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公開番号2025094823
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-25
出願番号2023210595
出願日2023-12-13
発明の名称薬効推定方法、薬効推定モデルの生成方法、薬効推定システム、制御プログラム、記録媒体および学習済モデル
出願人国立大学法人広島大学
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類G16H 20/10 20180101AFI20250618BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】医用画像および遺伝子発現の情報を用いて、薬剤の治療効果を高精度に推定する。
【解決手段】薬効推定方法であって、第1患者の、病変部位を撮像した第1医用画像、および当該病変部位における遺伝子発現に関する第1発現情報を取得する取得工程と、第2患者の第2医用画像および第2発現情報を説明変数とし、第2患者に投与された第2薬剤情報およびその治療効果を示す第2効果情報を目的変数として学習された学習済モデルに、第1医用画像および第1発現情報を入力し、第1患者に投与可能な第1薬剤およびその推定治療効果を出力させる推定工程と、を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第1患者の、対象疾患に関連する病変部位を撮像した第1医用画像、および前記第1医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第1発現情報を取得する取得工程と、
第2患者の、前記病変部位を撮像した第2医用画像、および、前記第2医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第2発現情報を説明変数として含み、前記第2患者に投与された第2薬剤を示す第2薬剤情報および前記第2薬剤の前記対象疾患への治療効果を示す第2効果情報を目的変数として含む学習用データを用いて学習された学習済モデルに、前記第1医用画像および前記第1発現情報を入力し、前記第1患者に投与可能な第1薬剤を示す第1薬剤情報および前記第1薬剤の前記対象疾患への推定治療効果を示す第1効果情報を前記学習済モデルに出力させる推定工程と、を含む薬効推定方法。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記第1医用画像および前記第2医用画像の各情報は、前記対象疾患の予後に関連する特徴量である予後関連特徴量の種類を示す情報を含み、
前記第1発現情報および前記第2発現情報はそれぞれ、前記予後関連特徴量の変化に伴って発現量が変化する遺伝子の機能を示す機能情報を含み、
前記第1患者および前記第2患者はそれぞれ、予後不良または経過不良の患者である、請求項1に記載の薬効推定方法。
【請求項3】
前記学習済モデルは、前記第2医用画像および前記第2発現情報をエージェントの状態として、1種以上の前記第2薬剤の選択を前記エージェントの方策として、複数の前記第2薬剤が選択された場合における、対応する複数の前記第2効果情報の統合情報を前記方策に対する報酬としてそれぞれ設定された、強化学習アルゴリズムにより学習されたものである、請求項1または2に記載の薬効推定方法。
【請求項4】
第2患者の、対象疾患に関連する病変部位を撮像した第2医用画像、および、前記第2医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第2発現情報を説明変数として含み、前記第2患者に投与された第2薬剤を示す第2薬剤情報および前記第2薬剤の前記対象疾患への治療効果を示す第2効果情報を目的変数として含む学習用データを用いた機械学習によって学習済モデルを生成する、薬効推定モデルの生成方法。
【請求項5】
第1患者の、対象疾患に関連する病変部位を撮像した第1医用画像、および前記第1医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第1発現情報を取得する取得部と、
第2患者の、前記病変部位を撮像した第2医用画像、および、前記第2医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第2発現情報を説明変数として含み、前記第2患者に投与された第2薬剤を示す第2薬剤情報および前記第2薬剤の前記対象疾患への治療効果を示す第2効果情報を目的変数として含む学習用データを用いて学習された学習済モデルに、前記第1医用画像および前記第1発現情報を入力し、前記第1患者に投与可能な第1薬剤を示す第1薬剤情報および前記第1薬剤の前記対象疾患への推定治療効果を示す第1効果情報を前記学習済モデルに出力させる推定部と、を含む薬効推定システム。
【請求項6】
コンピュータを制御する制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
第1患者の、対象疾患に関連する病変部位を撮像した第1医用画像、および前記第1医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第1発現情報を取得する取得工程と、
第2患者の、前記病変部位を撮像した第2医用画像、および、前記第2医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第2発現情報を説明変数として含み、前記第2患者に投与された第2薬剤を示す第2薬剤情報および前記第2薬剤の前記対象疾患への治療効果を示す第2効果情報を目的変数として含む学習用データを用いて学習された学習済モデルに、前記第1医用画像および前記第1発現情報を入力し、前記第1患者に投与可能な第1薬剤を示す第1薬剤情報および前記第1薬剤の前記対象疾患への推定治療効果を示す第1効果情報を前記学習済モデルに出力させる推定工程と、を実行させるための、制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項8】
第1患者の、対象疾患に関連する病変部位を撮像した第1医用画像、および前記第1医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第1発現情報に基づいて、前記第1患者に投与可能な第1薬剤および前記第1薬剤の前記対象疾患への推定治療効果を推定するための学習済モデルであって、
