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公開番号2025177954
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024085127
出願日2024-05-24
発明の名称CaCO3量推定方法及び炭酸化度判定方法
出願人株式会社竹中工務店
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類G01N 21/27 20060101AFI20251128BHJP(測定;試験)
要約【課題】セメント固化物を含む材料の炭酸化処理において簡便に実行できる、CaCO₃量推定方法と炭酸化度判定方法とを提供する。
【解決手段】CaCO₃量推定方法及び炭酸化度判定方法は、対象材料のL^*a^*b^*色空間の表色値を測定することを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
セメント固化物を含む材料の炭酸化処理において、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料のＣａＣＯ
３
量を推定する方法であって、
下記の工程（１）～工程（３）を含み、
下記の工程（１）～工程（３）における表色値が、Ｌ
＊
ａ
＊
ｂ
＊
色空間のＬ
＊
値、ａ
＊
値及びｂ
＊
値から選ばれる同一種類の成分値である、
ＣａＣＯ
３
量推定方法。
工程（１）：ＣａＣＯ
３
１００質量％とみなせる高純度の炭酸カルシウムの表色値と、炭酸化処理前の材料のＣａＣＯ
３
量（質量％）及び表色値とから、ＣａＣＯ
３
量（質量％）と表色値との関係式ＣａＣＯ
３
量＝ｐ×表色値＋ｑのｐ及びｑを決定する。
工程（２）：炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の表色値を測定する。
工程（３）：工程（２）で得た表色値を、工程（１）でｐ及びｑが決定した関係式ＣａＣＯ
３
量＝ｐ×表色値＋ｑに代入し、ＣａＣＯ
３
量（質量％）を求める。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記表色値がＬ
＊
値である、請求項１に記載のＣａＣＯ
３
量推定方法。
【請求項３】
セメント固化物を含む材料の炭酸化処理において、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の炭酸化度を判定する方法であって、
下記の工程（Ａ）及び工程（Ｂ）を含み、
下記の工程（Ａ）及び工程（Ｂ）における表色値が、Ｌ
＊
ａ
＊
ｂ
＊
色空間のＬ
＊
値、ａ
＊
値及びｂ
＊
値から選ばれる同一種類の成分値である、
炭酸化度判定方法。
工程（Ａ）：炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の表色値を測定する。
工程（Ｂ）：工程（Ａ）で得た表色値が、ＣａＣＯ
３
１００質量％とみなせる高純度の炭酸カルシウムの表色値と、炭酸化度が期待値に達した材料の表色値とに挟まれた範囲内であるとき、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の炭酸化度を合格と判定する。
【請求項４】
セメント固化物を含む材料の炭酸化処理において、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の炭酸化度を判定する方法であって、
下記の工程（Ａ－Ｌ）及び工程（Ｂ－Ｌ）を含む、
炭酸化度判定方法。
工程（Ａ－Ｌ）：炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の、Ｌ
＊
ａ
＊
ｂ
＊
色空間のＬ
＊
値を測定する。
工程（Ｂ－Ｌ）：工程（Ａ－Ｌ）で得たＬ
＊
値が、炭酸化度が期待値に達した材料のＬ
＊
値以上であるとき、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の炭酸化度を合格と判定する。
【請求項５】
セメント固化物を含む材料の炭酸化処理において、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の炭酸化度を判定する方法であって、
下記の工程（Ａ－ｂ）及び工程（Ｂ－ｂ）を含む、
炭酸化度判定方法。
工程（Ａ－ｂ）：炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の、Ｌ
＊
ａ
＊
ｂ
＊
色空間のｂ
＊
値を測定する。
工程（Ｂ－ｂ）：工程（Ａ－ｂ）で得たｂ
＊
値が、炭酸化度が期待値に達した材料のｂ
＊
値以下であるとき、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の炭酸化度を合格と判定する。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、ＣａＣＯ
３
量推定方法及び炭酸化度判定方法に関する。
続きを表示（約 2,600 文字）【背景技術】
【０００２】
コンクリートのＣＯ
２
固定量を推定する方法が、長く検討されている。例えば、非特許文献１には、熱重量分析の結果からＣＯ
