱体の概略平面図である。
図3は、セラミックス基体および抵抗発熱体の変形例の概略平面図である。
図4は、セラミックス基体および抵抗発熱体の別の変形例の概略平面図である。
図5は、本発明の別の実施形態による熱発生部材の概略構成図である。
図6は、本発明のさらに別の実施形態による熱発生部材の概略構成図である。
図7は、本発明のさらに別の実施形態による熱発生部材の概略構成図である。
図8は、本発明のさらに別の実施形態による熱発生部材の概略構成図である。
図9は、図8の熱発生部材の中央断面図である。
図10は、本発明のさらに別の実施形態による熱発生部材の概略構成図である。
図11は、図1に示す水素吸蔵金属部の概略構成図である。
図12は、水素吸蔵金属部の変形例の概略構成図である。
図13は、水素吸蔵金属部の別の変形例の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
A.熱発生部材
図1は、本発明の1つの実施形態による熱発生部材の概略構成図である。
図示例の熱発生部材100は、代表的には、25℃以上1000℃以下の温度帯における水素拡散による過剰熱の発生を利用して、熱エネルギーを発生可能である。熱発生部材100は、セラミックス基体1と、抵抗発熱体2と、水素吸蔵金属部3と、を備えている。抵抗発熱体2は、セラミックス基体1に埋設されている。抵抗発熱体2は、代表的には電圧が印加されたときに発熱可能である。水素吸蔵金属部3は、水素を吸蔵および放出可能で水素の拡散により熱を発生可能である。水素吸蔵金属部3は、セラミックス基体1の表面の少なくとも一部に配置されている。セラミックス基体1は、水素吸蔵金属部3において発生した熱を作動流体に伝達可能である。
図示例の熱発生部材によれば、セラミックス基体に埋設される抵抗発熱体は、電圧が印加されたときに発熱し、セラミックス基体を介して水素吸蔵金属部を加熱できる。そのため、作動流体からセラミックス基体を介して水素吸蔵金属部に熱を伝達して、水素吸蔵金属部を加熱する場合よりも、水素吸蔵金属部を効率よく加熱できる。その結果、水素吸蔵金属部を所望の温度(水素拡散開始温度)まで円滑に加熱でき、その昇温に要する時間(昇温時間)を短縮できる。また、水素拡散による過剰熱発生後において、抵抗発熱体により水素吸蔵金属部を所望の温度範囲に安定して調整できる。そのため、熱発生部材における温度コントロール性の向上を図ることができる。
【0010】
1つの実施形態において、熱発生部材100は、筐体4をさらに備えている。筐体4は、セラミックス基体1を収容している。図示例の筐体4は、上壁47と、下壁48と、側壁49と、を備えている。上壁47および下壁48のそれぞれは、平板形状を有している。上壁47および下壁48は、厚み方向において互いに間隔を空けて配置されている。側壁49は、上壁47と下壁48との間に配置されている。側壁49は、上壁47の周端部と下壁48の周端部とを接続している。
筐体4の材料として、例えば、金属、セラミックスが挙げられ、好ましくは金属が挙げられる。金属のなかでは、例えば、鉄、ニッケル、アルミニウムなどの純金属;炭素鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、耐熱性非鉄合金鋼などの合金;が挙げられ、耐熱性・耐圧性の観点から好ましくは合金が挙げられ、より好ましくはオーステナイト系ステンレス鋼が挙げられる。言い換えれば、筐体4は、好ましくはオーステナイト系ステンレス鋼から構成される。
(【0011】以降は省略されています)

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