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公開番号
2025173479
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-27
出願番号
2025073633
出願日
2025-04-25
発明の名称
生体触媒の製造方法
出願人
国立大学法人広島大学
代理人
弁理士法人前田特許事務所
主分類
C12N
11/02 20060101AFI20251119BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】生体触媒を用いた物質変換プロセスにおいて、熱処理によって代謝酵素を失活させた後の細胞からのタンパク質の漏出を抑制する。
【解決手段】低温菌に対して、該低温菌が生育可能な温度領域よりも高い温度領域において機能する酵素遺伝子を導入し、形質転換した低温菌を得る工程と、前記形質転換した低温菌を、1価又は2価のカチオンからなる群から選択される少なくとも1種を含む溶液を用いて細胞懸濁液とする工程と、細胞懸濁液を、低温菌が生育可能な温度領域よりも高い温度で熱処理する工程と、を備える。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
低温菌に対して、該低温菌が生育可能な温度領域よりも高い温度領域において機能する酵素遺伝子を導入し、形質転換した低温菌を得る工程と、
前記形質転換した低温菌を、1価又は2価のカチオンからなる群から選択される少なくとも1種を含む溶液を用いて細胞懸濁液とする工程と、
前記細胞懸濁液を、低温菌が生育可能な温度領域よりも高い温度で熱処理する工程と、を備えることを特徴とする生体触媒の製造方法。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記カチオンが、カルシウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン及び亜鉛イオンであることを特徴とする請求項1に記載の生体触媒の製造方法。
【請求項3】
前記カチオンが、マグネシウムイオン、マンガンイオン及び亜鉛イオンであることを特徴とする請求項2に記載の生体触媒の製造方法。
【請求項4】
前記細胞懸濁液に用いる溶液は、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、硫酸ナトリウム及び硫酸マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3に記載の生体触媒の製造方法。
【請求項5】
前記細胞懸濁液に用いる溶液は、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガン及び塩化亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項4に記載の生体触媒の製造方法。
【請求項6】
前記低温菌が生育可能な温度領域は30℃よりも低い温度であり、前記熱処理は40℃以上50℃以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の生体触媒の製造方法。
【請求項7】
前記低温菌は、Shewanella frigidimarina又はShewanella livingstonensisであることを特徴とする請求項6に記載の生体触媒の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体触媒の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
細胞内において様々な酵素を発現させる生体触媒を用いた物質変換プロセスは、環境負担を低減したプロセスとして様々な分野での利用が期待されている。従来の微生物触媒では、細胞内に様々な酵素が発現するため、基質が目的物質の生成だけでなく宿主の代謝機能にも使用され、様々な代謝物質が副産物として生成されることにより目的物質の収率が低下してしまうことが課題であった。
【0003】
そこで発明者らは、より高収率に目的物質を得る物質変換プロセスを実現するために、酵素反応の温度特性を利用した方法を構築した。具体的には、特許文献1や非特許文献1に記載されているように、10~30℃で生育可能な低温菌に中温性酵素の遺伝子を導入し、40~50℃の熱処理によってその低温菌の代謝酵素を失活させ、中温性酵素だけを機能させる方法により副産物の生成を抑え、高収率で目的物質を得た。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-000167号公報
【非特許文献】
【0005】
田島 誉久,緋田 安希子,加藤 純一:低温菌シンプル酵素触媒による効率的な物質変換,Journal of Environmental Biotechnology, 21(1), 9-16, 2021(環境バイオテクノロジー学会誌 21巻1号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この方法は熱処理によって代謝酵素を失活させるだけでなく、細胞構造を部分的に損傷させる。当初、細胞構造が部分的に損傷することにより基質の膜透過性が向上するという利点があると考えられたが、その後の研究により、物質変換に必要な酵素(タンパク質)の種類によっては損傷箇所からそれらが細胞外に漏出してしまうという問題が明らかとなった。酵素の漏出により反応効率の低下や持続的利用が困難になることなどが懸念されるため、この課題を解決することが求められた。
【0007】
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体触媒の製造方法において、熱処理によって代謝酵素を失活させた後の細胞からのタンパク質漏出を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成すべく、本開示では、低温菌に対し所定の溶液を用いて細胞懸濁液を作製し、その細胞懸濁液を熱処理することとした。
【0009】
具体的に、ここに開示する生体触媒の製造方法は、
低温菌に対して、該低温菌が生育可能な温度領域よりも高い温度領域において機能する酵素遺伝子を導入し、形質転換した低温菌を得る工程と、
前記形質転換した低温菌を、1価又は2価のカチオンからなる群から選択される少なくとも1種を含む溶液を用いて細胞懸濁液とする工程と、
前記細胞懸濁液を、低温菌が生育可能な温度領域よりも高い温度で熱処理する工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本開示の生体触媒の製造方法によれば、低温菌を所定の溶液によって懸濁した細胞懸濁液を作成し、その細胞懸濁液を加熱処理することにより、熱処理によって代謝酵素を失活させた後の細胞からのタンパク質の漏出を抑制できるため、反応効率の向上と持続的利用を可能にする。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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