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公開番号
2025102866
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-08
出願番号
2025055496,2024505159
出願日
2025-03-28,2024-01-16
発明の名称
接着フィルム、仮固定材、硬化物、積層体、及び、電子部品の製造方法
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
C09J
7/30 20180101AFI20250701BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】低エネルギーのレーザー光を照射する場合でも、支持体を効率良く剥離することができ、更に、高温加工処理を行う場合でも、被着体に対する剥離性に優れる接着フィルム、その硬化物、積層体、及び電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】硬化型接着剤を含有する接着層を含む接着フィルムであって、前記硬化型接着剤が光硬化型接着剤であり、前記接着層は、波長405nmの光を積算光量が20000mJ/cm
2
となるように照射した後のゲル分率が65質量%以上であり、かつ、前記接着層は、波長405nmの光を積算光量が20000mJ/cm
2
となるように照射した後の波長308nmの光に対する消衰係数が1.0×10
-4
以上であるフィルムである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
硬化型接着剤を含有する接着層を含む接着フィルムであって、
前記硬化型接着剤が光硬化型接着剤であり、
前記接着層は、波長405nmの光を積算光量が20000mJ/cm
2
となるように照射した後のゲル分率が65質量%以上であり、
前記接着層は、波長405nmの光を積算光量が20000mJ/cm
2
となるように照射した後の波長308nmの光に対する消衰係数が1.0×10
-4
以上である
ことを特徴とする接着フィルム。
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
硬化型接着剤を含有する接着層を含む接着フィルムであって、
前記硬化型接着剤が光硬化型接着剤であり、
前記接着層は、光を照射した後のゲル分率が65質量%以上であり、
前記接着層は、光を照射した後の波長308nmの光に対する消衰係数が1.0×10
-4
以上である
ことを特徴とする接着フィルム。
【請求項3】
前記硬化型接着剤が、硬化性樹脂及び光重合開始剤を含有する請求項1又は2記載の接着フィルム。
【請求項4】
前記硬化性樹脂が、ビスマレイミド化合物を含む請求項3記載の接着フィルム。
【請求項5】
前記光重合開始剤の波長405nmにおける吸光係数が10ml/(g・cm)以上である請求項3又は4記載の接着フィルム。
【請求項6】
前記硬化性樹脂100質量部に対する前記光重合開始剤の含有量が0.1質量部以上10質量部以下である請求項3、4又は5記載の接着フィルム。
【請求項7】
前記硬化型接着剤が、更に、紫外線吸収剤を含有する請求項3、4、5又は6記載の接着フィルム。
【請求項8】
前記紫外線吸収剤が、トリアジン系紫外線吸収剤を含む請求項7記載の接着フィルム。
【請求項9】
前記硬化性樹脂100質量部に対する前記紫外線吸収剤の含有量が1質量部以上30質量部以下である請求項7又は8記載の接着フィルム。
【請求項10】
前記硬化型接着剤が、更に、離型剤を含有する請求項3、4、5、6、7、8又は9記載の接着フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着フィルムに関する。また、本発明は、該接着フィルムの硬化物に関する。更に、本発明は、該接着フィルムを有する積層体に関する。そして、本発明は、該積層体を用いる電子部品の製造方法に関する。
また、本発明は、仮固定材に関する。また、本発明は、該仮固定材の硬化物に関する。更に、本発明は、該硬化物を有する積層体に関する。そして、本発明は、電子部品の製造方法に関する。
続きを表示(約 5,800 文字)
【背景技術】
【0002】
半導体等の電子部品の加工時においては、電子部品の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために、粘着剤組成物や粘着剤組成物からなる仮固定材を介して電子部品を支持体に接着して仮固定したり、粘着剤層を有するテープ状の仮固定材や、粘着フィルム等の接着フィルムを電子部品に貼付け接着して保護することが行われている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚みにまで研削して薄膜ウエハとする場合に、粘着剤組成物や仮固定材を介して厚膜ウエハを支持体に接着することが行われる。
【0003】
このように電子部品に用いる粘着剤組成物や粘着フィルム、電子部品の仮固定に用いる仮固定材には、加工工程中に電子部品を強固に固定できるだけの高い接着性とともに、工程終了後には電子部品を損傷することなく剥離できることが求められる(以下、「高接着易剥離」ともいう。)。
高接着易剥離の実現手段として、例えば、特許文献1には、ポリマーの側鎖又は主鎖に放射線重合性官能基を有する多官能性モノマー又はオリゴマーが結合された粘着剤を用いた粘着シートが開示されている。放射線重合性官能基を有することで紫外線照射によりポリマーが硬化することを利用して、剥離時に紫外線を照射することにより粘着力が低下して、糊残りなく剥離することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平5-32946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、半導体の高集積化に対応するために、支持体と仮固定材又は接着フィルムとにより薄いウエハを支持して半導体を製造するTBDB(Temporary bonding/de-bonding)プロセスが採用されている。TBDBプロセスにおいては、レーザー光を支持体の表面全体に照射して支持体を剥離する工程を含む場合があり、照射するレーザー光としては、固体レーザー光、気体レーザー光等、各種レーザー光が用いられ、光分解を促進するため紫外領域の波長のレーザー光が用いられる。なかでも、波長308nm以上355nm以下のエキシマレーザー光が用いられることも多い。
