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公開番号2025142581
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2024042029
出願日2024-03-18
発明の名称継手構造、及び床版連結方法
出願人株式会社横河ブリッジ
代理人弁理士法人武政国際特許商標事務所
主分類E01D 19/12 20060101AFI20250924BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、従来技術に比して目地幅を小さくすることができる継手構造と、床版連結方法を提供することにある。
【解決手段】本願発明の継手構造は、底鋼板と床版コンクリートからなるプレキャスト製の鋼コンクリート合成床版の継手構造であって、添接板と複数の添接ボルトを備えたものである。添接板は、鋼コンクリート合成床版の第2端面側の底鋼板に固定される。隣接する一方の鋼コンクリート合成床版に係る添接板の第1ボルト孔と他方の鋼コンクリート合成床版に係る鋼板ボルト孔に、添接ボルトを挿通したうえで締め付けることによって、隣接する鋼コンクリート合成床版が連結される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
底鋼板と床版コンクリートからなるプレキャスト製の鋼コンクリート合成床版の継手構造であって、
前記床版コンクリートには、第１軸方向に対向する第１端面と第２端面が形成され、
前記底鋼板には、該第１端面より突出する添接面が形成され、
前記添接面には、前記第１軸方向に対して垂直又は斜方向となる第２軸方向に並ぶ複数の鋼板ボルト孔が形成され、
第１列に並ぶ複数の第１ボルト孔が形成され、前記第２端面側の前記底鋼板に固定される添接板と、
前記添接板の前記第１ボルト孔に挿通する複数の添接ボルトと、を備え、
前記添接ボルトを、隣接する一方の前記鋼コンクリート合成床版に係る前記添接板の前記第１ボルト孔と、他方の前記鋼コンクリート合成床版に係る前記鋼板ボルト孔と、に挿通したうえで締め付けることによって、隣接する該鋼コンクリート合成床版が連結される、
ことを特徴とする継手構造。
続きを表示（約 1,600 文字）【請求項２】
前記鋼コンクリート合成床版のうち前記第２端面側には、前記第２軸方向に並ぶ複数の床版ボルトが前記底鋼板を貫通した状態で前記床版コンクリートに埋設され、
前記添接板には、第２列に並ぶ複数の第２ボルト孔が形成され、
前記床版ボルトを、前記添接板の前記第２ボルト孔に挿通したうえで締め付けることによって、前記添接板が前記底鋼板に固定される、
ことを特徴とする請求項１記載の継手構造。
【請求項３】
溶接接合によって、前記添接板が前記底鋼板に固定された、
ことを特徴とする請求項１記載の継手構造。
【請求項４】
１の板材を折曲げ加工することによって、前記底鋼板の一部として前記添接板が形成された、
ことを特徴とする請求項１記載の継手構造。
【請求項５】
前記鋼板ボルト孔と前記第１ボルト孔は長孔であり、
前記鋼板ボルト孔が前記第１軸方向に配置されるとともに前記第１ボルト孔が前記第２軸方向に配置され、又は前記鋼板ボルト孔が前記第２軸方向に配置されるとともに前記第１ボルト孔が前記第１軸方向に配置された、
ことを特徴とする請求項１記載の継手構造。
【請求項６】
底鋼板と床版コンクリートからなるプレキャスト製の鋼コンクリート合成床版を連結する方法であって、
前記床版コンクリートには、第１軸方向に対向する第１端面と第２端面が形成され、
前記底鋼板には、該第１端面より突出する添接面が形成され、
前記添接面には、前記第１軸方向に対して垂直又は斜方向となる第２軸方向に並ぶ複数の鋼板ボルト孔が形成され、
前記第２端面側の前記底鋼板には、第１列に並ぶ複数の第１ボルト孔が形成された添接板が固定され、
一方の前記鋼コンクリート合成床版に隣接するように、他方の前記鋼コンクリート合成床版を設置する鋼コンクリート合成床版設置工程と
前記添接板を、他方の前記鋼コンクリート合成床版に取り付ける第２添接板設置工程と、を備え、
前記第２添接板設置工程では、添接ボルトを、
一方の前記鋼コンクリート合成床版に係る前記添接板の前記第１ボルト孔と、他方の前記鋼コンクリート合成床版に係る前記鋼板ボルト孔と、に挿通したうえで締め付ける、
ことを特徴とする床版連結方法。
【請求項７】
前記鋼コンクリート合成床版のうち前記第２端面側には、前記第２軸方向に並ぶ複数の床版ボルトが前記底鋼板を貫通した状態で前記床版コンクリートに埋設され、
前記添接板には、第２列に並ぶ複数の第２ボルト孔が形成され、
前記添接板を、一方の前記鋼コンクリート合成床版に取り付ける第１添接板設置工程を、さらに備え、
前記第１添接板設置工程では、一方の前記鋼コンクリート合成床版に係る前記床版ボルトを、前記添接板の前記第２ボルト孔に挿通したうえで締め付ける、
ことを特徴とする請求項６記載の床版連結方法。
【請求項８】
前記鋼板ボルト孔と前記第１ボルト孔は長孔であり、
前記鋼板ボルト孔が前記第１軸方向に配置されるとともに前記第１ボルト孔が前記第２軸方向に配置され、又は前記鋼板ボルト孔が前記第２軸方向に配置されるとともに前記第１ボルト孔が前記第１軸方向に配置され、
前記第２添接板設置工程では、前記鋼板ボルト孔と前記第１ボルト孔が重なった状態で前記添接ボルトを挿通する、
