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公開番号2025131333
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024029015
出願日2024-02-28
発明の名称細胞老化抑制用組成物
出願人株式会社明治
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類A23L 33/135 20160101AFI20250902BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】細胞老化を効果的に抑制できる組成物を提供する。
【解決手段】ラクトバシラス(Lactobacillaceae)科、又はストレプトコッカス(Streptococcus)属に属する乳酸菌のいずれかを含む、細胞老化抑制用組成物を提供する。Lactiplantibacillus plantarumを含む、サーチュイン1(Sirtuin 1, SIRT1)遺伝子の発現制御用組成物を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ラクトバシラス(Lactobacillaceae)科、又はストレプトコッカス(Streptococcus)属に属する乳酸菌のいずれかを含む、細胞老化抑制用組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
乳酸菌が、ラクチプランティバチルス(Lactiplantibacillus)属、ラクチカゼイバチルス(Lacticaseibacillus)属、コンパニラクトバチルス(Companilactobacillus)属、リモシラクトバチルス(Limosilactobacillus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラチラクトバチルス(Latilactobacillus)属、又はStreptococcus属に属する乳酸菌のいずれかである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
乳酸菌が、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus amylovorus、Lactobacillus helveticus、Lacticaseibacillus casei、Lacticaseibacillus paracasei、Lacticaseibacillus rhamnosus、Companilactobacillus farciminis、Limosilactobacillus fermentum、Limosilactobacillus reuteri、Limosilactobacillus oris、Lactobacillus johnsonii、Latilactobacillus sakei、又はStreptococcus thermophilusに属する乳酸菌のいずれかである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
細胞老化抑制が、上皮細胞の細胞老化の抑制である、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
細胞老化抑制が、腸管上皮細胞の細胞老化の抑制である、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
Lactiplantibacillus plantarumを含む、サーチュイン1(Sirtuin 1, SIRT1)遺伝子の発現制御用組成物。
【請求項7】
発現制御が、発現低下の抑制である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
加齢により低下した腸の機能を改善するためのものである、請求項1から3、6、及び7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
食品組成物、医薬組成物、又は、化粧料組成物である、請求項1に記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞老化を抑制するための組成物に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
ヒトの細胞は分裂回数が決まっており、その回数を超えると細胞分裂を停止することが知られている。細胞が分裂を停止し、増殖できなくなった状態が不可逆的に引き起こされることを細胞老化という。細胞老化は、がん化を抑制するための手段であるといわれている。
【0003】
通常、分裂を停止した細胞は免疫細胞等によって排除される。しかし、老化に伴い、分裂を停止した細胞の数が増えると、排除が間に合わず、蓄積し、免疫細胞を呼び込み、炎症性サイトカインが放出される。このような状態は老化に伴う慢性炎症の一因であり、老化に伴う慢性炎症は肥満や動脈硬化、糖尿病などの引き金となると考えられている。
【0004】
細胞老化に関し、特許文献1(特開2021-112181号公報)には、ビフィドバクテリウム属細菌、前記細菌の培養物、前記細菌の処理物から選択される一種又は二種以上を含有する、老化細胞の蓄積抑制用組成物が記載されている。また特許文献2(国際公開WO2021/145113)には、ビフィドバクテリウム・ロンガムNITE BP-02621、前記細菌の培養物、前記細菌の処理物から選択される一種又は二種以上を含有する、抗老化用組成物が記載されている。
【0005】
一方、乳酸菌については老化に関連した機能が検討されている。例えば特許文献3(特開2006-256993号公報)には、乳酸菌ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ クレモリス H-61株(NITE AP-92)を含有することを特徴とする老化抑制剤が記載されている。特許文献4(国際公開WO2019/098810(特開2006-256993、特許7242668号))には、ラクトバチルス・ムコサエNK41(Lactobacillus mucosae NK41)(受託番号:KCCM12091P)、及び前記ラクトバチルス・ムコサエNK41(Lactobacillus mucosaeNK41)は、老化因子p16タンパク質の発現を抑制するものであることが記載されている。特許文献5(特開2020-59694号公報(特許6949906号))には、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)を含む長寿促進組成物であって、前記ラクトバチルス・プランタルムは、中国普通微生物菌種保蔵管理センター(China General Microbiological Culture Collection Center)に寄託されている(No.14565)、長寿促進組成物が記載されている。