TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025136162
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024034389
出願日
2024-03-06
発明の名称
ガラスアクチュエータ素子及びその製造方法
出願人
国立大学法人東京科学大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H10N
30/853 20230101AFI20250911BHJP()
要約
【課題】ガラスアクチュエータ素子の電気-力学エネルギー変換性能を改良すること。
【解決手段】提供されるガラスアクチュエータ素子は、対向する表面を有するガラス層と、ガラス層の対向する表面のそれぞれに設けられた電極層とを具備し;ガラス層がAg,Cu、Kから選ばれた少なくとも1種の金属を含有するリン酸塩系ガラスであるか、及び/又は、ガラス層と電極層の間に厚み10μm未満の誘電体からなるクラッド層を有し;電気―変位変換可能である。そのガラスアクチュエータ素子の製造方法も提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
対向する表面を有するガラス層と、ガラス層の対向する表面のそれぞれに設けられた電極層とを具備し、
ガラス層がAg,Cu、Kから選ばれた少なくとも1種の金属を含むリン酸塩系ガラスであるか、及び/又は、ガラス層と電極層の間に厚み10μm未満の誘電体からなるクラッド層を有し、
電気-力学エネルギー変換可能である、
ことを特徴とするガラスアクチュエータ素子。
続きを表示(約 950 文字)
【請求項2】
リン酸塩系ガラスが、P
2
O
5
を30モル%以上含む、請求項1に記載のガラスアクチュエータ素子。
【請求項3】
リン酸塩系ガラスが、Ag
2
Oを5モル%以上、好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上含む、請求項1に記載のガラスアクチュエータ素子。
【請求項4】
リン酸塩系ガラスが、Ag
2
O及びP
2
O
5
に加えて、MoO
3
、WO
3
、TeO
2
、B
2
O
3
からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物を含む、請求項1に記載のガラスアクチュエータ素子。
【請求項5】
ガラス層は、65GPa以下のヤング率を有するか、及び/又は0.27以上のポアソン比を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のガラスアクチュエータ素子。
【請求項6】
ガラス層は、透明である、請求項1に記載のガラスアクチュエータ素子。
【請求項7】
クラッド層の誘電体は、結晶性又はアモルファスの無機材料からなる、請求項1に記載のガラスアクチュエータ素子。
【請求項8】
クラッド層の誘電体は、TiO
2
,BaTiO
3
,SrTiO
2
,Al
2
O
3
,MgO,ZrO
2
,MgAl
2
O
4
,RNbO
3
(R=Li,NaまたはK又はこれらの組み合わせ)から選ばれる、請求1に記載のガラスアクチュエータ素子。
【請求項9】
クラッド層がガラス層より高い誘電率を有する、請求項1~4、6~8のいずれか一項に記載のガラスアクチュエータ素子。
【請求項10】
クラッド層が1μm未満の厚みを有する、請求項1~4、6~8のいずれか一項に記載のガラスアクチュエータ素子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガラスアクチュエータ素子及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、ロボット産業やメムス(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)等の発展により、電気-力学エネルギー変換素子として種々の用途に種々のアクチュエータが開発されている。ポリマーアクチュエータは、電圧の印加によりポリマー内でイオンが移動し、偏析することで体積変化を引き起こしポリマー層を屈曲させるが(特許文献1,2)、ポリマーアクチュエータは、高温での使用、剛性、透明性の点で難点がある。また、圧電セラミックスアクチュエータは、電気-力学エネルギー変換率が低く、透明性に欠ける難点がある。
【0003】
本開示者は、このような課題を解決するために、イオン伝導性を有するコアガラス層とそれを覆うクラッドガラス層とのガラス積層構造を有し、電圧の印加に対してコアガラス層に誘導されるイオン伝導と空間電荷分極により応力を誘起し、電気信号(電圧)に応じたガラス積層構造の変形、変位をもたらすガラスアクチュエータ素子を提案している(特許文献3)。しかしながら、このガラスアクチュエータ素子は、素子の耐熱性及び強度を確保するためにコアガラス層と所定の厚みを有するクラッドガラス層から構成されており、電気-力学エネルギー変換性能の点でさらに改良されることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-045221号公報
