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公開番号
2025159969
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-22
出願番号
2024062876
出願日
2024-04-09
発明の名称
鳥獣追払いシステム、鳥獣追払い方法及びプログラム
出願人
マリモ電子工業株式会社
,
国立大学法人信州大学
,
国立大学法人東海国立大学機構
,
独立行政法人国立高等専門学校機構
代理人
個人
主分類
A01M
29/00 20110101AFI20251015BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】忌避効果の高い忌避パラメータを従来よりも迅速に見出すことができ、忌避効果の持続性が高い鳥獣追払いシステムを提供する。
【解決手段】鳥獣追払いシステムは追払い効果算出部15と最適化処理部16とを具備する。追払い効果算出部15は、当該サンプリング期間SP
i
に実施した撃退行動による追払い効果yを算出する。最適化処理部16は、撃退行動で使用した推奨忌避パラメータ75及び算出した追払い効果yからなる実施データ72を新たな回帰用データとして回帰用データ蓄積部18に追加したうえで、回帰用データ蓄積部18に蓄積されている実施データ群に基づきベイズ最適化の処理を実行し、獲得関数が最大となる点に対応した忌避パラメータX
next
を導出して推奨忌避パラメータ75として設定する。次のサンプリング期間SP
i+1
では、新たに設定された推奨忌避パラメータ75(X
i+1
)に基づき撃退行動を行わせる。
【選択図】図12
特許請求の範囲
【請求項1】
鳥獣が忌避する刺激の態様を定量的に示す「忌避パラメータ」をサンプリング期間ごとに更新しながら、当該忌避パラメータに従って前記鳥獣の追払いを行う鳥獣追払いシステムであって、
前記鳥獣の追払い制御を行う追払いコントローラと、前記追払いコントローラの指令を受けて撃退すべき前記鳥獣の撃退行動を実行する撃退装置と、を少なくとも備え、
前記追払いコントローラは、
監視領域内に撃退が必要な前記鳥獣が停留していると判断された場合に、停留している前記鳥獣の位置情報、及び、当該サンプリング期間で使用すべき推奨忌避パラメータに基づいて前記撃退装置に前記撃退行動を実施させる撃退指令部と、
当該サンプリング期間が終了したとき、当該サンプリング期間に実施した前記撃退行動による追払い効果yを算出する追払い効果算出部と、
当該サンプリング期間の前記撃退行動で使用した前記推奨忌避パラメータx及び前記追払い効果算出部が算出した前記追払い効果yからなる実施データ(x,y)を、新たな回帰用データとして回帰用データ蓄積部に追加したうえで、前記回帰用データ蓄積部に蓄積されている前記実施データ群に基づきベイズ最適化の処理を実行し、当該ベイズ最適化に係る獲得関数が最大となる点に対応した前記忌避パラメータx
next
を導出して、導出した新たな該忌避パラメータx
next
を前記推奨忌避パラメータとして設定する最適化処理部と、
を具備し、
前記追払いコントローラは、次の前記サンプリング期間において、前記最適化処理部によって新たに設定された前記推奨忌避パラメータに基づき、前記撃退指令部が前記撃退装置に前記撃退行動を行わせる、
ことを特徴とする鳥獣追払いシステム。
続きを表示(約 2,400 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の鳥獣追払いシステムにおいて、
前記最適化処理部は、直近の前記サンプリング期間に対応した新たな前記実施データを含む所定セットの前記実施データに基づき前記ベイズ最適化の処理を実行することを特徴とする鳥獣追払いシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の鳥獣類追払いシステムにおいて、
前記最適化処理部は、所定期間数を遡った時点での前記サンプリング期間から、直近の前記サンプリング期間までの間に対応する前記実施データのみに基づいて、前記ベイズ最適化の処理を実行することを特徴とする鳥獣追払いシステム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣追払いシステムにおいて、