２
固定量を推定した事例と無機炭素分析の結果からＣＯ
２
固定量を推定した事例とが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００３】
取違剛、横関康祐、吉岡一郎、盛岡実「炭酸化したセメント系材料におけるＣＯ２固定量の評価手法および物性変化に関する研究」土木学会論文集Ｅ２（材料・コンクリート構造）、７７巻２号３７－５４、２０２１年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
コンクリートのＣＯ
２
固定量の推定方法として、熱重量分析や無機炭素分析はよく知られており、実績もある。ただし、熱重量分析や無機炭素分析は、分析装置が高価であるし、また、分析に時間がかかる。加えて、分析装置を携帯することができないので、現場で試料を分析して即時にＣＯ
２
固定量を推定することができない。
【０００５】
ところで、セメント系材料の炭酸化は、セメント系材料に含まれる水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム水和物などが二酸化炭素と反応し炭酸カルシウム（ＣａＣＯ
３
）を生成する反応である。したがって、セメント系材料のＣａＣＯ
３
量によって炭酸化度を判定することができる。
【０００６】
本開示は、上記状況のもとになされた。
本開示は、セメント固化物を含む材料の炭酸化処理において簡便に実行できる、ＣａＣＯ
３
量推定方法と炭酸化度判定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
＜１＞
セメント固化物を含む材料の炭酸化処理において、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料のＣａＣＯ
３
量を推定する方法であって、
下記の工程（１）～工程（３）を含み、
下記の工程（１）～工程（３）における表色値が、Ｌ
＊
ａ
＊
ｂ
＊
色空間のＬ
＊
値、ａ
＊
値及びｂ
＊
値から選ばれる同一種類の成分値である、
ＣａＣＯ
３
量推定方法。
工程（１）：ＣａＣＯ
３
１００質量％とみなせる高純度の炭酸カルシウムの表色値と、炭酸化処理前の材料のＣａＣＯ
３
量（質量％）及び表色値とから、ＣａＣＯ
３
量（質量％）と表色値との関係式ＣａＣＯ
３
量＝ｐ×表色値＋ｑのｐ及びｑを決定する。
工程（２）：炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の表色値を測定する。
工程（３）：工程（２）で得た表色値を、工程（１）でｐ及びｑが決定した関係式ＣａＣＯ
３
量＝ｐ×表色値＋ｑに代入し、ＣａＣＯ
３
量（質量％）を求める。
＜２＞
前記表色値がＬ
＊
値である、＜１＞に記載のＣａＣＯ
３
量推定方法。
＜３＞
セメント固化物を含む材料の炭酸化処理において、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の炭酸化度を判定する方法であって、
下記の工程（Ａ）及び工程（Ｂ）を含み、
下記の工程（Ａ）及び工程（Ｂ）における表色値が、Ｌ
＊
ａ
＊
ｂ
＊
色空間のＬ
＊
値、ａ
＊
値及びｂ
＊
値から選ばれる同一種類の成分値である、
炭酸化度判定方法。
工程（Ａ）：炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の表色値を測定する。
工程（Ｂ）：工程（Ａ）で得た表色値が、ＣａＣＯ
３
１００質量％とみなせる高純度の炭酸カルシウムの表色値と、炭酸化度が期待値に達した材料の表色値とに挟まれた範囲内であるとき、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の炭酸化度を合格と判定する。
＜４＞
セメント固化物を含む材料の炭酸化処理において、炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の炭酸化度を判定する方法であって、
下記の工程（Ａ－Ｌ）及び工程（Ｂ－Ｌ）を含む、
炭酸化度判定方法。
工程（Ａ－Ｌ）：炭酸化処理中又は炭酸化処理後の材料の、Ｌ
＊
ａ
＊
ｂ
＊
色空間のＬ
＊
値を測定する。
【発明の効果】
【０００８】
本開示によれば、セメント固化物を含む材料の炭酸化処理において簡便に実行できる、ＣａＣＯ
３
量推定方法と炭酸化度判定方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
セメント系材料の炭酸化に用いた湿式炭酸化装置の概略構成図である。
ＣａＣＯ
３
濃度とＬ
＊
ａ
＊
ｂ
＊
色空間の各成分値との関係を示す散布図である。被覆部材はガラス板である。
ＣａＣＯ
３
濃度とＬ
＊
ａ
＊
ｂ
＊
色空間の各成分値との関係を示す散布図である。被覆部材はポリエチレンシートである。
ＣａＣＯ
３
量推定方法及び炭酸化度判定方法の実施形態例を説明するための座標系である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
（【００１１】以降は省略されています）

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