特開2006-204099号公報
特許第6937597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、本開示者がガラスアクチュエータ素子の電気-力学エネルギー変換性能を改良すること、及びそのようなガラスアクチュエータ素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上記の目的を達成するために、下記を提供する。
(態様1)
対向する表面を有するガラス層と、ガラス層の対向する表面のそれぞれに設けられた電極層とを具備し、
ガラス層がAg,Cu、Kから選ばれた少なくとも1種の金属を含むリン酸塩系ガラスであるか、及び/又は、ガラス層と電極層の間に厚み10μm未満の誘電体からなるクラッド層を有し、
電気-力学エネルギー変換可能である、
ことを特徴とするガラスアクチュエータ素子。
(態様2)
リン酸塩系ガラスが、P
2
O
5
を30モル%以上含む、態様1に記載のガラスアクチュエータ素子。
(態様3)
リン酸塩系ガラスが、Ag
2
Oを5モル%以上、好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上含む、態様1に記載のガラスアクチュエータ素子。
(態様4)
リン酸塩系ガラスが、Ag
2
O,CuxO、K
2
Oのうち1種以上及びP
2
O
5
に加えて、MoO
3
、WO
3
、TeO
2
、B
2
O
3
からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物を含む、態様1に記載のガラスアクチュエータ素子。
(態様5)
ガラス層は、65GPa以下のヤング率を有するか、及び/又は0.27以上のポアソン比を有する、態様1~4のいずれか一項に記載のガラスアクチュエータ素子。
(態様6)
ガラス層は、透明である、態様1に記載のガラスアクチュエータ素子。
(態様7) クラッド層の誘電体は、結晶性又はアモルファスの無機材料からなる、態様1に記載のガラスアクチュエータ素子。
(態様8)
クラッド層の誘電体は、TiO
2
,BaTiO
3
,SrTiO
2
,Al
2
O
3
,MgO,ZrO
2
,MgAl
2
O
4
,RNbO
3
(R=Li,NaまたはK又はこれらの組み合わせ)から選ばれる、態様1に記載のガラスアクチュエータ素子。
(態様9)
クラッド層がガラス層より高い誘電率を有する、態様1~4、6~8のいずれか一項に記載のガラスアクチュエータ素子。
(態様10)
クラッド層が1μm未満の厚みを有する、態様1~4、6~8のいずれか一項に記載のガラスアクチュエータ素子。
(態様11)
クラッド層が電気絶縁体である、態様1~4、6~8のいずれか一項に記載のガラスアクチュエータ素子。
(態様12)
対向する表面を有するガラス層を提供すること、
ガラス層の対向する表面のそれぞれに電極層を形成すること、
ガラス層をAg,Cu、Kから選ばれた少なくとも1種の金属を含むリン酸塩系ガラスで形成するか、及び/又はガラス層と電極層の間に誘電体からなるクラッド層を気相堆積法で形成すること、
【発明の効果】
【0007】
本開示のガラスアクチュエータ素子によれば、ガラス層としてAg,Cu、Kから選ばれた少なくとも1種の金属を含むリン酸塩系ガラスを用いるか、及び/又は厚み10μm未満の誘電体からなるクラッド層を用いることにより、ガラスアクチュエータ素子の電気-力学エネルギー変換性能を向上させることが可能である。
また、クラッド層を薄膜堆積法で形成することで、クラッド層の膜厚を薄くできるとともに、クラッド層とガラス層との密着性を改良することができる。
本開示の好ましい態様によれば、透明なガラス層を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本開示のアクチュエータ素子の構造の例を模式的に長さ方向の縦断面図で示す。
図2は、ガラスの作製工程の例を示す。
図3は、実施例4におけるガラス層の加工方法を説明する図である。
図4は、実施例4における加工前のファイバーガラスの外観(上図)と、ファイバーガラスを加工して得られた短冊状のガラスロッドの外観(中図)と、ガラスロッドの横断面(下図)とを示す写真である。
図5(a)―(d)は、ヤング率、ポアソン比を測定するために超音波パルス法によって伝搬波の測定する様子を示す。
図6(a)―(c)は、ウルトラピクノメーターによって試料の密度を測定する様子を示す。
図7は、実施例5で測定した試料の比誘電率を示すグラフである。
図8(a)は、40Ag
2
O-10WO
3
-10MoO
3
-(40-x)TeO
2
-xP
2
O
5
(mоl%)において、x=0,4,8,16,40とした組成のガラスを示す写真である。図8(b)は、40Ag
2
O-yMoO
3
-(10―y)WO
3
-40P
2
O
5
(mоl%)において、y=0,3.3,6.7,10,13.3,16.7,20とした組成のガラスを示す写真である。
図9は、実施例7で測定した試料の光透過率を示すグラフである。
図10は、対向ターゲット式スパッタリング装置の例を示す。
