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公開番号2025168012
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024073100
出願日2024-04-26
発明の名称GLP-1分泌促進用組成物
出願人学校法人明治大学,株式会社明治
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類A61K 31/23 20060101AFI20251030BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】GLP-1の分泌を促進できる成分を提供する。また食経験のある成分の新規な機能を明らかにする。
【解決手段】パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール、好ましくはパルミチン酸がβ位に結合したモノグリセリドを有効成分として含む、GLP-1分泌促進用組成物を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロールを含む、GLP-1分泌促進用組成物。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進、膵β細胞のアポトーシス抑制、血糖値低下、インスリン抵抗性の処置、肥満の処置、糖尿病の処置、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上のためのものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アシルグリセロールが、モノグリセリドである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
アシルグリセロールが、パルミチン酸がβ位に結合したアシルグリセロールである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
経口により対象に摂取させるための、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロールを含む、GPR40及びGPR119の少なくとも一方を活性化するための組成物。
【請求項7】
インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進、膵β細胞のアポトーシス抑制、糖尿病の処置、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上のためのものである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
アシルグリセロールがモノグリセリドである、請求項6又は7に記載の組成物。
【請求項9】
アシルグリセロールが、パルミチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール、又はパルミチン酸がβ位に結合したモノグリセリドである、請求項6又は7に記載の組成物。
【請求項10】
経口により対象に摂取させるための、請求項6又は7に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、GLP-1分泌促進用組成物に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、小腸内分泌L細胞から分泌される消化管ホルモンであり、インスリン分泌を担う膵β細胞の保護作用や、膵β細胞からのグルコース濃度依存的なインスリン分泌を促進する。また、胃内容排出遅延、満腹中枢の刺激等の作用を有する。よって、GLP-1受容体作動薬は、肥満やII型糖尿病患者における体重減少や血糖コントロールのための治療に使用されている。
【0003】
さらに近年、GLP-1受容体作動薬は内臓脂肪蓄積や肝異所性脂肪に対する改善効果があることが報告されている(非特許文献1)。GLP-1は母乳中にも含まれており、摂食調節等の乳児の成長や発達に寄与していると考えられている(非特許文献2)。
【0004】
食事性脂質において主要な脂質成分であるトリアシルグリセロール(TAG)は、腸管で膵リパーゼによりα位に結合する脂肪酸が優先的に加水分解されて、1分子のTAGから2分子の遊離脂肪酸と1分子のβ位モノアシルグリセロール(β位MAG)が生じる。
【0005】
β位に結合する脂肪酸に関し、sn-2位(β位)のパルミチン酸の割合が高いトリアシルグリセロールが、健常人の食後脂質血症を低下させることが報告されている(非特許文献3)。また、トリアシルグリセロールのsn-2位(β位)に含まれるパルミチン酸の健康な男女におけるインスリン分泌やグルコースホメオスタシスへの影響が報告されている(非特許文献4)。さらに、特許文献1には、グリセロール骨格の2位にC14~C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを有効成分とする、又はそのようなアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする、GIPの上昇抑制機能に基づく、食後の消化促進剤、胃もたれ改善剤、肥満抑制剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-47805号公報
【非特許文献】
【0007】
PLoS One;18(8):e0289616., 2023.
Obesity (Silver Spring);21(7):1451-8., 2013.