特許文献6(特開2021-019507号公報(特許6739603号))には、ラクトバチルス属のヘテロ発酵型乳酸桿菌の菌体を含む記憶・学習能維持および/または向上用組成物が記載であって、前記記憶・学習能維持および/または向上が、加齢(老化)に伴って発生する記憶・学習能の低下の予防および/または改善であり、前記加齢(老化)に伴って発生する記憶・学習能の低下が、脳疾患、記憶障害、及び精神疾患に伴って発生する記憶・学習能の低下あるいは記憶能の低下を含まない、ラクトバチルス属のヘテロ発酵型乳酸桿菌が、ラクトバチルス・ハービネンシス(Lactobacillus harbinensis)種、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)種、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)種、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)種、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)種、ラクトバチルス・ムコーサエ(Lactobacillus mucosae)種、ラクトバチルス・ロイテリー(Lactobacillus reuteri)種の1種またはそれらの複数種の菌体を混合したものを含む記憶・学習能維持および/または向上用組成物が記載されている。
【0006】
他方、老化や寿命の制御に重要な役割を果たす遺伝子として、サーチュイン遺伝子(Sirtuin, SIRT)が知られている。哺乳類はSIRT1からSIRT7までの7種類のサーチュイン遺伝子を有する。特許文献7(特開2008-81461号公報)には、ケフィアが、Sirt1タンパク量を増加させたことが記載されている。また特許文献8(特開2008-195673号公報)には、サーチュイン遺伝子の活性を増強することを特徴とする延命効果物質として、乳酸菌または乳酸菌由来成分が記載されている。さらに特許文献9(特開2013-203669号公報(特許6066466号))には、ラクトバチルス・ブレビスT2102株(受託番号NITE P-1274)である乳酸菌、及びこの菌体のSIRT1転写増強効果が記載されている。また非特許文献1には、L. plantarum 69-2株とガラクトオリゴ糖を組み合わせてD-ガラクトースによる老化誘導マウスに投与することで、高い抗酸化能を発揮し、肝臓におけるAMPK/SIRT1経路を活性化したことが記載されている。さらに非特許文献2にはL. rhamnosus GGを妊娠期に与えられたマウスから産まれた仔マウスのうちL. rhamnosus GGが定着した仔マウスはそうでない仔マウスより、8ヶ月齢の時点でバリア機能が高く、Sirt1/AMPK/Pgc1-α経路が活性化していたことが記載され、幼少期にL. rhamnosus GGが定着することは加齢性疾患の予防に有効である可能性があると考察されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2021-112181号公報
国際公開WO2021/145113
特開2006-256993号公報
特開2021-112181号公報(特開2006-256993、特許7242668号)
国際公開WO2021/145113(特許6949906号)
特開2006-256993号公報(特許6739603号)
特開2021-112181号公報
国際公開WO2021/145113
特開2006-256993号公報(特許6066466号)
【非特許文献】
【0008】
Wang et al., J Agric Food Chem. 2021 Mar 10;69(9):2745-2757.
Liu et al., Oxid Med Cell Longev. 2021 Nov 11;2021:3328505.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
細胞老化の抑制は、細胞老化が一因となる加齢性の疾患又は状態の処置のために有効であると考えられる。したがって、細胞老化を制御するための手段があれば望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下を提供する。
[1]ラクトバシラス(Lactobacillaceae)科、又はストレプトコッカス(Streptococcus)属に属する乳酸菌のいずれかを含む、細胞老化抑制用組成物。
[2]乳酸菌が、ラクチプランティバチルス(Lactiplantibacillus)属、ラクチカゼイバチルス(Lacticaseibacillus)属、コンパニラクトバチルス(Companilactobacillus)属、リモシラクトバチルス(Limosilactobacillus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラチラクトバチルス(Latilactobacillus)属、又はStreptococcus属に属する乳酸菌のいずれかである、1に記載の組成物。
[3]乳酸菌が、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus amylovorus、Lactobacillus helveticus、Lacticaseibacillus casei、Lacticaseibacillus paracasei、Lacticaseibacillus rhamnosus、Companilactobacillus farciminis、Limosilactobacillus fermentum、Limosilactobacillus reuteri、Limosilactobacillus oris、Lactobacillus johnsonii、Latilactobacillus sakei、又はStreptococcus thermophilusに属する乳酸菌のいずれかである、1又は2に記載の組成物。
[4]細胞老化抑制が、上皮細胞の細胞老化の抑制である、1から3のいずれか1項に記載の組成物。
[5]細胞老化抑制が、腸管上皮細胞の細胞老化の抑制である、1から4のいずれか1項に記載の組成物。
[6]Lactiplantibacillus plantarumを含む、サーチュイン1(Sirtuin 1, SIRT1)遺伝子の発現制御用組成物。
[7]発現制御が、発現低下の抑制である、6に記載の組成物。
[8]加齢により低下した腸の機能を改善するためのものである、1から7のいずれか1項に記載の組成物。
[9]食品組成物、医薬組成物、又は、化粧料組成物である、1から8のいずれか1項に記載の組成物。
(【0011】以降は省略されています)

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