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公開番号2025124606
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-26
出願番号2025019889
出願日2025-02-10
発明の名称液体生検アッセイにおける血液腫瘍遺伝子変異量を決定するための方法およびシステム
出願人テンパス エーアイ,インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12Q 1/6869 20180101AFI20250819BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】被験対象の血液腫瘍遺伝子変異量(bTMB)を決定するためのシステムおよび方法が要望されている。
【解決手段】 被験対象の血液腫瘍遺伝子変異量(bTMB)を決定するためのシステムおよび方法が提供され、パネル濃縮シーケンシング反応から複数の核酸配列が取得される。当該複数の核酸配列は、被験対象の液体生検試料から取得された複数のセルフリーDNA断片中の各セルフリーDNA断片に対応する配列を含んでいる。当該複数のセルフリーDNA断片中の各セルフリーDNA断片は、複数のプローブ配列中の各プローブ配列に対応しており、当該プローブ配列は、パネル濃縮シーケンシング反応において、液体生検試料中のセルフリーDNA断片を濃縮するために使用されている。パネル濃縮シーケンシング反応を使用して、循環腫瘍割合(ctFE)が、閾値のctFE値を上回ると決定される。この決定に応じて、被験対象のbTMBは、パネル濃縮シーケンシング反応から計算され、報告される。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
被験対象に対する液体生検腫瘍遺伝子変異量(lTMB)を決定する方法であって、
一つ以上のプロセッサ、および前記一つ以上のプロセッサによって実行するための一つ以上のプログラムを記憶するメモリ、を有するコンピュータシステムで、
A)パネル濃縮シーケンシング反応から、前記被験対象に由来する液体生検試料から取得された第一の複数のセルフリーDNA断片中の各セルフリーDNA断片に対応する配列を含む複数の核酸配列を取得することであって、前記第一の複数のセルフリーDNA断片中の各それぞれのセルフリーDNA断片は、複数のプローブ配列中の各プローブ配列に対応し、前記プローブ配列は、前記パネル濃縮シーケンシング反応において前記液体生検試料中のセルフリーDNA断片を濃縮するために使用される、取得すること、および
B)前記パネル濃縮シーケンシング反応を使用して、循環腫瘍割合(ctFE)が、閾値のctFE値を上回ると決定すること、
C)前記ctFEが閾値を上回るとの決定に応答して、前記被験対象の前記lTMBを、前記パネル濃縮シーケンシング反応から計算すること、および
D)前記被験対象の前記lTMBを報告すること、を含む、方法。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記パネル濃縮シーケンシング反応は、少なくとも500倍のリード深度で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パネル濃縮シーケンシング反応は、50個の遺伝子~150個の遺伝子を濃縮するシーケンシングパネルを使用する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記パネル濃縮シーケンシング反応において、前記液体生検試料中のセルフリーDNA断片を濃縮するために使用される前記複数のプローブ配列が、ヒト参照ゲノム中の25個の異なる遺伝子~150個の異なる遺伝子に集合的にマッピングされる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記パネル濃縮シーケンシング反応は、表1に列記される少なくとも10個の遺伝子を濃縮するシーケンシングパネルを使用する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記パネル濃縮シーケンシング反応は、リスト1に列記される少なくとも10個の遺伝子を濃縮するシーケンシングパネルを使用する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記パネル濃縮シーケンシング反応は、リスト2に列記される少なくとも10個の遺伝子を濃縮するシーケンシングパネルを使用する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記計算することC)は、前記複数の核酸配列中に存在する複数の遺伝子バリアントの数を決定することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記計算することC)は、前記複数の核酸配列中に存在する前記複数の遺伝子バリアントの数を、前記複数のプローブ配列のカバレッジによって正規化することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記カバレッジが、0.1メガ塩基~0.4メガ塩基である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2024年2月12日に出願された「Methods and Systems for Determining Blood Tumor Mutational Burden in a Liquid Biopsy Assay」という表題の米国仮特許出願第63/552,644号に対する優先権を主張するものであり、当該出願は参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,500 文字)【0002】
本開示は、概して、がんの個別化治療を目的とした臨床支援を提供するためのセルフリーDNAシーケンシングデータの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
プレシジョンオンコロジーは、がん療法を個体のがんの固有ゲノム、エピジェネティック、及び/又はトランスクリプトームプロファイルに合わせることの実践である。個別化がん治療は、がんの全体的な分類のみに基づいてがんを治療するために使用される従来の治療レジメンを基礎とし、例えば、第一の治療法を用いて全ての乳がん患者を治療し、第二の治療法を用いて全ての肺がん患者を治療する。この分野は、同じ種類のがん、例えば、乳がんと診断された異なる患者が、一般的な治療レジメンに対して非常に異なる応答を示したという多くの観察から生じた。経時的に、研究者らは、個々のがんが特定の治療モダリティにどのように応答するかに関する予測を改善するゲノム、エピジェネティック、及びトランスクリプトームマーカーを同定してきた。
【0004】
