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公開番号2025150219
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024050996
出願日2024-03-27
発明の名称重合体組成物および成形体
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 23/20 20250101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高圧蒸気滅菌を行った場合であっても優れた透明性を有する成形体が得られ、かつ、ブロー成形時の成形性に優れる重合体組成物を提供すること。
【解決手段】4-メチル-1-ペンテン系重合体を含み、下記要件(1)および(2)を満たす、重合体組成物およびその組成物からなる成形体。
(1)昇温溶離分別における20℃までの累積溶出量が4.0質量%以上である。
(2)昇温溶離分別における100℃までの累積溶出量の値から20℃までの累積溶出量の値を減じた値が4.0質量%以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
4-メチル-1-ペンテン系重合体を含み、
下記要件(1)および(2)を満たす、重合体組成物;
(1)昇温溶離分別における20℃までの累積溶出量が4.0質量%以上である;
(2)昇温溶離分別における100℃までの累積溶出量の値から20℃までの累積溶出量の値を減じた値が4.0質量%以上である。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
昇温溶離分別における溶出温度40℃~80℃の範囲における単位温度あたりの質量分率(dW/dT)の最大値が2.00質量%/℃以下であり、
昇温溶離分別における溶出温度40℃~80℃の範囲における単位温度あたりの質量分率(dW/dT)の最小値が0.10質量%/℃以上である、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項3】
昇温溶離分別における100℃までの累積溶出量が42.0~62.0質量%である、請求項1または2に記載の重合体組成物。
【請求項4】
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体が、
下記要件(A-i)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)0.5~30質量%と、
下記要件(B-i)を満たす4-メチル-1-ペンテン共重合体(B)0.5~30質量%と、
下記要件(C-i)を満たす4-メチル-1-ペンテン共重合体(C)40~99質量%と、を含む(但し、重合体(A)、共重合体(B)および共重合体(C)の含有量の合計を100質量%とする)、請求項1または2に記載の重合体組成物;
(A-i)4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)と、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%とした場合、構成単位(i)の含有量が98.0モル%を超え100モル%以下であり、構成単位(ii)の含有量が0モル%以上2.0モル%未満である;
(B-i)4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)と、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%とした場合、構成単位(i)の含有量が90.0モル%以下であり、構成単位(ii)の含有量が10.0モル%以上である;
(C-i)4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)と、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%とした場合、構成単位(i)の含有量が90.0モル%を超え98.0モル%以下であり、構成単位(ii)の含有量が2.0モル%以上10.0モル%未満である。
【請求項5】
前記重合体(A)、前記共重合体(B)および前記共重合体(C)の135℃デカリン中の極限粘度が、いずれも1.0~5.0dL/gである、請求項4に記載の重合体組成物。
【請求項6】
前記重合体(A)の融点が200~250℃であり、
前記共重合体(B)の融点が200℃以下であるか、または融点が観測されず、
前記共重合体(C)の融点が200~250℃である、請求項4に記載の重合体組成物。
【請求項7】
請求項1または2に記載の重合体組成物を含む成形体。
【請求項8】
ボトル容器である、請求項7に記載の成形体。
【請求項9】
哺乳瓶である、請求項7に記載の成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体組成物および成形体に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
4-メチル-1-ペンテン単独重合体および4-メチル-1-ペンテン共重合体などの4-メチル-1-ペンテン系重合体は、ポリエチレンやポリプロピレンに比べて、耐熱性、透明性、軽量性、離型性、ガス透過性、電気特性などの優れた特徴を有した樹脂として、食品容器、電子・情報部材用副資材、実験器具、文房具、架橋用工程部材、離型フィルム、電子・情報部材用フィルム、食品包材、合成紙など様々な分野で利用されている。
【0003】
このような4-メチル-1-ペンテン系重合体の一例として、特許文献1には、立体規則性が高く、高い融解熱量を有する4-メチル-1-ペンテン系重合体が開示されている。また、例えば、特許文献2には前記の重合体の特性を活かした、高温下での形状保持性や耐汚染性が改良された4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂組成物からなる成形体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2014/050817号
