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公開番号2025156522
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025130417,2021551735
出願日2025-08-05,2020-10-09
発明の名称修飾ヘテロ核酸
出願人国立大学法人東京科学大学,武田薬品工業株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12N 15/113 20100101AFI20251002BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】一実施形態において、本発明は、新規な構造を有する二本鎖核酸複合体を提供することを課題とする。
【解決手段】一実施形態において、本発明は、第1核酸鎖と第2核酸鎖とを含む核酸複合体であって、該第1核酸鎖は、(1)標的転写産物の少なくとも一部にハイブリダイズすることができ、(2)標的転写産物に対してアンチセンス効果を有し、かつ(3)中央領域、並びに5'ウイング領域及び3'ウイング領域を含むギャップマーであり、該第2核酸鎖は、該第1核酸鎖の一部と相補的な、1個、又はヌクレオシド間結合により連結された2~3個の連続する糖非修飾リボヌクレオシドからなる糖非修飾中央領域(第1露出領域)を少なくとも1個含み、かつ該第1核酸鎖は該第2核酸鎖にアニールしている前記核酸複合体に関する。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
第1核酸鎖と第2核酸鎖とを含む核酸複合体を含む、RNase H依存的及び/又は非依存的経路での活性を有し、及び/又はRNase Aによる切断活性を抑制するための組成物であって、
該第1核酸鎖は
(1)標的転写産物の少なくとも一部にハイブリダイズすることができ、
(2)標的転写産物に対してアンチセンス効果を有し、かつ
(3)少なくとも4個の連続するデオキシリボヌクレオシドを含む中央領域、並びに非天然ヌクレオシドをそれぞれ含む5'ウイング領域及び3'ウイング領域を、中央領域の5'末端側及び3'末端側にそれぞれ含むギャップマーであり、
該第2核酸鎖は、少なくとも1個の第1露出領域、及び少なくとも1個の防御領域を含み、
前記第1露出領域は、該第1核酸鎖の一部と相補的な、1個、又はヌクレオシド間結合により連結された2~3個の連続する糖非修飾リボヌクレオシドからなり、
前記防御領域は、1個、又はヌクレオシド間結合により連結された2個以上の(a)デオキシリボヌクレオシド、(b)糖修飾ヌクレオシド及び/又は(c)3’側に修飾ヌクレオシド間結合を有するヌクレオシドからなり、かつ
該第1核酸鎖は該第2核酸鎖にアニールしている前記組成物。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記第1核酸鎖が10~26塩基長である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記第1露出領域が、ヌクレオシド間結合により連結された3個の連続する糖非修飾リボヌクレオシドからなる、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記第1露出領域が、修飾又は非修飾のプリン塩基を含むヌクレオシドを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記第2核酸鎖が、前記第1露出領域を1個だけ含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記第2核酸鎖が、第1露出領域を少なくとも2個含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記第1露出領域における糖非修飾リボヌクレオシドが、天然リボヌクレオシドである、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記第1核酸鎖の一部と相補的な、ヌクレオシド間結合により連結された4個以上の連続する糖非修飾リボヌクレオシドからなる第2露出領域をさらに含み、前記第2露出領域における糖非修飾リボヌクレオシドは修飾又は非修飾のプリン塩基を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記防御領域の少なくとも1個が、修飾又は非修飾のピリミジン塩基を含む(a)デオキシリボヌクレオシド、(b)糖修飾ヌクレオシド及び/又は(c)3’側に修飾ヌクレオシド間結合を有するヌクレオシドを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記防御領域の全てが、修飾又は非修飾のピリミジン塩基を含む(a)デオキシリボヌクレオシド、(b)糖修飾ヌクレオシド及び/又は(c)3’側に修飾ヌクレオシド間結合を有するヌクレオシドを含む、請求項9に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二本鎖核酸複合体、及びそれを含む組成物等に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、核酸医薬と呼ばれる医薬品の現在進行中の開発において、オリゴヌクレオチドが関心を集めており、また特に、標的遺伝子の高い選択性及び低毒性の点から考えて、アンチセンス法を利用する核酸医薬の開発が積極的に進められている。アンチセンス法とは、標的遺伝子より転写されたmRNAやmiRNAの部分配列を標的センス鎖として、それに相補的なオリゴヌクレオチド(アンチセンスオリゴヌクレオチド:本明細書ではしばしば「ASO(AntiSense Oligonucleotide)」と表記する)を細胞に導入することによって、標的遺伝子によってコードされたタンパク質の発現やmiRNAの活性を選択的に改変又は阻害することを含む方法である。
【0003】
アンチセンス法を利用した核酸として、本発明者らは、アンチセンスオリゴヌクレオチドとそれに対する相補鎖とをアニーリングさせた二本鎖核酸複合体(ヘテロ二本鎖オリゴヌクレオチド(heteroduplexoligonucleotide、HDO))を開発した(特許文献1、非特許文献1及び2)。
【0004】
上記二本鎖核酸複合体の作用機序は、限定されるものではないが、部分的には以下の通りである。すなわち、細胞内に導入されると、相補鎖におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの一部と相補的なRNA領域がRNase Hによって切断され、アンチセンスオリゴヌクレオチドを放出し、その後、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、転写産物の活性又は機能を改変するように作用することができる(例えば、特許文献2を参照のこと)。これは「RNase H依存性経路」とよばれ、RNase Hによる切断がなされるためには核酸部分に修飾がないことが望ましい。一方で核酸部分に修飾がない場合には、生体内での核酸分解酵素により分解され、十分に活性を発揮できない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2013/089283号
国際公開第2014/192310号
【非特許文献】
【0006】
Nishina K, et. al., "DNA/RNA heteroduplex oligonucleotide for highly efficient gene silencing", Nature Communication, 2015, 6:7969.