図11は、実施例8おけるクラッド層の堆積の条件と、得られたクラッド層の膜厚を示す。
図12は、実施例8におけるクラッド層について解析して得られたTi2pのXPSスペクトルのチャートを示す。
図13は、実施例8におけるクラッド層について解析して得られた薄膜XRDスペクトルのチャートを示す。
図14は、実施例5においてヤング率を測定した試料を説明する図である。
図15(a)(b)は、実施例5におけるガラスのヤング率の測定を説明する図である。
図16(a)(b)は、実施例10における交流電界に対するアクチュエータ素子の振動を測定する様子を示す。図16(c)は、測定された振幅の周波数依存を示すチャートである。
図17(a)(b)は、実施例10において測定した振動の周波数依存性を示す図である。
図18は、実施例10において測定した振幅の周波数依存性を示す図である。
図19(a)(b)は、実施例10において測定した振動形状を示す図である。
図20は、実施例10において測定した振幅の電圧依存性を示す図である。
図21-1(a)は、実施例10の実験1に関して、測定位置を示すカンチレバーの平面図を示し、図21-1(b)は、印加交流電界周波数に対する変位速度(Velocity)を示す。
図21-2(c)は、変位速度(Velocity)を観測周波数に対して示し、図21-2(d)は、変位速度(Velocity)のピークが表れるときの印加交流電界周波数と観測周波数との関係をプロットして示す。
図21-3(e)は、様々な印加交流電界周波数における、測定位置における振幅をプロットして示す。
図22(a)―(d)は、実施例10の実験2に関する。図22(a)はカンチレバーの測定位置を示す模式平面図である。図22(b)は、測定した変位速度(Velocity)を示す。図22(c)はカンチレバーの測定位置を示す模式平面図である。図22(d)は、電界と打撃によるンチレバーの振幅を示す。
図23(a)は、実施例10の実験3で得られたカンチレバーの先端の振幅を観測周波数に対してプロットして示す。図23(b)は、実施例10の実験3で得られた低交流電界周波数での観測周波数に対する変位速度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示を詳細に説明し、図面を参照するが、本開示はこれらの説明及び図面に限定されるものではない。
【0010】
〔第1の側面:アクチュエータ素子〕
本開示は、第1の側面において、
(A)対向する表面を有するガラス層と、ガラス層の対向する表面のそれぞれに設けられた電極層とを具備し、
(B)ガラス層がAg,Cu、Kから選ばれた少なくとも1種の金属を含むリン酸塩系ガラスであるか、及び/又は、(C)ガラス層と電極層の間に厚み10μm未満の誘電体からなるクラッド層を有し、
(D)電気-力学エネルギー変換可能である、
ことを特徴とするガラスアクチュエータ素子を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
エイブリック株式会社
半導体装置
28日前
富士電機株式会社
半導体装置
11日前
富士電機株式会社
半導体装置
1か月前
富士電機株式会社
半導体装置
1か月前
富士電機株式会社
半導体装置
1か月前
富士電機株式会社
半導体装置
1か月前
株式会社カネカ
固体撮像装置用基板
1か月前
エイブリック株式会社
縦型ホール素子
1か月前
三菱電機株式会社
半導体装置
1か月前
三菱電機株式会社
半導体装置
20日前
国立大学法人 和歌山大学
光検出器
25日前
株式会社半導体エネルギー研究所
半導体装置
25日前
日亜化学工業株式会社
発光装置
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
半導体装置
25日前
日亜化学工業株式会社
発光装置
11日前
株式会社半導体エネルギー研究所
半導体装置
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
半導体装置
12日前
ミツミ電機株式会社
半導体装置
1か月前
ミツミ電機株式会社
センサ装置
1か月前
キヤノン株式会社
有機発光素子
3日前
エイブリック株式会社
保護回路及び半導体装置
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
発光デバイス
1か月前
ローム株式会社
窒化物半導体装置
11日前
株式会社半導体エネルギー研究所
発光デバイス
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
発光デバイス
25日前
ローム株式会社
窒化物半導体装置
17日前
住友電気工業株式会社
半導体装置
3日前
ローム株式会社
窒化物半導体装置
1か月前
住友電気工業株式会社
半導体装置
3日前
株式会社カネカ
太陽光発電システム
12日前
日亜化学工業株式会社
発光素子
14日前
個人
半導体装置
13日前
国立大学法人東京科学大学
半導体装置
12日前
キオクシア株式会社
磁気メモリ
25日前
株式会社東芝
電子回路及び計算装置
5日前
日亜化学工業株式会社
光源及び基板
3日前
続きを見る
他の特許を見る