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公開番号2025175944
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-03
出願番号2025004241
出願日2025-01-10
発明の名称β-グルクロニダーゼ及びその組換え発現ベクター、エンジニアリング菌、発酵剤とグリチルレチン酸の量産方法
出願人北京理工大学
代理人個人
主分類C12N 9/24 20060101AFI20251126BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】高い親和性、酵素活性、触媒効率、形質転換率を求め、18β-GAMG蓄積をより良く低減し、量産に適したβ-グルクロニダーゼという問題を解決する目的で、β-グルクロニダーゼ及びその組換え発現ベクター、エンジニアリング菌、発酵剤とグリチルレチン酸の量産方法を提供すること。
【解決手段】酵素エンジニアリングと微生物技術分野に属する。前記β-グルクロニダーゼは、β-グルクロニダーゼAcGUS、AcGUS1、AcGUS2、AcGUS3、AcGUS3突然変異体から選択され、AcGUSは、特定のアミノ酸が突然変異した酵素である。本発明は、簡単且つ効率的であり、18α-GAと18β-GAを工業的な規模で製造することができる。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
β-グルクロニダーゼであって、
β-グルクロニダーゼAcGUS、β-グルクロニダーゼAcGUS1、β-グルクロニダーゼAcGUS2、β-グルクロニダーゼAcGUS3又はβ-グルクロニダーゼAcGUS3突然変異体から選択され、
前記β-グルクロニダーゼAcGUSは、GenBank登録番号がAEK69352.1であるアミノ酸配列の1番目のアミノ酸欠失、7番目のアラニンがグリシンに、66番目のアルギニンがリシンに、256番目のアラニンがバリンに、270番目のスレオニンがアラニンに、332番目のバリンがフェニルアラニンに、363番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に、506番目のメチオニンがバリンに突然変異した酵素であり、
前記β-グルクロニダーゼAcGUS1、AcGUS2、AcGUS3は、それぞれβ-グルクロニダーゼAcGUSの窒素末端から10、20、30個のアミノ酸を切断した酵素であり、前記β-グルクロニダーゼAcGUSのアミノ酸配列はSEQ ID NO.1に示すとおりであり、
前記β-グルクロニダーゼAcGUS3突然変異体は、AcGUS3の461番目のグリシンがシステインに突然変異した突然変異体、又はAcGUS3の462番目のグルタミンがヒスチジンに突然変異した突然変異体、又はAcGUS3の575番目のイソロイシンがリシンに突然変異した突然変異体、又はAcGUS3の461番目のグリシンがシステインに、462番目のグルタミンがヒスチジンに、及び575番目のイソロイシンがリシンに突然変異した突然変異体から選択される
ことを特徴とするβ-グルクロニダーゼ。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記β-グルクロニダーゼAcGUSの遺伝子配列はSEQ ID NO.2に示すとおりであり、
前記AcGUS3の461番目のグリシンがシステインに、462番目のグルタミンがヒスチジンに、575番目のイソロイシンがリシンに突然変異した突然変異体は、β-グルクロニダーゼAcGUS3M1である
請求項1に記載のβ-グルクロニダーゼ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のβ-グルクロニダーゼの遺伝子配列が連結される発現ベクターである
ことを特徴とする組換え発現ベクター。
【請求項4】
前記発現ベクターは、pET28a、pGAPZαA、pPIC9K又はpPICZαから選択される
請求項3に記載の組換え発現ベクター。
【請求項5】
前記組換え発現ベクターは、組換え発現ベクターpGAPZαA-AcGUS3又は組換え発現ベクターpGAPZαA-AcGUS3M1から選択される
請求項3に記載の組換え発現ベクター。
【請求項6】
エンジニアリング菌であって、
ピキア酵母菌株AcGUS3、ピキア酵母菌株AcGUS3M1又はピキア酵母菌株dG-GA1から選択され、
