特許ウォッチ

公開番号2025097923
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2024206421
出願日2024-11-27
発明の名称ヒゲゼンマイを製造する方法
出願人ニヴァロックス-ファーソシエテアノニム
代理人個人,個人,個人
主分類G04B 17/06 20060101AFI20250624BHJP(時計)
要約【課題】剛性の平均が所定範囲内にある複数の時計ヒゲゼンマイの一バッチを製造する方法を提供する。
【解決手段】方法は、
a)ウェハに、複数の時計ヒゲゼンマイの一バッチを得るのに必要な寸法とは異なる寸法の複数のヒゲゼンマイを形成するステップ20と、
b)ウェハに、複数の時計ヒゲゼンマイの剛性を決定するための基準剛性を示す複数のシステムを形成するステップ21と、
c)形成された複数のシステムの剛性を決定するステップ22と、
d)複数のシステムの決定された剛性に基づいて、形成された複数の時計ヒゲゼンマイに適用される寸法補正を計算するステップ26と、
e)剛性の平均が所定範囲内にある複数の時計ヒゲゼンマイの一バッチを得るべく計算された寸法補正に基づいて、形成された複数の時計ヒゲゼンマイの寸法を修正するステップとを含む。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項１】
剛性の平均が所定範囲内にある複数の時計ヒゲゼンマイ（２ａ）の一バッチを製造する方法であって、
ａ）ウェハ（１）に、前記複数の時計ヒゲゼンマイ（２ａ）の前記一バッチを得るのに必要な寸法とは異なる寸法の複数のヒゲゼンマイ（２ｂ，２ｃ）を形成するステップ（２０）と、
ｂ）前記ウェハ（１）に、前記複数の時計ヒゲゼンマイ（２ａ）の剛性を決定するための基準剛性を示す複数のシステム（３）を形成するステップ（２１）であって、前記剛性の平均が前記所定範囲内にある、ステップ（２１）と、
ｃ）形成された前記複数のシステム（３）の剛性を決定するステップ（２２）と、
ｄ）前記複数のシステム（３）の決定された剛性に基づいて、形成された前記複数の時計ヒゲゼンマイ（２ｂ，２ｃ）に適用される寸法補正を計算するステップ（２６）と、
ｅ）前記剛性の平均が前記所定範囲内にある前記複数の時計ヒゲゼンマイの前記一バッチを得るべく計算された寸法補正に基づいて、形成された前記複数の時計ヒゲゼンマイの寸法を修正するステップと
を含む、方法。
続きを表示（約 1,400 文字）【請求項２】
前記複数の時計ヒゲゼンマイ（２ｂ，２ｃ）の前記一バッチを形成するステップ（２０）および前記複数のシステム（３）を形成するステップ（２１）が、エッチング、特に深掘り反応性イオンエッチングによって行われる、請求項１に記載の方法。
【請求項３】
前記形成するステップ（２１）において、各システム（３）が、前記複数の時計ヒゲゼンマイ（２ｂ，２ｃ）の前記一バッチの一つのヒゲゼンマイのために前記ウェハ（１）に製造される、請求項１に記載の方法。
【請求項４】
前記複数のシステム（３）を形成するステップ（２１）が、前記ウェハ（１）において、各システム（３）を構成する複数の振動要素（１０）を、当該システム（３）が前記ウェハ（１）において関連する前記ヒゲゼンマイ（２ｂ、２ｃ）を取り囲むように製造する、請求項１に記載の方法。
【請求項５】
前記複数のシステム（３）を形成するステップ（２１）が、前記ウェハ（１）において、各システム（３）を構成する単一の振動要素（１０）を、当該システム（３）が前記ウェハ（１）において関連する前記ヒゲゼンマイ（２ｂ、２ｃ）の近傍に製造する、請求項１に記載の方法。
【請求項６】
前記決定するステップ（２２）が、前記複数の時計ヒゲゼンマイ（２ｂ，２ｃ）の前記一バッチの一のヒゲゼンマイに関連する各システム（３）の少なくとも一つの共振周波数を推定するサブステップ（２３）を含む、請求項１に記載の方法。
【請求項７】
前記決定するステップ（２２）が、前記複数の時計ヒゲゼンマイ（２ｂ，２ｃ）の前記一バッチの一のヒゲゼンマイに関連する各システム（３）の少なくとも一つの共振周波数を推定するサブステップ（２３）を含み、当該決定するステップ（２２）は、前記推定された共振周波数に基づいて当該剛性を計算するアルゴリズムを実行する電子デバイスを用いて各システム（３）の剛性を定義するサブステップ（２５）を含む、請求項１に記載の方法。
