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公開番号2025168047
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024073161
出願日2024-04-26
発明の名称Bacteroides属細菌の増殖の促進のための組成物及びその利用
出願人株式会社明治
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C12N 1/20 20060101AFI20251030BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】Bacteroides属に属する細菌の増殖を制御するための新たな手段を提供する。
【解決手段】キシロースを含む、Bacteroides属に属する細菌の増殖の制御のための組成物;キシロースを含む、炎症の処置、肥満の処置、認知症の処置、糖代謝異常の処置、疲労の処置、及び運動能力の向上から選択される1以上のための組成物;ならびに、キシロースを用いる、Bacteroides属に属する細菌の培養方法が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
キシロースを含む、Bacteroides属に属する細菌の増殖の制御のための組成物。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
増殖が、腸内における増殖である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
プレバイオティクス又はシンバイオティクスとして使用するための、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
増殖の制御が、増殖の促進である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
Bacteroides属に属する細菌の増殖が、腸内における増殖であり、
Bacteroides属に属する細菌の増殖の制御が、Bacteroides属に属する細菌と、Bacteroides属に属する細菌以外の腸内細菌との相互作用を介するものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
相互作用が、
Bacteroides属に属する細菌が、Bacteroides属に属する細菌以外の腸内細菌の1種以上による産生物を資化することを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
キシロースを含む、炎症の処置、肥満の処置、認知症の処置、糖代謝異常の処置、疲労の処置、及び運動能力の向上から選択される1以上のための組成物。
【請求項8】
炎症の処置、肥満の処置、認知症の処置、糖代謝異常の処置、疲労の処置、及び運動能力の向上から選択される1以上が、腸内におけるBacteroides属に属する細菌の増殖の促進を介するものである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
キシロースを用いる、Bacteroides属に属する細菌の培養方法。
【請求項10】
Bacteroides属に属する細菌を腸内細菌叢中で培養することを含む、請求項9に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、キシロースを含む、Bacteroides属に属する細菌の増殖の促進のための組成物及びその利用に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、腸内細菌はさまざまな疾患や症状に影響することが報告され、注目を集めている。腸内細菌の中でも、Bacteroides属に属する細菌は最も一般的な日和見菌の一種である。
【0003】
Bacteroides属細菌は、肥満、脂肪肝、及び認知症の抑制等、様々な健康効果に関係することが知られる。最近では、Bacteroides属に属する細菌は運動能力の向上にも関係する可能性があるという研究結果が報告されている(非特許文献1)。また、特許文献1には、バクテロイデス・ユニフォルミス又はその処理物を含む、体力及び疲労耐性のうち一以上を向上するために使用される組成物が記載されている。このように様々な健康効果が期待されることから、Bacteroides属に属する細菌を増加させるための技術が注目されている。
【0004】
例えば、特許文献2には、アマニリグナンを有効成分として含む、腸管内バクテロイデス・ユニフォルミスの増殖用組成物、及び運動能力向上用組成物が記載されている。特許文献3には、α-シクロデキストリンを有効成分として含む、腸管内バクテロイデス・ユニフォルミスの増殖用組成物、及び運動能力向上用組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開WO2019/069735号
国際公開WO2020/203196号
国際公開WO2020/203185号
【非特許文献】
【0006】
Morita et al., Bacteroides uniformis and its preferred substrate, α-cyclodextrin, enhance endurance exercise performance in mice and human males. Sci Adv. 2023 Jan 25;9(4):eadd2120. doi: 10.1126/sciadv.add2120.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、Bacteroides属に属する細菌の増殖を制御するための新たな手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下に関する。
