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公開番号2025105588
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2024232434
出願日2024-12-27
発明の名称熱硬化性樹脂シート、車両及び車両部品、並びに車両及び車両部品の製造方法
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C09J 175/04 20060101AFI20250703BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】硬度と接着性とがいずれも良好な樹脂層を備える熱硬化性樹脂シートを提供することを課題とする。
【解決手段】分子運動性の低い成分の割合(A1-H)が72%以下であり、かつ、分子運動性の低い成分の割合(A1-B)が70%以上である、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を有する熱硬化性樹脂シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下で規定される分子運動性の低い成分の割合(A1-H)が72%以下であり、かつ、以下で規定される分子運動性の低い成分の割合(A1-B)が70%以上である、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を備える熱硬化性樹脂シート。
A1-H:前記樹脂層を100℃3分で加熱した後、パルスNMR装置を用いて、前記樹脂層に対して、100℃温調下でCPMG法により測定し、該測定で得られた水素核のスピン-スピン緩和曲線を以下の式(1)で示す2成分の減衰関数(1)を用いてフィッティングした際のA1の値。
A1-B:前記樹脂層を、パルスNMR装置を用いて、前記樹脂層に対して、25℃温調下でSolid echo法により測定し、該測定で得られた

Hの水素核のスピン-スピン緩和曲線を以下の式(2)で示す2成分の減衰関数(2)を用いてフィッティングした際のA1の値。
A1*Exp(-t/t1)+A2*Exp(-t/t2)、t1<t2、A1+A2=100 ・・・・(1)
A1*Exp(-0.5(t/t1)

)+A2*Exp(-t/t2)、t1<t2、A1+A2=100 ・・・・(2)
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記A1-Hが10%以上であり、かつ、前記A1-Bが98%以下である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項3】
前記熱硬化性樹脂組成物が、(メタ)アクリル樹脂及びブロックイソシアネートを含有する、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項4】
前記樹脂層がクリア層及び着色層を備える、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項5】
前記クリア層のゲル分率が75%以下である、請求項4に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項6】
前記熱硬化性樹脂シートが、さらに離型フィルム及び転写層を備える、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シート。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シートによって塗装された車両。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シートによって塗装された車両部品。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装する工程を含む車両の製造方法。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装する工程を含む車両部品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性樹脂シート、該シートにより塗装された車両及び車両部品、並びに該車両及び車両部品の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
家具や鋼板、車両のボディーなどには、意匠性や耐久性の観点から塗装や装飾が施される。装飾は、例えば、加飾フィルムなどのフィルムを用いて行われることが知られている。加飾フィルムには、一般的に、加飾用の樹脂層(塗料層)と共に、塗料層の表面に光沢を付与するための透明樹脂層などの塗料層以外の樹脂層を備えた、多層構成となっているものが多い。例えば、特許文献1には、透明な樹脂層に、着色層が積層されている熱硬化性被覆用シートであって、透明樹脂層が、重量平均分子量が10,000~1,000,000であり常温で固体状の反応性アクリル樹脂と、ブロックイソシアネートとからなり、該着色樹脂層が着色された熱硬化性樹脂組成物からなる構成が開示されている。また、特許文献1の実施例では、熱可塑性アクリル樹脂100部に対し、低分子成分のアクリルポリオールが60部混ぜ合わせられたことが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第2095685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の加飾フィルムにおいては、高硬度向けの樹脂を使用すると、樹脂の濡れ性が低下することで、塗膜品質で要求される接着性が満たせない。一方で、接着性の良好な流動性の高い、低分子量の樹脂を使用すると、塗膜品質で要求される必要最低限の硬度が得られない。このように、従来においては、塗料層の硬度と接着性の両立が困難であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、硬度と接着性とがいずれも良好な樹脂層を備える熱硬化性樹脂シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の2点に着目し、硬化開始直前の100℃付近において分子運動性の低い成分の割合が一定以下であり、かつ、硬化前の分子運動性の低い成分の割合が一定以上である熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を使用したことにより、上記課題を解決できることを見出した。
第一に、硬化開始直前の100℃付近において分子運動性の低い成分が一定量より少ないことで、樹脂層の被着体に対する接触面積が十分に大きくなり、硬化後の樹脂層-被着体間の接着性が発現される点。
第二に、硬化前の分子運動性の低い成分が一定量より多いことで、バルク硬度により塗膜における最低限の硬度を満たすことができるようになる点。
本発明は、以下の[1]~[10]を提供する。
【0007】
[1]以下で規定される分子運動性の低い成分の割合(A1-H)が72%以下であり、かつ、以下で規定される分子運動性の低い成分の割合(A1-B)が70%以上である、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を備える熱硬化性樹脂シート。
A1-H:前記樹脂層を100℃3分で加熱した後、パルスNMR装置を用いて、前記樹脂層に対して、100℃温調下でCPMG法により測定し、該測定で得られた水素核のスピン-スピン緩和曲線を以下の式(1)で示す2成分の減衰関数(1)を用いてフィッティングした際のA1の値。
A1-B:前記樹脂層を、パルスNMR装置を用いて、前記樹脂層に対して、25℃温調下でSolid echo法により測定し、該測定で得られた

Hの水素核のスピン-スピン緩和曲線を以下の式(2)で示す2成分の減衰関数(2)を用いてフィッティングした際のA1の値。
A1*Exp(-t/t1)+A2*Exp(-t/t2)、t1<t2、A1+A2=100 ・・・・(1)
A1*Exp(-0.5(t/t1)

)+A2*Exp(-t/t2)、t1<t2、A1+A2=100 ・・・・(2)
[2]前記A1-Hが10%以上であり、かつ、前記A1-Bが98%以下である、[1]に記載の熱硬化性樹脂シート。
[3]前記熱硬化性樹脂組成物が、(メタ)アクリル樹脂及びブロックイソシアネートを含有する、[1]又は[2]に記載の熱硬化性樹脂シート。
[4]前記樹脂層がクリア層及び着色層を備える、[1]~[3]のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂シート。
[5]前記クリア層のゲル分率が75%以下である、[4]に記載の熱硬化性樹脂シート。
[6]前記熱硬化性樹脂シートが、さらに離型フィルム及び転写層を備える、[1]~[5]のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂シート。
[7][1]~[6]のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂シートによって塗装された車両。
[8][1]~[6]のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂シートによって塗装された車両部品。
[9][1]~[6]のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装する工程を含む車両の製造方法。
[10][1]~[6]のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂シートを用いて塗装する工程を含む車両部品の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、硬度と接着性とがいずれも良好な樹脂層を備える熱硬化性樹脂シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
熱硬化性樹脂シートの一例を示す模式的な断面図である。
熱硬化性樹脂シートの一例を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[熱硬化性樹脂シート]
(樹脂層)
本発明の熱硬化性樹脂シートは、以下で規定される分子運動性の低い成分の割合(A1-H)が72%以下であり、かつ、以下で規定される分子運動性の低い成分の割合(A1-B)が70%以上である、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を備える。
A1-Hは、以下の手順により得られるA1の値である。
樹脂層を100℃3分で加熱した後、パルスNMR装置を用いて、樹脂層に対して、100℃温調下でCPMG法により測定する。該測定で得られた水素核のスピン-スピン緩和曲線を以下の式(1)で示す2成分の減衰関数(1)を用いてフィッティングする。
A1*Exp(-t/t1)+A2*Exp(-t/t2)、t1<t2、A1+A2=100 ・・・・(1)
該フィッティングで最終的に得られるA1の値をA1-Hとする。
(【0011】以降は省略されています)

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