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公開番号2025178196
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2025085495
出願日2025-05-22
発明の名称耐湿熱性ナチュラルチーズ及びその製造方法
出願人株式会社明治
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類A23C 19/068 20060101AFI20251128BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明は、耐湿熱性、具体的には湿熱保形性を有するナチュラルチーズ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】(1)原料乳をUHT殺菌処理する工程、
(2)前記工程で得られるUHT殺菌処理乳を、凝乳酵素及び塩化カルシウムを用いて凝固して凝乳を調製する工程、及び
(3)凝乳から調製されるチーズカードを加熱処理する工程、
を有する、耐湿熱性ナチュラルチーズの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
1.原料乳を超高温殺菌処理する工程、
2.前記工程で得られる超高温殺菌処理乳を、凝乳酵素及び塩化カルシウムを用いて凝固して凝乳を調製する工程、及び
3.凝乳から調製されるチーズカードを加熱処理する工程、
を有する、耐湿熱性ナチュラルチーズの製造方法。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
工程3における加熱処理が、湿熱処理であり、
前記湿熱処理が、水又は水蒸気の存在下で、90℃で5分以上、80℃で30分以上、又は70℃で90分以上の熱履歴を有するものである、請求項1に記載する製造方法。
【請求項3】
工程3の前又は後に、チーズカードを、必要に応じて加塩処理した後、冷蔵処理する工程を有する、請求項1に記載する製造方法。
【請求項4】
レトルト処理工程を有しない、請求項1に記載する製造方法。
【請求項5】
熟成工程を有しない、非熟成型の耐湿熱性ナチュラルチーズを製造する方法である、請求項1に記載する製造方法。
【請求項6】
湿熱保形性が80%以上の耐湿熱性ナチュラルチーズを製造する方法である、請求項1~5のいずれかに記載する製造方法。
【請求項7】
超高温殺菌処理、凝固処理、及び加熱処理された乳タンパク質を含む、湿熱保形性が80%以上である耐湿熱性ナチュラルチーズ。
【請求項8】
請求項1に記載する製造方法によって製造される、湿熱保形性が80%以上である耐湿熱性ナチュラルチーズ。
【請求項9】
請求項3に記載する製造方法によって製造される、湿熱保形性が80%以上である耐湿熱性ナチュラルチーズ。
【請求項10】
請求項5に記載する製造方法によって製造される非熟成型の耐湿熱性ナチュラルチーズである耐湿熱性ナチュラルチーズ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐湿熱性、具体的には湿熱保形性を有するナチュラルチーズ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
チーズは、大別してナチュラルチーズとプロセスチーズとに分類することができる。 ナチュラルチーズは、生乳等の乳原料を乳酸菌や凝乳酵素で凝固させ、ホエイ(乳清)の一部を除去したもの(非熟成タイプ)、または、これを熟成させたもの(熟成タイプ)である。一方、プロセスチーズは、ナチュラルチーズに乳化剤等を加えて加熱して溶かし(加熱乳化)、放冷または冷却することで再び成形したものである。
【0003】
ナチュラルチーズは、ナチュラルチーズを加熱乳化して得られるプロセスチーズとは異なり、乳の自然な風味と独自の食感を有しており、近年のグルメブームの中でその需要は拡大しつつある。ナチュラルチーズは、そのまま食べてもよいが、調理に用いることもでき、調理に用いることで料理にチーズ風味を付与することができる。また、ナチュラルチーズは加熱によって「融ける(溶融性)」又は「融けて糸を曳く(糸曳き性)」という性質を有することから、その性質を利用して、ピザやグラタン等の加熱料理へのトッピング等、加熱調理用途にも広く用いられる。
【0004】
一方、チーズを製菓・製パン、フライ・天ぷら等の揚げ物、炒め物、及び焼き物の具材として使用する場合は、溶融性や糸曳き性は求められず、加熱しても溶融しにくく、ある程度の温度でも元の形状を維持できる耐熱保形性を有することが求められることがある。こうした耐熱保形性を増したチーズは、一般にプロセスチーズやチーズフードが多く、ナチュラルチーズではキプロス原産のハルミチーズ等、焼成して食べるタイプのチーズが知られている。なお、チーズフードとは、一種以上のナチュラルチーズ又はプロセスチーズを粉砕混合し、加熱溶融し、乳化してつくられるもので、製品中のチーズ分の重量が51%以上のものである。
【0005】
前記ハルミチーズは、耐熱保形性を得るために、乳酸菌を使用せず、中性のpHのまま、原料乳を約90℃の高温のホエイ中で加熱して製造され、特有の甘く強いミルク風味を有する。しかし、ハルミチーズは、乾熱保形性は高いものの、湿熱保形性はそれほど高くなく、例えば、熱水中で加熱すると(例えば、100℃30分間のボイル)、柔らかくなり変形してしまう。
【0006】
ナチュラルチーズに耐熱保形性を付与する方法として、凝乳後にホエイを排出して得られるチーズガードにトランスグルタミナーゼを添加して熟成させる方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法は、熟成工程を必須とし、しかも40%以上の湿熱保形性を得るためには1か月以上もの長い熟成期間が必要であることから、ナチュラルチーズの中でも耐熱保形性を有するハルミチーズ特有の甘く強いミルク風味が低減するという短所がある。
【0007】
またナチュラルチーズに耐熱性及び耐水性を付与する方法として、脱塩した脱脂乳を加熱、濃縮及び乾燥して乳タンパク質含量が40%以上になるように調整した乳タンパク質濃縮物粉末を、水、生乳又は脱脂乳で乳タンパク質濃度が6~20重量%になるように溶解し、これに乳脂肪を添加し、均質処理を行った後に、乳酸菌スターター又は酸性化剤、及び凝乳酵素を添加してpH4.0~5.0条件で40℃以上に昇温させることでカードを形成する方法が提案されている(特許文献2)。しかし、この方法でナチュラルチーズに耐熱性及び耐水性を付与するためには、原料乳の乳タンパク質濃度、並びにカード形成時のpH及び温度を、前記範囲に調整し厳格に管理する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開公報WO2016/043177
特開2002-95410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、耐湿熱性、特に湿熱保形性を有するナチュラルチーズ、好ましくは湿熱保形性と乾熱保形性とを兼ね備えた耐熱保形性ナチュラルチーズを製造する方法を提供することを課題とする。また本発明は、前記耐湿熱性に加えて、喫食時にボイルした際に良好なミルク風味と歯切れ感を有するチュラルチーズを製造する方法を提供することを課題とする。
【0010】
さらに本発明は、こうした製造方法で得られる耐湿熱性、特に湿熱保形性を有するナチュラルチーズ、好ましくは湿熱保形性と乾熱保形性とを兼ね備えた耐熱保形性ナチュラルチーズを提供することを課題とする。また本発明は、前記耐湿熱性に加えて、喫食時にボイルした際に良好なミルク風味と歯切れ感を有するチュラルチーズを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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