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公開番号
2025146516
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024047341
出願日
2024-03-22
発明の名称
crRNA、タイプI CRISPR-Casシステム、標的DNAを編集する方法、標的DNAが編集された細胞を製造する方法、標的DNAを検出する方法、及びキット
出願人
国立大学法人 東京大学
,
国立大学法人東海国立大学機構
代理人
弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類
C12N
15/11 20060101AFI20250926BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】 タイプI CRISPR-Casシステムによって高効率でゲノム編集が可能であり、かつ、細胞内において安定性が高いcrRNAを提供すること。
【解決手段】 標的DNA上のcrRNA認識配列を特異的に認識して結合する配列を含むスペーサー配列、及び
Cas5タンパク質及びCas6タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のCasタンパク質が切断可能なリピート配列
を含み、かつ、
環状である、
crRNA。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
標的DNA上のcrRNA認識配列を特異的に認識して結合する配列を含むスペーサー配列、及び
Cas5タンパク質及びCas6タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のCasタンパク質が切断可能なリピート配列
を含み、かつ、
環状である、
crRNA。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
1つのスペーサー配列及び1つのリピート配列からなる、請求項1に記載のcrRNA。
【請求項3】
標的DNAを編集するためのタイプI CRISPR-Casシステムであり、
次の(A)~(C):
(A)ヌクレアーゼ活性を有するCasタンパク質
(B)カスケードタンパク質
(C)請求項1に記載のcrRNA
を含む、システム。
【請求項4】
標的DNAを編集する方法であり、
請求項3に記載のタイプI CRISPR-Casシステムを標的DNAに接触させ、前記標的DNAを編集する工程
を含む、方法。
【請求項5】
標的DNAが編集された細胞を製造する方法であり、
請求項3に記載のタイプI CRISPR-Casシステムを細胞内に導入又は細胞内で発現させて標的DNAに接触させ、前記標的DNAを編集する工程
を含む、方法。
【請求項6】
前記細胞が真核細胞である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
試料中の標的DNAを検出する方法であり、
請求項3に記載のタイプI CRISPR-Casシステムを試料に接触させ、前記試料中の標的DNAを検出する工程
を含む、方法。
【請求項8】
請求項4~7のうちのいずれか一項に記載の方法に用いるためのキットであり、
次の(A')~(C'):
(A’)ヌクレアーゼ活性を有するCasタンパク質、前記Casタンパク質の発現ベクター、及び前記Casタンパク質をコードするポリヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも1種、
(B’)カスケードタンパク質、前記カスケードタンパク質の発現ベクター、及び前記カスケードタンパク質をコードするポリヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも1種、
(C’)請求項1に記載のcrRNA、前記crRNAの発現ベクター、及び前記crRNAをコードするポリヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも1種、
を含み、
前記crRNAの発現ベクターが、(i)前記スペーサー配列及び前記リピート配列をコードするポリヌクレオチドを含むベクター、並びに、(ii)前記スペーサー配列をコードするポリヌクレオチドの挿入部位と、前記リピート配列をコードするポリヌクレオチドと、を含むベクターからなる群より選択される少なくとも1種である、
キット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、crRNA、タイプI CRISPR-Casシステム、標的DNAを編集する方法、標的DNAが編集された細胞を製造する方法、標的DNAを検出する方法、及びキットに関し、より詳しくは、新規の形態のcrRNA、これを含むタイプI CRISPR-Casシステム、並びに、これらを用いて標的DNAを編集する方法、標的DNAが編集された細胞を製造する方法、及び標的DNAを検出する方法、さらにはこれらの方法に用いるためのキットに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
