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公開番号
2025092562
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2025051903,2024551649
出願日
2025-03-26,2024-04-26
発明の名称
標的ヌクレオチド配列の改変のための非天然型ポリヌクレオチド
出願人
Eurus Therapeutics株式会社
代理人
個人
主分類
C12N
15/11 20060101AFI20250612BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ヌクレオチド配列の一部が架橋型核酸である一本鎖非天然型ポリヌクレオチドによるゲノム編集技術において、編集効率の向上を可能とする構造的特徴を有する新たな非天然型ポリヌクレオチドを提供すること。
【解決手段】細胞内の二本鎖DNAにおける標的ヌクレオチド配列に含まれる1又は複数のヌクレオチドを改変するための、前記配列と特異的に結合し得る非天然型ポリヌクレオチドであって、前記配列に対して1又は複数のミスマッチヌクレオチドを含み、以下の(A)及び(B)の少なくともいずれかに示す架橋型核酸を有し、更に(C)及び(D)の特徴を有する非天然型ポリヌクレオチド。(A)ミスマッチヌクレオチドの5'上流側に隣接する1又は複数のヌクレオチドが架橋型核酸である;(B)ミスマッチヌクレオチドの3'下流側に隣接する1又は複数のヌクレオチドが架橋型核酸である;(C)5'末端のヌクレオチドが架橋型核酸である;及び(D)鎖長が22~95 nt。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
細胞内の二本鎖DNAにおける標的ヌクレオチド配列に含まれる1又は複数のヌクレオチドを改変するための、前記標的ヌクレオチド配列と特異的に結合することができる非天然型ポリヌクレオチドであって、
前記標的ヌクレオチド配列に対して1又は複数のミスマッチヌクレオチドを含み、
以下の(A)及び(B)の少なくともいずれかに示す架橋型核酸を有し、さらに(C)及び(D)の特徴を有する非天然型ポリヌクレオチド。
(A)前記ミスマッチヌクレオチドの5'上流側に隣接する1又は複数のヌクレオチドが架橋型核酸である
(B)前記ミスマッチヌクレオチドの3'下流側に隣接する1又は複数のヌクレオチドが架橋型核酸である
(C)5'末端のヌクレオチドが架橋型核酸である
(D)鎖長が22~95ヌクレオチドである
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記非天然型ポリヌクレオチドが以下の(E)の特徴をさらに有する請求項1に記載の非天然型ポリヌクレオチド。
(E)3'末端のヌクレオチドが架橋型核酸である
【請求項3】
前記非天然型ポリヌクレオチドが以下の(F)の特徴をさらに有する請求項1又は2に記載の非天然型ポリヌクレオチド。
(F)5'末端のヌクレオチドに隣接する1又は複数のヌクレオチドが架橋型核酸である
【請求項4】
前記非天然型ポリヌクレオチドが以下の(G)の特徴をさらに有する請求項1~3のいずれか1項に記載の非天然型ポリヌクレオチド。
(G)3'末端のヌクレオチドに隣接する1又は複数のヌクレオチドが架橋型核酸である
【請求項5】
前記非天然型ポリヌクレオチドが以下の(J)の特徴をさらに有する請求項1~4のいずれか1項に記載の非天然型ポリヌクレオチド。
(J)ヌクレオチド間の1又は複数のリン酸ジエステル結合部分がリン酸部修飾結合に置換されている
【請求項6】
前記リン酸部修飾結合が、ホスホロチオエート結合、メチルホスフェート結合、ボラノホスフェート結合及びメシルホスホロアミダート結合からなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項5に記載の非天然型ポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記非天然型ポリヌクレオチドが以下の(M)の特徴をさらに有する請求項1~6のいずれか1項に記載の非天然型ポリヌクレオチド。
(M)前記ミスマッチヌクレオチドの5'上流側に隣接するヌクレオチドと5'末端のヌクレオチドの間に配置され、かつ前記ミスマッチヌクレオチドの5'上流側に隣接するヌクレオチドと5'末端のヌクレオチドのいずれからも少なくとも1ヌクレオチドの距離を置いて配置された1又は複数のヌクレオチドが架橋型核酸である
【請求項8】
前記非天然型ポリヌクレオチドが以下の(N)の特徴をさらに有する請求項1~7のいずれか1項に記載の非天然型ポリヌクレオチド。
(N)前記ミスマッチヌクレオチドの3'下流側に隣接するヌクレオチドと3'末端のヌクレオチドの間に配置され、かつ前記ミスマッチヌクレオチドの3'下流側に隣接するヌクレオチドと3'末端のヌクレオチドのいずれからも少なくとも1ヌクレオチドの距離を置いて配置された1又は複数のヌクレオチドが架橋型核酸である
【請求項9】
前記非天然型ポリヌクレオチドが以下の(O)及び/又は(X2)の特徴をさらに有する請求項1~8のいずれか1項に記載の非天然型ポリヌクレオチド。
(O)3'末端の架橋型核酸に隣接する1又は複数のヌクレオチドにおける五炭糖がリボースである
(X2)5'末端の架橋型核酸に隣接する1又は複数のヌクレオチドにおける五炭糖がリボースである
【請求項10】
前記非天然型ポリヌクレオチドが以下の(P)の特徴をさらに有する請求項1~9のいずれか1項に記載の非天然型ポリヌクレオチド。
(P)3'末端のヌクレオチドがリン酸化されている
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞内の二本鎖DNAにおける標的ヌクレオチド配列に含まれる1又は複数のヌクレオチドを改変するための、前記標的ヌクレオチド配列と特異的に結合することができる非天然型ポリヌクレオチドに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
