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公開番号
2025174745
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-28
出願番号
2024081320
出願日
2024-05-17
発明の名称
人工腸内細菌叢の製造方法
出願人
株式会社バイオパレット
代理人
弁理士法人京都七条特許事務所
,
個人
,
個人
主分類
C12N
1/20 20060101AFI20251120BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】培地添加物を含む培地で培養した細菌叢を含むグリセロールストックを2種類以上混合し調製された細胞を含む溶液を培養する工程を含むことを特徴とする人工腸内細菌叢の製造方法の提供。
【解決手段】培地添加物を含む培地で培養した細菌叢を含むグリセロールストックを2種類以上混合し調製された細胞を含む溶液を培養する工程を含む、人工腸内細菌叢の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
培地添加物を含む培地で培養した細菌叢を含むグリセロールストックを2種類以上混合し調製された細胞を含む溶液を培養する工程を含む、人工腸内細菌叢の製造方法。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
前記グリセロールストック作製時に含まれる培地添加物が、プレバイオティクス、食物繊維、糖タンパク及び健康食品素材からなる群から選択される1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グリセロールストック作製時に含まれる培地添加物が、ペクチン、グァーガム、フルクトオリゴ糖、キシラン、及びレジスタントスターチからなる群から選択される1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1種のグリセロールストック作製時に含まれる培地添加物がグァーガムであり、該グリセロールストック以外の少なくとも1種のグリセロールストック作製時に含まれる培地添加物がペクチン、グァーガム、フルクトオリゴ糖、及びキシランである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記グァーガムを含む培地で培養した細菌叢を含むグリセロールストック、並びに前記ペクチン、グァーガム、フルクトオリゴ糖、及びキシランを含む培地で培養した細菌叢を含むグリセロールストック以外の少なくとも1種のグリセロールストック作製時に含まれる培地添加物がペクチンである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記人工腸内細菌叢が人工ヒト腸内細菌叢である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法により製造される人工腸内細菌叢を含む、腸内細菌叢モデル。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法により製造される人工腸内細菌叢を含む、腸内細菌叢改善剤。
【請求項9】
請求項8に記載の腸内細菌叢改善剤と抗菌剤とを含む、組み合わせ剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工腸内細菌叢の製造方法に関する。本発明の製造方法は、培地添加物を含む培地で培養した細菌叢を含むグリセロールストックを2種類以上混合し調製された細胞を含む溶液(細胞液)を培養する工程を含むことを特徴とする。また、本発明は、該製造方法により製造される人工腸内細菌叢を含む、腸内細菌叢モデル、腸内細菌叢改善剤等にも関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ヒト腸内細菌叢は、宿主の健康や疾病に大きな影響を与えており、宿主の正常な免疫システムの成熟に必要不可欠である。そのため、医療やヘルスケア分野において、ヒト腸内の状態をシミュレートする評価系は重要であり、代表的な系として、(i)In vivo糞便移植マウスモデル、(ii)Ex vivoオルガノイドモデル、(iii)In vitro糞便培養モデル(以下、Gut simulatorと称する場合がある)が挙げられる(非特許文献1)。(i)については、ヒト腸内細菌叢を反映していないことに加え、ヒト新鮮便を使用するため再現性を得られない。(ii)については嫌気性菌を含むヒト腸内細菌叢とオルガノイドとの相互作用を調べることは困難である。(iii)については大方、ヒト新鮮便を使用するため再現性を得られない。既存のヒト腸内の評価系では、ヒトの腸内環境をシミュレーションしつつ、再現性を得ることは難しく、再現性が求められる医薬品開発の非臨床試験系として採用することは困難であると言える。また糞便移植治療においてヒト新鮮糞便を当日に大量に用意しなければならなく、保存方法の確立が求められている。
【0003】
