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公開番号2024123898
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031694
出願日2023-03-02
発明の名称坩堝スカムの除去方法
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人個人
主分類F27D 15/00 20060101AFI20240905BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】坩堝の内壁に付着したスカムを除去することによって、希土類磁石のスクラップ溶解時の坩堝の容積減少を防止するとともにスカムの付着による坩堝内壁の溶損も効果的に防止できる坩堝スカムの除去方法を提供する。
【解決手段】 希土類磁石のスクラップを溶解し出湯した後の坩堝内に炭素鋼材を装入して、不活性ガス雰囲気下で1500℃~1650℃で溶解した後、滓化剤を添加して少なくとも30分維持し、前記坩堝の内壁に付着したスカムを滓化して除去する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
希土類磁石のスクラップを溶解し出湯した後の坩堝内に炭素鋼材を装入して、不活性ガス雰囲気下で1500℃~1650℃で溶解した後、滓化剤を添加して少なくとも30分維持し、坩堝内壁に付着したスカムを滓化して除去することを特徴とする坩堝スカムの除去方法。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記滓化剤は、FeO,Al2O3,SiO2から構成されている請求項1に記載の坩堝スカムの除去方法。
【請求項3】
前記滓化剤は、FeOを15wt%~40wt%含有し、残部がAl2O3,SiO2であって、Al2O3,SiO2の配合比は、Al2O3:SiO2=1:2である請求項2に記載の坩堝スカムの除去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は希土類磁石のスクラップを溶解した際に坩堝の内壁に蓄積するスカムの除去方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
希土類磁石は小型で高性能な磁石として注目されているが、その製造工程で比較的多量のスクラップを生じるため、高価な希土類金属を回収するために上記スクラップを坩堝で誘導加熱等により溶解して再生利用することが行われている。しかし希土類金属は酸化しやすいために希土類磁石のスクラップの溶解時には希土類酸化物を主とする灰汁様のもの(スカム)が坩堝の内壁に付着して成長し、坩堝の容積が減少して溶解可能量が大きく減少したり、また上記スカムに含まれるメタル分によって誘導加熱時にこれが局部的に過熱されてスカムが付着する坩堝内壁の耐火物が溶損する等の問題を生じていた。
【0003】
そこで、特許文献1においては、溶解開始時に希土類磁石のスクラップに先立って、希土類磁石構成元素を主成分とする金属または合金(バージン原料)を溶解してタネ湯とし、これに上記スクラップを追装する方法によって、溶解開始時のスカムの過度な加熱を回避することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-31624
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の方法では、スクラップの溶解にバージン原料を必要とするという問題があるとともに、スカムの量自体は減少しないために坩堝の実質的容積が減少することが避けられないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、坩堝の内壁に付着したスカムを除去することによって、希土類磁石のスクラップ溶解時の坩堝の容積減少を防止するとともにスカムの付着による坩堝内壁の溶損も効果的に防止できる坩堝スカムの除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の坩堝スカムの除去方法は、希土類磁石のスクラップを溶解し出湯した後の坩堝内に炭素鋼材を装入して、不活性ガス雰囲気下で1500℃~1650℃で溶解した後、滓化剤を添加して少なくとも30分維持し、前記坩堝の内壁に付着したスカムを滓化して除去することを特徴とする。ここで、炭素鋼材は鉄と炭素からなる合金で、炭素含有量が0.02%~2.0%である鉄鋼材をいう。
【0008】
ここで、前記滓化剤は、FeO,Al2O3,SiO2から構成されることが好ましい。さらに、前記滓化剤は、FeOを15wt%~40wt%含有し、残部がAl2O3,SiO2であって、かつAl2O3, SiO2の配合比を、Al2O3:SiO2=1:2とするのが良い。
【0009】
FeOを使用したのは、滓化剤の融点および粘性を低下させてスカムの滓化速度を向上させる効果を有することと、スカム中の希土類成分に対して酸化剤として作用して滓化物中に希土類酸化物を容易に濃縮し回収することができることによる。この効果を十分得るためにはFeOを15wt%以上含有させるのが好ましい。一方、FeOを40wt%以上含有させると、溶湯中のCと反応してボイリングを生じさせ操業性が低下するおそれがある。
【0010】
Al2O3、SiO2は酸化物を低融点化するのに効果があり、その含有比をAl2O3:SiO2=1:2としたのは上記温度範囲1500℃~1650℃で酸化物を広い組成範囲で速やかに溶融できるからである。
(【0011】以降は省略されています)

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