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公開番号2025169041
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-12
出願番号2024074006
出願日2024-04-30
発明の名称計測装置、計測方法、及び、制御プログラム
出願人国立大学法人東京科学大学
代理人個人
主分類G01K 13/20 20210101AFI20251105BHJP(測定;試験)
要約【課題】検査対象について複数の種類の検査内容を同時に計測することが可能な計測装置、計測方法、及び、制御プログラムを提供すること。
【解決手段】本開示に係る計測装置は、断熱材と、断熱材の底面に設けられた第1温度センサと、断熱材の上面に設けられた第2温度センサと、検査対象との接触面を有し、少なくとも断熱材の側面の一部を覆うように設けられた第1電気伝導体と、検査対象との接触面を有し、少なくとも断熱材の側面の他の一部を覆うように、且つ、第1電気伝導体と電気的に分離して設けられた、第2電気伝導体と、第1温度センサ及び第2温度センサのそれぞれの検知結果に基づいて、検査対象の深部体温を算出する第1演算処理部と、第1電気伝導体及び第2電気伝導体のそれぞれから得られた電気信号に基づいて、検査対象の心電位を算出する第2演算処理部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
断熱材と、
検査対象である生体との接触面である、前記断熱材の底面、に設けられた第1温度センサと、
前記断熱材の底面に対向する面である、前記断熱材の上面、に設けられた第2温度センサと、
前記検査対象との接触面を有し、少なくとも前記断熱材の側面の一部を覆うように設けられた第1電気伝導体と、
前記検査対象との接触面を有し、少なくとも前記断熱材の側面の他の一部を覆うように、且つ、前記第1電気伝導体と電気的に分離して設けられた、第2電気伝導体と、
前記第1温度センサ及び前記第2温度センサのそれぞれの検知結果に基づいて、前記検査対象の深部体温を算出する第1演算処理部と、
前記第1電気伝導体及び前記第2電気伝導体のそれぞれから得られた電気信号に基づいて、前記検査対象の心電位を算出する第2演算処理部と、
を備えた計測装置。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記第1温度センサの検知結果、及び、前記第1演算処理部による演算結果、に基づいて、前記検査対象の発汗量を算出する第3演算処理部をさらに備えた、
請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記断熱材は、円柱形状を有する、
請求項1に記載の計測装置。
【請求項4】
前記断熱材は、PDMSによって構成されている、
請求項1に記載の計測装置。
【請求項5】
前記第1電気伝導体及び前記第2電気伝導体は、前記断熱材よりも熱伝導率の高い材料によって構成されている、
請求項1に記載の計測装置。
【請求項6】
前記第1電気伝導体及び前記第2電気伝導体は、何れも、Al、Cu、又は、Al及びCuの何れかを含む合金、によって構成されている、
請求項1に記載の計測装置。
【請求項7】
前記第1電気伝導体と前記第2電気伝導体との間に設けられ、且つ、前記第1電気伝導体及び前記第2電気伝導体と共にプローブカバーとして前記断熱材の側面及び上面を覆うように設けられた、絶縁体をさらに備えた、
請求項1に記載の計測装置。
【請求項8】
前記絶縁体は、前記断熱材よりも熱伝導率の高い材料によって構成されている、
請求項7に記載の計測装置。
【請求項9】
前記絶縁体は、AlN及びSiCの何れかによって構成されている、
請求項7に記載の計測装置。
【請求項10】
前記プローブカバーは、前記断熱材の側面との間に空間領域が形成されるように設けられている、
請求項7に記載の計測装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、計測装置、計測方法、及び、制御プログラムに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の進行により、異常気象や自然災害が頻発し、われわれの生活が脅かされている。特に、夏の酷暑により増大する熱中症の抑制は喫緊の社会課題となっている。熱中症とは、高温多湿な環境に長時間曝されることにより体温調節機能のバランスが崩れ、体内に熱がこもった状態である。熱中症は発症過程で身体内部の体温(深部体温)が上昇することから、熱中症予防として深部体温を38℃(暑熱順化時は38.5℃)以下に保つことが推奨されており、日常生活下で深部体温を簡便に高精度に計測する技術の開発が期待されている。一般的に深部体温の計測は、温度計を体腔に直接挿入して測定するため侵襲性が高く、日常利用は困難である。一方、近年、皮膚表面の熱流から深部体温を推定する手法が開発され、当該手法を計測原理とするウェアラブルセンサの検討が進むものの、計測精度に課題がある。そのような課題に対する解決策として、特許文献1には、深部体温を高精度に推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7424495号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、検査対象である生体について、深部体温の推定のみならず、複数の種類の検査内容を並行して検査することが求められている。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を解決する計測装置、計測方法、及び、制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る計測装置は、断熱材と、検査対象である生体との接触面である、前記断熱材の底面、に設けられた第1温度センサと、前記断熱材の底面に対向する面である、前記断熱材の上面、に設けられた第2温度センサと、前記検査対象との接触面を有し、少なくとも前記断熱材の側面の一部を覆うように設けられた第1電気伝導体と、前記検査対象との接触面を有し、少なくとも前記断熱材の側面の他の一部を覆うように、且つ、前記第1電気伝導体と電気的に分離して設けられた、第2電気伝導体と、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサのそれぞれの検知結果に基づいて、前記検査対象の深部体温を算出する第1演算処理部と、前記第1電気伝導体及び前記第2電気伝導体のそれぞれから得られた電気信号に基づいて、前記検査対象の心電位を算出する第2演算処理部と、を備える。