【請求項８】
前記決定するステップ（２２）が、前記複数の時計ヒゲゼンマイ（２ｂ，２ｃ）の前記一バッチの一のヒゲゼンマイに関連する各システム（３）の少なくとも一つの共振周波数を推定するサブステップ（２３）を含み、当該決定するステップ（２２）は、前記推定された共振周波数に基づいて当該剛性を計算するアルゴリズムを実行する電子デバイスを用いて各システム（３）の剛性を定義するサブステップ（２５）を含み、各システム（３）に対して定義されている当該剛性は、その複数の振動要素（１０）のうちの一つの剛性、その複数の振動要素（１０）のすべての平均剛性、またはその複数の振動要素（１０）の一サンプルの平均剛性である、請求項１に記載の方法。
【請求項９】
前記計算するステップ（２６）が、前記決定された剛性から、前記複数の時計ヒゲゼンマイ（２ｂ，２ｃ）の一バッチの前記一のヒゲゼンマイ（２ｂ，２ｃ）の少なくとも一つの寸法に追加されまたは前記少なくとも一つの寸法から除去される材料の厚さ（ｅ）を決定するサブステップ（２７）を含む、請求項１に記載の方法。
【請求項１０】
前記振動要素（１０）が音叉状の形状とされる、請求項１に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、時計部品製造の分野に関する。詳しくは、本発明は、剛性の平均が所定範囲内にある複数の時計ヒゲゼンマイの一バッチを製造する方法に関する。
続きを表示（約 1,200 文字）【背景技術】
【０００２】
先行技術文献には、レーザーエッチング、プラズマエッチング、深堀り反応性イオンエッチング（ＤｅｅｐＲｅａｃｔｉｖｅ－ＩｏｎＥｔｃｈｉｎｇ（ＤＲＩＥ））、またはウェットエッチングのようなエッチング技術を使用して、ウェハにおいて複数の時計ヒゲゼンマイを製造する方法が記載されている。
【０００３】
しかしながら、かかる方法を使用すると、同じウェハ上に同じパターンで形成されるヒゲゼンマイ間に幾何学的なばらつきが生じるのが典型的である。
【０００４】
こうした欠点を克服するべく、ヒゲゼンマイを製造する方法を記載する先行技術文献、特に特許文献１および２において、解決策が提案されている。
【０００５】
特許文献１において、製造方法は以下のステップ、すなわち、ａ）所定の剛性のヒゲゼンマイを得るべく必要な寸法よりも大きな寸法のヒゲゼンマイを形成するステップと、ｂ）所定の慣性を有するテンプと結合されたヒゲゼンマイの振動数を測定することによって、ステップａ）で形成されたヒゲゼンマイの剛性を決定するステップと、ｃ）所定の剛性のヒゲゼンマイを得るべく除去される材料の厚さを計算するステップと、ｄ）ステップａ）で形成されたヒゲゼンマイから、計算された材料の厚さを除去するステップとを含み、ステップｂ）、ｃ）およびｄ）は、寸法品質をさらに向上させるために繰り返し可能である。
【０００６】
特許文献２において、製造方法は以下のステップ、すなわち、ａ）所定の剛性のヒゲゼンマイを得るべく必要な寸法よりも小さな寸法のヒゲゼンマイを形成するステップと、ｂ）所定の慣性を有するテンプと結合されたヒゲゼンマイの振動数を測定することにより、ステップａ）で形成されたヒゲゼンマイの剛性を決定するステップと、ｃ）所定の剛性のヒゲゼンマイを得るべく追加しなければならない材料の不足厚さを計算するステップと、ｄ）材料の不足厚さを補償するべく、ステップａ）で形成されたヒゲゼンマイを修正するステップとを含み、ステップｂ）、ｃ）およびｄ）は、寸法品質をさらに向上させるために繰り返し可能である。
【０００７】
かかる方法は、特に、実装される測定ステップ中に発生し得るウェハの汚染を制限するように、改良することができる。
【０００８】
このような状況において、かかる改良につながる解決策を見出す必要性が存在することが理解される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
欧州特許第３１８１９３８号明細書
欧州特許第３１８１９３９号明細書
【発明の概要】
【００１０】
本発明の一つの目的は、上述された要件を満たす複数の時計ヒゲゼンマイの一バッチを製造する方法を提案することである。
（【００１１】以降は省略されています）

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