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公開番号
2025178237
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2025094475
出願日
2025-05-21
発明の名称
蓄光性の白色モルタル、その硬化体、及びその硬化体の耐候性強化方法。
出願人
個人
代理人
主分類
E01C
9/00 20060101AFI20251128BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約
【課題】コンクリートやタイル基材に対して、それと同等レベルの材料強度と供用寿命をもった蓄光顔料の使用法を提供する。
【解決手段】白色ポルトランドセメントに蓄光顔料を含有させて成る蓄光性の白色モルタル硬化体に、シリコーンレジン溶液を浸透させて、モルタル硬化体内部の空隙をシリコーンレジンの硬化物で覆う、もしくは埋める。そしてそのモルタル硬化体をコンクリートやタイル基材に固着する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
白色ポルトランドセメントに蓄光顔料を配合して成るモルタル硬化体に、シリコーンレジン溶液を浸透させ硬化すること、を特徴とするモルタル硬化体の耐候性強化方法。
続きを表示(約 270 文字)
【請求項2】
請求項1記載のモルタル硬化体の耐候性強化方法により製造されたモルタル硬化体。
【請求項3】
表面より少なくとも2mmの深さまで、シリコーンレジン溶液が浸透して硬化している請求項2記載のモルタル硬化体。
【請求項4】
突起部が請求項2、もしくは3記載のモルタル硬化体である点字タイル。
【請求項5】
突起部が蓄光性の白色モルタル硬化体で、それがタイルの裏面側まで達しており、しかもその裏面側よりシリコーンレジン溶液が突起部表面まで浸透して硬化している点字タイル。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は蓄光顔料の、道路関係などのインフラ構造物への用途拡大に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
照射された光を電子的エネルギーに変換して蓄え、照射終了後も長時間にわたり蛍光を発する蓄光顔料は、暗闇での誘導に極めて有効である。特にアルミン酸塩系の蓄光顔料は、輝度に優れ残光時間も長いので、現在ではこのタイプが主流となっている。これは主に透明な樹脂製フイルムに塗工して、粘着テープの形態に加工して利用されている。この場合、蓄光顔料は透明な樹脂層の内部に分散して存在する。しかし、担持体である樹脂、及び蓄光顔料が紫外線を浴びて経時的に劣化するうえ、浸透した水で蓄光顔料が加水分解して劣化するので、屋外での使用は不適である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、蓄光顔料を透明ガラス体に封じ込めれば、水から遮断されるので、加水分解による劣化を防止出来る。本発明者は歩行者誘導用の白線タイルとして、その応用例を2016年に開示した(特開2016-204242)。しかし、これは耐水性という条件はクリアー出来るが、製造コストが高いうえ、800℃の高温でガラスフリットを溶融させるので、酸化により輝度が低下する問題があった。なお、残光輝度に係わるJIS規格は、もっぱら製造時点での測定に偏しており、屋外で長期使用した場合における、経時的劣化を想定した基準は存在しない。特に道路関係の構造物への供用においては、残光輝度とともに担持体自体の耐久性も重要である。故に本発明の課題は、道路関係の構造物において、それと同等レベルの材料強度と供用寿命をもった、蓄光顔料の使用法を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題達成のため、本発明者は蓄光顔料の担持体として、透明性はないが耐久性に優れた白色ポルトランドセメントの可能性を検討した。一般的なセメントであるポルトランドセメントは、石灰石、粘土、珪石、鉄原料を粗粉砕したあと1450℃で焼いたものに、更に石膏を加えて10μ程度のサイズに粉砕したものである。このうち灰色に呈色する原因である鉄分を除去したものが白色ポルトランドセメントである。ここにおいて、コンクリートとモルタルの構成材料の違いを述べる。前者は結合材としてのセメント、細骨材としての砂、粗骨材としての砂利より成る。後者は結合材としてのセメント、各種の細骨材より成る。一般には砂であるが、白色セメントの場合は炭酸カルシウムである。コンクリート硬化体は強度に勝れるので構造物の骨格となり、モルタル硬化体はコンクリート構造物への被覆材や詰込み材、また各種材料との繋ぎ材となる。セメントと骨材の混合比は1:2~3程度である。
【0005】
