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公開番号2025160677
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-23
出願番号2024063379
出願日2024-04-10
発明の名称燃料電池用バインダー
出願人日清紡ホールディングス株式会社,国立大学法人東京科学大学
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類H01M 4/86 20060101AFI20251016BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】フッ素原子を含まないため環境負荷が少なく、無加湿高温条件で使用可能な燃料電池用バインダーを提供すること。
【解決手段】 N-ビニルイミダゾール、N-ビニルイミダゾールの誘導体およびそれらの混合物から選ばれるモノマーの重合体からなる燃料電池用バインダー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
Ｎ－ビニルイミダゾール、Ｎ－ビニルイミダゾールの誘導体およびそれらの混合物から選ばれるモノマーの重合体からなる燃料電池用バインダー。
続きを表示（約 650 文字）【請求項２】
前記Ｎ－ビニルイミダゾールの誘導体が、下記式（１）および式（２）で表される少なくとも１種である請求項１記載の燃料電池用バインダー。
TIFF
2025160677000007.tif
31
162
（式（１）中、Ｘ
-
は、１価のアニオンを表す。式（２）中、Ｚは、炭素－炭素結合間に酸素原子が介在していてもよい炭素数１～２０のアルキレン基を表し、Ｙ
-
は、互いに独立して１価のアニオンを表し、ｎは、１～２０の整数を表す。）
【請求項３】
前記Ｘ
-
が、ＨＳＯ
4
-
である請求項２記載の燃料電池用バインダー。
【請求項４】
前記Ｚが、炭素－炭素結合間に酸素原子が介在していてもよい炭素数４～１６のアルキレン基である請求項２記載の燃料電池用バインダー。
【請求項５】
前記Ｙ
-
が、いずれもＨＳＯ
4
-
である請求項２記載の燃料電池用バインダー。
【請求項６】
燃料電池の触媒インク用である請求項１～５のいずれか１項記載の燃料電池用バインダー。
【請求項７】
触媒担持カーボン粒子、溶媒および請求項６記載の燃料電池用バインダーを含む燃料電池の触媒インク。
【請求項８】
請求項７記載の触媒インクから得られる燃料電池の触媒層。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、燃料電池用バインダーに関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
燃料電池は、水素等の燃料と大気中の酸素とを電池に供給し、これらを電気化学的に反応させて水を作り出すことで直接発電させるものであり、高い効率でエネルギー変換可能で、環境適応性に優れていることから、小規模地域発電、家庭用発電、キャンプ場等での簡易電源、自動車、小型船舶等の移動用電源、人工衛星、宇宙開発用電源等の各種用途向けに開発が進められている。
【０００３】
このような燃料電池、特に固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜と、この両側に配設されたアノード電極およびカソード電極とからなる膜電極接合体を、一対のセパレータで挟持してなる単位セルを複数個並設してなるモジュールから構成されている。
また、上記アノード電極およびカソード電極は、いずれも電解質膜側に、反応に直接関与する触媒層を備えている。
【０００４】
この触媒層は、主に触媒担体である炭素、白金粒子およびイオン伝導性の高分子バインダーを含んで構成される。
イオン伝導性の高分子バインダーとしては、従来、電解質膜を構成する材料と同様に、フッ素系ポリマーであるナフィオン（Nafion，登録商標、以下同じ。)や、アクイビオン（Aquivion、登録商標、以下同じ。)が一般的に広く用いられているが、これらのポリマーは、水和によってプロトンを伝導する発揮する材料であるため、無加湿高温での発電を目指すタイプの燃料電池には適していない。
【０００５】
この点に鑑み、例えば、特許文献１には、高温の作動条件下において、無加湿または低加湿であっても、優れたプロトン伝導性および結着性を有する燃料電池用バインダーとして、２以上のアミノ基を有する含窒素複素環化合物で修飾されたビニリデンフロライド－ヘキサフルオロプロピレン共重合体が開示されている。
特許文献１のバインダーを用いた場合、１５０℃、無加湿条件下でも発電可能であるものの、当該バインダーは、ナフィオン等と同様フッ素系ポリマーであるため、環境負荷、安全性等の点で問題がある。
【０００６】
また、非特許文献１，２には、側鎖にスルホ基とイミダゾリウム塩基を有する高分子イオン液体バインダーが開示されているが、このバインダーは、ナフィオンと併用しなければ、８０℃における酸素活性過程の向上が見られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
特開２００９－１５８３７２号公報
【非特許文献】
【０００８】
ACS Energy Lett. 2020, 5 (6), 1726-1731. https://doi.org/10.1021/acsenergylett.0c00532.
Macromolecules 2022, 55 (15), 6716-6729. https://doi.org/10.1021/acs.macromol.2c00468.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、フッ素原子を含まないため環境負荷が少なく、無加湿高温条件で使用可能な燃料電池用バインダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、Ｎ－ビニルイミダゾール、Ｎ－ビニルイミダゾールの誘導体およびそれらの混合物から選ばれるモノマーの重合体からなる燃料電池用バインダーが、無加湿高温条件で使用可能であることを見出し、本発明を完成した。
（【００１１】以降は省略されています）

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