遺伝的特徴によって誘導される治療法を受けるがん患者は、より良好な転帰を有するという証拠が高まっている。例えば、研究は、標的療法が無増悪がん生存の著しい改善をもたらすことを示している。例えば、Radovich et al.,Oncotarget,7(35):56491-500(2016)を参照されたい。同様に、IMPACT試験、すなわち、大規模な個別化医薬試験に参加した連続的で先を見越して分子的にプロファイリングされた進行性がん患者の大規模な(n=1307)レトロスペクティブ分析からの報告は、腫瘍生物学的にマッチした標的療法を受けている患者が、マッチしていない療法を受けている患者の5.2%の奏効率とは対照的に、16.2%の奏効率を有していたことを示す。Tsimberidou et al.,ASCO 2018,Abstract LBA2553(2018)。
【0005】
実際に、具体的なゲノム変化に標的化された治療法は、例えば、黒色腫、大腸がん、及び非小細胞肺がんに対するNational Comprehensive Cancer Network(NCCN)ガイドラインに示唆されるように、いくつかの腫瘍型においてすでに標準治療である。実践では、これらの標的療法の実施は、各ふさわしいがん患者において診断マーカーの状態を決定することを必要とする。これは、個々のアッセイ又は小型次世代シーケンシング(NGS)パネルを使用してNCCNガイドラインにおける治療推奨に関連するいくつかの周知の変異について達成することができるが、作用可能なゲノム変化の数の増加及び診断分類子の複雑性の増加は、各患者のがんゲノム、エピゲノム、及び/又はトランスクリプトームのより包括的な評価を必要とする。
【0006】
例えば、ある証拠は、各構成要素が作用可能なゲノム変化に合致している併用療法の使用が、個々のがんを治療する最大の可能性を保持することを示唆している。この時点までに、一つ以上の治療レジメンを用いて治療されたがん患者の遡及的研究により、ゲノム変化のより高い割合に合致した治療法を受けた患者が、安定した疾患のより高い頻度(例えば、再発までのより長い時間)、治療失敗までのより長い時間、及びより優れた全生存率を経験することが明らかになった。Wheeler et al.,Cancer Res.,76:3690-701(2016)。したがって、各がん患者のゲノム、エピゲノム、及び/又はトランスクリプトームの包括的評価は、より微調整された併用療法、新規の薬物の適応症外使用、及び/又は組織非依存免疫療法を促進することによって、プレシジョンオンコロジーによって提供される利益を最大限化するべきである。例えば、Schwaederle et al.,J Clin Oncol.,33(32):3817-25(2015);Schwaederle et al.,JAMA Oncol.,2(11):1452-59(2016);and Wheler et al.,Cancer Res.,76(13):3690-701(2016)を参照されたい。更に、がんゲノムの包括的な次世代シーケンシング分析の使用は、臨床試験登録のためのより良好なアクセス及びより大規模な患者プールを促進する。Coyne et al.,Curr.Probl.Cancer,41(3):182-93(2017);およびMarkman,Oncology,31(3):158,168。
【0007】
個体のがんゲノムのより包括的な特性評価の必要性に対処するために、大規模NGSゲノム分析の使用が増大している。例えば、Fernandes et al.,Clinics,72(10):588-94を参照されたい。最近の研究は、大規模NGSゲノム分析が実施される患者のうち30~40%が、次いで、少なくとも、作用可能なゲノム変化の同定、同定された作用可能なゲノム変化の治療のための薬剤の可用性、及び対象の臨床状態によって制限される、アッセイ結果に基づく臨床ケアを受けることを示している。Ross et al.,JAMA Oncol.,1(1):40-49(2015);Ross et al.,Arch.Pathol.Lab Med.,139:642-49(2015);Hirshfield et al.,Oncologist,21(11):1315-25(2016);およびGroisberg et al.,Oncotarget,8:39254-67(2017).
【0008】
しかしながら、これらの大規模NGSゲノム分析は、従来、固形腫瘍試料で実施される。例えば、上記の段落で参照された研究の各々は、患者からのFFPE腫瘍ブロックのNGS分析を実施した。固形組織生検は、高度な精度を提供する周知の立証された方法論を表すため、予測バイオマーカーの診断及び同定のためのゴールドスタンダードのままである。それでもなお、がんの大規模NGSゲノム分析のための固形組織材料の使用には著しい制限がある。例えば、腫瘍生検は、例えば、単一の腫瘍の二つの領域間、及び/又は異なるがん組織間(原発性腫瘍部位と転移性腫瘍部位との間、若しくは二つの異なる原発性腫瘍部位間)の空間的及び/又は時間的な遺伝的異質性によって引き起こされるサンプリングバイアスを受ける。そのような腫瘍間又は腫瘍内異質性は、局所的組織生検を使用するときに、サブクローン変異又は新たに出現する変異の見落としを引き起こし、サブクローン集団が優勢を更に進化及び/又は推移させるにつれて、サンプリングバイアスが経時的に悪化する可能性がある。
【0009】
加えて、固形組織生検の獲得はしばしば、例えば、原発腫瘍部位が内臓に位置するときに、侵襲的な外科手技を必要とする。これらの手技は、高価であり、時間がかかり、例えば、患者の健康が不良であり、侵襲的な医療手技に耐えることができない、及び/又は腫瘍が脳若しくは心臓などの特に敏感な場所若しくは手術不可能な場所に位置するときに、患者にとって著しいリスクを伴い得る。更に、調達することができる組織の量は、存在する場合、腫瘍の場所、腫瘍のサイズ、患者の脆弱性、並びに出血及び感染症などの生検に関連する併存疾患のリスクを含む、複数の因子に依存する。例えば、最近の研究では、進行性非小細胞肺がん患者の大多数における組織試料は、小規模生検に限定され、患者の最大31%では全く取得することができないことが報告されている。Ilie and Hofman,Transl.Lung Cancer Res.,5(4):420-23(2016)。組織生検が取得されるときでさえも、試料は、包括的試験のためには不十分すぎる場合がある。
【0010】
更に、組織収集、保存(例えば、ホルマリン固定)、及び/又は組織生検の保管の方法は、試料分解及び可変品質DNAをもたらし得る。これは順に、バイオマーカーの同定のための次世代シーケンシング(NGS)を含む、下流アッセイ及び分析における不正確性につながる。Ilie and Hofman,Transl Lung Cancer Res.,5(4):420-23(2016)。
(【0011】以降は省略されています)

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