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公開番号2025137899
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-25
出願番号2022103731
出願日2022-06-28
発明の名称シヌクレイノパチーを判定するための方法
出願人大塚製薬株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 33/68 20060101AFI20250917BHJP(測定;試験)
要約【課題】本開示の目的の1つは、対象がシヌクレイノパチーに罹患しているか否かを判定するための方法を提供することである。
【解決手段】対象から採取された試料におけるαシヌクレインに結合しているApoA1のレベルをカットオフ値と比較することを含む、対象がシヌクレイノパチーに罹患しているか否かを判定するための方法が提供される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
対象から採取された試料におけるαシヌクレインに結合しているアポリポプロテインA1(ApoA1)のレベルをカットオフ値と比較することを含む、対象がシヌクレイノパチーに罹患しているか否かを判定するための方法。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
αシヌクレインに結合しているApoA1のレベルがカットオフ値と比較して低い場合に対象がシヌクレイノパチーに罹患していると判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
αシヌクレインに結合しているApoA1のレベルがカットオフ値と比較して高い場合に対象がシヌクレイノパチーに罹患していないと判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
対象から採取された試料からαシヌクレイン画分を精製することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
対象から採取された試料におけるαシヌクレインに結合しているApoA1の量を測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
試料が、血液、血漿または血清である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
シヌクレイノパチーが、パーキンソン病、レビー小体型認知症または多系統萎縮症である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
シヌクレイノパチーがパーキンソン病である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ApoA1に特異的に結合する試薬およびαシヌクレインに特異的に結合する試薬を含む、対象がシヌクレイノパチーに罹患しているか否かを判定するためのキット。
【請求項10】
試薬が抗体である、請求項9に記載のキット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、対象がシヌクレイノパチーに罹患しているかを判定するための方法およびキットに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
シヌクレイノパチーは、脳におけるαシヌクレインの蓄積を特徴とする神経変性疾患の総称であり、パーキンソン病、レビー小体型認知症および多系統萎縮症を含む(非特許文献1、2)。これらの疾患を根治させ得る薬剤は未だ開発途上であるが、パーキンソン病の運動機能障害に対しては、ドパミン補充療法として、ドパミン前駆体やドパミン作動薬による対症療法が確立されている。しかしながら、ドパミン補充療法が有効である期間は比較的短く、パーキンソン病患者をできる限り早期に診断して、早期に治療介入することが、患者のQOLの観点から重要である。
【0003】
従来からパーキンソン病はその特徴的な臨床症状によって診断されているが、早期の患者で運動機能障害の程度が低い場合には診断は難しい。また、パーキンソン病の確定診断には核医学的な画像診断(MIBG心筋シンチグラフィー、DATスキャン)が必要で、高度な測定機器が必要とされるため、実施可能な施設は限定され、長時間の検査が必要で、検査費用も高額になる(非特許文献3)。
【0004】
これまでに体液(血液や脳脊髄液)を対象としたパーキンソン病バイオマーカーの研究が行われている。脳脊髄液中のαシヌクレインオリゴマーとαシヌクレインの比を測定した研究(非特許文献4)では、パーキンソン病と健常コントロールを有意に鑑別できているが、パーキンソン病と健常コントロールそれぞれの分布にオーバーラップが認められる。また、脳脊髄液の採取は侵襲性が高いため、患者の負担が大きく、早期診断を目的としたスクリーニング検査には適していない。
【0005】
これまでに、血液中のαシヌクレインを測定した研究(非特許文献5)では、パーキンソン病で血液中のαシヌクレインが有意に増加していることが報告されているが、濃度分布は健常コントロールと大きくオーバーラップしており、パーキンソン病診断に用いることは困難である。また、赤血球中の酸化DJ-1に着目したパーキンソン病バイオマーカー研究が報告されているが、パーキンソン病と健常者の鑑別性能は十分ではなく、診断に用いることは困難である(非特許文献6)。
【0006】
パーキンソン病患者の血液中アポリポプロテインA1(ApoA1)タンパク質は、健常者に比較して有意に低下しているこが報告されているが、パーキンソン病と健常者においてApoA1濃度分布はオーバーラップしており、両者の鑑別に用いる程の診断性能は期待できない(非特許文献7)。また、αシヌクレイン結合タンパク質の1つとしてApoA1が報告されているが、パーキンソン病においてαシヌクレインとApoA1の結合状態が変化し得ることについての知見は無い(非特許文献8)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
臨床神経学 53 巻 8 号(2013:8)若林 孝一
非特許文献2 神経治療 37,621-624(2020) 小野賢二郎
日本老年医学会雑誌 53巻 3 号(2016:7)織茂 智之
Neurology 2010;75:1766-1772 T. Tokuda, et al.
Annals of Clinical and Translational Neurology 2019; 6(3): 615-619 Adeline S. L. Ng, et al.
Sci. Rep. 6, 30793; doi: 10.1038/srep30793 (2016). Saito, Y., et al.
Ann Neurol. 2013 July ; 74(1): 119-127. doi:10.1002/ana.23872. Judy K. Qiang, et al.
J Mol Neurosci (2017) 63:165-172 DOI 10.1007/s12031-017-0967-0 Fatemeh Nouri Emamzadeh & David Allsop
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の目的の1つは、対象がシヌクレイノパチーに罹患しているか否かを判定するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、パーキンソン病患者の血中では、αシヌクレインに結合しているApoA1のレベルが低いことを見出した。従って、αシヌクレインに結合しているApoA1を、パーキンソン病などのシヌクレイノパチーのマーカーとして使用し得る。
【0010】
ある態様では、本開示は、対象から採取された試料におけるαシヌクレインに結合しているApoA1のレベルをカットオフ値と比較することを含む、対象がシヌクレイノパチーに罹患しているか否かを判定するための方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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