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公開番号2025165189
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-04
出願番号2024069148
出願日2024-04-22
発明の名称工程紙
出願人日本製紙株式会社
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類B32B 27/10 20060101AFI20251027BHJP(積層体)
要約【課題】保管、輸送時等に揮発性成分の揮発を抑制することのできる工程紙を提供すること。
【解決手段】バリア塗工紙と、前記バリア塗工紙の少なくとも一面に剥離剤層とを有し、
前記バリア塗工紙が、紙基材と、少なくとも一面にガスバリア塗工層を備え、
前記紙基材が、厚さ50μm以上200μm以下、密度0.5g/cm³以上1.1g/cm³以下、CD方向の乾燥収縮率が0.6%以下である工程紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
バリア塗工紙と、前記バリア塗工紙の少なくとも一面に剥離剤層とを有し、
前記バリア塗工紙が、紙基材と、少なくとも一面にガスバリア塗工層を備え、
前記紙基材が、厚さ５０μｍ以上２００μｍ以下、密度０．５ｇ／ｃｍ
３
以上１．１ｇ／ｃｍ
３
以下、ＣＤ方向の乾燥収縮率が０．６％以下であることを特徴とする工程紙。
続きを表示（約 410 文字）【請求項２】
前記剥離剤層、前記ガスバリア塗工層、前記紙基材がこの順に積層されていることを特徴とする請求項１に記載の工程紙。
【請求項３】
前記バリア塗工紙の２３℃－５０％ＲＨ条件下における酸素透過度が２００ｍｌ／ｍ
２
・ｄａｙ・ａｔｍ以下であることを特徴とする請求項１に記載の工程紙。
【請求項４】
前記紙基材の縦方向引張強さが５ｋＮ／ｍ以上であることを特徴とする請求項１に記載の工程紙。
【請求項５】
前記バリア塗工紙が、前記紙基材の少なくとも一方の面に顔料塗工層を有し、
前記剥離剤層、前記ガスバリア塗工層、前記顔料塗工層、前記紙基材がこの順に積層されていることを特徴とする請求項１に記載の工程紙。
【請求項６】
請求項１～５のいずれかに記載の工程紙と、前記工程紙上に積層された樹脂層とを有することを特徴とする積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、樹脂層の製造に用いられる工程紙に関する。
続きを表示（約 2,600 文字）【背景技術】
【０００２】
溶融、または溶媒に溶解した液状の樹脂組成物を膜状に加工する際に、その一面上で液状の樹脂組成物を硬化させる工程紙が用いられる場合がある。この加工は、一般的に連続的に行われ、ロールから繰り出された工程紙上に液状の樹脂組成物が押出し・塗布等され、液状の樹脂組成物が硬化して樹脂層となる。工程紙と樹脂層とを有する積層体は、連続的に繰り出され、ロール状に巻回される。特許文献１には、両面に防湿層を有する原紙の少なくとも片面に剥離処理を施した、透湿度が２００ｇ／ｍ
２
・２４時間以下であるプレプリグ用工程紙が提案されている。
【０００３】
工程紙と樹脂層とを有する積層体は、ロール状で保管、輸送等がされる。ここで、この積層体は、機能性付与やその後の加工性保持等のために、揮発性成分を含むことが要求される場合がある。しかし、通常の紙からなる工程紙はバリア性を有さないため、保管、輸送時に揮発性成分が徐々に揮発してしまい、製品品質上の問題が生じる場合があった。フィルムをラミネートした工程紙を用いることにより、揮発性成分の揮発を防ぐことができるが、ラミネート紙は離解性に劣るため、使用後の工程紙が古紙原料としてのリサイクル性に劣るという問題があった。
また、ラミネート紙に代えて、バリア性を有する樹脂フィルムを用いる場合もあるが、樹脂フィルムは伸びや変形が大きく、製品の巻き取り時や、巻き取った製品を取り出す際にフィルムが伸びてしまいシワなどが発生するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２００５－２２０４８２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、保管、輸送時等に揮発性成分の揮発を抑制することのできる工程紙を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の課題を解決するための手段は以下の通りである。