ゲノム編集技術は、動物や植物の細胞の中でゲノムDNA配列を特異的に切断し、内在の修復機構を利用することで、任意の配列に自由に書き換える技術である。バイオサイエンス研究の分野だけでなく、農作物や畜産動物の品種改良や、再生医療や遺伝子治療の分野など、世界中でその利用が広がっている。
【0003】
細菌や古細菌が持つCRISPR-Casシステムは、複数のタンパク質の複合体(カスケード)により標的領域を切断するクラス1と、1つのタンパク質により切断するクラス2とに分かれる。これまで、クラス2に分類されるCRISPR-Cas9システムやCRISPR-Cas12(Cpf1)システム、CRISPR-Cas13システムなどが、ゲノム編集ツールとして開発されてきている。特に、CRISPR-Cas9システムは、Cas9タンパク質及びガイドRNA(標的DNA上の標的領域付近の配列を特異的に認識して結合するcrRNA、Cas9タンパク質と複合体を形成するtracrRNAからなる)を含むシステムであるが、これらCas9タンパク質やガイドRNAについての様々な検討がなされている。例えば、非特許文献1(Li Liu et al.,ACS Synth.Biol.,2023,12,p350-359)には、ガイドRNAを環状にして、in vitroや大腸菌内における安定性を向上させることが記載されている。
【0004】
上記のシステムは全てクラス2に分類されるが、最近、クラス1に属するタイプI CRISPR-Casシステムが、真核細胞のゲノム編集ツールとして利用できることが見出された(国際公開第2018/225858号(特許文献1))。このタイプI CRISPR-Casシステムは、ヌクレアーゼ活性を有するCasタンパク質(典型的にはCas3タンパク質、タイプI-DではCas10タンパク質)と、複数のCasタンパク質(カスケードタンパク質)から構成されるカスケードと、crRNAとを含むシステムであり、ヒト培養細胞等の真核細胞内でも標的領域を特異的に切断し、該標的領域を含む数百~数kbもの広範な領域の欠失変異を高効率で導入できることが判明している。また、上記のCRISPR-Cas9システムと比較して、crRNAが認識して結合する配列(crRNA認識配列)が長く特異性が高いことから、非特異的な切断が生じ難く安全性が高いと考えられている。
【0005】
これまで、タイプI CRISPR-Casシステムを用いた真核細胞内でのゲノム編集の手法では、両末端に完全長のリピート配列を残したcrRNA前駆体(precursor crRNA)を用いることが必要であることが報告されている。かかるcrRNA前駆体が真核細胞内に導入されると、同細胞内でCasタンパク質(Cas5タンパク質、Cas6タンパク質)によるプロセシングを受けて成熟型crRNA(mature crRNA)となり、かかる成熟型crRNAとカスケードタンパク質とが標的領域付近で複合体(カスケード複合体)を形成し、ヌクレアーゼ活性を有するCasタンパク質が前記標的領域を切断することで、ゲノム編集が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2018/225858号
【非特許文献】
【0007】
Li Liu et al.,ACS Synth.Biol.,2023,12,p350-359
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、近年その有用性が見出されたばかりであるタイプI CRISPR-Casシステムの研究の進展は未だ十分とはいえず、さらなる高効率でのゲノム編集が求められている。また、タイプI CRISPR-Casシステムによる真核細胞内でのゲノム編集に必要な上記のcrRNA前駆体は、90塩基程度の短いRNAであることから、細胞内で分解されやすい。そのため、十分なゲノム編集効率を担保するためには大量のcrRNA前駆体を細胞内に導入する必要があるという課題も有していた。
【0009】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、タイプI CRISPR-Casシステムによって高効率でゲノム編集が可能であり、かつ、細胞内において安定性が高いcrRNA、これを含むタイプI CRISPR-Casシステム、並びに、これらを用いて標的DNAを編集する方法、標的DNAが編集された細胞を製造する方法、及び標的DNAを検出する方法、さらにはこれらの方法に用いるためのキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、タイプI CRISPR-Casシステムに含まれるcrRNAを環状化して新規の形態の環状crRNAとすることで、従来の直鎖状のcrRNA前駆体(直鎖状pre-crRNA)を用いた場合に比べて、有意に高い一本鎖DNA切断活性を示し、優れたゲノム編集効率が達成されることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)
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