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公開番号2025128805
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2024025733
出願日2024-02-22
発明の名称ポリアミド樹脂組成物および成形体
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類C08L 77/00 20060101AFI20250827BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】成形体の難燃性および耐トラッキング性を高めつつ、リフロー耐熱性を高めることのできる、ポリアミド樹脂組成物およびその成形体を提供することである。
【解決手段】ポリアミド樹脂組成物であって、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が280℃以上であるポリアミド樹脂(A)と、ホスフィン酸系化合物(B)と、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂(C)と、臭素系難燃剤(D)と、を含み、前記ポリオレフィン樹脂(C)の全質量に対する、前記臭素系難燃剤(D)の質量の割合は120質量%以上2000質量%以下であり、前記ホスフィン酸系化合物(B)の全質量に対する、前記臭素系難燃剤(D)の質量の割合は800質量%以上4000質量%以下である、ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
ポリアミド樹脂組成物であって、
示差走査熱量計（ＤＳＣ）により測定される融点が２８０℃以上であるポリアミド樹脂（Ａ）と、
ホスフィン酸系化合物（Ｂ）と、
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂（Ｃ）と、
臭素系難燃剤（Ｄ）と、
を含み、
前記ポリオレフィン樹脂（Ｃ）の全質量に対する、前記臭素系難燃剤（Ｄ）の質量の割合は１２０質量％以上２０００質量％以下であり、
前記ホスフィン酸系化合物（Ｂ）の全質量に対する、前記臭素系難燃剤（Ｄ）の質量の割合は８００質量％以上４０００質量％以下である、
ポリアミド樹脂組成物。
続きを表示（約 740 文字）【請求項２】
前記ホスフィン酸系化合物（Ｂ）の含有量は、前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対して、０．５０質量％以上１．５０質量％以下である、
請求項１に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項３】
前記ポリオレフィン樹脂（Ｃ）の含有量は、前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対して、１．００質量％以上１０．００質量％以下である、
請求項１に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項４】
前記臭素系難燃剤（Ｄ）の含有量は、前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対して、１２．００質量％以上２０．００質量％以下である、
請求項１に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項５】
前記ポリアミド樹脂（Ａ）は、ジカルボン酸に由来する成分単位（Ａａ）と、ジアミンに由来する成分単位（Ａｂ）とを含み、
前記ジカルボン酸に由来する成分単位（Ａａ）は、テレフタル酸に由来する成分単位を含み、
前記ジアミンに由来する成分単位（Ａｂ）は、１，６－ジアミノヘキサンに由来する成分単位を含む、
請求項１に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項６】
前記ポリアミド樹脂（Ａ）の融解熱量（ΔＨ）は、３０Ｊ／ｇ以上である、
請求項１に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項７】
前記ホスフィン酸系化合物（Ｂ）に含まれるリンの含有量は、前記ホスフィン酸系化合物（Ｂ）の全質量に対して、２０質量％以上３０質量％以下である、
請求項１に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項８】
請求項１～７のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる、成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物および成形体に関する。
続きを表示（約 1,300 文字）【背景技術】
【０００２】
従来より、成形材料として、ポリアミド樹脂組成物が知られている。ポリアミド樹脂組成物は、例えば、自動車用部品、電気・電子用部品などの種々の部品の材料として広く用いられており、成形体の機械的強度に優れることが知られている。ポリアミド樹脂組成物が自動車用部品（例えばバスバーなど）、および電気・電子用部品などに用いられるとき、ポリアミド樹脂組成物には難燃性が付与されることが望ましい。
【０００３】
難燃性を有するポリアミド樹脂組成物として、例えば、特許文献１には、ポリアミド樹脂と、反応性官能基を有するゴム質重合体と、リン系難燃剤と、無機充填材と、をそれぞれ特定の重量で含む、ポリアミド樹脂組成物が開示されている。特許文献１では、上記ポリアミド樹脂組成物は、難燃性、高剛性、高靱性、良外観に優れているとされている。
【０００４】
ところで、ポリアミド樹脂組成物が自動車用部品（例えばバスバーなど）、および電気・電子用部品などに用いられるとき、トラッキング破壊が生じ得る。そのため、ポリアミド樹脂組成物をこれらの用途に用いるとき、成形体の耐トラッキング性を高めることが要求される。
【０００５】
耐トラッキング性が高められたポリアミド樹脂組成物として、例えば、特許文献２には、ポリアミド樹脂と、ハロゲン系難燃剤と、有機ホスフィン酸またはその塩と、難燃助剤とで構成された難燃性樹脂組成物が開示されている。特許文献２によれば、上記難燃性樹脂組成物は、難燃性および耐トラッキング性を高めることができたとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
特開２０１９－０６５２８５号公報
国際公開第２００６／０９０７５１号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
特許文献２に記載されたように、難燃性および耐トラッキング性を高めたポリアミド樹脂組成物が知られている。
【０００８】
ところで、半芳香族ポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂組成物の成形体を、自動車用部品、および電気・電子用部品などに用いるとき、上記成形体を基板に対してリフローはんだ付けを行うことがある。このとき、リフロー工程における加熱により、成形体に含まれる水分が気化し、上記気化による蒸気圧によって成形体にブリスター（膨れ）が生じることがある。成形体の外観や寸法精度を良好にする観点から、加熱によってブリスターが生じにくい（リフロー耐熱性が高い）ポリアミド樹脂組成物を用いることが望ましい。
【０００９】
本発明者らの検討によれば、特許文献１および特許文献２に記載のポリアミド樹脂組成物を用いたとき、成形体のリフロー耐熱性を高めることはできなかった。
【００１０】
本発明の目的は、成形体の難燃性および耐トラッキング性を高めつつ、リフロー耐熱性を高めることのできる、ポリアミド樹脂組成物およびその成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
（【００１１】以降は省略されています）

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