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公開番号2025130979
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024028409
出願日2024-02-28
発明の名称プロトン伝導セラミック燃料電池用空気極材、プロトン伝導セラミック燃料電池用空気極及びプロトン伝導セラミック燃料電池
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所,国立大学法人 名古屋工業大学
代理人弁理士法人あしたば国際特許事務所
主分類H01M 4/86 20060101AFI20250902BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】空気極の反応抵抗が低く、且つ、出力密度を高くすることができるプロトン伝導セラミック燃料電池用の空気極材及び空気極、並びにそれを用いたプロトン伝導セラミック燃料電池を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1):Bax1Coα1Feβ1Mgγ1Mδ1O3-y1(1)
(式(1)中、MはTi、Ni、Zn、Y、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc及びGaのうちの少なくとも1種、x1は0.90~1.10、α1は0.00を超え1.00以下、β1は0.00を超え1.00以下、γ1は0.00を超え0.30以下、δ1は0.00を超え0.30以下、y1は0.0以上0.8以下である。)で表されるペロブスカイト型の複合酸化物であることを特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1):
Ba
x1
Co
α1
Fe
β1
Mg
γ1

δ1

3-y1
(1)
(式(1)中、MはTi、Ni、Zn、Y、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc及びGaのうちの少なくとも1種、x1は0.90~1.10、α1は0.00を超え1.00以下、β1は0.00を超え1.00以下、γ1は0.00を超え0.30以下、δ1は0.00を超え0.30以下、y1は0.00~0.80である。)
で表されるペロブスカイト型の複合酸化物であることを特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極材。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
下記一般式(2):
Ba
x2
Co
α2
Fe
β2
Ni
γ2

δ2

3-y2
(2)
(式(2)中、MはMg、Ti、Zn、Y、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc及びGaのうちの少なくとも1種、x2は0.90~1.10、α2は0.00を超え1.00以下、β2は0.00を超え1.00以下、γ2は0.00を超え0.30以下、δ2は0.00を超え0.30以下、y2は0.00~0.80である。)
で表されるペロブスカイト型の複合酸化物であることを特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極材。
【請求項3】
下記一般式(3):
Ba
x3
Co
α3
Fe
β3
Zn
γ3

δ3

3-y3
(3)
(式(3)中、MはMg、Ti、Ni、Y、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc及びGaのうちの少なくとも1種、x3は0.90~1.10、α3は0.00を超え1.00以下、β3は0.00を超え1.00以下、γ3は0.00を超え0.30以下、δ3は0.00を超え0.30以下、y3は0.00~0.80である。)
で表されるペロブスカイト型の複合酸化物であることを特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極材。
【請求項4】
下記一般式(4):
Ba
x4
Co
α4
Fe
β4
Ti
γ4

δ4

3-y4
(4)
(式(4)中、MはMg、Ni、Zn、Y、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc及びGaのうちの少なくとも1種、x4は0.90~1.10、α4は0.00を超え1.00以下、β4は0.00を超え1.00以下、γ4は0.00を超え0.30以下、δ4は0.00を超え0.30以下、y4は0.00~0.80である。)
で表されるペロブスカイト型の複合酸化物であることを特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極材。
【請求項5】
請求項1記載のプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極材を30.0質量%以上含有することを特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極。
【請求項6】
請求項2記載のプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極材を30.0質量%以上含有することを特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極。
【請求項7】
請求項3記載のプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極材を30.0質量%以上含有することを特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極。
【請求項8】
請求項4記載のプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極材を30.0質量%以上含有することを特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極。
【請求項9】
空気極/電解質/燃料極の順に形成されている空気極、電解質及び燃料極を有し、
該空気極が、請求項5~8いずれか1項記載のプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極であり、
該電解質が、下記一般式(6):
Ba
x6
(Zr
α6
Ce
β6
B6
(1-α6-β6)

y6

3+z6
(6)
(式(6)中、B6は、Sc、Ga、Y、In、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びHfのうちの少なくとも1種、x6は、0.80~1.20、α6は、0.10~0.90、β6は、0.00~0.10、y6は、0.80~1.20、z6は、-0.80~+0.80である。)
で表されるペロブスカイト型のプロトン伝導性酸化物を80.0質量%以上含有すること、
を特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池。
【請求項10】
空気極/中間層/電解質/燃料極の順に形成されている空気極、中間層、電解質及び燃料極を有し、
該空気極が、請求項5~8いずれか1項記載のプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極であり、
該電解質が、下記一般式(6):
Ba
x6
(Zr
α6
Ce
β6
B6
(1-α6-β6)

y6

3+z6
(6)
(式(6)中、B6は、Sc、Ga、Y、In、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びHfのうちの少なくとも1種、x6は、0.80~1.20、α6は、0.10~0.90、β6は、0.00~0.10、y6は、0.80~1.20、z6は、-0.80~+0.80である。)
で表されるペロブスカイト型のプロトン伝導性酸化物を80.0質量%以上含有すること、
該中間層が、下記一般式(7):
A7
x7
B7
y7

