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公開番号2025153752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056373
出願日2024-03-29
発明の名称極性重合体組成物および成形体
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 23/02 20250101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系重合体、極性樹脂、および酸変性ポリエチレンからなる組成物から得られるフィルム等の成形品の耐衝撃性、耐疲労回復性を改良することである。
【解決手段】本発明は、オレフィン系重合体(a)の配合割合が50~100質量%であり、
極性重合体(b)の配合割合が0.1~50質量%であり、さらに、
グラフト量(変性度)が0.4質量%以上である変性プロピレン系重合体(c)の配合割合が0.1質量%以上、10質量%未満であり、
グラフト量(変性度)が0.4質量%未満である変性オレフィン系重合体(d)の配合割合が0.1~50質量%であることを特徴とする極性重合体組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
オレフィン系重合体(a)、極性重合体(b)、変性プロピレン系重合体(c)からなり、
変性プロピレン系重合体(c)が、プロピレン系重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト変性して得られ、その変性によるグラフト量(変性度)が0.4質量%以上であり、かつ、その密度が890kg/m
3
未満であり、
オレフィン系重合体(a)50質量%以上、100質量%未満、
極性重合体(b)0.1~50質量%、
変性プロピレン系重合体(c)0.1質量%以上、20質量%未満
(ただし、(a)、(b)および(c)の合計を100質量%とする)
からなることを特徴とする極性重合体組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
さらに、変性オレフィン系重合体(d)を含み、
変性オレフィン系重合体(d)が、オレフィン系重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト変性して得られ、かつ、その変性によるグラフト量(変性度)が0.4質量%未満であり、
変性オレフィン系重合体(d)の割合が0.1~50質量%である
(ただし、(a)、(b)、(c)および(d)の合計を100質量%とする)
であることを特徴とする請求項1に記載の極性重合体組成物。
【請求項3】
変性プロピレン系重合体(c)および変性オレフィン系重合体(d)が、以下に規定された重合体であることを特徴とする請求項2に記載の極性重合体組成物。
変性プロピレン系重合体(c)
配合割合 0.1質量%以上、20質量%未満
グラフト量(変性度) 0.4~5.0質量%
メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg)
0.1g/10分以上、500g/10分未満
密度 860kg/m
3
以上、890kg/m
3
未満
変性オレフィン系重合体(d)
配合割合 0.1~50質量%
グラフト量(変性度) 0.01質量%以上、0.4質量%未満
メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg)
0.1g/10分以上、15g/10分未満
密度 860~960kg/m
3
【請求項4】
不飽和カルボン酸またはその誘導体が、無水マレイン酸である請求項1に記載の極性重合体組成物。
【請求項5】
不飽和カルボン酸またはその誘導体が、無水マレイン酸である請求項2に記載の極性重合体組成物。
【請求項6】
極性重合体(b)が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、および、エチレン・ビニルアルコール系共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の極性重合体を含む、請求項1に記載の極性重合体組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の極性重合体組成物を含む成形体。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の極性重合体組成物を含む層を少なくとも1層含む、単層または多層のフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、極性重合体組成物および成形体に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、ポリプロピレンをはじめとするポリオレフィン重合体、及びエチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)などの極性を有する樹脂からなる組成物を用いて、種々の成形品が成形されている。また、このような組成物は両成分の相溶性が乏しいことから、相溶化剤として酸変性ポリプロピレン等を配合して、その組成物から成形されたフィルムなどの成形体の、耐衝撃性、耐疲労回復性などの改良が行われている。
【0003】
特許文献1には、ポリプロピレン、EVOH、およびマレイン酸無水物がグラフト化したポリプロピレン(相容化剤)からなる組成物が開示されている。
そのうち、マレイン酸無水物がグラフト化したポリプロピレンからなる相容化剤としては、相溶化剤G(3.6重量%のマレイン酸無水物がポリプロピレンにグラフト化したもの)が示されているが、その密度については記載がない。さらに、相容化剤として、「アドマーQF500」を使用した例が記載されているが、その密度については記載がない。
このように、特許文献1には、密度が0.89kg/m
3
未満であることについての記載はない。
【0004】