【0006】
しかし、従来の粘着フィルム等の接着フィルムや、テープ状の仮固定材等の仮固定材を用いてレーザー光の照射により支持体を剥離する場合は、支持体を剥離できるレーザー光を長時間照射し続けると、レーザー光照射装置の装置能力及び加工能力の低下や、接着フィルムや仮固定材の炭化、支持体の損傷、接着フィルムや仮固定材及び支持体の汚染、並びに、支持体の剥離性能悪化等に伴う電子部品の製造品質低下を招くことがあった。
【0007】
また、半導体の製造では、熱圧着ボンディング(TCB)により半導体を基盤に集積することがあるため、加熱処理又は発熱を伴う処理を施す高温加工処理後に被着体から粘着フィルムを容易に剥離することが求められている。しかし、従来の接着フィルムでは高温加工処理中に被着体との接着亢進を起こして、剥離時に充分に粘着力が低下せず、糊残りが発生することがあった。
【0008】
本発明は、低エネルギーのレーザー光を照射する場合でも、支持体を効率良く剥離することができ、更に、高温加工処理を行う場合でも、被着体に対する剥離性に優れる接着フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、該接着フィルムの硬化物を提供することを目的とする。更に、本発明は、支持体、該接着フィルム、半導体の順に有する積層体を提供することを目的とする。更にまた、本発明は、該積層体を用い、低エネルギーのレーザー光を照射する場合でも支持体を効率良く剥離できる工程、及び、高温加工処理を行う場合でも被着体を容易に剥離できる工程を有する電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、硬化後において低エネルギーのレーザー光を照射する場合でも、対レーザー加工性能に優れ、支持体を効率良く剥離できる仮固定材を提供することを目的とする。また、本発明は、該仮固定材の硬化物を提供することを目的とする。更に、本発明は、該硬化物を有する積層体を提供することを目的とする。更にまた、本発明は、低エネルギーのレーザー光を照射する場合でも、支持体を効率良く剥離できる工程を有する電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示1は、硬化型接着剤を含有する接着層を含む接着フィルムであって、上記硬化型接着剤が光硬化型接着剤であり、上記接着層は、波長405nmの光を積算光量が20000mJ/cm
2
となるように照射した後のゲル分率が65質量%以上であり、上記接着層は、波長405nmの光を積算光量が20000mJ/cm
2
となるように照射した後の波長308nmの光に対する消衰係数が1.0×10
-4
以上である接着フィルムである。
本開示2は、硬化型接着剤を含有する接着層を含む接着フィルムであって、上記硬化型接着剤が光硬化型接着剤であり、上記接着層は、光を照射した後のゲル分率が65質量%以上であり、上記接着層は、光を照射した後の波長308nmの光に対する消衰係数が1.0×10
-4
以上である接着フィルムである。
本開示3は、上記硬化型接着剤が、硬化性樹脂及び光重合開始剤を含有する本開示1又は2の接着フィルムである。
本開示4は、上記硬化性樹脂が、ビスマレイミド化合物を含む本開示3の接着フィルムである。
本開示5は、上記光重合開始剤の波長405nmにおける吸光係数が10ml/(g・cm)以上である本開示3又は4の接着フィルムである。
本開示6は、上記硬化性樹脂100質量部に対する上記光重合開始剤の含有量が0.1質量部以上10質量部以下である本開示3、4又は5の接着フィルムである。
本開示7は、上記硬化型接着剤が、更に、紫外線吸収剤を含有する本開示3、4、5又は6の接着フィルムである。
本開示8は、上記紫外線吸収剤が、トリアジン系紫外線吸収剤を含む本開示7の接着フィルムである。
本開示9は、上記硬化性樹脂100質量部に対する上記紫外線吸収剤の含有量が1質量部以上30質量部以下である本開示7又は8の接着フィルムである。
本開示10は、上記硬化型接着剤が、更に、離型剤を含有する本開示3、4、5、6、7、8又は9の接着フィルムである。
本開示11は、上記離型剤が、シリコーン系離型剤及びアクリル系離型剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む本開示10の接着フィルムである。
本開示12は、上記硬化性樹脂100質量部に対する上記離型剤の含有量が0.1質量部以上20質量部以下である本開示10又は11の接着フィルムである。
本開示13は、上記接着層は、光を照射する前のゲル分率が60質量%以下である本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の接着フィルムである。
本開示14は、上記接着層は、光を照射する前の波長308nmの光に対する消衰係数が1.0×10
-4
以上である本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13の接着フィルムである。
本開示15は、基材を有する本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14の接着フィルムである。
本開示16は、波長405nmの光を積算光量が20000mJ/cm
2
