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公開番号2025110404
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-28
出願番号2025005758
出願日2025-01-15
発明の名称熱硬化性樹脂シート、車両及び車両部品、並びに車両及び車両部品の製造方法
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 7/06 20190101AFI20250718BHJP(積層体)
要約【課題】硬化加熱時のワキの発生を抑制することができる熱硬化性樹脂シート、その熱硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両及び車両部品、並びに車両及び車両部品の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と、転写層とを備える熱硬化性樹脂シートであって、熱硬化性樹脂シートの前記樹脂層の示差走査熱量分析から得られる吸熱もしくは発熱のピークトップ温度(T1)におけるガスクロマトグラフ-質量分析法(GC-MS法)で測定した全アウトガス量が40000ppm以下である。本発明の車両及び車両部品は本発明の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装されたものである。本発明の車両の製造方法及び本発明の車両部品の製造方法は本発明の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装する工程を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と、転写層とを備える熱硬化性樹脂シートであって、
前記熱硬化性樹脂シートの前記樹脂層の示差走査熱量分析から得られる吸熱もしくは発熱のピークトップ温度(T1)におけるガスクロマトグラフ-質量分析法(GC-MS法)で測定した全アウトガス量が40000ppm以下である熱硬化性樹脂シート。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記熱硬化性樹脂シートの前記樹脂層の前記ピークトップ温度(T1)におけるGC-MS法で測定した全アウトガス量が1000ppm以上である請求項1に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項3】
前記熱硬化性樹脂組成物が、ブロックイソシアネートを含む請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項4】
前記ブロックイソシアネートのブロック剤がピラゾール系化合物及びマロン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項3に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項5】
前記熱硬化性樹脂組成物がポリオール樹脂を含み、
前記樹脂層における前記ブロックイソシアネートの含有量が、前記ポリオール樹脂100質量部に対して40質量部以上90質量部以下である請求項3に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項6】
前記熱硬化性樹脂組成物が、重量平均分子量が50000以上1000000以下であるポリオール樹脂を含む請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項7】
前記ポリオール樹脂が(メタ)アクリルポリオールである請求項6に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項8】
前記熱硬化性樹脂組成物は着色剤をさらに含み、
前記樹脂層は着色樹脂層である請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両部品。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性樹脂シート、その熱硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両及び車両部品、並びに車両及び車両部品の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
家具や鋼板、車両のボディーなどには、意匠性や耐久性の観点から塗装や装飾が施される。装飾は、例えば、加飾フィルムなどのフィルムを用いて行われることが知られている。そのような加飾フィルムとして、例えば、複数個の官能基を有するアクリル樹脂とイソシアネート基と反応する架橋剤としての複数個の官能基を有するモノマーとブロックイソシアネートとを主成分とする熱硬化性被覆用シートが従来技術として知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第2688105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、加飾フィルムを構成する塗料層は、熱硬化性樹脂組成物から形成されるものであり、上記のように対象物に貼り合わされた後、加熱して硬化されることが多い。また、加飾フィルムを構成する塗料層には、硬化剤としてブロックイソシアネートなどの硬化加熱時にガスが発生するものが使用されることがある。その場合、発生したガスにより、加飾フィルムにワキが発生する場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、硬化加熱時のワキの発生を抑制することができる熱硬化性樹脂シート、その熱硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両及び車両部品、並びに車両及び車両部品の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討の結果、熱硬化性樹脂シートの樹脂層の示差走査熱量分析から得られる吸熱もしくは発熱のピークトップ温度における全アウトガス量を所定値以下にすることにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[12]を提供する。
