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公開番号2025091308
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206510
出願日2023-12-06
発明の名称オーステナイト系ステンレス鋼及び耐水素性部材
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250611BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】優れた耐水素脆性、高強度及び加工性を有するオーステナイト系ステンレス鋼及
びこれを用いた耐水素性部材を提供する。
【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼は、C≦0.10mass%、Si≦0.0
9mass%、5.1≦Mn≦7.0mass%、P≦0.100mass%、S≦0.
100mass%、Cu≦0.50mass%、9.5≦Ni≦14.0mass%、1
8.0≦Cr≦26.0mass%、0.5≦Mo≦5.0mass%、0.03≦V≦
0.50mass%、0.03≦Nb≦0.50mass%、0.30≦N≦0.60m
ass%、0.0003≦B≦0.0300mass%を含み、残部がFe及び不可避的
不純物からなる。オーステナイト系ステンレス鋼は、オーステナイト結晶粒の結晶粒度番
号が7.9未満である。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
以下の構成を備えたオーステナイト系ステンレス鋼。
(1)前記オーステナイト系ステンレス鋼は、
C≦0.10mass%、
Si≦0.09mass%、
5.1≦Mn≦7.0mass%、
P≦0.100mass%、
S≦0.100mass%、
Cu≦0.50mass%、
9.5≦Ni≦14.0mass%、
18.0≦Cr≦26.0mass%、
0.5≦Mo≦5.0mass%、
0.03≦V≦0.50mass%、
0.03≦Nb≦0.50mass%、
0.30≦N≦0.60mass%、
0.0003≦B≦0.0300mass%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。
(2)前記オーステナイト系ステンレス鋼は、オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号が7
.9未満である。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
25℃において測定された引張強度が690MPa以上である請求項1に記載のオース
テナイト系ステンレス鋼。
【請求項3】
25℃において測定された破断絞りが30%以上である請求項1に記載のオーステナイ
ト系ステンレス鋼。
【請求項4】
請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼からなる耐水素性部材。
【請求項5】
前記オーステナイト系ステンレス鋼は、溶体化処理ままの状態の部分を含む請求項4に
記載の耐水素性部材。
【請求項6】
突合せ溶接部を有し、25℃において測定された、前記突合せ溶接部の溶接ままでの引
張強度が690MPa以上である請求項4に記載の耐水素性部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼及び耐水素性部材に関し、さらに詳しくは、
強度及び耐水素脆化特性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼、及び、これを用いた耐
水素性部材に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、水素を燃料とする燃料電池自動車、及び、燃料電池自動車に水素を供給する水素
ステーションの開発が進められている。燃料電池自動車や水素ステーションなどに用いら
れる各種の機器(以下、これらを総称して「高圧水素ガス用機器」ということがある。)
は、高圧の水素ガス環境下で使用されるため、これらの機器に用いられる材料には、優れ
た耐水素脆化特性が求められている。ステンレス鋼(特に、Ni当量を高めたオーステナ
イト系ステンレス鋼)は、耐水素脆化特性に優れており、この種の用途に適している。
【0003】
オーステナイト系ステンレス鋼の中でも、SUS316Lは、耐水素脆化特性に優れた
材料として知られている。現在、高圧ガス保安法に定められる自動車用圧縮水素容器基準
において、耐水素脆化特性に優れるステンレス鋼として、SUS316Lが認定されてい
る。しかしながら、SUS316Lは強度が低いため、SUS316Lを高圧水素ガス用
機器の構造部材に用いる場合には、厚肉に設計する必要がある。その結果、機器の大型化
や高重量化が避けられないという問題がある。燃料電池自動車の軽量化、水素ステーショ
ンのコンパクト化、及び、水素ステーションでの高圧操業を実現するためには、これらの
用途に使用されるステンレス鋼の強度は、高い方が好ましい。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
(a)鋼と、鋼の表面にある被膜とを備え、
(b)鋼は、質量%で、C:0.100%以下、Si:3.00%以下、Mn:0.01
~5.00%、P:0.100%以下、S:0.0050%以下、Ni:7.00%~4
0.00%、Cr:17.00%~28.00%、V:0.010%~5.000%を含
有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
(c)被膜は、被膜中のカチオン元素の全量を100%としたときの最表面から深さ方向
におけるV濃度のピーク値が5.00atomic%以上の膜である
オーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
【0005】
同文献には、
(A)Vを添加したオーステナイト系ステンレス鋼を酸洗後中性溶液中で電解することで
、表面被膜中にVを濃化させることができる点、及び,
(B)オーステナイト系ステンレス鋼の表面にCr欠乏層が存在しても、表面被膜中にV
が濃化していれば耐食性低下を抑制できる点、
が記載されている。
【0006】
特許文献2には、
(a)質量%で、C:0.10%以下、Si:1.0%以下、Mn:3~8%、P:0.
05%以下、S:0.03%以下、Ni:10~20%、Cr:15%~30%、N:0
.20~0.70%、Mo:0~5.0%、V:0~0.5%、及び、Nb:0~0.5
%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
(b)結晶粒度番号が6.0以上であり、
(c)引張強度が800Mpa以上であり、
(d)引張強度の最大値と最小値の差が50MPa以下であり、
(e)鋼中の円相当径が1000nmを超える合金炭窒化物の個数が10個/mm