CRISPR-Casは、真正細菌や古細菌の獲得免疫機構を応用したゲノム編集技術であり、遺伝子工学のツールとして用いられている。DNA配列であるCRISPR (Clustered Regularly interspaced short palindromic repeats)配列と化膿性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)のDNA切断酵素であるCas9を用いたCRISPR-Cas9(特許文献1)は、標的DNA配列をRNAで認識させて標的二本鎖DNAの切断を誘導することが特徴であり、その簡便さ、迅速さ、高効率性から最も普及しているゲノム編集技術である。一方でCRISPR-Cas9にはガイドRNA配列がゲノム配列を誤認識すること、二本鎖DNAの切断に起因して標的DNA配列以外の箇所に予期せぬ変異導入が起こること等によるオフターゲット効果の問題がある。
【0003】
CRISPR-Casのオフターゲット効果については、様々な解決方法が提案されている。例えば、Cas9の認識配列が20塩基であるのに対して大腸菌由来のCas3の認識配列は27塩基であることを利用したCRISPR-Cas3は、より特異性の高い変異導入を可能とした(特許文献2)。DNA配列認識能のあるガイドRNAと核酸塩基の変換を行うデアミナーゼとを連結させた複合体および二本鎖DNAのいずれか一方の鎖の切断活性を失活した変異Casヌクレアーゼを用いる方法は、二本鎖DNA切断を誘導せずに、CRISPR-Cas9と較べて安全で特異性の高いゲノム編集を実現した(特許文献3)
【0004】
しかし、オフターゲット効果の問題を改善できたとしてもCRISPR-Casは細菌由来のCasヌクレアーゼ又はCasヌクレアーゼをコードする遺伝子を細胞に導入する技術であるため、外来遺伝子導入による予期せぬ危険性の問題は依然として残る。Casヌクレアーゼタンパク質を用いないゲノム編集技術として、修飾核酸を含む一本鎖合成DNAを用いたゲノム編集技術が知られている。
【0005】
ヌクレオチド配列の一部がロック核酸(LNA)に置き換えられた一本鎖合成DNAを用いた、二本鎖DNAにおける標的ヌクレオチド配列改変方法の例として、無細胞系の実験において、少なくとも1つのミスマッチヌクレオチドと少なくとも2つのLNAを含み、各LNAは、前記少なくとも1つのミスマッチヌクレオチドから少なくとも1ヌクレオチドの距離を置いて配置されたオリゴヌクレオチドを用いた方法が知られている(特許文献4)。
【0006】
Casヌクレアーゼタンパク質を用いないゲノム編集技術の他の例として、ヌクレオチド配列の一部がLNAである一本鎖合成DNAをマウスES細胞に導入することにより、標的ヌクレオチド配列に1~3塩基の変異を導入できることが報告されている(非特許文献1)。非特許文献1の技術は、Casヌクレアーゼタンパク質を用いるゲノム編集技術と較べてオフターゲット効果の問題を改善できることが示唆されている。非特許文献1の著者らは、標的ヌクレオチド配列の改変が意図した通り行われたことを塩基配列の解読により確認した33の細胞について、標的ヌクレオチド配列の周辺 335bpの領域の塩基配列を解読し、標的ヌクレオチド配列以外の箇所に意図しない改変が起こっていないことを確認している。この結果から、非特許文献1の著者らが用いた一本鎖合成DNAにより、ミスマッチ修復機構が機能しているマウス由来ES細胞において非常に正確なゲノム編集が達成できたと説明している。
非特許文献1の著者らは、細胞内のミスマッチ修復機構を回避して標的ヌクレオチド配列の改変をするためには、ミスマッチヌクレオチドがLNAであることが重要であると結論付けて重点的に実験を行っており、実際、非特許文献1は計60種類以上の一本鎖合成DNAを用いた実験を行っており、41種類の一本鎖合成DNAは少なくともミスマッチヌクレオチドがLNAであった。
【0007】
非特許文献2は、一本鎖合成DNAに含まれるミスマッチヌクレオチドがLNAであると細胞内のミスマッチ修復機構を回避することができるという非特許文献1の発見に基づいてなされた非特許文献1と同一著者らによる続報である。非特許文献2は、ミスマッチヌクレオチドがLNAである一本鎖合成DNAがどのようにして哺乳類細胞のゲノム改変を行うのかというメカニズムの解明に主題を置いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第6343605号公報
特許第6480647号公報
特許第6206893号公報
特許第5405121号公報
【非特許文献】
【0009】
Thomas W. van Ravesteyn, Marleen Dekker, Alexander Fish, Titia K. Sixma, Astrid Wolters, Rob J. Dekker, and Hein P. J. te Riele (2016) LNA modification of single-stranded DNA oligonucleotides allows subtle gene modification in mismatch-repair-proficient cells, PNAS Vol.113, no.15, 4122-4127
Thomas W. van Ravesteyn, Marcos Arranz Dols, Wietske Pieters, Marleen Dekker, Hein te Riele (2020) Extensive trimming of short single-stranded DNA oligonucleotides during replication-coupled gene editing in mammalian cells. PLoS Genet 16(10): e1009041. https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1009041
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
Casヌクレアーゼを用いないゲノム編集技術として、少なくとも1つ以上のLNAを含む一本鎖合成DNAを用いた標的ヌクレオチド配列の改変に関するいくつかの報告がなされているが、編集効率の点で十分とはいえない。
(【0011】以降は省略されています)
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