[1] キシロースを含む、Bacteroides属に属する細菌の増殖の制御のための組成物。
[2] 増殖が、腸内における増殖である、[1]に記載の組成物。
[3] プレバイオティクス又はシンバイオティクスとして使用するための、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 増殖の制御が、増殖の促進である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の組成物。
[5] Bacteroides属に属する細菌の増殖が、腸内における増殖であり、
Bacteroides属に属する細菌の増殖の制御が、Bacteroides属に属する細菌と、Bacteroides属に属する細菌以外の腸内細菌との相互作用を介するものである、[1]~[4]のいずれか1つに記載の組成物。
[6] 相互作用が、
Bacteroides属に属する細菌が、Bacteroides属に属する細菌以外の腸内細菌の1種以上による産生物を資化することを含む、[5]に記載の組成物。
[7] キシロースを含む、炎症の処置、肥満の処置、認知症の処置、糖代謝異常の処置、疲労の処置、及び運動能力の向上から選択される1以上のための組成物。
[8] 炎症の処置、肥満の処置、認知症の処置、糖代謝異常の処置、疲労の処置、及び運動能力の向上から選択される1以上が、腸内におけるBacteroides属に属する細菌の増殖促進を介するものである、[7]に記載の組成物。
[9] キシロースを用いる、Bacteroides属に属する細菌の培養方法。
[10] 腸内細菌叢中でBacteroides属に属する細菌を培養することを含む、[9]に記載の方法。
【0009】
又は、本発明は以下に関する。
[11] キシロースを対象に投与することを含む、Bacteroides属に属する細菌の増殖を制御する方法又は非治療的方法。Bacteroides属に属する細菌の増殖を制御する方法において使用するための、キシロース、又はキシロースを含む組成物。Bacteroides属に属する細菌の増殖の制御のための組成物の製造のための、キシロースの使用、又はキシロースを含む組成物の使用。Bacteroides属に属する細菌の増殖を制御するための、キシロースの使用若しくは非治療的使用、又はキシロースを含む組成物の使用若しくは非治療的使用。
[12] キシロースを対象に投与することを含む、炎症を処置する方法、炎症を処置するための非治療的方法、肥満を処置する方法、肥満を処置するための非治療的方法、認知症を処置する方法、認知症を処置するための非治療的方法、糖代謝異常を処置する方法、糖代謝異常を処置するための非治療的方法、疲労を処置する方法、疲労を処置するための非治療的方法、運動能力を向上させる方法、又は運動能力を向上させるための非治療的方法。炎症を処置する方法、肥満を処置する方法、認知症を処置する方法、糖代謝異常を処置する方法、疲労を処置する方法、又は運動能力を向上させる方法において使用するための、キシロース、又はキシロースを含む組成物。炎症の処置、肥満の処置、認知症の処置、糖代謝異常の処置、疲労の処置、及び運動能力の向上から選択される1以上のための組成物の製造のための、キシロースの使用、又はキシロースを含む組成物の使用。炎症の処置、肥満の処置、認知症の処置、糖代謝異常の処置、疲労の処置、及び運動能力の向上から選択される1以上のための、キシロースの使用若しくは非治療的使用、又はキシロースを含む組成物の使用若しくは非治療的使用。
[13] 増殖が、腸内における増殖である、[11]又は[12]に記載の方法、非治療的方法、キシロース、キシロースを含む組成物、使用、又は非治療的使用。
[14] キシロースをプレバイオティクス又はシンバイオティクスとして投与することを含む、[11]~[13]のいずれか1つに記載の方法又は非治療的方法。プレバイオティクス又はシンバイオティクスとして使用するための、[11]~[13]のいずれか1つに記載のキシロース、又はキシロースを含む組成物。プレバイオティクス又はシンバイオティクスとしての、[11]~[13]のいずれか1つに記載の使用又は非治療的使用。
[15] 増殖の制御が、増殖の促進である、[11]~[14]のいずれか1つに記載の方法、非治療的方法、キシロース、キシロースを含む組成物、使用、又は非治療的使用。
[16] Bacteroides属に属する細菌の増殖が、腸内における増殖であり、
Bacteroides属に属する細菌の増殖の制御が、Bacteroides属に属する細菌と、Bacteroides属に属する細菌以外の腸内細菌との相互作用を介するものである、[11]~[15]のいずれか1つに記載の方法、非治療的方法、キシロース、キシロースを含む組成物、使用、又は非治療的使用。
[16] 相互作用が、
Bacteroides属に属する細菌が、Bacteroides属に属する細菌以外の腸内細菌の1種以上による産生物を資化することを含む、[16]に記載の方法、非治療的方法、キシロース、キシロースを含む組成物、使用、又は非治療的使用。
[17] 炎症の処置、肥満の処置、認知症の処置、糖代謝異常の処置、疲労の処置、及び運動能力の向上から選択される1以上が、腸内におけるBacteroides属に属する細菌の増殖促進を介するものである、[12]に記載の方法、非治療的方法、キシロース、キシロースを含む組成物、使用、又は非治療的使用。
【発明の効果】
【0010】
本発明のある態様によれば、Bacteroides属に属する細菌の増殖が制御される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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