となるように照射した後の、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで加熱した場合の5%重量減少温度が300℃以上である本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15の接着フィルムである。
本開示17は、電子部品の仮固定に用いる本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16の接着フィルムである。
本開示18は、本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17の接着フィルムを硬化してなる硬化物であって、波長308nm、パルス幅10nsec、照射エネルギー密度300mJ/cm
2
のレーザー光をパルス照射したときのレーザー加工深さが0.10μm以上である硬化物である。
本開示19は、支持体と本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17の接着フィルムと半導体装置とをこの順に有する積層体である。
本開示20は、本開示19の積層体を用いて、上記支持体側から上記積層体に光を照射する光照射工程、上記積層体に加熱処理又は発熱を伴う処理を施す高温加工処理工程、上記支持体側から上記積層体に波長200nm以上355nm以下のレーザー光を照射し、上記接着フィルムから上記支持体を剥離する支持体剥離工程、及び、上記半導体装置から上記接着フィルムを剥離する接着フィルム剥離工程を有する電子部品の製造方法である。
本開示21は、硬化型接着剤を含む仮固定材であって、上記硬化型接着剤が、光硬化型接着剤であり、波長365nmの光を積算光量が20000mJ/cm
2
となるように照射することにより硬化した後の波長308nm、パルス幅10nsec、照射エネルギー密度300mJ/cm
2
のレーザー光をパルス照射したときのレーザー加工深さが0.10μm以上である仮固定材である。
本開示22は、硬化型接着剤を含む仮固定材であって、硬化した後の波長308nm、パルス幅10nsec、照射エネルギー密度300mJ/cm
2
のレーザー光をパルス照射したときのレーザー加工深さが0.10μm以上である仮固定材である。
本開示23は、上記硬化した後の波長308nm、パルス幅10nsec、照射エネルギー密度300mJ/cm
2
のレーザー光をパルス照射したときのレーザー加工深さが1.0μm以下である本開示21又は22の仮固定材である。
本開示24は、上記硬化した後の波長308nm、パルス幅10nsec、照射エネルギー密度400mJ/cm
2
のレーザー光をパルス照射したときのレーザー加工深さが1.0μm以下である本開示21、22又は23の仮固定材である。
本開示25は、上記硬化型接着剤は、硬化性樹脂を含有し、該硬化性樹脂は、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む本開示21、22、23又は24の仮固定材である。
本開示26は、上記硬化性樹脂100質量部中に、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量が65質量部以上である本開示25の仮固定材である。
本開示27は、上記硬化型接着剤は、紫外線吸収剤又は紫外線散乱剤を含有する本開示21、22、23、24、25又は26の仮固定材である。
本開示28は、上記紫外線吸収剤又は上記紫外線散乱剤は、トリアジン系紫外線吸収剤又は酸化チタンを含む本開示27の仮固定材である。
本開示29は、上記硬化型接着剤は、光重合開始剤を含有する本開示21、22、23、24、25、26、27又は28の仮固定材である。
本開示30は、硬化した後の窒素雰囲気下、290℃で30分間加熱した場合における重量減少率が7%以下である本開示21、22、23、24、25、26、27、28又は29の仮固定材である。
本開示31は、本開示21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30の仮固定材を硬化してなる硬化物である。
本開示32は、支持体と本開示31の硬化物と半導体装置とをこの順に有し、上記支持体は波長300nm以上400nm以下における光の透過率が50%以上である積層体である。
本開示33は、支持体と仮固定材の硬化物と半導体装置とをこの順に含む積層体に、波長308nm以上355nm以下、パルス幅100nsec以下、照射エネルギー密度500mJ/cm
2
以下のレーザー光を上記支持体側からパルス照射することで、上記積層体から上記支持体を剥離する支持体剥離工程を有する電子部品の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明者らは、近年必要とされている高耐熱性の電子部品の製造では、支持体の剥離のために照射されるレーザー光が高エネルギーであることに着眼し、装置、支持体、仮固定材等への損傷を抑えることができる低エネルギーのレーザー光を照射した場合でも、支持体を効率良く剥離することが可能となる接着フィルムや仮固定材を得ることを検討した。
本発明者らは、硬化型接着剤を含有する接着層を含む接着フィルムを用い、光照射を行った後の接着フィルムについて、接着層のゲル分率及び接着層の特定波長の光に対する消衰係数を特定の範囲内に調整することを検討した。その結果、低エネルギーのレーザー光を照射する場合でも支持体を効率良く剥離でき、更に、高温加工処理を行う場合でも被着体に対する剥離性に優れる接着フィルムを得ることができることを見出し、本発明の接着フィルムを完成させるに至った。
また、本発明者らは、硬化型接着剤を含有する仮固定材を硬化し、硬化した仮固定材についてレーザー光をパルス照射したときの加工深さを検討し、特定の加工状態になる仮固定材を用いると、支持体を効率良く剥離できることを見出し、本発明の仮固定材を完成させるに至った。
(【0011】以降は省略されています)
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