TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024126626
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023035141
出願日2023-03-08
発明の名称熱処理炉
出願人サンファーネス株式会社
代理人個人
主分類F27B 9/30 20060101AFI20240912BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】炉内に生じる油煙をエネルギー効率よく分離除去できる熱処理炉を提供する。
【解決手段】ワークを加熱する加熱室と、上記加熱室に対してワークの搬入および搬出を行う搬入搬出手段と、上記加熱室の雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス導入手段と、上記ワークに付着した油分から生じた油煙が混入した雰囲気ガスを上記加熱室から排出し、油分分離手段により上記油煙に基づく油分を分離し、その油分が分離された雰囲気ガスを再び上記加熱室に戻す循環路と、上記循環路において、上記油分分離手段の上流で上記油煙が混入した雰囲気ガスを予冷する予冷用熱交換器とを備え、上記予冷用熱交換器は、上記加熱室から排出された油煙が混入した雰囲気ガスと、上記油分分離手段で油分が分離されて上記加熱室に戻す雰囲気ガスとを熱交換することにより、上記油煙が混入した雰囲気ガスを予冷するとともに、上記加熱室に戻す雰囲気ガスの予熱を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ワークを加熱する加熱室と、
上記加熱室に対してワークの搬入および搬出を行う搬入搬出手段と、
上記加熱室の雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス導入手段と、
上記ワークに付着した油分から生じた油煙が混入した雰囲気ガスを上記加熱室から排出し、油分分離手段により上記油煙に基づく油分を分離し、その油分が分離された雰囲気ガスを再び上記加熱室に戻す循環路と、
上記循環路において、上記油分分離手段の上流で上記油煙が混入した雰囲気ガスを予冷する予冷用熱交換器とを備え、
上記予冷用熱交換器は、上記加熱室から排出された油煙が混入した雰囲気ガスと、上記油分分離手段で油分が分離されて上記加熱室に戻す雰囲気ガスとを熱交換することにより、上記油煙が混入した雰囲気ガスを予冷するとともに、上記加熱室に戻す雰囲気ガスの予熱を行う
ことを特徴とする熱処理炉。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
上記油分分離手段は、上記油煙が混入した雰囲気ガスを冷却することにより上記油煙を凝縮して油分を分離するための分離用冷却管を有する分離用熱交換器であり、
上記分離用冷却管には、熱交換による冷却を促進して油分の分離を促進する冷却促進素子が挿入されている
請求項1記載の熱処理炉。
【請求項3】
上記分離用熱交換器の上記分離用冷却管は、上記予冷用熱交換器の予冷管と繋がっており、上記冷却促進素子は、上記予冷管から上記分離用冷却管にわたって挿入されている
請求項2記載の熱処理炉。
【請求項4】
上記循環路により上記加熱室から排出する油煙が混入した雰囲気ガスの流量は、上記雰囲気ガス導入手段により導入される雰囲気ガスの流量の50倍以上である
請求項1~3のいずれか一項に記載の熱処理炉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炉内に搬入したワークから生じる油煙を雰囲気から分離除去しうる熱処理炉に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
炉内に搬入したワークを熱処理する熱処理炉において、ワークに付着した油分から生じる油煙が問題になることがある。油煙が炉内に充満すると、たとえば、炉内でワークの搬送位置を検知するセンサに誤検知を生じる、炉内を汚染する、排ガスに混じって油煙が排出されて環境を汚染する、等の問題が生じる。このような炉内の油煙(ミスト)を除去する技術に関する先行文献として、出願人はつぎの特許文献1を把握している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-112690号公報
【0004】
特許文献1は、熱処理に伴って生じる液体ミストを分離除去し、非酸化性ガスを還流させる機構を有する熱処理装置および熱処理方法に関するものである。特許文献1には、つぎの記載がある。
[0056]
ところで、冷却処理に供されるワークWの被加熱部の温度は数百度程度にまで高められているため、ワークWを冷却液36に浸漬させると、冷却液36の液体成分が蒸発等することによって、密閉室4内で液体ミストが発生する。本実施形態では、冷却液貯留槽35に貯留された冷却液36の一部が冷却液貯留槽35の第2開口部35bを介して大気に接していることから、冷却液36への多少の酸素の溶け込みは避けられない。そのため、ワークWを冷却液36に浸漬させることによって密閉室4内で液体ミストが発生すると、液体ミストに含まれる酸素を要因とする酸化膜がワークW(特に、第1空間Aや通路Cに存在するワークW)の表面に生成される可能性がある。特に、本実施形態のように、全体焼入れが施されるワークWを冷却液36に浸漬させた際には多量の液体ミストが発生するため、液体ミストに含まれる酸素を要因とする酸化膜がワークW表面に生成され易いと言える。
[0057]
そこで、本実施形態の熱処理装置1は、その稼働率低下や熱処理コストの増大を招来することなく、冷却液36へのワークWの浸漬に伴って生じる液体ミストに含まれる酸素を要因とするワークW表面への酸化膜の生成を可及的に防止するための特徴的構成を有する。具体的には、図6に模式的に示すように、密閉室4(を構成する焼入れ準備室6)に接続されたガス還流機構50を備える。このガス還流機構50は、加熱されたワークWを冷却液36に浸漬させるのに伴って密閉室4内で生じる液体ミスト、および密閉室4内に介在する非酸化性ガスをまとめて吸引し、この吸引物60(図8参照)のうち、液体ミストを除去すると共に、非酸化性ガス(液体ミストとは分離された非酸化性ガス)を密閉室4内に還流させるガス還流処理を実行する。
[0058]
