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公開番号2023172682
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-06
出願番号2022084653
出願日2022-05-24
発明の名称熱処理設備
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F27B 9/12 20060101AFI20231129BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】バッチ式の熱処理チャンバ間での被処理品の搬送を担う搬送ユニット内で被処理品を冷却することが可能で、且つ、その際の冷却速度を調整することが可能な熱処理設備を提供する。
【解決手段】熱処理設備1は、レール10に沿って配置されたバッチ式の第1熱処理チャンバ12及び第2熱処理チャンバ13と、被処理品Wを搬送する搬送ユニット20とを有している。搬送ユニット20は被処理品Wを冷却する冷却チャンバ56を備え、冷却チャンバ56は、炉殻76内に断熱材により区画形成された処理室82を備えるとともに、冷却ガスを循環させる循環ファン100と、冷却ガスの流路79上に設けられたガスクーラ98およびヒータ120を有している。循環ファン100およびガスクーラ98は、処理室82の側方であって炉殻76と処理室82の間に設けられ、ヒータ120は処理室82の上方に設けられている。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
(A)搬送軌道に沿って配置されたバッチ式の第1熱処理チャンバおよび第2熱処理チャンバと、
(B)被処理品を収容し冷却ガスにより該被処理品を冷却する冷却チャンバと、前記第1熱処理チャンバ若しくは第2熱処理チャンバと前記冷却チャンバとの間で前記被処理品を受渡しする受渡しチャンバとを備えた搬送ユニットと、
を有し、前記第1熱処理チャンバから受け取った熱処理後の前記被処理品を、前記冷却チャンバで所定温度まで冷却するとともに、前記第2熱処理チャンバまで搬送し装入する熱処理設備であって、
前記冷却チャンバは、炉殻内にて断熱材により区画形成された処理室を備えるとともに、前記冷却ガスを循環させる循環ファンと、前記冷却ガスの流路上に設けられたガスクーラおよびヒータを有し、
前記循環ファンは、炉殻外、または、前記処理室の側方であって前記炉殻と前記処理室の間に設けられ、
前記ガスクーラは、炉殻外、または、前記炉殻と前記処理室の間に設けられ、
前記ヒータは、前記処理室内、前記処理室の上方、前記処理室の下方の何れかに設けられている、熱処理設備。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記循環ファンによって循環せしめられる前記冷却ガスの流路に沿って、前記ガスクーラ、前記循環ファン、前記ヒータ、前記被処理品がその順に配置されている、請求項1に記載の熱処理設備。
【請求項3】
前記ガスクーラを回避して前記冷却ガスを流通させるバイパス流路が更に形成されている、請求項2に記載の熱処理設備。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は被処理品に熱処理を行う熱処理設備に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、鋼部品の材料においては、後工程での切削性を高める目的で恒温焼鈍が実施されている。恒温焼鈍では、鋼を一旦オーステナイト組織に変態させるための加熱工程と、その後目的の温度まで比較的短時間で冷却する中間冷却工程と、その後目的の温度で均熱する均熱工程が実施される。このような恒温焼鈍を実施するに際しては、加熱工程を担う1次炉、中間冷却工程を担う急冷室、均熱工程を担う2次炉の3室を備えた連続雰囲気炉を用い、処理に際して脱炭や酸化防止の為に還元性ガスを炉内に送気しながら処理を行うのが一般的であった(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
上記のような連続雰囲気炉を用いて焼鈍を行った場合、以下の点が課題とされていた。
(1)連続雰囲気炉停止後の再立上げに際して雰囲気が処理に適した状態になるのに時間を要してしまう。(2)その為、処理が無い場合にも炉内雰囲気を維持する為に、炉内温度と雰囲気を維持しておく必要がある。(3)よって、休日も保安要員の配置が必要となり、また炉内状態を維持するために余分なエネルギーを要してしまう。(4)連続炉であることから各処理品重量に応じたヒートパターン設定を行う事が出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-176217号公報
特開2015-17790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題を解決する手段として、本出願人の特許出願に係る上記特許文献2に示された熱処理設備を用いることが考えられる。上記特許文献2に示された熱処理設備では、バッチ式の複数の熱処理チャンバと、保温チャンバを備え被処理品を搬送する搬送ユニットと、を備えており、保温チャンバにおいては被処理品をガス冷却する機能を備えている。
しかしながら、前記保温チャンバを用いて被処理品に前記中間冷却処理に相当する冷却を行うと、必要以上に早く被処理品が冷やされてしまい、目的とする冷却勾配が得られず、処理後の組織が予定していたものとは異なるものに変化してしまう。
【0006】
本発明は以上のような事情を背景とし、バッチ式の熱処理チャンバ間での被処理品の搬送を担う搬送ユニット内で被処理品を冷却することが可能で、且つ、その際の冷却速度を調整することが可能な熱処理設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
而して本発明の熱処理設備は次のように規定される。即ち、
(A)搬送軌道に沿って配置されたバッチ式の第1熱処理チャンバおよび第2熱処理チャンバと、
(B)被処理品を収容し冷却ガスにより該被処理品を冷却する冷却チャンバと、前記第1熱処理チャンバ若しくは第2熱処理チャンバと前記冷却チャンバとの間で前記被処理品を受渡しする受渡しチャンバとを備えた搬送ユニットと、
を有し、前記第1熱処理チャンバから受け取った熱処理後の前記被処理品を、前記冷却チャンバで所定温度まで冷却するとともに、前記第2熱処理チャンバまで搬送し装入する熱処理設備であって、
前記冷却チャンバは、炉殻内にて断熱材により区画形成された処理室を備えるとともに、前記冷却ガスを循環させる循環ファンと、前記冷却ガスの流路上に設けられたガスクーラおよびヒータを有し、
前記循環ファンは、炉殻外、または、前記処理室の側方であって前記炉殻と前記処理室の間に設けられ、
前記ガスクーラは、炉殻外、または、前記炉殻と前記処理室の間に設けられ、
前記ヒータは、前記処理室内、前記処理室の上方、前記処理室の下方の何れかに設けられている。
【0008】
このように規定された本発明の熱処理設備によれば、バッチ式の熱処理チャンバ間での被処理品の搬送を担う搬送ユニット内の冷却チャンバで恒温焼鈍における中間冷却処理を行なうことができ、恒温焼鈍のための一連の熱処理を効率よく実行することができる。ここで、この熱処理設備では、冷却チャンバで中間冷却処理を行なうに際し、冷却ガスの温度がガスクーラおよびヒータにより調整される。これにより、被処理品の冷却速度を調整することができる。
【0009】
またこの熱処理設備では、ヒータと循環ファンとが異なる位置に配置されているため、ヒータの輻射熱が循環ファンに直接当たることで循環ファンが過度に加熱され故障する問題を回避することができる。
【0010】
この熱処理設備では、前記循環ファンによって循環せしめられる前記冷却ガスの流路に沿って、前記ガスクーラ、前記循環ファン、前記ヒータ、前記被処理品をその順に配置することができる。
このようにすることで、冷却ガスの温度を、被処理品に当たる手前の段階で調整することができるとともに、循環ファンの一次側にガスクーラが位置するため、循環ファンに高温のガスが当たるのを回避することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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