であ

オーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
【0007】
同文献には、
(A)結晶粒度番号を6.0以上とし、かつ、結晶粒度番号の最大値と最小値の差(ΔG
S)を1.5以下にすると、引張強度の最大値と最小値の差が50Mpa以下となる点、
(B)熱間加工時の初期温度と終期温度との差を100℃以下にすると、ΔGSを1.5
以下に抑えることができる点、及び、
(C)結晶粒度番号を6.0以上とし、かつ、1000nm超の合金炭窒化物の個数を1
0個/mm

にすると、800MPa以上の引張強度が得られる点
が記載されている。
【0008】
特許文献3には、
(a)質量%で、C:0.005~0.07%、Si:0.1~1.2%、Mn:3.2
~6.5%、Ni:9~14%、Cu及びCoの少なくとも1種の合計:0.005%以
上3%未満、Cr:19~24%、Mo:1~4%、Nb:0.05~0.4%、N:0
.15~0.50%、Al:0.05%以下、P:0.03%以下、S:0.002%以
下、O:0.02%以下、V:0~0.5%、Ti:0~0.5%、B:0~0.01%
、Ca:0~0.05%、Mg:0~0.05%、REM:0~0.5%を含有し、残部
がFe及び不可避的不純物からなり、
(b)電解抽出残渣として分析されるNb量が、0.01~0.3質量%である
オーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
【0009】
同文献には、
(A)オーステナイト系ステンレス鋼の強度、及び、延性は、電解抽出残渣として分析さ
れるNb量と関係する点、
(B)電解抽出残渣として分析されるNb量が0.3質量%を超えると延性が低下する点
、及び、
(C)溶接時の液化割れを抑制するためには、電解抽出残渣として分析されるNb量を0
.01質量%以上にする必要がある点
が記載されている。
【0010】
特許文献4には、
(a)質量%で、C:0.10%以下、Si:1.0%以下、Mn:3%以上7%未満、
Cr:15~30%、Ni:10%以上17%未満、Al:0.1%以下、N:0.10
~0.50%、並びにV:0.01~1.0%およびNb:0.01~0.50%のうち
少なくとも1種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
(b)不純物中のPが0.050%以下、Sが0.050%以下であり、
(c)引張強度が800MPa以上、結晶粒度が8番以上で、
(d)最大径が50~1000nmの合金炭窒化物を断面観察で0.4個/μm

以上含
有する
オーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
(【0011】以降は省略されています)

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