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公開番号2025161950
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-24
出願番号2025140801,2023207994
出願日2025-08-26,2019-07-19
発明の名称プロピオン酸菌発酵物含有組成物
出願人国立大学法人東京農工大学,一般財団法人糧食研究会,株式会社明治
代理人個人
主分類A23L 33/10 20160101AFI20251017BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる抗肥満用組成物を提供する。
【解決手段】プロピオン酸菌の発酵物を対象に摂取させることにより抗肥満作用を奏する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、抗肥満用組成物。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
体重増加抑制用である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
脂肪蓄積抑制用である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
腸管ホルモン産生促進用である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
腸管ホルモンがPYYである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、腸内のプロピオン酸産生促進用組成物。
【請求項7】
プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、アッカーマンシア属(Akkermansia)の腸管内または糞便中での増加促進用組成物。
【請求項8】
プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、高血糖予防用、高インスリン血症予防用、中性脂肪低下促進用、またはコレステロール低下促進用組成物。
【請求項9】
プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、肥満症、高脂血症、または高コレステロール血症の予防および/または治療用組成物。
【請求項10】
プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、糖尿病の予防および/または治療用組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる抗肥満用組成物に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、日本を含めた先進国の人々の多くが、過度な食事や高カロリー食による過剰エネルギー摂取の結果、肥満や糖尿病となり大きな社会問題となっている。肥満になると、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)、心臓や脳の血管の病気、脂肪肝、月経異常、ひざの痛み、腰痛、睡眠時無呼吸症候群等を引き起こすことがある。肥満は種々の疾病の要因となるため、予防および改善のための研究が広く行われている。
【0003】
これまでに、腸内細菌叢が宿主のエネルギー調節や栄養の吸収などに関与し、肥満や糖尿病などの病態に影響することが明らかとなってきている(非特許文献1参照)。腸内細菌の主要な代謝産物である短鎖脂肪酸(Short Chain fatty acid:SCFA)は、宿主のエネルギーとなるだけでなく、腸管上皮細胞などに発現しているレセプターを介して、宿主のエネルギー代謝の調節に寄与している。主に結腸に発現しているSCFAレセプターのGPR41およびGPR43は、SCFAが作用することにより、食欲抑制ホルモンであるPYY(peptide YY)や、インスリン感受性を向上させるGLP-1(glucagon-like peptide 1)の産生を亢進することが知られている。加えて、宿主のエネルギー消費を上昇させる働きおよび脂肪細胞の肥大化を抑制する働きも持っていることも知られている(非特許文献2参照)。作用するSCFAのなかでも、プロピオン酸はGPR41およびGPR43の両方に作用することも知られている(非特許文献3参照)。
【0004】
しかし、プロピオン酸を経口で摂取しても、そのほとんどは小腸で吸収される(非特許文献4参照)ことから、結腸の上皮細胞に発現しているSCFAレセプターに作用することは難しく、また飲食品等として手軽に摂取でき、安全に肥満等を改善できる方策は未だ希求されているといえる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
木村郁夫 実験医学 Vol.32 No.5(増刊) 2014
宮本潤基 他 The Lipid Vol.27 No.2 2016-4
Andrew J.Brown et al, The American society for biochemistry and molecular biology Vol.278 No.13 p11312-11319 2003
T.Polyviou et al, Aliment Pharmacol Ther 2016; 44:662-672
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、プロピオン酸菌の発酵物を含む組成物を対象に摂取させることにより、対象において抗肥満作用等を有することを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0007】
従って、本発明は、プロピオン酸菌の発酵物を含む抗肥満用組成物を開示する。
【0008】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、抗肥満用組成物。
(2)体重増加抑制用である、(1)に記載の組成物。
(3)脂肪蓄積抑制用である、(1)または(2)に記載の組成物。
(4)腸管ホルモン産生促進用である、(1)~(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)腸管ホルモンがPYYである、(4)に記載の組成物。
(6)プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、腸内のプロピオン酸産生促進用組成物。
(7)プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、アッカーマンシア属(Akkermansia)の腸管内または糞便中での増加促進用組成物。
(8)プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、高血糖予防用、高インスリン血症予防用、中性脂肪低下促進用、またはコレステロール低下促進用組成物。
(9)プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、肥満症、高脂血症、または高コレステロール血症の予防および/または治療用組成物。
(10)プロピオン酸菌の発酵物を含んでなる、糖尿病の予防および/または治療用組成物。
(11)高血糖予防用である、(10)に記載の組成物。
(12)腸管ホルモン産生促進用である、(10)または(11)に記載の組成物。
(13)腸管ホルモンがGLP-1である、(12)に記載の組成物。
(14)プロピオン酸菌が、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(Propionibacterium freudenreichii)である、(1)~(13)のいずれかに記載の組成物。
(15)プロピオン酸菌が、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ ET-3株である、(1)~(13)のいずれかに記載の組成物。
(16)発酵物が乳清発酵物である、(1)~(15)のいずれかに記載の組成物。
(17)食品組成物または医薬組成物である、(1)~(16)のいずれかに記載の組成物。
(18)プロピオン酸菌の発酵物の有効量を、対象に摂取させることを含んでなる、肥満症の予防および/または治療方法。
【0009】
本発明の組成物を対象へ摂取させることにより、対象において抗肥満作用等を有する点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスにおける6週間の摂取期間中(7週齢~13週齢)の体重(g)の推移を表す。「**」はプロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスと、コントロール高脂肪食を摂取したマウスとの間に有意差(P<0.05)があることを示し、「*」はプロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスと、コントロール高脂肪食を摂取したマウスとの間に有意傾向(P<0.1)があることを示す。統計解析は、対応のあるt検定で行った。以下の図2~12についても同様である。
図2は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における血中の血糖値(mg/dL)を表す。
図3は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における精巣周囲(epi)、腎周囲(peri)、および皮下(sub)の白色脂肪組織重量を表す。
図4は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における血中のTG(トリグリセリド)濃度(mg/dL)を表す。
図5は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における血中の総コレステロール濃度(pg/dL)を表す。
図6は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における血中のインスリン濃度(mg/dL)を表す。
図7は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における血中のGLP-1(pM)を表す。
図8は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における血中のPYY(ng/mL)を表す。
図9は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における盲腸内のプロピオン酸量(mM)を表す。
図10は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における血漿中のプロピオン酸量(mM)を表す。
図11は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における盲腸内のアッカーマンシア菌数(1×10

copies/ng DNA)を表す。
図12は、プロピオン酸菌発酵物が含まれる高脂肪食を摂取したマウスおよびコントロール高脂肪食を摂取したマウスの飼育6週間後(13週齢)における糞便中のアッカーマンシア菌数(1×10

copies/ng DNA)を表す。
【発明の具体的説明】
(【0011】以降は省略されています)

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