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公開番号2024027702
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-01
出願番号2022130718
出願日2022-08-18
発明の名称バイオマスのトレファクションシステム
出願人個人
代理人個人
主分類F27B 7/14 20060101AFI20240222BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】収率70%以上、低位発熱量5,000kcal/h以上のバイオマスの半炭化物を生産するのに適したトレファクションシステムを提供すること。
【解決手段】バイオマスのトレファクションシステム1は、空気を遮断した状態で、バイオマスを250~350℃に加熱する半炭化処理を行うリアクター4として、パドル式リアクターを用いている。回転炉とは異なり、リアクター4の内部11において、パドル24に干渉しない任意の位置に温度センサーを配置して内部の雰囲気温度、材温度を直接、測定できる。リアクターの内部11において、バイオマスW2の搬送方向に沿って行われる半炭化の各処理プロセスにおける温度を測定して制御に反映できるので、各プロセスの温度管理等の制御を高精度かつ最適な状態で行うことができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バイオマスをリアクター内において熱分解して半炭化状態にするバイオマスのトレファクションシステムにおいて、
前記リアクターはパドル式リアクターであり、
前記パドル式リアクターは、
リアクター筒状本体と、
前記リアクター筒状本体の内部に配置した回転軸と、
前記回転軸を中心として回転して、前記リアクター筒状本体の内部に投入されたバイオマスの撹拌および前記回転軸に沿った方向への搬送を行う複数のパドルと、
を備えていることを特徴とするバイオマスのトレファクションシステム。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記パドルには、
第1パドルと、
前記第1パドルとは、前記回転軸に対する取付け角、回転速度および回転方向のうちの少なくとも一つが異なる第2パドルと、
が含まれているバイオマスのトレファクションシステム。
【請求項3】
請求項1において、
前記パドルには、
前記回転軸に対する取付け角、回転速度および回転方向のうちの少なくとも一つを変更可能な可変式パドルが含まれているバイオマスのトレファクションシステム。
【請求項4】
請求項1において、
前記リアクターを外周側から加熱する外部加熱炉を備えており、
前記外部加熱炉は、前記リアクター内のバイオマスの搬送方向に沿って複数の加熱区画に仕切られており、
各加熱区画には、個別に制御可能なバーナーがそれぞれ配置されているバイオマスのトレファクションシステム。
【請求項5】
請求項4において、
前記リアクターの内部の雰囲気温度および内部を搬送されるバイオマスの材温度の少なくとも一方を検出する温度検出部を備えており、
前記温度検出部は、前記リアクターの内部において、前記加熱区画のそれぞれに対応する前記搬送方向の各ゾーンの雰囲気温度またはバイオマスの材温度を検出可能であるバイオマスのトレファクションシステム。
【請求項6】
請求項5において、
前記温度検出部により検出された前記雰囲気温度または前記材温度に基づき、前記バーナーを駆動して前記加熱区画のそれぞれによる前記リアクターの加熱状態を制御する制御部を備えているバイオマスのトレファクションシステム。
【請求項7】
請求項6において、
前記パドルには、前記回転軸に対する取付け角、回転速度および回転方向のうちの少なくとも一つを変更可能な可変式パドルが含まれており、
前記制御部は、前記温度検出部により検出された前記雰囲気温度または前記材温度に基づき、前記可変式パドルの前記取付け角、前記回転速度または前記回転方向を変更して、前記ゾーンのそれぞれにおけるバイオマスの搬送速度、搬送方向または滞留時間を調整するバイオマスのトレファクションシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスをリアクター内において熱分解して半炭化状態にするバイオマスのトレファクションシステムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
