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公開番号2025153894
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056601
出願日2024-03-29
発明の名称米飯用添加剤
出願人株式会社J-オイルミルズ
代理人
主分類A23D 9/00 20060101AFI20251002BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】
本発明の米飯用添加剤を炊飯後の米飯の異風味を低減させることができ、特に乳化剤由来の異風味を低減することができる米飯用添加剤、及び米飯類の製造方法を提供する。
【解決手段】
コーンウエットジャームを粉砕することなく、焙煎し、搾油することによって得られた焙煎油、
もしくは油脂原料の圧搾油若しくは前記油脂原料の抽出油のいずれかを含む粗原油、又は前記粗原油の精製工程において脱ガム工程、脱酸工程若しくは脱色工程を経た油脂に対して、120℃以上の加熱処理が施された加熱油を、
有効成分として含有することを特徴とする、米飯用添加剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
コーンウエットジャームを粉砕することなく、焙煎し、搾油することによって得られた焙煎油を有効成分として含有することを特徴とする、米飯用添加剤。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記コーンウエットジャームの焙煎の条件が、以下の式(1)で計算される値が52以上230以下を満たす該焙煎油である、請求項1に記載の米飯用添加剤。
式(1) (T-100)×t
0.2
(ただし、上記式(1)において、T:焙煎温度(℃)、t:焙煎時間(分)である。)
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載の米飯用添加剤を含有することを特徴とする炊飯用油脂組成物。
【請求項4】
コーンウエットジャームを粉砕することなく、焙煎し、搾油して焙煎油を得る工程を含むことを特徴とする、米飯用添加剤の製造方法。
【請求項5】
前記コーンウエットジャームの焙煎の条件が、以下の式(1)で計算される値が52以上230以下を満たす該焙煎油である、請求項4に記載の米飯用添加剤の製造方法。
式(1) (T-100)×t
0.2
(ただし、上記式(1)において、T:焙煎温度(℃)、t:焙煎時間(分)である。)
【請求項6】
乳化剤と、
コーンウエットジャームを粉砕することなく、焙煎し、搾油することによって得られた焙煎油を米飯に添加する、
炊飯後の米飯の異風味低減方法。
【請求項7】
前記コーンウエットジャームの焙煎の条件が、以下の式(1)で計算される値が52以上230以下を満たす該焙煎油である、
請求項6に記載の炊飯後の米飯の異風味低減方法。
式(1) (T-100)×t
0.2
(ただし、上記式(1)において、T:焙煎温度(℃)、t:焙煎時間(分)である。)
【請求項8】
油脂原料の圧搾油、前記油脂原料の抽出油、又はその両方を含む混合油のいずれかである粗原油、又は前記粗原油の精製工程において脱ガム工程、脱酸工程、及び脱色工程から選ばれる1つ以上の工程を経た油脂に対して、
120℃以上の加熱処理が施された加熱油を有効成分として含有することを特徴とする、米飯用添加剤。
【請求項9】
油脂原料の圧搾油若しくは前記油脂原料の抽出油のいずれかを含む粗原油、又は前記粗原油の精製工程において脱ガム工程、脱酸工程若しくは脱色工程を経た油脂に対して、
120℃以上の加熱処理を施して加熱油を得る工程を含むことを特徴とする米飯用添加剤の製造方法。
【請求項10】
乳化剤と、
油脂原料の圧搾油若しくは前記油脂原料の抽出油のいずれかを含む粗原油、又は前記粗原油の精製工程において脱ガム工程、脱酸工程若しくは脱色工程を経た油脂に対して、
120℃以上の加熱処理が施された加熱油を、
米飯に添加する、炊飯後の米飯の異風味低減方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯用添加剤及び米飯類の製造方法に関し、詳しくは乳化剤を含む米飯の炊飯時に米飯用添加剤を添加することにより、炊飯後の米飯における異風味を低減できる米飯用添加剤及び米飯類の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から炊飯後の米飯のほぐれ性の向上や、艶出し、老化抑制などのために炊飯用油脂組成物が用いられている。従来の炊飯用油脂組成物の多くは乳化剤を含んでおり、例えば特許文献1には、ショ糖脂肪酸エステルを0.05質量%以上1.2質量%以下、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを0.01質量%以上1.5質量%以下、ソルビタン脂肪酸エステルを0.01質量%以上2質量%以下、及びポリグリセリン脂肪酸エステルを0.2質量%以上2質量%以下含有する炊飯用油脂組成物によって、米飯類の老化を抑制できる技術が開示されている。また、特許文献2では食用油脂100質量部に対して、ポリグリセリンの重合度が2~6のポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを0.1~5.5質量部、ポリグリセリンの重合度が2~10のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.1~9.0質量部含有する炊飯用油脂組成物を用いて米飯を炊飯することで、保存後の米飯の食感の低下が抑制できる技術が開示されている。
