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公開番号2023167987
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-24
出願番号2022079569
出願日2022-05-13
発明の名称腐食防止方法
出願人株式会社三井E&S
代理人個人,個人
主分類C23F 11/00 20060101AFI20231116BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】応力変化に起因した部材の微小変形が激しい箇所や、被覆範囲の面積が大きな場合にも適用可能とし、被覆箇所への上塗り塗装を施工前に行う事もできる腐食防止方法を提供する。
【解決手段】樹脂または金属により構成され、被覆対象面を覆う保護層12と、自然電極電位が前記被覆対象面を構成する金属より卑なる金属の粉末を含む犠牲防食のための導電性粘着層14と、導電性粘着層14の露出面を覆う剥離フィルム16とを有する被覆シート10を用いた腐食防止方法であって、被覆対象面の表面を清浄化する素地調整工程と、保護層12を被覆対象面の表面形状に沿って変形させる被覆シート形状形成工程と、剥離フィルム16を剥がし、素地調整工程を終えた被覆対象面に、被覆シート形状形成工程を経た被覆シート10を貼付する被覆工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂または金属により構成され、被覆対象面を覆う保護層と、前記保護層の裏面に配置され、自然電極電位が前記被覆対象面を構成する金属より卑なる金属の粉末を含む犠牲防食のための導電性粘着層と、前記導電性粘着層の露出面を覆う剥離フィルムとを有する被覆シートを用いた腐食防止方法であって、
前記被覆対象面の表面を清浄化する素地調整工程と、
前記保護層を前記被覆対象面の表面形状に沿って変形させる被覆シート形状形成工程と、
前記剥離フィルムを剥がし、前記素地調整工程を終えた前記被覆対象面に、前記被覆シート形状形成工程を経た前記被覆シートを貼付する被覆工程と、を有することを特徴とする腐食防止方法。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記被覆シート形状形成工程は、前記素地調整工程と同時、あるいは前記素地調整工程より前に行われることを特徴とする請求項1に記載の腐食防止方法。
【請求項3】
前記被覆工程より前に、前記保護層に上塗りを施すことを特徴とする請求項2に記載の腐食防止方法。
【請求項4】
前記被覆対象面と前記導電性粘着層との間に、液抜き用のドレンダクトを配するダクト配置工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の腐食防止方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材の腐食防止方法に係り、特に、動作や外圧によって生ずる応力に起因した微小な繰り返し変形が生じる部位に好適な腐食防止方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
鋼材の腐食防止の対策は従来、特許文献1に開示されているように、部材のコバ部やボルトなど、厚みが薄かったり、曲率が大きい、角部があるなどといった事情から、塗膜の厚みを確保する事が難しい部分に施されることが多かった。
【0003】
その具体的な方法としては、塗膜の厚みを確保し辛い部分を含む範囲に、不動態被膜が構成される下地処理剤(セメント系防食塗料)を塗布し、この下地処理剤が硬化した後に、下地処理剤よりも広い範囲に一般塗料を塗布するというものである。セメント系防食塗料により下地処理を行う事で、コバ部などにおいても塗膜の厚みを確保する事が可能となり、薄い塗膜の割れや剥がれに起因した内部腐食を防ぐことが可能となる。
【0004】
また、鋼材の防食処理には一般的に、防食塗料の多重塗布が行われるが、塗料を塗布する度に乾燥(硬化)を待つ必要があるため、工程上のロスが大きいといった問題があった。特許文献2や非特許文献1に開示されている方法は、こうした工程上のロスを解消するための技術であり、犠牲防食作業を有する導電性粘着剤と保護層を重ねたシートを部材に貼り付け、この保護層に対して上塗りを実施するとったものである。このような方法によれば、部材に対する下塗り(防錆塗料の塗布、下塗り、中塗り)工程を、シートの貼り付けだけで終える事ができるため、部材の腐食防止を図る塗装工程を大幅に短縮する事が可能となる。
【0005】
しかし、特許文献1に開示されているような方法は、コンテナクレーンなどの重機のアームや脚部のように、稼働時の応力変化に起因した部材の微小変形が激しい箇所では、硬化した下地処理剤自体にヒビが入る虞がある。また、特許文献2や非特許文献1に開示されている技術では、可撓性のシートであるため、被覆範囲の面積が大きい場合には取り扱いが困難となる。また、シートが可撓性であるがために、上塗り塗装は、シートを施工した後にせざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-101404号公報
特許第7000604号公報
【非特許文献】
【0007】
大日本塗料株式会社、積水化学工業株式会社、“貼る重防食塗料 メタモルシート#1 部分補修用 重防食シート”[令和4年3月22日検索]、インターネット<URL: https://www.dnt.co.jp/products/structure/list/upload_files/ctl_202.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明では、応力変化に起因した部材の微小変形が激しい箇所や、被覆範囲の面積が大きな場合にも適用可能とし、被覆箇所への上塗り塗装を施工前に行う事もできる腐食防止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る腐食防止方法は、樹脂または金属により構成され、被覆対象面を覆う保護層と、前記保護層の裏面に配置され、自然電極電位が前記被覆対象面を構成する金属より卑なる金属の粉末を含む犠牲防食のための導電性粘着層と、前記導電性粘着層の露出面を覆う剥離フィルムとを有する被覆シートを用いた腐食防止方法であって、前記被覆対象面の表面を清浄化する素地調整工程と、前記保護層を前記被覆対象面の表面形状に沿って変形させる被覆シート形状形成工程と、前記剥離フィルムを剥がし、前記素地調整工程を終えた前記被覆対象面に、前記被覆シート形状形成工程を経た前記被覆シートを貼付する被覆工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、上記のような特徴を有する腐食防止方法において前記被覆シート形状形成工程は、前記素地調整工程と同時、あるいは前記素地調整工程より前に行われるようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、作業を平行して行う事が可能となるため、工期を短縮することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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