前記追払い効果算出部は、
前記監視領域を含む領域を撮像した画像データから得られる前記鳥獣に関する情報に基づき、所定の指標値を算出し、
従前の前記サンプリング期間に対応した前記指標値と、当該サンプリング期間に対応した前記指標値と、を比較することで前記追払い効果yを算出する、
ことを特徴とする鳥獣追払いシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の鳥獣追払いシステムにおいて、
エッジデバイスを更に備え、
前記エッジデバイスは、
前記監視領域を含む領域を撮像して前記画像データを取得する撮像部と、
前記撮像部で取得した前記画像データに基づき、ターゲットとする種類の前記鳥獣である目的鳥獣が前記監視領域に停留しているかどうかを判定する鳥獣停留判定部と、
停留している前記目的鳥獣の位置データを前記画像データに基づき取得する鳥獣位置データ取得部と、
前記位置データを含む所定の鳥獣停留情報を外部に送信するエッジ通信部と、を具備し、
前記追払いコントローラは、
前記エッジ通信部が送信した前記鳥獣停留情報を受信し、前記鳥獣停留情報を順次記憶部に記憶するバッファリング部と、
前記鳥獣停留情報に基づき前記監視領域内に撃退が必要な前記鳥獣が停留しているか否かを判断し、撃退が必要な前記鳥獣が停留していると判断した場合に、前記撃退指令部に対し撃退のための出動を要請をする撃退要否判断部と、を具備する、
ことを特徴とする鳥獣追払いシステム。
【請求項6】
請求項5に記載の鳥獣追払いシステムにおいて、
前記追払い効果算出部は、前記記憶部にバッファリングされた前記鳥獣停留情報に基づいて前記追払い効果yを算出することを特徴とする鳥獣追払いシステム。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の鳥獣追払いシステムにおいて、
前記撮像部を複数有し、
前記追払いコントローラは、前記撮像部ごとに対応して、回帰用データとしての前記実施データ群及び前記推奨忌避パラメータを具備しており、
前記追払い効果算出部は、前記撮像部ごとに追払い効果yを算出し、
前記最適化処理部は、前記撮像部ごとに前記ベイズ最適化の処理を実行し、得られた新たな前記忌避パラメータを前記撮像部ごとに対応した前記推奨忌避パラメータとしてそれぞれ設定することを特徴とする鳥獣追払いシステム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の鳥獣追払いシステムにおいて、
前記獲得関数がとる値が最大となっている点を最大効果点とすると、
所定の条件の下で、前記最適化処理部は、前記最大効果点以外の無作為点を抽出し、前記無作為点に対応した忌避パラメータx
next
を導出して、該導出した新たな忌避パラメータx
next
を前記推奨忌避パラメータとして設定する、
ことを特徴とする鳥獣追払いシステム。
【請求項9】
請求項8に記載の鳥獣追払いシステムにおいて、
前記獲得関数又は前記ベイズ最適化による事後確率分布を分布マップとして捉えたときに、前記最大効果点と考えられているピークを含む山とは別にピークを持つ別の山の中から、前記無作為点を抽出することを特徴とする鳥獣追払いシステム。
【請求項10】
鳥獣が忌避する刺激の態様を定量的に示す「忌避パラメータ」をサンプリング期間ごとに更新しながら、当該忌避パラメータに従って前記鳥獣の追払いを行う鳥獣追払い方法であって、
監視領域内に撃退が必要な前記鳥獣が停留していると判断された場合に、停留している前記鳥獣の位置情報、及び、当該サンプリング期間で使用すべき推奨忌避パラメータに基づいて撃退装置に撃退行動を実施させる撃退指令ステップと、
当該サンプリング期間が終了したとき、当該サンプリング期間に実施した前記撃退行動による追払い効果yを算出する追払い効果算出ステップと、
当該サンプリング期間の前記撃退行動で使用した前記推奨忌避パラメータx及び前記追払い効果算出ステップで算出した前記追払い効果yからなる実施データ(x,y)を、新たな回帰用データとして回帰用データ蓄積部に追加したうえで、前記回帰用データ蓄積部に蓄積されている前記実施データ群に基づきベイズ最適化の処理を実行し、当該ベイズ最適化に係る獲得関数が最大となる点に対応した忌避パラメータx
next
を導出して、該導出した新たな忌避パラメータx
next
を前記推奨忌避パラメータとして設定する最適化処理ステップと、を含み、
