TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025174061
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-28
出願番号2024080083
出願日2024-05-16
発明の名称流体デバイスおよび核酸分離方法
出願人国立大学法人東海国立大学機構
代理人個人
主分類C12M 1/00 20060101AFI20251120BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】低コストで、大分子量の核酸を損傷することなく分離することが可能な技術を提供する。
【解決手段】流体デバイス100は、核酸を電気泳動させる流路120を備える。流路120の内面にポリマーブラシ層122が設けられている。ポリマーブラシ層122は親水性ポリマーを含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
核酸を電気泳動させる流路を備え、
前記流路の内面にポリマーブラシ層が設けられており、前記ポリマーブラシ層は親水性ポリマーを含む流体デバイス。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記親水性ポリマーは生体適合性を有する請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項3】
前記ポリマーブラシ層の厚さは、前記核酸を電気泳動させた際の前記核酸と前記ポリマーブラシ層の表面との絡み合いの差によって、前記核酸を分離するように設定されている請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項4】
前記ポリマーブラシ層の厚さは、前記核酸を電気泳動させた際に対象の核酸のサイズ以下の核酸を前記ポリマーブラシ層によって取り除くように設定されている請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項5】
前記流路内で前記核酸の電気泳動速度差が生じるように、少なくとも1つの前記ポリマーブラシ層が前記流路の内面に設けられている請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の流体デバイスを用いる核酸分離方法であって、少なくとも1つの核酸を含む溶液を前記流路内の電気泳動開始地点に充填し、前記核酸を電気泳動させる核酸分離方法。
【請求項7】
請求項3に記載の流体デバイスを用いる核酸分離方法であって、複数の核酸を含む溶液を前記流路内の電気泳動開始地点に充填し、前記複数の核酸を電気泳動させ、前記複数の核酸のそれぞれと前記ポリマーブラシ層の表面との絡み合いの差によって、前記複数の核酸をそれぞれのサイズごとに分離する核酸分離方法。
【請求項8】
請求項4に記載の流体デバイスを用いる核酸分離方法であって、複数の核酸を含む溶液を前記流路内の電気泳動開始地点に充填し、前記複数の核酸を電気泳動させ、前記複数の核酸のうち対象の核酸のサイズ以下の核酸を前記ポリマーブラシ層によって取り除くことによって、前記対象の核酸を分離する核酸分離方法。
【請求項9】
請求項5に記載の流体デバイスを用いる核酸分離方法であって、複数の核酸を含む溶液を前記流路内の電気泳動開始地点に充填し、第1泳動電圧を前記流路に印加することによって前記複数の核酸のうち所定のサイズ以下の核酸を電気泳動させ、前記第1泳動電圧より高い第2泳動電圧を前記流路に印加することによって所定のサイズを超える核酸を電気泳動させる核酸分離方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流体デバイスおよび核酸分離方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
核酸のサイズ分離は遺伝子解析、核酸医薬をはじめとした人工遺伝子の精製において必要不可欠な工程である。近年、DNAの合成技術の向上により、より塩基対数の大きい長鎖DNAの合成可能になってきていることから、大分子量DNAのサイズ分離技術が求められている。
【0003】
DNAのサイズ分離には、ゲル電気泳動法が一般的に使用されている。しかしながら、ゲル電気泳動法では、DNA分子が大分子量の場合、ゲルの網目を通過する際に伸長状態になりサイズ分離が困難であった。
【0004】
ゲル電気泳動法に対して、ゲルの代わりとなる多数のナノ構造体をマイクロ流路内に配列した電気泳動マイクロチップ(マイクロ流体デバイスとも呼ばれる)が多く知られている(例えば、非特許文献1~3参照)。電気泳動マイクロチップではゲルの代わりに人工的な微細構造を用いるため、構造体の大きさやギャップを自由に設定することで分離性能の設計が可能になり、大分子量DNA断片にも対応可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Anal. Chem., 2004, 76, p. 15-22
Anal. Chem., 2011, 83, p. 6635-6640
Jpn. J. Appl. Phys, 2016, 55, 06GN01
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のゲル電気泳動に比べ分離が高速であるが、デバイス作製に高度な微細加工技術を用いることによるコスト高が課題として挙げられる。また、これらのマイクロチップを用いたDNA断片の分離メカニズムは、ランダムコイル状のDNA断片がナノ構造に引っ掛かり伸長しながら分離するため、大分子量DNAほど構造に引っ掛かりやすい。そのため、DNA分子は力学的な外力を受け、破壊や損傷の危険性が高くなるという課題がある。
【0007】