特許文献2には、ポリプロピレン(以下PPと略称することがある。)、PVOH、および接着性樹脂(Ad)からなる「粉砕物」が記載されており、これに更に相溶化剤を添加することも記載されている。
これら、接着性樹脂(Ad)、相溶化剤(KPP)は、いずれもPPの不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の変性物であると記載されており、実施例、比較例で用いられているPPの不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の変性物は、いずれも水マレイン酸でグラフト変性された変性物であり、その密度は、0.89g/cm
3
、0.90g/cm
3
のいずれかであり、密度が0.89kg/m
3
未満である変性物についての記載はない。
【0005】
特許文献3には、積層フィルム、積層シート等の積層体を提粉砕して、それをリグラインド樹脂として、シート等に再使用したものは、衝撃強度が向上し、衝撃に強いリグラインド材層(再生層)となることが開示されており、そのリグラインド層の組成が、プロピレン・エチレンランダム共重合体、EVOH、および接着性樹脂組成物からなることが記載されている。そのうちの接着性樹脂組成物は酸変性ポリプロピレン樹脂であることが記載されているが、その密度については記載されていない。
なお、その酸変性ポリプロピレン樹脂に用いられる変性前のポリプロピレン樹脂としては、「アイソタクチックポリプロピレンホモポリマー」が記載されているだけであり、密度については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表平04-502032号公報
特開平7-292172号公報
特開2006-328388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン重合体、極性樹脂、および酸変性ポリプロピレンからなる組成物から得られる成形品の耐衝撃性、耐疲労回復性を改良するため、鋭意検討した結果、相溶化剤として、特定のグラフト率(変性度)、密度の範囲にある変性プロピレン系共重合体を用いることにより、フィルムなどの成形体の耐衝撃性、耐疲労回復性などの性能が改善されることが見出され、本発明に到達した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下[1]~[8]の態様を有する。
[1]
オレフィン系重合体(a)、極性重合体(b)、変性プロピレン系重合体(c)からなり、
変性プロピレン系重合体(c)が、プロピレン系重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト変性して得られ、その変性によるグラフト量(変性度)が0.4質量%以上であり、かつ、その密度が890kg/m
3
未満であり、
オレフィン系重合体(a)50質量%以上、100質量%未満、
極性重合体(b)0.1~50質量%、
変性プロピレン系重合体(c)0.1質量%以上、20質量%未満
(ただし、(a)、(b)および(c)の合計を100質量%とする)
からなることを特徴とする極性重合体組成物。
[2]
さらに、変性オレフィン系重合体(d)を含み、
変性オレフィン系重合体(d)が、オレフィン系重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト変性して得られ、かつ、その変性によるグラフト量(変性度)が0.4質量%未満であり、
変性オレフィン系重合体(d)の割合が0.1~50質量%である
(ただし、(a)、(b)、(c)および(d)の合計を100質量%とする)
であることを特徴とする上記の[1]に記載の極性重合体組成物。
[3]
変性プロピレン系重合体(c)および変性オレフィン系重合体(d)が、以下に規定された重合体であることを特徴とする上記の[2]に記載の極性重合体組成物。
変性プロピレン系重合体(c)
配合割合 0.1質量%以上、20質量%未満
グラフト量(変性度) 0.4~5.0質量%
メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg)
0.1g/10分以上、500g/10分未満
密度 860kg/m
3
以上、890kg/m
3
未満
変性オレフィン系重合体(d)
配合割合 0.1~50質量%
グラフト量(変性度) 0.01質量%以上、0.4質量%未満
メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg)
0.1g/10分以上、15g/10分未満
密度 860~960kg/m
3
【0009】
[4]
不飽和カルボン酸またはその誘導体が、無水マレイン酸である上記の[1]に記載の極性重合体組成物。
[5]
不飽和カルボン酸またはその誘導体が、無水マレイン酸である上記の[2]または[3]に記載の極性重合体組成物。
[6]
極性重合体(b)が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、および、エチレン・ビニルアルコール系共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の極性重合体を含む、上記の[1]~[5]のいずれか一項に記載の極性重合体組成物。
[7]
上記の[1]~[6]のいずれか一項に記載の極性重合体組成物を含む成形体。
[8]
上記の[1]~[6]のいずれか一項に記載の極性重合体組成物を含む層を少なくとも1層含む、単層または多層のフィルム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィルムなどの成形品からリグラインド組成物を得て、それから更に、成形されるフィルムなどの成形品の耐衝撃性、耐疲労回復性などの性能が改善され、より広い利用が可能となる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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