[1]熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と、転写層とを備える熱硬化性樹脂シートであって、
前記熱硬化性樹脂シートの前記樹脂層の示差走査熱量分析から得られる吸熱もしくは発熱のピークトップ温度(T1)におけるガスクロマトグラフ-質量分析法(GC-MS法)で測定した全アウトガス量が40000ppm以下である熱硬化性樹脂シート。
[2]前記熱硬化性樹脂シートの前記樹脂層の前記ピークトップ温度(T1)におけるGC-MS法で測定した全アウトガス量が1000ppm以上である上記[1]に記載の熱硬化性樹脂シート。
[3]前記熱硬化性樹脂組成物が、ブロックイソシアネートを含む上記[1]又は[2]に記載の熱硬化性樹脂シート。
[4]前記ブロックイソシアネートのブロック剤がピラゾール系化合物及びマロン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である上記[3]に記載の熱硬化性樹脂シート。
[5]前記熱硬化性樹脂組成物がポリオール樹脂を含み、
前記樹脂層における前記ブロックイソシアネートの含有量が、前記ポリオール樹脂100質量部に対して40質量部以上90質量部以下である上記[3]又は[4]に記載の熱硬化性樹脂シート。
[6]前記熱硬化性樹脂組成物が、重量平均分子量が50000以上1000000以下であるポリオール樹脂を含む上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂シート。
[7]前記ポリオール樹脂が(メタ)アクリルポリオールである上記[6]に記載の熱硬化性樹脂シート。
[8]前記熱硬化性樹脂組成物は着色剤をさらに含み、
前記樹脂層は着色樹脂層である上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂シート。
[9]上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両。
[10]上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両部品。
[11]上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装する工程を含む車両の製造方法。
[12]上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装する工程を含む車両部品の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、硬化加熱時のワキの発生を抑制することができる熱硬化性樹脂シート、その熱硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両及び車両部品、並びに車両及び車両部品の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[熱硬化性樹脂シート]
本発明の熱硬化性樹脂シートは、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と、転写層とを備える。そして、熱硬化性樹脂シートの樹脂層の示差走査熱量分析から得られる吸熱もしくは発熱のピークトップ温度(T1)におけるガスクロマトグラフ-質量分析法(GC-MS法)で測定した全アウトガス量が40000ppm以下である。これにより、熱硬化性樹脂シートの硬化加熱時のワキの発生を抑制することができる。
【0009】
(全アウトガス量)
本発明の熱硬化性樹脂シートの樹脂層の示差走査熱量分析から得られる吸熱もしくは発熱のピークトップ温度(T1)におけるガスクロマトグラフ-質量分析法(GC-MS法)で測定した全アウトガス量は40000ppm以下である。上記全アウトガス量が40000ppmよりも大きいと、熱硬化性樹脂シートの硬化加熱時にワキが発生する場合がある。また、被塗装物に下地層を形成してから、熱硬化性樹脂シートを被塗装物に貼り付ける場合、下地層が被塗装物から剥離する場合がある。このような観点から、上記全アウトガス量は、好ましくは35000ppm以下であり、より好ましくは30000ppm以下であり、さらに好ましくは25000ppm以下である。熱硬化性樹脂シートの樹脂層の示差走査熱量分析から得られる吸熱もしくは発熱のピークトップ温度及び熱硬化性樹脂シートの全アウトガス量は、熱硬化性樹脂シートから転写層を剥離した樹脂層の状態で測定するとよい。樹脂層の一方の面に転写層が積層された状態で測定してもよい。また、例えば樹脂層の他方の面に保護層などの他の層が積層される場合には、保護層などの他の層を剥離して、樹脂層の他方の面が露出した状態で測定するとよい。詳細な測定方法は、後述の実施例に記載の通りに行うとよい。
熱硬化性樹脂シートの全アウトガス量は、熱硬化性樹脂組成物に含まれるブロックイソシアネートにおけるブロック剤の種類により調整することができる。また、樹脂層を形成する際に硬化性樹脂組成物を乾燥する場合には、乾燥温度や乾燥時間によっても調整できる。さらに溶剤成分による希釈によっても調整できる。
【0010】
本発明の熱硬化性樹脂シートの樹脂層の示差走査熱量分析から得られる吸熱もしくは発熱のピークトップ温度(T1)におけるガスクロマトグラフ-質量分析法(GC-MS法)で測定した全アウトガス量は、好ましくは1000ppm以上である。上記全アウトガス量が1000ppm以上であると、熱硬化性樹脂シートの光沢度をさらに高めることができる。なお、特に自動車の塗装では意匠の観点から、光沢度は重要である。このような観点から、上記全アウトガス量は、より好ましくは1000ppm以上であり、さらに好ましくは6000ppm以上であり、よりさらに好ましくは10000ppm以上である。
(【0011】以降は省略されています)

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