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公開番号2025165212
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-04
出願番号2024069181
出願日2024-04-22
発明の名称固体状チタン触媒成分の製造方法およびプロピレン系ブロック共重合体の製造方法
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08F 4/654 20060101AFI20251027BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】外観に優れた成形体を製造可能なプロピレン系ブロック共重合体の製造方法、および、それに適した固体状チタン触媒成分の製造方法を提供すること。
【解決手段】マグネシウム含有化合物(a)と、チタン含有化合物(b)と、任意成分である電子供与体(c)とを接触させる工程(Y)を含む固体状チタン触媒成分(A)の製造方法であって、特定の粒子形状を有する前記マグネシウム含有化合物(a)粒子および前記固体状チタン触媒成分粒子のいずれか一方または両方に対して、特定の気流処理を施す工程(Z)をさらに含む、固体状チタン触媒成分(A)の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
マグネシウム含有化合物(a)と、
チタン含有化合物(b)と、
任意成分である電子供与体(c)
とを接触させる工程(Y)を含む固体状チタン触媒成分(A)の製造方法であって、
前記工程(Y)で用いられるマグネシウム含有化合物(a)を含む粒子、および前記工程(Y)で得られた固体状チタン触媒成分を含む粒子のいずれか一方または両方の粒子に対して、下記要件(i)および(ii)を満たす気流処理を施す工程(Z)をさらに含む、固体状チタン触媒成分(A)の製造方法:
(i)平均粒子径(APS-1)(D50)が30~70μmであり、
最小粒子径(D0)が、前記平均粒子径(APS-1)(D50)の30%以上、70%以下の値であり、
前記平均粒子径(APS-1)(D50)の1~15%の値の幅の突起を表面に有する前記粒子を気流処理する;
(ii)前記気流処理(i)後の粒子の平均粒子径(APS-2)(D50)が、前記平均粒子径(APS-1)の1.03~1.2倍である。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
請求項1の製造方法により得られた固体状チタン触媒成分(A)と、
有機金属化合物(B)と、
任意成分として電子供与体(C)
とを含むオレフィン重合触媒の存在下に、プロピレンを含むオレフィンを重合して、プロピレン由来の構造単位含有率が90モル%以上の重合体粒子を製造する工程(P1)、および
前記工程(P1)で製造された重合体粒子の存在下に、プロピレンとプロピレンを除くオレフィンとの共重合を行う工程(P2)
を含むプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固体状チタン触媒成分の製造方法およびプロピレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
プロピレン系樹脂は、日用雑貨、台所用品、包装用フィルム、家電製品、機械部品、電気部品、自動車部品など、種々の分野で利用されている。
【0003】
また、用途に応じて、オレフィン重合用触媒を用いてプロピレン系重合体を製造後に、引き続きゴム成分、非晶性または低結晶性エチレン・プロピレン共重合体(EPR)、および非晶性エチレン・α-オレフィン共重合体などの1つ以上を製造する、所謂ブロック共重合法を行って得られるプロピレン系ブロック共重合体を用いる場合がある。プロピレン系ブロック共重合体は、高い融点などの耐熱性と、耐衝撃性などを併せ持つ優れた特性を示す。通常、前記ゴム成分などの柔軟な共重合体成分は、比較的高い分子量の成分とすることが好ましいとされている。これらは、耐衝撃性などの機能を付与することが目的である。
【0004】
また、上記のプロピレン系ブロック共重合体を製造するオレフィン重合触媒は、比較的大きな粒子径のアルコキシマグネシウム等のマグネシウム化合物と、四塩化チタンなどのチタン化合物とを反応させて得られる、所謂大粒径固体状チタン触媒成分を含むオレフィン重合触媒であることが多い。
【0005】
プロピレン系ブロック共重合体は、前記のゴム成分の含有率が高い方が、耐衝撃性が高まることは自明であるが、前記ゴム成分がブリードアウトし易くなり、粒子流動性が低下することがある。その解決方法としてこれまで多くの製造方法が開示されている(例えば特許文献1~4)。
【0006】
一方で、プロピレン系ブロック共重合体は、例えば各種の射出成形体などの主原料や、自動車の外装材や内装材に用いられる高性能プロピレン重合体コンパウンドの原料になることも知られている。近年、このプロピレン重合体コンパウンドには、多様な物性項目で高い性能が求められる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2017-132870号公報
特開2002-356507号公報
国際公開第2018/066535号
国際公開第2022/091867号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、プロピレン系ブロック共重合体や高性能プロピレン重合体コンパウンドを用いた成形体には、外観等の性能の向上も求められている。一方で、前記ゴム成分等のオレフィン共重合体は、プロピレン重合体と、通常、相溶しないので、外観に問題が発生する傾向があるとされている。
【0009】
前記の通り、前記プロピレン系ブロック共重合体の耐衝撃性は、含まれる共重合体成分(ゴム成分と言うこともある)の分子量に依存する傾向があるので、高分子量共重合体成分とする設計が多い。一方で、高分子量共重合体成分は溶融流動性が低い傾向がある。この為、前記ブロック共重合体中の前記高分子量共重合体成分の含有率は低めの方が、成形性には有利な傾向がある。
【0010】
前記プロック共重合を行って得られるプロピレン系ブロック共重合体は、粒子状で得られることが多い。当該粒子中の高分子量オレフィン共重合体成分の含有率は、粒子ごとにばらつくことがある。特に、連続重合法で製造されるプロピレンブロック共重合体粒子は、滞留時間分布等の要因により前記共重合体成分の含有率のバラツキが広くなる可能性があると言われている。一方、前記成形体の外観の観点では、前記粒子中の前記共重合体の含有率は低めであることが好ましい傾向がある。
(【0011】以降は省略されています)

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