上記Gut simulatorは、バッチ(回分)培養系と連続培養系に分けられる。しかしながら、バッチ培養系と連続培養系のいずれを使用しても、これまでのところ、本発明者の知る限り、標準的なヒト腸内細菌に近い人工腸内細菌叢を再現する方法には至っていない(特許文献1及び非特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2015/136916号公報
【非特許文献】
【0005】
Aguanno D, et al., Microbiome Res Rep. 1(3): 17, 2022
Bircher L, et al., mSystems. 5(1): e00521-19, 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、人工腸内細菌叢の製造方法を提供することを課題とする。特に、便培養液の保存ストック(グリセロールストック)を用いた人工腸内細菌叢の製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、該製造方法により製造される人工腸内細菌叢を含む、腸内細菌叢モデル、腸内細菌叢改善剤等を提供することも課題とする。
【0007】
本発明者らは、人工腸内細菌叢の製造方法を検討するにあたり、新鮮便を多量に用意することが困難であることに鑑みて、便培養液を人工腸内細菌叢再現の植菌源として使用することを企図した。便培養液を保存する際の凍結保護剤としては、細胞毒性等の観点からグリセロールを用いることも企図した。
また、培養液のグリセロールストックを使用して人工腸内細菌叢を再現する際に、ヒト新鮮便における主要菌(例えば、フェカリバクテリウム属(Faecalibacterium))が減少する虞があると考え、2種類以上のグリセロールストックを用いることを着想した。
【0008】
鋭意検討した結果、驚くべきことに、2種類以上のグリセロールストックを用いて人工腸内細菌叢を製造すると、ヒト腸内細菌叢を構成する主要な腸内細菌を充分量保持し、ヒト腸内細菌叢を可能な限り模倣した人工的な腸内管腔の細菌叢を再現し得ることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]
培地添加物を含む培地で培養した細菌叢を含むグリセロールストックを2種類以上混合し調製された細胞を含む溶液を培養する工程を含む、人工腸内細菌叢の製造方法。
[2]
前記グリセロールストック作製時に含まれる培地添加物が、プレバイオティクス、食物繊維、糖タンパク及び健康食品素材からなる群から選択される1つ以上を含む、[1]に記載の方法。
[3]
前記グリセロールストック作製時に含まれる培地添加物が、ペクチン、グァーガム、フルクトオリゴ糖、キシラン、及びレジスタントスターチからなる群から選択される1つ以上を含む、[1]に記載の方法。
[4]
1種のグリセロールストック作製時に含まれる培地添加物がグァーガムであり、該グリセロールストック以外の少なくとも1種のグリセロールストック作製時に含まれる培地添加物がペクチン、グァーガム、フルクトオリゴ糖、及びキシランである、[3]に記載の方法。
[5]
前記グァーガムを含む培地で培養した細菌叢を含むグリセロールストック、並びに前記ペクチン、グァーガム、フルクトオリゴ糖、及びキシランを含む培地で培養した細菌叢を含むグリセロールストック以外の少なくとも1種のグリセロールストック作製時に含まれる培地添加物がペクチンである、[3]に記載の方法。
[6]
前記人工腸内細菌叢が人工ヒト腸内細菌叢である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の方法。
[7]
[1]~[6]のいずれか1つに記載の方法により製造される人工腸内細菌叢を含む、腸内細菌叢モデル。
[8]
[1]~[6]のいずれか1つに記載の方法により製造される人工腸内細菌叢を含む、腸内細菌叢改善剤。
[9]
[8]に記載の腸内細菌叢改善剤と抗菌剤とを含む、組み合わせ剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ヒト腸内細菌叢を構成する主要な腸内細菌を充分量保持し、ヒト腸内細菌叢を可能な限り模倣した人工的な腸内管腔の細菌叢を再現することが可能となる。また、本発明の製造方法により製造される人工腸内細菌叢は、ヒト腸内細菌叢を構成する主要な腸内細菌を充分量保持し、ヒト腸内細菌叢を可能な限り模倣した人工的な腸内管腔の細菌叢であり、且つ再現性もあるため、該人工腸内細菌叢を用いて、ヒト腸内細菌叢研究のためのモデル(評価系)を確立することが可能となる。さらに、グリセロールストックの混合液中の人工腸内細菌叢、及びこれより製造される人工腸内細菌叢は、ヒト腸内細菌叢を構成する主要な腸内細菌を充分量保持し、ヒト腸内細菌叢を可能な限り模倣した人工的な腸内管腔の細菌叢であるため、移植等により、腸内細菌叢改善等を行なうことが可能となる。さらに、本発明の製造方法により製造される人工腸内細菌叢は、移植等により、糞便移植の対象疾患(クロストリジウム・ディフィシル感染症、クローン病、潰瘍性大腸炎、非特異性多発性小腸潰瘍、腸管ベーチェット病、小腸内細菌異常増殖症(SIBO)、薬剤抵抗性過敏性腸症候群等)の治療や予防にも繋がる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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