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公開番号2024122863
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023216556
出願日2023-12-22
発明の名称炭素繊維シートの製造装置および製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類F27B 5/10 20060101AFI20240902BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】炭素繊維シート前駆体の熱処理時に発生する熱分解ガスによる炭素材料の部材の変質、損耗を抑制することにより、長寿命な炭素繊維シートの製造装置を提供する。
【解決手段】炭素繊維または炭素繊維化可能な有機繊維を含む炭素繊維シート前駆体を熱処理して炭素繊維シートとする高温炉を含む炭素繊維シートの製造装置であって、前記高温炉は融点2,000℃以上の無機材料で表面をコーティングした炭素材料の部材を炉の内部に含むことを特徴とする炭素繊維シートの製造装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭素繊維または炭素繊維化可能な有機繊維を含む炭素繊維シート前駆体を熱処理して炭素繊維シートとする高温炉を含む炭素繊維シートの製造装置であって、前記高温炉は融点2,000℃以上の無機材料で表面をコーティングした炭素材料の部材を炉の内部に含むことを特徴とする炭素繊維シートの製造装置。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記無機材料の融点が2,700℃以上である請求項1に記載の炭素繊維シートの製造装置。
【請求項3】
前記無機材料が炭化タンタル、炭化ニオブおよび炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1つの無機材料である請求項1に記載の炭素繊維シートの製造装置。
【請求項4】
前記部材がヒーターおよび/またはマッフルである請求項1に記載の炭素繊維シートの製造装置。
【請求項5】
前記炭素繊維シート前駆体が炭素化可能な有機物を含む請求項1に記載の炭素繊維シートの製造装置。
【請求項6】
請求項1に記載の炭素繊維シートの製造装置を用いて炭素繊維シートを製造する炭素繊維シートの製造方法。
【請求項7】
炭素繊維シート前駆体を複数枚重ねて同時に熱処理する請求項6に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項8】
炭素繊維シートを連続的に製造する請求項6に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項9】
熱処理の際に、炉幅50cmあたり、10g/min以上の熱分解ガスが炭素繊維シート前駆体から発生する請求項8に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項10】
炭素繊維シートをバッチ的に製造する請求項6に記載の炭素繊維シートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固体高分子型燃料電池、メタノール型燃料電池、リン酸型燃料電池、および水電解装置のガス拡散体として、特に固体高分子型燃料電池のガス拡散体として好ましく用いられる炭素繊維シートの製造装置および製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
固体高分子型燃料電池、メタノール型燃料電池、リン酸型燃料電池等の燃料電池において発電反応が起こる膜電極接合体を構成するガス拡散体として、また水電解装置のガス拡散体として、炭素短繊維を樹脂炭化物で結着したカーボンペーパーや炭素繊維を交絡させた炭素繊維不織布等の炭素繊維シートが好ましく用いられている。
【0003】
このような炭素繊維シートを製造する製造方法では、炭素繊維シート前駆体を高温炉で熱処理する工程を有することが一般的である。ここで、高温炉の製造コストや運転コストは炭素繊維シートの製造コストに直結するため、安価で運転コストの低い高温炉を炭素繊維シートの製造装置として使用することが望まれる。
【0004】
ただし、炭素繊維シート前駆体の熱処理を繰り返すことで高温炉を構成する部材は損耗するため、定期的な交換が必要である。炭素繊維シートの製造コストを抑えるためにも、これら部材の長寿命化が求められている。
【0005】
特許文献1では、炭素繊維シートの製造過程において、炭素繊維および樹脂を含む炭素繊維シート前駆体を高温炉で熱処理する方法が開示されており、高温炉に用いるヒーター等の部材は高温環境に耐えられ、かつ安価である黒鉛等の炭素材料で構成されることが好ましい旨の記載がある。
【0006】
特許文献2では、ヒーターの長寿命化の手段として嵩密度および外表面積を特定範囲にした黒鉛材料を用いる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-133006号公報
特開昭63-153388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1、2のように高温炉の部材に黒鉛等の炭素材料を用いた場合でも当該炭素材料の部材の変質、損耗が発生し、定期的な交換を実施するまでの期間が短くなってしまう場合がある。これは、炭素繊維シート前駆体を熱処理した時に発生する熱分解ガスによるものであることを見出した。
【0009】
本発明は、炭素繊維シート前駆体の熱処理時に発生する熱分解ガスによる当該炭素材料の部材の変質、損耗を抑制することにより、長寿命な炭素繊維シートの製造装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を達成するための本発明は、以下の通りである。
[1]炭素繊維または炭素繊維化可能な有機繊維を含む炭素繊維シート前駆体を熱処理して炭素繊維シートとする高温炉を含む炭素繊維シートの製造装置であって、前記炭素繊維シート前駆体を熱処理する高温炉は融点2,000℃以上の無機材料で表面をコーティングした炭素材料の部材を炉の内部に含むことを特徴とする炭素繊維シートの製造装置。
[2]前記無機材料の融点が2,700℃以上である[1]に記載の炭素繊維シートの製造装置。
[3]前記無機材料が炭化タンタル、炭化ニオブおよび炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1つの無機材料である[1]または[2]に記載の炭素繊維シートの製造装置。
[4]前記部材がヒーターおよび/またはマッフル板である[1]~[3]のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造装置。
[5]前記炭素繊維シート前駆体が炭素化可能な有機物を含む[1]~[4]のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造装置。
[6][1]~[5]のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造装置を用いて炭素繊維シートを製造する炭素繊維シートの製造方法。
[7]炭素繊維シート前駆体を複数枚重ねて同時に熱処理する[6]に記載の炭素繊維シートの製造方法。
[8]前記炭素繊維シートを連続的に製造する[6]または[7]に記載の炭素繊維シートの製造方法。
[9]熱処理の際に、炉幅50cmあたり、10g/min以上のガスが炭素繊維シート前駆体から発生する[8]に記載の炭素繊維シートの製造方法。
[10]前記炭素繊維シートをバッチ的に製造する[6]または[7]に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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