前記ピキア酵母菌株AcGUS3は、請求項1又は2に記載のβ-グルクロニダーゼAcGUS3を発現可能であり、
前記ピキア酵母菌株AcGUS3M1は、請求項2に記載のβ-グルクロニダーゼAcGUS3M1を発現可能であり、
前記ピキア酵母菌株dG-GA1は、請求項2に記載のβ-グルクロニダーゼAcGUS3M1及びアスペルギルス(Aspergillus terreus)菌株Li-20由来のβ-グルクロニダーゼAtGUSを同時に発現可能である
ことを特徴とするエンジニアリング菌。
【請求項7】
前記ピキア酵母菌株AcGUS3は、請求項5に記載の組換え発現ベクターpGAPZαA-AcGUS3を含む
請求項6に記載のエンジニアリング菌。
【請求項8】
前記ピキア酵母菌株AcGUS3M1は、請求項5に記載の組換え発現ベクターpGAPZαA- AcGUS3M1を含む
請求項6に記載のエンジニアリング菌。
【請求項9】
前記ピキア酵母菌株dG-GA1は、請求項5に記載の組換え発現ベクターpGAPZαA-AcGUS3M1が改造された組換え発現ベクターpGAPZαA-AcGUS3M1-NrsRと、アスペルギルス(Aspergillus terreus)菌株Li-20由来のβ-グルクロニダーゼAtGUS遺伝子配列が連結される組換え発現ベクターpGAPZαA-AtGUSとを含み、前記改造とは、組換え発現ベクターpGAPZαA-AcGUS3M1のオリジナル発現ベクターpGAPZαAの耐性遺伝子をNrsR耐性に置き換えることを指す
請求項6に記載のエンジニアリング菌。
【請求項10】
発酵活性成分を含む発酵剤であって、前記発酵活性成分は、請求項1または2に記載のβ-グルクロニダーゼ、及び/又は請求項3ないし5のいずれかに記載の組換え発現ベクター、及び/又は請求項6ないし9のいずれかに記載のエンジニアリング菌を含む
ことを特徴とする発酵剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素エンジニアリングと微生物技術分野に関し、具体的には、β-グルクロニダーゼ及びその組換え発現ベクター、エンジニアリング菌、発酵剤とグリチルレチン酸の量産方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
カンゾウは、伝統的な薬食同源植物として、医薬、食品や化粧品などの業界に広く応用されている。史料の記載によると、カンゾウが薬として使用されるのは、四千年以上の歴史があり、「朝のうち、国老一位、薬のうち、カンゾウ一位」と言える。カンゾウは、解熱解毒をし、脾臓の気を補い、肺を潤し咳を止め、諸薬を調和するなどの効果があるだけではなく、喉の腫れと痛み、脾臓と胃機能の障害、消化性潰瘍などの症状に用いられ、抗炎症、肝保護、抗酸化、抗ウイルス、抗腫瘍と抗利尿などの面では広く応用されている。多くの現代漢方薬の複合処方配合にカンゾウ又はその有効成分が添加されている。
【0003】
グリチルリチン酸(glycyrrhizic acid、GL)とグリチルレチン酸(Glycyrrhetinic acid、GA)は、それぞれカンゾウの主な成分と活性成分である。現在、報道されたグリチルレチン酸の生産には、主に化学法とバイオトランスフォーメーション法があり、CN101817867Aは、グリチルリチン酸塩を原料として、硫酸と高濃度醋酸の触媒でアセチルグリチルレチン酸を生成してから、さらにデアセチル化して、グリチルレチン酸を得、反応には強酸、強塩基と有機溶剤を大量に使用する必要があり、エネルギー消費量が高く、収率が低く、且つエコのストレスが大きいなどの問題があることを報道した。一方、バイオトランスフォーメーション法は、条件が温和で、収率が高く、エコなどの利点を有するだけでなく、異なる誘導体の製造に純度がより高い薬用前駆体を提供することができ、発展の見通しのある工業生産方式である。GAが抗炎症、肝保護、抗酸化、抗ウイルス、抗腫瘍と抗利尿などへの応用はすでに多くの文献で報告されている。研究によると、18α-GAの肝分布能力が18β-GAよりも強く、肝炎治療の面で効果がより優れ、副反応が18β-GAよりも弱く、安全性がより良いと示される。
【0004】