次のサンプリング期間における前記撃退指令ステップでは、前記最適化処理ステップを実施することによって新たに設定された前記推奨忌避パラメータに基づいて前記撃退装置に前記撃退行動を行わせる、
ことを特徴とする鳥獣追払い方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域に侵入した鳥獣を追払うための鳥獣追払いシステム、鳥獣追払い方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
昨今、鳥獣が管理フィールドに侵入し経済的被害・人的被害をもたらす事例が増えている。例えばブドウ農園においては、ブドウが成り収穫が終了するまでの僅か約1~2ヶ月の間に鳥が集中的に飛来し、収穫物を食べ荒していくという問題が顕在化している。
【0003】
鳥獣は普段とは違うこと(刺激)があると、嫌がってその場から逃げ、次回から警戒して暫くその場に近寄らないと言われている。この特性を踏まえ、従来から、飛行体、音、光、出射物などの「忌避手段」で鳥獣が忌避する刺激を与えて鳥獣を追っ払うという取組が行われている。ただ、鳥獣にとって忌避手段による刺激は実害をもたらさないこともあり、当該刺激が与えられる回数が増えるにつれ鳥獣の方も当該刺激に慣れてしまい、結局のところ忌避効果が持続しないという課題も指摘されている(非特許文献1の1-5章,2-1章参照。非特許文献2も併せて参照)。
【0004】
こうしたことから、例えば、予め複数の忌避手段を準備しておき忌避効果が低下してきたら忌避手段を切り替えたり、複数の忌避手段を同時に組み合わせつつ、その「組合せパターン」を順次変えていくという対策も提唱されている(非特許文献1の2-3章C、特許文献1の[実施例3]参照)。なお、「忌避手段の組合せパターン」というのは、忌避手段の組合せそのものに限らず、組み合わせられた各忌避手段の態様・刺激の度合い等の違いによるバリーションも含んでいる。これを本明細書では「忌避パラメータ」と呼ぶことがある。
【0005】
ターゲットとする鳥獣に適した忌避パラメータを選定するために機械学習も活用されている。例えば特許文献2には、機械学習によって推定モデル(22)を生成し([0022],[0040]段落他)、この推定モデル(22)を用いて、より威嚇効果の高い発射の制御の内容を推定することが提案されている([0021],[0023]段落他)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構、「鳥類の生態と被害対策―カラスとヒヨドリを中心に―」、2020年6月17日
小林一樹、他6名、「深層学習を用いた鳥行動に基づく追い払いシステムの開発」、2019年度人口知能学会全国大会(第33回)、一般社団法人人工知能学会、2019年6月4日、原稿番号IF'S-OS-Ai-02
【特許文献】
【0007】
特開2021-40519号公報
特開2021-97610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、機械学習で推定モデルを生成するためには、例えば上記ブドウ農園の場合、現場で鳥の飛来を待ちながら学習を繰り返すことから、相応の日数・期間が必要となる。したがって、飛来してきた鳥に適応した推定モデルが確立される前に、要防除期間である約1~2ヶ月が終わってしまい、鳥追払い対策が間に合わず、経済的被害を受けるリスクがある。
【0009】
ところで、効果を最大限に引き出せる最適な忌避パラメータというのは、鳥獣の慣れ度合の変化、監視領域(上記例では当該ブドウ農園)の環境の変化、異なる個性を有する鳥獣の出現等の各種条件変化により、その時々で変化していくものと考えられる。
【0010】
一方、特許文献2に記載された推定モデル(22)では、過去に行った機械学習の成果の上に成り立っているもので固定的なものである。したがって、特許文献2に記載された推定モデル(22)では、鳥獣の追払いを行っている現時点からみて更に先に起きる各種条件変化には対応できず、その時々で最も効果が高い忌避パラメータを提案することができない。特許文献2に記載された技術では結局のところ忌避効果が持続しない。
(【0011】以降は省略されています)
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