１．バリア塗工紙と、前記バリア塗工紙の少なくとも一面に剥離剤層とを有し、
前記バリア塗工紙が、紙基材と、少なくとも一面にガスバリア塗工層を備え、
前記紙基材が、厚さ５０μｍ以上２００μｍ以下、密度０．５ｇ／ｃｍ
３
以上１．１ｇ／ｃｍ
３
以下、ＣＤ方向の乾燥収縮率が０．６％以下であることを特徴とする工程紙。
２．前記剥離剤層、前記ガスバリア塗工層、前記紙基材がこの順に積層されていることを特徴とする１．に記載の工程紙。
３．前記バリア塗工紙の２３℃－５０％ＲＨ条件下における酸素透過度が２００ｍｌ／ｍ
２
・ｄａｙ・ａｔｍ以下であることを特徴とする１．または２．に記載の工程紙。
４．前記紙基材の縦方向引張強さが５ｋＮ／ｍ以上であることを特徴とする１．～３．のいずれかに記載の工程紙。
５．前記バリア塗工紙が、前記紙基材の少なくとも一方の面に顔料塗工層を有し、
前記剥離剤層、前記ガスバリア塗工層、前記顔料塗工層、前記紙基材がこの順に積層されていることを特徴とする１．～４．のいずれかに記載の工程紙。
６．１．～５．のいずれかに記載の工程紙と、前記工程紙上に積層された樹脂層とを有することを特徴とする積層体。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の工程紙は、その上に樹脂層を形成した状態で長期間保管しても、揮発性成分の揮発を防止することができる。本発明の工程紙は、クッション性に優れているため、工程紙上に形成した樹脂層が、保管時、運搬時等に傷付くことを防止することができる。本発明の工程紙は、寸法安定性に優れており、樹脂の積層時に加熱されても伸びにくく、巻取り時や巻き取った製品を取り出す際にシワが生じにくい。本発明の工程紙は、離解性に優れているため、古紙原料としてリサイクルすることができる。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
本発明は、樹脂層の製造に用いられる工程紙に関する。
本発明の工程紙は、バリア塗工紙と、このバリア塗工紙の少なくとも一面に剥離剤層とを有し、
バリア塗工紙が、紙基材と、少なくとも一面にガスバリア塗工層を備え、
紙基材が、厚さ５０μｍ以上２００μｍ以下、密度０．５ｇ／ｃｍ
３
以上１．１ｇ／ｃｍ
３
以下、ＣＤ方向の乾燥収縮率が０．６％以下である。
なお、本明細書において、「Ａ～Ｂ（Ａ、Ｂは数字）」との記載は、Ａ、Ｂの値を含む数値範囲、すなわち、Ａ以上Ｂ以下を意味する。
【０００９】
（バリア塗工紙）
本発明で使用するバリア塗工紙は、紙基材と、少なくとも一面にガスバリア塗工層を備える。本発明で使用するバリア塗工紙は、紙基材の両面にガスバリア塗工層を備えることもでき、紙基材とガスバリア塗工層以外の他の層を備えることもでき、他の層を備える場合、その配置は特に制限されない。
【００１０】
（紙基材）
本発明において紙基材とは、パルプを主要原料として構成され、必要に応じさらに填料、各種助剤を含有するシートである。
パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）、針葉樹漂白クラフトパルプ（ＮＢＫＰ）、広葉樹未漂白クラフトパルプ（ＬＵＫＰ）、針葉樹未漂白クラフトパルプ（ＮＵＫＰ）、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプなどの木材繊維、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維などを用いることができ、これらの１種、または２種以上を配合して用いることができる。これらの中でも、紙基材中への異物混入が発生し難いこと、使用後に古紙原料に供してリサイクル使用する際に経時変色が発生し難いことなどの理由から、木材繊維の化学パルプ、機械パルプを用いることが好ましく、木材繊維の化学パルプを用いることがより好ましい。
（【００１１】以降は省略されています）

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