白色モルタルに蓄光顔料を含有させた場合、白色モルタルの成分は不透明であるので、一般的に考えれば外光は遮断されて、内部に分散した蓄光顔料に到達しない。しかし、それは正しい見解ではない。セメントは水和反応で硬化する過程で、サブミクロン~1mm程度の無数の毛細管や気泡の空隙を生ずる。その多寡はセメントと水の混合比(C/W)に関係し、一般には50~60%である。その結果、相当程度の外光は空隙を通じて光量を減衰しながらも、2~3mm程度の深さまで到達する。その際、蓄光顔料は紫外線から可視光線、赤外線にわたる広い帯域の光線で励起するが、波長の短い紫外線は表面を通過出来ないが、波長の長い可視光線や赤外線の一定割合は表面の空隙を回折現象により通過する。それにより硬化体内部に分散する蓄光顔料は、可視光線、赤外線だけを励起光源として利用することが可能となる。ガラスビーズなどの透明体が配合されていれば、光の透過率が上がるので輝度は向上する。その配合率は強度、及び耐久性が許容する範囲内で自由であるが、一般には10~30%程度である。
【0006】
人間が暗闇でボンヤリと灯りを感知出来るレベルは4mcd/m2である。本発明は必ずしも、地下空間における避難誘導や、夜間における津波避難誘導などを主目的とするものではないが、本硬化体の実用性を検討するうえで、以下に掲げるJIS Z9107に定められた避難誘導に係わる残光輝度を参考とする。
残光輝度(mcd/m2) (常用光源ランプD65)
分類 2分後 10分後 20分後 30分後 60分後
JA 210 50 24 15 7
JB 440 105 50 31 15
JC 880 210 100 62 30
JD 1760 420 200 124 60
本発明の実施例1の配合に基づく硬化体の場合の試験結果は以下の通りであった。これは分類JBをクリアーしており、避難誘導用の標識としても十分に実用性があることが判明した。なお、これは配合の一例であり、使用目的に応じて自由に変更可能なことは言うまでもない。
2分後 10分後 20分後 30分後 60分後
526 150 79 54 29
(ニッセンケン品質評価センター 2025.05)
【0007】
一方、セメント硬化体は含水性であるという弱点がある。セメント硬化体は内部に水や飽和水蒸気を包含するので、そのままでは水酸化カルシウムを生成して蓄光顔料を白濁した被膜で覆うとともに、そのアルカリで蓄光顔料を劣化させ蓄光機能を喪失させる。また、それが表面に滲み出して白華となる。加えて、表面にカビが発生して黒ずむ。これは以下に述べる耐候性強化方法により解決される。即ち、その発生の原因である硬化体内部の空隙を、透明硬化物で覆う、望ましくは埋めることである。これは硬化体の構成物を水と水蒸気から遮断するので、水酸化カルシウムの生成を防止することが出来る。その透明硬化物としては、耐久性がある物質であれば任意であるが、そのうち結合エネルギーが高くてガス遮断性の、シロキサン結合(Si-O-Si)で構成されたシリコーンレジンを好適に使用出来る。
【0008】
市販のシリコーンレジン溶液は粘度が高く、硬化体のミクロンクラスの微細な空隙には浸透出来ないので、トルエン等の溶剤で希釈して、水と同等、もしくはより低粘度の0.6~0.9mPa・s程度に希釈して使用するのが好ましい。その浸透の深さは3~4mm程度である。本来なら外光が到達出来る範囲の2~3mm程度でよいが、長期供用を前提としていることから、表面が摩耗や風化で剥脱しても、上記遮断機能を維持するためである。なお、剥脱が進行しても新規な蓄光層が露出するので、長期にわたり蓄光機能が保持される。
【0009】
浸透方法は希釈溶液の刷毛塗りか、希釈溶液槽への浸漬のいずれかである。希釈溶液は粘度に応じて硬化体内部に急速に浸透し空隙を遡上する。そして20分程度で空隙を覆って揮発し硬化する。浸漬の場合は浸透途中で乾燥することがないので、最奥まで達して硬化体の内部全域を、シリコーンレジンの硬化物で覆うことが出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、屋外使用であっても、雨水、摩耗、紫外線、白華、及び黒カビに対して、優れた耐久性のある蓄光性の白色モルタル硬化体が実現するので、道路関係の構造物と一体化させて供用することが可能となる。地下道、駅プラットホーム、視覚障碍者のための歩行誘導タイル、道路境界石などに供用することは、夜間における安全通行に非常に有意義である。また、都市電源の遮断(ブラックアウト)という緊急事態対策としても重要である。以上詳述した如く、固着した相手の構造物と一体化して、その構造物の供用寿命が尽きるまで、蓄光機能を保持出来ることに最大の特徴がある。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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