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公開番号
2025074004
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-13
出願番号
2024174468
出願日
2024-10-03
発明の名称
難水溶性化合物の細胞外小胞搭載方法
出願人
国立大学法人広島大学
代理人
弁理士法人前田特許事務所
主分類
A61K
47/46 20060101AFI20250502BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】有機溶媒フリーで難水溶性薬剤を細胞外小胞へと搭載する方法を提供する。
【解決手段】有機溶媒を用いない、難水溶性化合物の細胞外小胞搭載方法であって、難水溶性化合物及び高分子を混合する事で、難水溶性化合物及び高分子の水溶性複合体を形成し、その後、該水溶性複合体を調製して複合体分散液を得る工程と、前記複合体分散液を、細胞外小胞を含む細胞外小胞分散液と混合し、難水溶性化合物を、高分子から細胞外小胞へ交換させることにより、難水溶性化合物を細胞外小胞へ搭載する工程と、を備え、前記高分子は、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、シクロデキストリン、多糖、ポリペプチドからなる群より選択される少なくとも1種以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
有機溶媒を用いない、難水溶性化合物の細胞外小胞搭載方法であって、
難水溶性化合物及び高分子を混合する事で、難水溶性化合物及び高分子の水溶性複合体を形成し、その後、該水溶性複合体を調製して複合体分散液を得る工程と、
前記複合体分散液を、細胞外小胞を含む細胞外小胞分散液と混合し、前記難水溶性化合物を、前記高分子から前記細胞外小胞へ交換させることにより、前記難水溶性化合物を前記細胞外小胞へ搭載する工程と、を備え、
前記高分子は、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、シクロデキストリン、多糖、ポリペプチドからなる群より選択される少なくとも1種以上である、難水溶性化合物の細胞外小胞搭載方法。
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【請求項2】
前記複合体分散液を調製する工程において、前記難水溶性化合物は粉砕した状態で前記高分子と混合される請求項1に記載の難水溶性化合物の細胞外小胞搭載方法。
【請求項3】
前記難水溶性化合物は、フラーレン誘導体、ポルフィリン誘導体、カルボラン誘導体、ポリフェノール類縁体、多環芳香族炭化水素、凝集誘起発光性化合物、薬理活性物質、細胞標識化合物からなる群より選択される少なくとも1種以上である請求項2に記載の難水溶性化合物の細胞外小胞搭載方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、難水溶性化合物の細胞外小胞搭載方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
エクソソーム等の細胞外小胞は、生体(動物・微生物・植物)が微小環境中へと分泌する脂質二重膜構造をもつ小胞であり、再生医療や化粧品の機能性材料への応用展開がなされている。細胞外小胞は生体由来の成分であることから、生体適合性に優れる。さらに、その由来する細胞や種によって、標的とする細胞種へと高い選択性を実現できることから、DDS基盤材料としての応用も期待されている。
【0003】
細胞外小胞への薬剤の搭載技術の開発は、その適用範囲を拡大する上で不可欠な技術である。従来、水溶性の薬剤(低分子・siRNA・mRNA・タンパク質)の搭載については、エレクトロポレーションにより達成されてきた。一方で難水溶性薬剤の搭載については、水と任意に混和するDMSOやエタノール等の有機溶媒に溶解させた難水溶性薬剤を細胞外小胞分散液へとインジェクションする方法が行われてきた。
【0004】
例えば、非特許文献1及び非特許文献2には、クルクミンを搭載したエクソソームを用いた治療方法について開示されている。また、非特許文献2及び非特許文献3には、細胞外小胞への様々な薬剤の搭載やその搭載方法について開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
A.Kalani et al., The International Journal of Biochemistry & Cell Biology 79 (2016) 360-369
D.Li et al., Molecular Pharmaceutics 2023 20 (9), 4453-4467
Sarwareddy Kartik Kumar and Manda Venkata Sasidhar, Molecular Pharmaceutics 2023 20 (8), 3829-3842
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の方法のように、難水溶性薬剤を細胞外小胞へ搭載するために有機溶媒を使用すると、有機溶媒が細胞外小胞を構成する膜タンパク質の変性を誘導したり、膜構造を脆弱化したりしてしまう。さらに、これら有機溶媒成分が細胞、組織、個体等へと誘導する生体の反応が無視できない。
【0007】
また、非特許文献2のように、予め、細胞に過剰に添加した薬剤がパッシブに分泌される細胞外小胞に搭載されることを利用したのでは、細胞外小胞の中にロードできる量、均一性、宿主の細胞の選択性等に課題があり、汎用性に乏しい。またスケールアップが極めて困難であるという問題もある。
【0008】
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、有機溶媒フリーで難水溶性化合物を細胞外小胞へと搭載する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の発明者らは、高分子と難水溶性化合物をホスト交換によって、細胞外小胞へと搭載する方法を開発した。
【0010】
具体的には、本開示の方法は、
有機溶媒を用いない、難水溶性化合物の細胞外小胞搭載方法であって、
難水溶性化合物及び高分子を混合する事で、難水溶性化合物及び高分子の水溶性複合体を形成し、その後、該水溶性複合体を調製して複合体分散液を得る工程と、
前記複合体分散液を、細胞外小胞を含む細胞外小胞分散液と混合し、前記難水溶性化合物を、前記高分子から前記細胞外小胞へ交換させることにより、前記難水溶性化合物を前記細胞外小胞へ搭載する工程と、を備え、
前記高分子は、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、シクロデキストリン、多糖、ポリペプチドからなる群より選択される少なくとも1種以上である。
(【0011】以降は省略されています)
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