PKS(椰子がら)、木質(チップ、ペレット、おが粉)、バーク、建廃チップ等のバイオマスを半炭化(トレファクション)することにより、エネルギー密度を高め、粉砕性等を向上させるバイオマスの燃料化技術が知られている。バイオマスの半炭化処理では、一般に、所定の乾燥状態にしたバイオマスをロータリーキルン炉に投入し、空気を遮断した低酸素濃度雰囲気において間接加熱により250℃~350℃程度に加熱して炭化させるようにしている。
【0003】
特許文献1には、内部加熱式のロータリーキルン炉を用いた半炭化方法が記載されている。この方法では、ロータリーキルン炉内に配置した配管から過熱蒸気を処理対象物に直接に吹き付けて加熱している。特許文献2には、炭化炉等として利用される外熱式ロータリーキルンが記載されている。この外熱式ロータリーキルンにおいては、回転するロータリーキルン炉の軸方向の複数箇所の温度を外周側から非接触式の温度計を用いて計測し、計測結果に基づきロータリーキルン炉の温度制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-174660号公報
特開2008-180451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半炭化処理(トレファクション処理)においては、処理温度(バイオマスの材温度)が数度違うだけでも、得られた製品(半炭化物、半炭化燃料)の物性が大きく変わってしまう。しかしながら、半炭化処理に用いられている内熱式ロータリーキルンや外熱式ロータリーキルンを用いたリアクター(以下、従来の方式のリアクター)では、精度の高い温度制御ができないという課題がある。
【0006】
すなわち、半炭化処理の研究開発・試作等においては、その殆どが炭化処理用のリアクターを改造したロータリーキルン型の装置が用いられている。これらの従来の方式のリアクターでは、リアクター本体が回転するという構造上の理由から、リアクターの出入口付近の雰囲気温度しか測定できない。このため、例えば特許文献2に記載されているように、リアクターの外周面の温度を非接触式に温度計を用いて測定して内部の雰囲気温度を推定するしかなく、半炭化処理に必要なリアクター内の各部の雰囲気温度および処理対象のバイオマスの材温度を直接に測定することができない。
【0007】
半炭化の処理温度帯、例えば250℃~350℃では、処理中のバイオマスが或る温度を超えると発熱反応による自己発熱によって、急速に温度が上昇してオーバーシュートしてしまい、部分的に収率の低い炭となってしまう。従来の方式のリアクターの出入口付近の雰囲気温度情報等で処理温度を制御したのでは、部分的なオーバーシュートを防ぐことができない。また、リアクターの外周面温度から内部の雰囲気温度を推定する場合にも内部の処理温度を精度よく制御できない場合が多く、部分的なオーバーシュートを防ぐことができない。オーバーシュートを防ぐために全体の設定温度帯を下げると、半炭化が不十分になってしまう。
【0008】
また、半炭化処理では、原料(バイオマス)は、リアクター投入後から排出まで、「乾燥」、「昇温」、「温度保持」などのリアクター内で各プロセスを順次に辿るため、各プロセスにおいて高精度かつ最適な温度制御が必要とされる。従来の方式のリアクターは構造的に、各プロセスにおける高精度で最適な温度制御が不可能である。特に、長時間の連続処理において、安定した収率、物性を保持することが困難である。
【0009】
これらの事情により、従来の方式のリアクターを用いて半炭化したバイオマスは、半炭化不足のものと過度に炭化したものが混ざり合った混合物となり、HGI値(ハードグローブ粉砕性指数)も収率も低くなってしまう。バイオマスの半炭化処理により、収率70%以上、低位発熱量5,000kcal/kg以上の半炭化物を得るためには、大部分のヘミセルロースを分解し、セルロースの一部を分解する必要があるが、これを実現するための高精度かつ最適な温度制御が、従来の方式のリアクターでは不可能である。
【0010】
これに加えて、従来の方式のリアクターは、構造上気密性が悪く、低酸素濃度が維持できず発火することがある。低酸素濃度を維持するために窒素ガスなどの不活性ガスを通気させる場合には、ランニングコストが高くなってしまう。また、タールが発生するため長時間の連続運転ができない、過剰に発生した木ガスによるガス爆発が起こりやすいなどの改善すべき点がある。
(【0011】以降は省略されています)

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