ことを特徴とする請求項６記載の床版連結方法。
【請求項９】
隣接する前記床版コンクリートの前記第１端面と前記第２端面が対向して形成される目地部に、モルタル又はコンクリートを打ち込む目地部間詰工程を、さらに備え、
前記目地部間詰工程は、前記第２添接板設置工程の後に行われる、
ことを特徴とする請求項６記載の床版連結方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本願発明は、底鋼板と床版コンクリートからなるプレキャスト製の鋼コンクリート合成床版に関する技術であり、より具体的には、床版コンクリートから突出した底鋼板を利用した鋼コンクリート合成床版の継手構造と、この継手構造で鋼コンクリート合成床版を連結する方法に関するものである。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
高度経済成長期に集中的に整備されてきた建設インフラストラクチャー（以下、「建設インフラ」という。）は、既に相当な老朽化が進んでいることが指摘されている。平成２６年には「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言（社会資本整備審議会）」がとりまとめられ、平成２４年の笹子トンネル天井板崩落事故の例を挙げて「近い将来、橋梁の崩落など人命や社会装置に関わる致命的な事態を招くであろう」と警鐘を鳴らし、建設インフラの維持管理の重要性を強く唱えている。
【０００３】
このような背景のもと、国は道路法施行規則の一部を改正する省令を公布し、具体的な建設インフラの点検方法、主な変状の着目箇所、判定事例写真などを示した定期点検要領を策定している。この定期点検要領では、約７０万橋に上るといわれる橋長２．０ｍ以上の橋を対象としており、供用開始後２年以内に初回点検、以降５年に１回の頻度で定期点検を行うこととしている。
【０００４】
一方、道路橋を設計する際の基準である「道路橋示方書」は、昭和１４年に鋼道路橋設計示方書案が発行されて以来随時見直されてきており、特に兵庫県南部地震の後には大幅な改定が行われている。この結果、従前では十分に耐力のあった橋梁であっても、現在の設計基準に照らせばその耐力が不足している場合も少なくない。
【０００５】
上記した老朽化と強度不足という２つの理由から、現在では橋梁の補強や改築がしばしば行われている。また、桁部材が健全であっても車両荷重を支持する床版が劣化すると、その床版の補修を行ったり、劣化した床版に代えて新たな床版を更新する床版更新工事を行ったりしている。
【０００６】
ところが現在の道路橋は、大量の交通を確保しており、つまり人の移動や流通産業を支えているのが現状であり、安易にその供用を止めることはできない。特に、高速道路など自動車専用道路の高架橋は、一日に数万台の車を通行させており、仮に通行させないとすればその経済的損失額は計り知れないものとなるし、救急の患者を搬送できないとすれば社会的な問題にもなりかねない。そのため供用中の道路橋に対して工事を行う場合、常に早期の交通開放が求められ、施工者は早期開放を実現すべく工期短縮に努めているところである。
【０００７】
従来、コンクリート製の床版を構築するにあたっては、場所打ちコンクリート工法が採用されることが多かった。この場所打ちコンクリート工法は、現地で型枠を組み立てたうえでフレッシュコンクリートを打ち込み、その後所定期間だけ養生するといった工程が必要である。そのため、現地を長い期間占有することとなり、供用中の道路橋の床版を取り替える工事では通行を規制する期間もそれだけ長期にわたっていた。
【０００８】
そこで、近年では場所打ちコンクリート工法に代えてプレキャスト製のコンクリート床版（以下、単に「プレキャスト製床版」という。）を利用する機会も増えてきた。このプレキャスト製床版は工場で製造されるため、品質の管理も容易であり、しかも現地では主に設置する工程で足り、故に現場を占有する期間を短縮することができるわけである。
【０００９】
プレキャスト製床版としては、鋼コンクリート合成床版やＰＣ（ＰｒｅｓｔｒｅｓｓｅｄＣｏｎｃｒｅｔｅ）床版、ＲＣ（ＲｅｉｎｆｏｒｃｅｄＣｏｎｃｒｅｔｅ）床版などが知られている。このうち鋼コンクリート合成床版は、主に底鋼板とコンクリート、鉄筋からなる合成構造であって、その底鋼板が断面力を負担する構造部材として機能するものである。すなわち、引張力を負担する鋼部材と圧縮力を負担するコンクリートを有効に組み合わせた構造であることから、床版としての剛性が高く、故に長い床版支間にも対応できる。また鋼コンクリート合成床版の底鋼板は、コンクリートが硬化するまでは型枠として機能し、さらに縦リブで補強された鋼版は支保工として自立するため、型枠の手間を一部省くことができるなど施工（製造）の面においても優れた構造といえる。
【００１０】
このように多くの特長をもつ鋼コンクリート合成床版に関しては、これまでにも改良技術が提案されてきた。特に本願の出願人は、例えば特許文献１に示すように鋼コンクリート合成床版に関する種々の技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
（【００１１】以降は省略されています）

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