Asami Y, et al., "Drug delivery system of therapeutic oligonucleotides",Drug Discoveries &Therapeutics. 2016; 10(5):256-262.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
二本鎖核酸複合体の活性を維持しながら、生体内での核酸分解酵素による分解を抑制するために、どのように核酸を修飾すべきかについての知見は、十分なものとは言えない。
【0008】
本発明は、活性を維持し、及び/又は生体内での分解を抑制し得る、二本鎖核酸複合体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、第1核酸鎖と第2核酸鎖の複合体であって、該第1核酸鎖がギャップマーであり、該第2核酸鎖が、該第1核酸鎖の一部と相補的な、1個、又はヌクレオシド間結合により連結された2~3個の連続する糖非修飾リボヌクレオシドからなる糖非修飾中央領域(本明細書中では「第1露出領域」とも表記する)を含む複合体が、活性を維持し、及び/又は生体内での分解を抑制し得るものであることを見出した。
また、本発明者らは、第2核酸鎖が修飾又は非修飾のピリミジン塩基を含む防御領域を含むことによって、上記複合体の機能がさらに向上し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明は、上記知見に基づくものであって以下の実施形態を包含する。
[1]第1核酸鎖と第2核酸鎖とを含む核酸複合体であって、
該第1核酸鎖は
(1)標的転写産物の少なくとも一部にハイブリダイズすることができ、
(2)標的転写産物に対してアンチセンス効果を有し、かつ
(3)少なくとも4個の連続するデオキシリボヌクレオシドを含む中央領域、並びに非天然ヌクレオシドをそれぞれ含む5'ウイング領域及び3'ウイング領域を、中央領域の5'末端側及び3'末端側にそれぞれ含むギャップマーであり、
該第2核酸鎖は、該第1核酸鎖の一部と相補的な、1個、又はヌクレオシド間結合により連結された2~3個の連続する糖非修飾リボヌクレオシドからなる糖非修飾中央領域(第1露出領域)を少なくとも1個含み、かつ
該第1核酸鎖は該第2核酸鎖にアニールしている前記核酸複合体。
[2]前記第1核酸鎖が13~20塩基長である、[1]に記載の核酸複合体。
[3]前記第2核酸鎖が、
修飾又は非修飾のヌクレオシド間結合により連結された、
(1)前記糖非修飾中央領域(第1露出領域)、並びに
(2)(a)デオキシリボヌクレオシド及び/又は(b)糖修飾ヌクレオシド
を含む、[1]又は[2]に記載の核酸複合体。
[4]前記第2核酸鎖が、糖修飾リボヌクレオシドを含む、[3]に記載の核酸複合体。
[5]前記糖非修飾中央領域(第1露出領域)が、ヌクレオシド間結合により連結された3個の連続する糖非修飾リボヌクレオシドからなる、[1]~[4]のいずれかに記載の核酸複合体。
[6]前記第2核酸鎖が、糖非修飾中央領域(第1露出領域)を1個だけ含む、[1]~[5]のいずれかに記載の核酸複合体。
[7]前記糖非修飾中央領域(第1露出領域)における糖非修飾リボヌクレオシドが、天然リボヌクレオシドである、[1]~[6]のいずれかに記載の核酸複合体。
[8]前記糖非修飾中央領域(第1露出領域)が、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の核酸複合体。
[9]前記第2核酸鎖が、少なくとも1個の糖非修飾リボヌクレオシドを含む糖非修飾末端領域を5'末端及び/又は3'末端に含む、[1]~[8]のいずれかに記載の核酸複合体。
[10]前記糖非修飾末端領域における糖非修飾リボヌクレオシドが、天然リボヌクレオシドである、[9]に記載の核酸複合体。
[11]前記第2核酸鎖の糖非修飾中央領域(第1露出領域)が、少なくとも1個のRp配置又はSp配置にキラル制御されたホスホロチオエート結合を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の核酸複合体。
[12]前記第2核酸鎖が、糖非修飾末端領域及び糖非修飾中央領域(第1露出領域)以外に、糖非修飾領域を含まない、[11]に記載の核酸複合体。
[13]前記糖非修飾中央領域(第1露出領域)における塩基が、プリン塩基である、[1]~[12]のいずれかに記載の核酸複合体。
[14]前記第2核酸鎖が、標識機能、精製機能、及び標的への送達機能から選択される機能を有する機能性部分と結合している、[1]~[13]のいずれかに記載の核酸複合体。
[15]前記第2核酸鎖の中央よりも3'側に前記糖非修飾中央領域(第1露出領域)が位置する、[1]~[14]のいずれかに記載の核酸複合体。
(【0011】以降は省略されています)

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