本実施形態のガス還流機構50は、密閉室4外に設置されたポンプ51と、一端52aが焼入れ準備室6の内部空間に開口すると共に他端52bがポンプ51の吸入ポート51aに接続された吸管52と、一端53aがポンプ51の吐出ポート51bに接続されると共に他端53bが焼入れ準備室6の内部空間に開口した吐出管53とを備える。図8に示すように、本実施形態のポンプ51は、吸入ポート51aと吐出ポート51bとの間に、吸引物60に含まれる液体ミスト(厳密には、液体ミストに含まれる水分や各種添加剤の微粒子等)を除去するためのフィルタ部54を有する。この場合、吸管52を介してポンプ51内に吸引された吸引物60がポンプ51内を流通するのに伴い、吸引物60に含まれる液体ミストがフィルタ部54で除去され、ポンプ51の吐出ポート51bからは、実質的に非酸化性ガス61のみが吐出される。そして、ポンプ51の吐出ポート51bから吐出された非酸化性ガス61は、吐出管53を介して焼入れ準備室6の内部空間に還流する。なお、フィルタ部54で除去した水分(又は油分)は、冷却液貯留槽35に戻して再利用するのが好ましい。これにより、熱処理コストを抑制することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された技術は、焼入れ準備室6から吸引した吸引物60について、フィルタ部54によって液体ミストを除去し、非酸化性ガス61のみを焼入れ準備室6の内部空間に還流させる。このような液体ミストを除去する過程で、上記非酸化性ガス61は冷却される。冷却された非酸化性ガスを焼入れ準備室6に還流させると、焼入れ準備室6内部を冷却することになり、エネルギー効率が悪い。また、液体ミストをフィルタ部54で除去するため、フィルタ部54の定期的な交換が必要になってメンテナンスコストがかかる。上記特許文献1の技術は、これらのような問題を有している。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、つぎの目的をもってなされたものである。
炉内に生じる油煙をエネルギー効率よく分離除去できる熱処理炉を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の熱処理炉は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
ワークを加熱する加熱室と、
上記加熱室に対してワークの搬入および搬出を行う搬入搬出手段と、
上記加熱室の雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス導入手段と、
上記ワークに付着した油分から生じた油煙が混入した雰囲気ガスを上記加熱室から排出し、油分分離手段により上記油煙に基づく油分を分離し、その油分が分離された雰囲気ガスを再び上記加熱室に戻す循環路と、
上記循環路において、上記油分分離手段の上流で上記油煙が混入した雰囲気ガスを予冷する予冷用熱交換器とを備え、
上記予冷用熱交換器は、上記加熱室から排出された油煙が混入した雰囲気ガスと、上記油分分離手段で油分が分離されて上記加熱室に戻す雰囲気ガスとを熱交換することにより、上記油煙が混入した雰囲気ガスを予冷するとともに、上記加熱室に戻す雰囲気ガスの予熱を行う。
【0008】
請求項2記載の熱処理炉は、請求項1記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記油分分離手段は、上記油煙が混入した雰囲気ガスを冷却することにより上記油煙を凝縮して油分を分離するための分離用冷却管を有する分離用熱交換器であり、
上記分離用冷却管には、熱交換による冷却を促進して油分の分離を促進する冷却促進素子が挿入されている。
【0009】
請求項3記載の熱処理炉は、請求項2記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記分離用熱交換器の上記分離用冷却管は、上記予冷用熱交換器の予冷管と繋がっており、上記冷却促進素子は、上記予冷管から上記分離用冷却管にわたって挿入されている。
【0010】
請求項4記載の熱処理炉は、1~3のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記循環路により上記加熱室から排出する油煙が混入した雰囲気ガスの流量は、上記雰囲気ガス導入手段により導入される雰囲気ガスの流量の50倍以上である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

個人
屑鉄の大量溶解装置
4か月前
キヤノン電子株式会社
焼成炉
4か月前
株式会社プロテリアル
スラグ除滓装置
1か月前
三建産業株式会社
電気炉
11か月前
サンファーネス株式会社
熱処理炉
4か月前
中外炉工業株式会社
ダスト処理設備
11か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
4か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
4か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
4か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
4か月前
日本鋳造株式会社
電気炉の補修方法
10か月前
中外炉工業株式会社
連続式熱処理炉
6か月前
中外炉工業株式会社
熱処理炉
11か月前
トヨタ自動車株式会社
ノロ取りシステム
6か月前
大同特殊鋼株式会社
溶解炉
2か月前
大同特殊鋼株式会社
昇降扉の落下防止装置
7か月前
株式会社神戸製鋼所
等方圧加圧装置
7か月前
ノリタケ株式会社
ロータリーキルン
3か月前
大同特殊鋼株式会社
熱処理炉
5か月前
大同特殊鋼株式会社
坩堝スカムの除去方法
4か月前
ノリタケ株式会社
ロータリーキルン
4か月前
三建産業株式会社
工業炉の加熱構造
10か月前
三建産業株式会社
工業炉の加熱構造
10か月前
大同特殊鋼株式会社
熱処理設備
10日前
個人
バイオマスのトレファクションシステム
11か月前
株式会社エス.ケーガス
電気式連続型焼付炉
8か月前
個人
バイオマスのトレファクションシステム
11か月前
住友金属鉱山株式会社
水冷ジャケット
3か月前
中外炉工業株式会社
亜鉛回収装置
3か月前
株式会社島川製作所
バッチ式ロータリーキルン
2か月前
ネクサスジャパン株式会社
アルミニウム溶解炉
3か月前
東レ株式会社
炭素繊維シートの製造装置および製造方法
4か月前
株式会社燃焼合成
燃焼合成炉
11か月前
株式会社不二越
検出装置及び検出システム
4か月前
住友金属鉱山株式会社
水蒸気分圧測定装置
10か月前
株式会社ノリタケカンパニーリミテド
加熱炉
7か月前
続きを見る