3+z7
(7)
(式(7)中、A7は、Ca、Sr、Ba及びLaのうちの少なくとも1種、B7は、Sc、Ga、Y、Zr、In、Ce、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びHfのうちの少なくとも1種、x7は、0.80~1.20、y7は、0.80~1.20、z7は、-0.80~+0.80である。)
で表されるペロブスカイト型のプロトン伝導性酸化物を80.0質量%以上含有すること、
を特徴とするプロトン伝導セラミック燃料電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトン伝導セラミック燃料電池の製造に用いられる空気極材、及びそれを用いるプロトン伝導セラミック燃料電池用空気極及びプロトン伝導セラミック燃料電池に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
電気化学反応用の固体酸化物形セルは、高効率エネルギー変換を可能とするデバイスとして、セラミックメーカー、エネルギー産業、自動車産業等で、実用化に向けた研究開発が進められている。例えば、燃料電池システム、電気分解システム、水素コンプレッサー等の装置に適用される。
【0003】
固体酸化物形セルを用いたデバイスの代表例として、固体酸化物形燃料電池や固体酸化物形電解セル等が挙げられる。固体酸化物形セルは、酸化物を主な材料とする緻密体の電解質を、空気極と燃料極の2つの多孔質体の電極で挟み込んで構成される。この固体酸化物形セルは、構成材料により幅広い作動温度領域を選択でき、400~1000℃で使用される。
【0004】
電極の材料は、触媒活性を有する電子伝導性の酸化物や金属が用いられる(以下、「電子伝導性材料」という)。電子伝導性材料は、単体で用いられる場合もあるが、電極内の反応場の拡大のために、電解質と同じ材料又は電解質と同じイオン(「イオン」は、酸化物イオンやプロトンを含む伝導キャリアとなる全てのイオンの総称)を伝導するイオン伝導性材料が、電子伝導性材料と混合して用いられることもある。一般的には、電子伝導性材料とイオン伝導性材料が混合されることで、電極の反応抵抗が低減される。なお、反応抵抗は、電極単位面積あたりの反応場の広さ(又は反応活性点の量)と反応場あたりの活性に依存する。
【0005】
固体酸化物形燃料電池には、電荷担体となるイオンが主に酸化物イオンとプロトンのものがある。そして、固体酸化物形セルのうち、電荷担体となるイオンが主にプロトンとなるものが、プロトン伝導セラミックセルである。プロトン伝導セラミックセルでは、プロトンを伝導する材料はプロトン伝導性電解質と呼ばれる。プロトン伝導性電解質としてはペロブスカイト型酸化物材料等が、代表例として挙げられる。
【0006】
プロトン伝導セラミック燃料電池は、酸化物イオン伝導セラミックセルに比べ、燃料電池に用いた際に燃料極に水蒸気が生成しないことから、燃料利用率を高くでき、電気分解セルとして用いた際には燃料極側に水素を吐出するために水素濃度を高くできることから、エネルギー変換効率が高くなるという利点を有する。また、プロトン伝導の活性化エネルギーが低いことから、酸化物イオン伝導セラミック燃料電池よりも低い作動温度で使用可能という利点を有する。
【0007】
これまでのプロトン伝導セラミック燃料電池としては、例えば、空気極材に(LaSr)MnO

、(LaSr)FeO

、(LaSr)CoO

、(LaSr)(CoFe)O

等の酸化物を、電解質材にBa(ZrYb)O

、Ba(ZrCeYYb)O

等の酸化物を、燃料極材にNiO-Ba(ZrYb)O

等のサーメットを用いるプロトン伝導セラミック燃料電池が研究開発されている。
【0008】
そして、例えば、非特許文献1には、AサイトにBaを含み、BサイトにZrを含むバリウムジルコニウム系のペロブスカイト型複合酸化物を、空気極材として用いるプロトン伝導セラミック燃料電池が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
C.Duan,J.Tong,M.Shang,S.Nikodemski,M.Sanders,S.Ricote,A.Almansoori,R.O‘Hayre1,“Readily processed protonic ceramic fuel cells with high performance at low temperatures,Science 349 1321-1326(2015)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
プロトン伝導セラミック燃料電池には、出力(最大出力密度)が高いことが必要であることは勿論であるが、現状のプロトン伝導セラミック燃料電池では、電圧ロスのうち、空気極の反応抵抗(分極抵抗)によるロスが60~80%を占めているという実情がある。
(【0011】以降は省略されています)

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