【0007】
本開示に係る計測方法は、断熱材と、検査対象である生体との接触面である、前記断熱材の底面、に設けられた第1温度センサと、前記断熱材の底面に対向する面である、前記断熱材の上面、に設けられた第2温度センサと、前記検査対象との接触面を有し、少なくとも前記断熱材の側面の一部を覆うように設けられた第1電気伝導体と、前記検査対象との接触面を有し、少なくとも前記断熱材の側面の他の一部を覆うように、且つ、前記第1電気伝導体と電気的に分離して設けられた、第2電気伝導体と、を備えたマルチモーダルセンサによる計測方法であって、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサのそれぞれの検知結果に基づいて、前記検査対象の深部体温を算出し、前記第1電気伝導体及び前記第2電気伝導体のそれぞれから得られた電気信号に基づいて、前記検査対象の心電位を算出する。
【0008】
本開示に係る制御プログラムは、断熱材と、検査対象である生体との接触面である、前記断熱材の底面、に設けられた第1温度センサと、前記断熱材の底面に対向する面である、前記断熱材の上面、に設けられた第2温度センサと、前記検査対象との接触面を有し、少なくとも前記断熱材の側面の一部を覆うように設けられた第1電気伝導体と、前記検査対象との接触面を有し、少なくとも前記断熱材の側面の他の一部を覆うように、且つ、前記第1電気伝導体と電気的に分離して設けられた、第2電気伝導体と、を備えたマルチモーダルセンサによる計測処理をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサのそれぞれの検知結果に基づいて、前記検査対象の深部体温を算出する処理と、前記第1電気伝導体及び前記第2電気伝導体のそれぞれから得られた電気信号に基づいて、前記検査対象の心電位を算出する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、検査対象について複数の種類の検査内容を同時に計測することが可能な計測装置、計測方法、及び、制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示に係る計測装置の構成例を示す図である。
本開示に係る計測装置に設けられたプローブの外観を示す概略斜視図である。
第1比較例の計測装置に設けられたプローブの概略断面図である。
第2比較例の計測装置に設けられたプローブの概略断面図である。
第2比較例の計測装置に設けられたプローブ及びその周辺環境の2次元軸対称モデルを示す図である。
第2比較例の計測装置における、プローブ本体及びプローブカバーのそれぞれの熱伝導率と、深部体温の推定値の誤差と、の関係を示す図である。
(a)第1比較例の計測装置における、気温及び風速と、深部体温の推定値の誤差と、の関係を示す図である。(b)第2比較例の計測装置における、気温及び風速と、深部体温の推定値の誤差と、の関係を示す図である。
heat loss rateを説明するための図である。
(a)第1比較例の計測装置における第1風速条件でのheat loss rateの計算結果を示す図である。(b)第1比較例の計測装置における第2風速条件でのheat loss rateの計算結果を示す図である。(c)第2比較例の計測装置における第1風速条件でのheat loss rateの計算結果を示す図である。(d)第2比較例の計測装置における第2風速条件でのheat loss rateの計算結果を示す図である。
(a)第2比較例の計測装置における、プローブカバーの厚みと、深部体温の推定値の誤差と、の関係を示す図である。(b)第2比較例の計測装置における、プローブ本体の直径及び厚みと、深部体温の推定値の誤差と、の関係を示す図である。
各比較例の計測装置による計測時における、気温及び風速の時間変化を示す図である。
図11に示す条件で気温及び風速を急激に変化させた場合における、各比較例の計測装置によって計測された深部体温の推定値の誤差の時間変化を示す図である。
各比較例の計測装置によって計測された皮膚温度及びセンサ温度のそれぞれの時間微分の時間変化を示す図である。
各比較例の計測装置に設けられたプローブにおける温度の時間微分値の大きさの空間分布の例を示す図である。
(a)第2比較例の計測装置に設けられたプローブの試作機の外観を示す図である。(b)試作機を用いた計測時における、風速の時間変化を示す図である。(c)試作機を用いて計測された深部体温の推定値及び参照値のそれぞれの時間変化を示す図である。(d)試作機を用いて計測された深部体温の推定値及び参照値のBland-Altmanプロットを示す図である。
本開示に係る計測装置に設けられたプローブの概略断面図である。
本開示に係る計測装置による深部体温の計測方法を説明するための図である。
本開示に係る計測装置に設けられたプローブの変形例を示す概略断面図である。
図17に示す各プローブの変形例が用いられた場合の、深部体温の推定値の誤差を示す図である。
本開示に係る計測装置によって計測された深部体温の推定値と、深部体温の実測値(直腸温)と、の時間変化を示す図である。
本開示に係る計測装置によって計測された心電位の時間変化を示す図である。
本開示に係る計測装置によって計測された発汗量の推定値と、発汗量の実測値と、の時間変化を示す図である。
本開示に係る計測装置の計測機能を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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