本開示の目的は、低コストで、大分子量の核酸を損傷することなく分離することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のある態様は、流体デバイスである。当該流体デバイスは、核酸を電気泳動させる流路を備え、流路の内面にポリマーブラシ層が設けられており、ポリマーブラシ層が親水性ポリマーを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、低コストで、大分子量の核酸を損傷することなく分離することが可能な技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1(a)および図1(b)は、第1実施形態に係る流体デバイスを説明するための図である。
図1に示す流路の内面の構成を説明するための図である。
図3(a)および図3(b)は、第3実施形態に係る核酸分離方法での複数の核酸の分離を説明するための図である。
図4(a)および図4(b)は、第4実施形態に係る核酸分離方法での複数の核酸の分離を説明するための図である。
図5(a)~図5(c)は、第5実施形態に係る核酸分離方法での複数の核酸の分離を説明するための図である。
実施例1におけるモノマー濃度を調節した膜厚制御結果を示す図である。
実施例1におけるUV光強度を調節した膜厚制御結果を示す図である。
実施例2で使用する実験装置を示す図である。
図9(a)および図9(b)は、実施例2の実験方法(1)で使用した装置の概略図を示す図である。
実施例2で作製した治具を示す模式図である。
実施例2における泳動速度の比較結果を示す図である。
実施例2における移動度の比較結果を示す図である。
実施例2における円形度の比較結果を示す図である。
泳動速度におけるλ-DNAに対する膜厚依存性を示す図である。
移動度におけるλ-DNAに対する膜厚依存性を示す図である。
円形度におけるλ-DNAに対する膜厚依存性を示す図である。
泳動速度におけるT4-DNAに対する膜厚依存性を示す図である。
移動度におけるT4-DNAに対する膜厚依存性を示す図である。
円形度におけるT4-DNAに対する膜厚依存性を示す図である。
T4-DNAのブラシ膜108nmの円形度の時系列変化を示す図である。
ブラシ膜厚約10nmのMPCポリマーブラシ膜上を泳動するλ-DNA、T4-DNAの比較した結果を示す図である。
ブラシ膜厚約40nmのMPCポリマーブラシ膜上を泳動するλ-DNA、T4-DNAの比較した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

国立大学法人東海国立大学機構
表面処理方法
29日前
国立大学法人東海国立大学機構
気体分離装置
8日前
国立大学法人東海国立大学機構
階層的多孔質金属
今日
国立大学法人東海国立大学機構
ポリヌクレオチド
今日
国立大学法人東海国立大学機構
微小重力環境用洗浄装置
1か月前
国立大学法人東海国立大学機構
加工装置および切屑切断装置
1か月前
ニチコン株式会社
給電システム
8日前
国立大学法人東海国立大学機構
健康支援装置および献立提供方法
22日前
国立大学法人東海国立大学機構
流体デバイスおよび核酸分離方法
今日
豊田合成株式会社
硫黄架橋ゴムの脱硫方法
2日前
豊田合成株式会社
歩行相判定支援システム
1か月前
三菱マテリアル株式会社
表面被覆切削工具
16日前
国立大学法人東海国立大学機構
銅運搬タンパク質融合チロシナーゼを含む組成物
1か月前
横浜ゴム株式会社
ゴムと金属との接着性の評価方法
今日
パナソニックインダストリー株式会社
電磁波吸収体
8日前
株式会社SCREENホールディングス
エッチング装置
21日前
国立大学法人東海国立大学機構
構造体及びその製造方法、並びにセグメント及びその製造方法
24日前
国立大学法人東海国立大学機構
画像処理装置、画像処理方法、および、コンピュータプログラム
1か月前
国立大学法人東海国立大学機構
超伝導デバイス、超伝導電磁石、及び超伝導デバイスの製造方法
1か月前
国立大学法人東海国立大学機構
進行性核上性麻痺の治療
1か月前
旭化成株式会社
窒化物半導体積層体の製造方法及び窒化物半導体積層体
1か月前
旭化成株式会社
窒化物半導体積層体の製造方法及び窒化物半導体積層体
1か月前
国立大学法人 筑波大学
殺虫剤、殺虫活性を有する新規化合物及びその用途
21日前
国立大学法人東海国立大学機構
情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、および、コンピュータプログラム
1か月前
公立大学法人名古屋市立大学
換気困難予測装置、換気困難予測方法、及びプログラム
23日前
日本電気株式会社
通信装置、ネットワーク構成システム、通信方法及び通信プログラム
29日前
トヨタ自動車株式会社
ダイヤモンド複合金属薄膜及びダイヤモンド複合金属薄膜の製造方法
14日前
国立大学法人東海国立大学機構
骨形成異常に関する判定を行うシステム、プログラムおよび方法ならびに学習済みモデルの生成方法
1か月前
マリモ電子工業株式会社
鳥獣追払いシステム、鳥獣追払い方法及びプログラム
1か月前
不二サッシ株式会社
床加速度の測定システムおよび測定方法
1か月前
国立大学法人東海国立大学機構
タイトジャンクションの制御剤、有用物質の吸収促進剤、有用物質の吸収促進および漏洩防止剤、並びに、医薬組成物、医薬部外品組成物、化粧品組成物および食品組成物
1か月前
国立大学法人 東京大学
crRNA、タイプI CRISPR-Casシステム、標的DNAを編集する方法、標的DNAが編集された細胞を製造する方法、標的DNAを検出する方法、及びキット
1か月前
国立大学法人東海国立大学機構
腸内細菌叢に占めるコリンセラ属の情報を提供する方法、当該情報を用いたCOVID-19重症化予測方法およびサイトカインストーム重症化予測方法
1か月前
個人
抗遺伝子劣化装置
3か月前
個人
細胞内探査とその利用
3か月前
雪国アグリ株式会社
単糖類の製造方法
1か月前
続きを見る