従来のバイオトランスフォーメーション法の報道では、主にβ-グルクロニダーゼを利用してグリチルリチン酸を加水分解して18β-GAを生産することをメインとして、グリチルリチン酸基質は、β-グルクロニダーゼの2段階の加水分解作用を得た後に、それぞれ18α-グリチルレチン酸と18β-グリチルレチン酸(図1の通り)を得ることができる。発明人の研究グループの先行研究成果である中国発明特許CN109628427Bには、ドメイン置換による組換え酵素AtGUS-mixが報道されており、この組換え酵素は、異なる条件で18β-GAを生産する場合に、最終濃度は、最大16.3g/L、反応サイクル96hであるが、中間体18β-GAMGの蓄積で起こしやすい反応抑製の問題を解決していない。
【0005】
より高い親和性、酵素活性、触媒効率、形質転換率を求め、18β-GAMGの蓄積をより良く低減し、さらにグリチルレチン酸の生産コストを低減するために、本分野は、グリチルレチン酸の工業化製造に用いる新しいβ-グルクロニダーゼを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本分野の従来の技術におけるより高い親和性、酵素活性、触媒効率、形質転換率を求め、18β-GAMG蓄積をより良く低減し、量産に適したβ-グルクロニダーゼという問題を解決する目的で、本発明は、β-グルクロニダーゼ及びその組換え発現ベクター、エンジニアリング菌、発酵剤とグリチルレチン酸の量産方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の技術方案は、以下の通りである:
β-グルクロニダーゼであって、β-グルクロニダーゼAcGUS、及び/又はβ-グルクロニダーゼAcGUS1、及び/又はβ-グルクロニダーゼAcGUS2、及び/又はβ-グルクロニダーゼAcGUS3、及び/又はβ-グルクロニダーゼAcGUS3突然変異体から選択され、
前記β-グルクロニダーゼAcGUSは、GenBank登録番号がAEK69352.1であるアミノ酸配列の1番目のアミノ酸欠失、7番目のアラニンがグリシンに、66番目のアルギニンがリシンに、256番目のアラニンがバリンに、270番目のスレオニンがアラニンに、332番目のバリンがフェニルアラニンに、363番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に、506番目のメチオニンがバリンに突然変異した酵素であり、
前記β-グルクロニダーゼAcGUS1、AcGUS2、AcGUS3は、β-グルクロニダーゼAcGUSの窒素末端の1-39個のアミノ酸を切断した酵素であり、
前記β-グルクロニダーゼAcGUS3突然変異体は、AcGUS3の461番目のグリシンがシステインに突然変異した突然変異体、又はAcGUS3の462番目のグルタミンがヒスチジンに突然変異した突然変異体、又はAcGUS3の575番目のイソロイシンがリシンに突然変異した突然変異体、又はAcGUS3の461番目のグリシンがシステインに、462番目のグルタミンがヒスチジンに、及び575番目のイソロイシンがリシンに突然変異した突然変異体から選択される。
【0008】
前記β-グルクロニダーゼAcGUSのアミノ酸配列をSEQ ID NO.1に示し、
好ましくは、前記β-グルクロニダーゼAcGUSの遺伝子配列をSEQ ID NO.2に示し、
好ましくは、前記β-グルクロニダーゼAcGUS1は、β-グルクロニダーゼAcGUSの窒素末端の10個のアミノ酸を切断した酵素であり、
好ましくは、前記β-グルクロニダーゼAcGUS2は、β-グルクロニダーゼAcGUSの窒素末端の20個のアミノ酸を切断した酵素であり、
好ましくは、前記β-グルクロニダーゼAcGUS3は、β-グルクロニダーゼAcGUSの窒素末端の30個のアミノ酸を切断した酵素であり、
好ましくは、前記AcGUS3の461番目のグリシンがシステインに、462番目のグルタミンがヒスチジンに、及び575番目のイソロイシンがリシンに突然変異した突然変異体は、β-グルクロニダーゼAcGUS3M1である。
【0009】
組換え発現ベクターであって、前記のβ-グルクロニダーゼの遺伝子配列の発現ベクターに連結される。
【0010】
前記発現ベクターは、pET28a、pGAPZαA、pPIC9K、pPICZαから選択され、
好ましくは、前記組換え発現ベクターは、組換え発現ベクターpGAPZαA-AcGUS、及び/又は組換え発現ベクターpGAPZαA-AcGUS3、及び/又は組換え発現ベクターpGAPZαA-AcGUS3M1から選択される。
(【0011】以降は省略されています)

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