一方で、乳化剤を含む油脂組成物などの添加物は、特有の風味を発する。特に、炊飯時に乳化剤を含む油脂組成物を添加した場合、炊きあがった米飯は乳化剤由来の異風味を有しており、風味の低下につながっている。 特許文献1、2で開示されている炊飯用油脂組成物は、種々の乳化剤を含んでいるが、乳化剤由来の異風味に関する知見については開示も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-153472号公報
特開2019-129731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、米飯用添加剤及び米飯類の製造方法に関し、詳しくは米飯用添加剤を炊飯時に添加することにより、炊飯後の米飯における異風味を低減できる米飯用添加剤及び米飯類の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、コーンウエットジャームを粉砕することなく、焙煎し、搾油することによって得られた焙煎油、または、油脂原料の圧搾油若しくは前記油脂原料の抽出油のいずれかを含む粗原油、又は前記粗原油の精製工程において脱ガム工程、脱酸工程若しくは脱色工程を経た油脂に対して、120℃以上の加熱処理が施された加熱油を有効成分とする、米飯用添加剤及び米飯類の製造方法に関する。詳しくは乳化剤を含む米飯を炊飯する際に、米飯用添加剤を添加することにより、炊飯後の米飯における乳化剤由来の異風味を低減できる米飯用添加剤及び米飯類の製造方法を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
コーンウエットジャームを粉砕することなく、焙煎し、搾油することによって得られた焙煎油を有効成分として含有することを特徴とする、米飯用添加剤。
[2]
前記コーンウエットジャームの焙煎の条件が、以下の式(1)で計算される値が52以上230以下を満たす該焙煎油である、[1]に記載の米飯用添加剤。
式(1) (T-100)×t
0.2
(ただし、上記式(1)において、T:焙煎温度(℃)、t:焙煎時間(分)である。)
[3]
[1]又は[2]のいずれかに記載の米飯用添加剤を含有することを特徴とする炊飯用油脂組成物。
[4]
コーンウエットジャームを粉砕することなく、焙煎して焙煎油を得る工程を含むことを特徴とする、米飯用添加剤の製造方法。
[5]
前記コーンウエットジャームの焙煎の条件が、以下の式(1)で計算される値が52以上230以下を満たす該焙煎油である、[4]に記載の米飯用添加剤の製造方法。
式(1) (T-100)×t
0.2
(ただし、上記式(1)において、T:焙煎温度(℃)、t:焙煎時間(分)である。)
[6]
乳化剤と、コーンウエットジャームを粉砕することなく、焙煎し、搾油することによって得られた焙煎油を米飯に添加する、炊飯後の米飯における乳化剤由来の異風味の低減方法。
[7]
前記コーンウエットジャームの焙煎の条件が、以下の式(1)で計算される値が52以上230以下を満たす該焙煎油である、[6]に記載の炊飯後の米飯における乳化剤由来の異風味の低減方法。
式(1) (T-100)×t
0.2
(ただし、上記式(1)において、T:焙煎温度(℃)、t:焙煎時間(分)である。)
[8]
油脂原料の圧搾油、前記油脂原料の抽出油、又はその両方を含む混合油のいずれかである粗原油 、又は前記粗原油の精製工程において脱ガム工程、脱酸工程、及び脱色工程から選ばれる1つ以上の工程を経た油脂に対して、
120℃以上の加熱処理が施された加熱油を有効成分として含有することを特徴とする、米飯用添加剤。
[9]
油脂原料の圧搾油若しくは前記油脂原料の抽出油のいずれかを含む粗原油、又は前記粗原油の精製工程において脱ガム工程、脱酸工程若しくは脱色工程を経た油脂に対して、
120℃以上の加熱処理を施して加熱油を得る工程を含むことを特徴とする米飯用添加剤の製造方法。
[10]
乳化剤と、
油脂原料の圧搾油若しくは前記油脂原料の抽出油のいずれかを含む粗原油、又は前記粗原油の精製工程において脱ガム工程、脱酸工程若しくは脱色工程を経た油脂に対して、
120℃以上の加熱処理が施された加熱油を、
米飯に添加する、炊飯後の米飯の異風味低減方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の米飯用添加剤を炊飯後の米飯の異風味を低減させることができ、特に乳化剤由来の異風味を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた本発明の態様として有効である。
また、本明細書において数値範囲の上限値および下限値を示したときは、上限値および下限値を適宜組み合わせることができ、それにより得られた数値範囲も開示しているものとする。
【0008】
(焙煎油)
第一の態様として、本発明の米飯用添加剤は、コーンウエットジャームを粉砕することなく、焙煎し、搾油することによって得られた焙煎油を有効成分として含有することができる。
【0009】
コーンウエットジャームは、トウモロコシ粒からウェットミリングと呼ばれる工程で分別され得られる。この工程の一例としては、まず、希薄な亜硫酸溶液にトウモロコシ粒を約48時間浸積させ、トウモロコシ粒を膨潤させる。この浸積により、胚乳は水分を含み下部に沈降し、油分を多く含む胚芽は上部に集まる。そして、比重差により、上部に集まった胚芽を回収する。回収した胚芽を乾燥させることでコーンウェットジャームが得られる。
【0010】
上記のようにして得られたコーンウエットジャームは、粉砕することなく焙煎する。焙煎方法は特に制限はなく、外部より電熱、熱風、バーナー、マイクロ波などを介してコーンウエットジャームを加熱することにより行うことができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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