第2患者の、前記病変部位を撮像した第2医用画像、および、前記第2医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第2発現情報を説明変数として含み、前記第2患者に投与された第2薬剤を示す第2薬剤情報および前記第2薬剤の前記対象疾患への治療効果を示す第2効果情報を目的変数として含む学習用データを用いた機械学習によって得られ、
前記第1医用画像および前記第1発現情報から、前記第1薬剤を示す第1薬剤情報および前記第1薬剤の前記推定治療効果を示す第1効果情報を出力するようコンピュータを機能させるための学習済モデル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、薬効推定方法、薬効推定モデルの生成方法、薬効推定システム、制御プログラム、記録媒体および学習済モデルに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
医療の分野において、CT(Computed Tomography)画像等の医用画像から抽出される大量の特徴量を用いて、疾患の有無または治療予後等を推定する、Radiomics技術が注目されている。例えば非特許文献1には、Radiomics技術により、医用画像からがんの遺伝的性質を推定し、当該がんの放射線治療の効果予測を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
内山良一、Radiomicsによる分子分類と治療戦略、医学物理、第40巻、第1号、第19-22頁、2022年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に示される通り、医用画像に含まれる特徴量と、遺伝子変異との関連については議論されている。しかし、遺伝子変異よりも、より直接的に病変部位の生物学的な表現型と関連すると考えられる遺伝子発現パターンと、医用画像に含まれる特徴量との相関については、従来検討が及んでいない。そのため、医用画像の特徴量を、病変部位の遺伝子発現パターンおよび薬剤の治療効果データの両者と関連付けて、薬剤の治療効果を推定することについても行われていない。
【0005】
本発明の一態様は、医用画像および遺伝子発現の情報を用いて、薬剤の治療効果を高精度に推定可能な薬効推定方法等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る薬効推定方法は、第1患者の、対象疾患に関連する病変部位を撮像した第1医用画像、および前記第1医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第1発現情報を取得する取得工程と、第2患者の、前記病変部位を撮像した第2医用画像、および、前記第2医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第2発現情報を説明変数として含み、前記第2患者に投与された第2薬剤を示す第2薬剤情報および前記第2薬剤の前記対象疾患への治療効果を示す第2効果情報を目的変数として含む学習用データを用いて学習された学習済モデルに、前記第1医用画像および前記第1発現情報を入力し、前記第1患者に投与可能な第1薬剤を示す第1薬剤情報および前記第1薬剤の前記対象疾患への推定治療効果を示す第1効果情報を前記学習済モデルに出力させる推定工程と、を含む。
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る薬効推定モデルの生成方法は、第2患者の、対象疾患に関連する病変部位を撮像した第2医用画像、および、前記第2医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第2発現情報を説明変数として含み、前記第2患者に投与された第2薬剤を示す第2薬剤情報および前記第2薬剤の前記対象疾患への治療効果を示す第2効果情報を目的変数として含む学習用データを用いた機械学習によって学習済モデルを生成する。
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る薬効推定システムは、第1患者の、対象疾患に関連する病変部位を撮像した第1医用画像、および前記第1医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第1発現情報を取得する取得部と、第2患者の、前記病変部位を撮像した第2医用画像、および、前記第2医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第2発現情報を説明変数として含み、前記第2患者に投与された第2薬剤を示す第2薬剤情報および前記第2薬剤の前記対象疾患への治療効果を示す第2効果情報を目的変数として含む学習用データを用いて学習された学習済モデルに、前記第1医用画像および前記第1発現情報を入力し、前記第1患者に投与可能な第1薬剤を示す第1薬剤情報および前記第1薬剤の前記対象疾患への推定治療効果を示す第1効果情報を前記学習済モデルに出力させる推定部と、を含む。
【0009】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る学習済モデルは、第1患者の、対象疾患に関連する病変部位を撮像した第1医用画像、および前記第1医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第1発現情報に基づいて、前記第1患者に投与可能な第1薬剤および前記第1薬剤の前記対象疾患への推定治療効果を推定するための学習済モデルであって、第2患者の、前記病変部位を撮像した第2医用画像、および、前記第2医用画像に対応する前記病変部位における遺伝子発現に関する第2発現情報を説明変数として含み、前記第2患者に投与された第2薬剤を示す第2薬剤情報および前記第2薬剤の前記対象疾患への治療効果を示す第2効果情報を目的変数として含む学習用データを用いた機械学習によって得られ、前記第1医用画像および前記第1発現情報から、前記第1薬剤を示す第1薬剤情報および前記第1薬剤の前記推定治療効果を示す第1効果情報を出力するようコンピュータを機能させるためのものである。
【0010】
本発明の各態様に係る薬効推定システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記薬効推定システムが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記薬効推定システムをコンピュータにて実現させるコンピュータの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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