特開2015-183141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および2に記載の4-メチル-1-ペンテン系重合体および当該重合体からなる成形体に対して水蒸気を用いた滅菌、すなわち高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌:AC滅菌)を行うと白濁が生じる場合があることがあり、高圧蒸気滅菌後の成形体の透明性には改善の余地があった。
【0006】
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、高圧蒸気滅菌を行った場合であっても優れた透明性を有する成形体が得られ、かつ、ブロー成形時の成形性に優れる重合体組成物を提供することである。また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、高圧蒸気滅菌を行った場合であっても優れた透明性を有し、かつ、ブロー成形時の成形性に優れる成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが検討を進めた結果、特定の要件を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む重合体組成物によれば、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 4-メチル-1-ペンテン系重合体を含み、
下記要件(1)および(2)を満たす、重合体組成物;
(1)昇温溶離分別における20℃までの累積溶出量が4.0質量%以上である;
(2)昇温溶離分別における100℃までの累積溶出量の値から20℃までの累積溶出量の値を減じた値が4.0質量%以上である。
<2> 昇温溶離分別における溶出温度40℃~80℃の範囲における単位温度あたりの質量分率(dW/dT)の最大値 が2.00質量%/℃以下であり、
昇温溶離分別における溶出温度40℃~80℃の範囲における単位温度あたりの質量分率(dW/dT)の最小値が0.10質量%/℃以上である、<1>に記載の重合体組成物。
<3> 昇温溶離分別における100℃までの累積溶出量が42.0~62.0質量%である、<1>または<2>に記載の重合体組成物。
<4> 前記4-メチル-1-ペンテン系重合体が、
下記要件(A-i)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)0.5~30質量%と、
下記要件(B-i)を満たす4-メチル-1-ペンテン共重合体(B)0.5~30質量%と、
下記要件(C-i)を満たす4-メチル-1-ペンテン共重合体(C)40~99質量%と、を含む(但し、重合体(A)、共重合体(B)および共重合体(C)の含有量の合計を100質量%とする)、<1>~<3>のいずれか1つに記載の重合体組成物;
(A-i)4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)と、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%とした場合、構成単位(i)の含有量が98.0モル%を超え100モル%以下であり、構成単位(ii)の含有量が0モル%以上2.0モル%未満である;
(B-i)4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)と、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%とした場合、構成単位(i)の含有量が90.0モル%以下であり、構成単位(ii)の含有量が10.0モル%以上である;
(C-i)4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)と、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(但し、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%とした場合、構成単位(i)の含有量が90.0モル%を超え98.0モル%以下であり、構成単位(ii)の含有量が2.0モル%以上10.0モル%未満である。
<5> 前記重合体(A)、前記共重合体(B)および前記共重合体(C)の135℃デカリン中の極限粘度が、いずれも1.0~5.0dL/gである、<4>に記載の重合体組成物。
<6> 前記重合体(A)の融点が200~250℃であり、
前記共重合体(B)の融点が200℃以下であるか、または融点が観測されず、
前記共重合体(C)の融点が200~250℃である、<4>または<5>に記載の重合体組成物。
<7> <1>~<6>のいずれか1つに記載の重合体組成物を含む成形体。
<8> ボトル容器である、<7>に記載の成形体。
<9> 哺乳瓶である、<7>に記載の成形体。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、高圧蒸気滅菌を行った場合であっても優れた透明性を有し、かつ、ブロー成形時の成形性に優れる成形体が得られる重合体組成物が提供される。また、本発明の一実施形態によれば、高圧蒸気滅菌を行った場合であっても優れた透明性を有し、かつ、ブロー成形時の成形性に優れる成形体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の内容の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されることはない。
本明細書において、特に断りのない限り、例えば数字α、βについて、α~βとの表示は、α以上β以下を意味する。
また、本明細書においては、重合および共重合のことを総称して重合ということがある。また、4-メチル-1-ペンテン単独重合体および4-メチル-1-ペンテン共重合体を総称して4-メチル-1-ペンテン系重合体、または単に「重合体」ということがある。
さらに、本発明にかかる組成物に使用される各種モノマーは、化石原料由来であってもよく、バイオマスなどの生物由来であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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