The American Journal of Clinical Nutrition;94(6): 1433-1441., 2011
Eur J Clin Nutr.;68(9):1036-41., 2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
GLP-1の分泌を促進できる成分があれば望ましい。またそのような機能を有する成分が、食経験のある成分であれば望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下を提供する。
[1] パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロールを含む、GLP-1分泌促進用組成物。
[2] インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進 、膵β細胞のアポトーシス抑制、血糖値低下、インスリン抵抗性の処置、肥満の処置、糖尿病の処置 、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上のためのものである、1に記載の組成物。
[3] アシルグリセロールが、モノグリセリドである、1又は2に記載の組成物。
[4] アシルグリセロールが、パルミチン酸がβ位に結合したアシルグリセロールである、1から3のいずれか1項に記載の組成物。
[5] 経口により対象に摂取させるための、1から4のいずれか1項に記載の組成物。
[6] パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロールを含む、GPR40及びGPR119の少なくとも一方を活性化するための組成物。
[7] インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進、膵β細胞のアポトーシス抑制、糖尿病の処置、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上のためのものである、6に記載の組成物。
[8] アシルグリセロールがモノグリセリドである、6又は7に記載の組成物。
[9] アシルグリセロールが、パルミチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール、又はパルミチン酸がβ位に結合したモノグリセリドである、6から8のいずれか1項に記載の組成物。
[10] 経口により対象に摂取させるための、6から9のいずれか1項に記載の組成物。
[11] パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したモノグリセリドを含む、グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進、膵β細胞のアポトーシス抑制、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上のための、組成物。
[12] 乳幼児用、又は高齢者用である、1から11のいずれか1項に記載の組成物。
[13] 油脂組成物である、1から12のいずれか1項に記載の組成物。
【0010】
[101] GLP-1の分泌促進方法において使用するための、パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール又はそれを含む組成物。パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロールの、GLP-1の分泌促進のための組成物の製造における使用。パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール又はそれを含む組成物を対象に投与する工程を含む、GLP-1の分泌促進のための方法又は非治療的方法。パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール、又はそれを含む組成物の、GLP-1の分泌促進のための使用又は非治療的使用。
[102] インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進 、膵β細胞のアポトーシス抑制、血糖値低下、インスリン抵抗性の処置、肥満の処置、糖尿病の処置 、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上のための、101に記載の組成物、製造における使用、方法又は非治療的方法、使用又は非治療的方法。
[103] アシルグリセロールが、モノグリセリドである、101又は102に記載の組成物、製造における使用、方法又は非治療的方法、使用又は非治療的方法。
[104] アシルグリセロールが、パルミチン酸がβ位に結合したアシルグリセロールである、101から103のいずれか1項に記載の組成物、製造における使用、方法又は非治療的方法、使用又は非治療的方法。
[105] 経口により対象に摂取させるための、101から104のいずれか1項に記載の組成物。
[106] GPR40及びGPR119の少なくとも一方を活性化する方法において使用するための、パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール又はそれを含む組成物。パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール又はそれを含む組成物の、GPR40及びGPR119の少なくとも一方を活性化するための組成物の製造における使用。パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール又はそれを含む組成物を対象に投与する工程を含む、GPR40及びGPR119の少なくとも一方を活性化する方法又は非治療的方法。パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール又はそれを含む組成物の、GPR40及びGPR119の少なくとも一方を活性化するための使用又は非治療的方法。
[107] インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進、膵β細胞のアポトーシス抑制、糖尿病の処置、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上のためのものである、106に記載の組成物、製造における使用、方法又は非治療的方法、使用又は非治療的方法。
[108] アシルグリセロールがモノグリセリドである、106又は107に記載の組成物、製造における使用、方法又は非治療的方法、使用又は非治療的方法。
[109] アシルグリセロールが、パルミチン酸がβ位に結合したアシルグリセロール、又はパルミチン酸がβ位に結合したモノグリセリドである、106から108のいずれか1項に記載の組成物、製造における使用、方法又は非治療的方法、使用又は非治療的方法。
[110] 組成物が、経口により対象に摂取させるためのものである、106から109のいずれか1項に記載の組成物、製造における使用、方法又は非治療的方法、使用又は非治療的方法。
[111] グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進、膵β細胞のアポトーシス抑制、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上において使用するための、パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したモノグリセリド又はそれを含む組成物。パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したモノグリセリド又はそれを含む組成物の、グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進、膵β細胞のアポトーシス抑制、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上のための組成物の、製造における使用。パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したモノグリセリド又はそれを含む組成物を対象に摂取させる工程を含む、グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進、膵β細胞のアポトーシス抑制、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上のための方法又は非治療的方法。パルミチン酸又はミリスチン酸がβ位に結合したモノグリセリド又はそれを含む組成物の、グルカゴン分泌抑制、膵β細胞の分化・増殖促進、膵β細胞のアポトーシス抑制、食欲抑制、胃排泄及び胃酸分泌の抑制、血圧降下、血管保護から選択されるいずれか1つ以上のための使用又は非治療的使用。
[112] 乳幼児用、又は高齢者用である、101から111のいずれか1項に記載の組成物、製造における使用、方法又は非治療的方法、使用又は非治療的方法。
[113] 油脂組成物である、101から112のいずれか1項に記載の組成物、製造における使用、方法又は非治療的方法、使用又は非治療的方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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