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公開番号2025091965
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2023207543
出願日2023-12-08
発明の名称遠心ブレーキ
出願人株式会社オリジン
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類F16D 59/00 20060101AFI20250612BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】回転体6に作用する制動トルクの大きさを容易に変更できるにも拘らず、かかる変更操作の操作性を良好な状態で維持可能な、新規の遠心ブレーキを提供すること。
【解決手段】弾性片34が膨出部76を超えて軸方向他側に延出すると共に、ハウジング4に、径方向から見ると弾性片34を超えて軸方向他側に延びる保護片20を設ける。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
断面円形の内周面を有する筒状のハウジングと、前記内周面の中心軸を回転軸として前記ハウジングに対して回転する回転体とを具備し、
前記回転体は前記回転軸に対して垂直に配置される回転板を備え、前記回転板の軸方向片側面における前記回転軸に対して偏心した位置には軸方向片側に延びる支持軸が設けられ、前記支持軸には複数のウェイトが軸方向に配置された状態で軸支されていて、前記回転板の軸方向他側面における前記回転軸に対して偏心した位置には軸方向他側に延びる弾性片が設けられ、前記弾性片の径方向外側面又は内側面には係止突部が形成されており、
前記回転体には調整部材が組み合わされ、
前記調整部材は前記回転軸に対して垂直に配置される調整板を備え、前記調整板は前記回転板の軸方向他側に隣接して配置され、前記調整板の軸方向片側面の外周縁部には軸方向片側に延びる調整片が設けられ、前記調整片は前記ウェイトの外面と前記ハウジングの前記内周面との間に進入し、前記調整片の周方向片側縁は軸方向に直列に配置された前記複数のウェイトの各々の軸方向位置に応じて段階的に周方向に変位されていて、前記調整板の軸方向他側面の中央部には膨出部が設けられ、前記膨出部の軸方向他側端面には、軸方向に直列に配置された前記複数のウェイトの数に応じて複数の係止凹部が周方向に間隔をおいて形成されていて、前記複数の係止凹部の夫々に前記係止突部が係止可能であり、
前記回転体が回転すると、前記複数のウェイト及び前記調整部材が前記回転体と一体的に回転すると共に、前記複数のウェイトが前記支持軸を軸に旋回して夫々の前記外面が前記ハウジングの前記内周面又は前記調整片の内面に当接し、
前記係止突部が前記複数の係止凹部のいずれに係止するかによって、前記外面が前記ハウジングの前記内周面に当接する前記ウェイトの数が変化する、遠心ブレーキにおいて、
前記弾性片は前記膨出部を超えて軸方向他側に延出しており、
前記ハウジングには、径方向から見ると前記弾性片を超えて軸方向他側に延びる保護片が設けられている、ことを特徴とする遠心ブレーキ。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記保護片は周方向に等角度間隔をおいて複数設けられている、請求項1に記載の遠心ブレーキ。
【請求項3】
前記係止突部及び前記複数の係止凹部は夫々直径方向の両側に一対ずつ設けられている、請求項1に記載の遠心ブレーキ。
【請求項4】
前記膨出部は筒状であって、前記膨出部の内側を前記弾性片が通過する、請求項1に記載の遠心ブレーキ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心ブレーキ、殊に所要操作に応じて回転体に付加される制動トルクの大きさを段階的に調整可能な遠心ブレーキに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
所要操作に応じて回転体に付加される制動トルクの大きさを段階的に調整可能な遠心ブレーキの一例として、本願の出願人は本願に先立って出願して既に特許された下記特許文献1に示す遠心ブレーキが存在する。この遠心ブレーキは、断面円形の内周面を有する筒状のハウジングと、前記内周面の中心軸を回転軸として前記ハウジングに対して回転する回転体とを具備している。前記回転体は前記回転軸に対して垂直に配置される回転板を備えている。前記回転板の軸方向片側面における前記回転軸に対して偏心した位置には軸方向片側に延びる支持軸が設けられている。前記支持軸には複数のウェイトが軸方向に配置された状態で軸支されている。前記回転板の軸方向他側面における前記回転軸に対して偏心した位置には軸方向他側に延びる弾性片が設けられている。前記弾性片の径方向外側面又は内側面には係止突部が形成されている。前記回転体には調整部材が組み合わされている。前記調整部材は前記回転軸に対して垂直に配置される調整板を備えている。前記調整板は前記回転板の軸方向他側に隣接して配置されている。前記調整板の軸方向片側面の外周縁部には軸方向片側に延びる調整片が設けられ、前記調整片は前記ウェイトの外面と前記ハウジングの前記内周面との間に進入している。前記調整片の周方向片側縁は軸方向に直列に配置された前記複数のウェイトの各々の軸方向位置に応じて段階的に周方向に変位されている。前記調整板の軸方向他側面の中央部には膨出部が設けられている。前記膨出部の軸方向他側端面には、軸方向に直列に配置された前記複数のウェイトの数に応じて複数の係止凹部が周方向に間隔をおいて形成されていて、前記複数の係止凹部の夫々に前記係止突部が係止可能である。そして、前記回転体が回転すると、前記複数のウェイト及び前記調整部材が前記回転体と一体的に回転すると共に、前記複数のウェイトが前記支持軸を軸に旋回して夫々の前記外面が前記ハウジングの前記内周面又は前記調整片の内面に当接する。このとき、前記係止突部が前記複数の係止凹部のいずれに係止するかによって、前記外面が前記ハウジングの前記内周面に当接する前記ウェイトの数が変化する。弾性片を手指で径方向に弾性変形させて係止突部と係止凹部との係止を一時的に解除することで、調整部材は回転体に対して回転可能となり、係止突部が異なる係止凹部に係止することで、外面がハウジングの内周面に当接するウェイトの数を変化、つまり回転体に作用する制動トルクの大きさを段階的に変化させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7039761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示された遠心ブレーキにあっては、係止突部と係止凹部との係止を解除する際に手指で弾性片を弾性変形させることから、操作性を考慮すれば、弾性片は膨出部を超えて軸方向他側に突出しているのが好ましい。然しながら、弾性片が膨出部を超えて軸方向他側に突出していると、遠心ブレーキが回転軸に沿って軸方向に移動した際に、弾性片が外部機器の壁面等に衝突して破損し、弾性片を操作することができなくなる、つまり係止突部と係止凹部との係止を解除できなくなる虞がある。遠心ブレーキは回転体の振動によって外部機器に対して軸方向に移動する場合があり、弾性片の延出端が上記壁面等と当接した状態で調整部材が回転体と一体的に回転すると、弾性片が摩耗するため、かかる摩耗によっても上記係止を解除することができなくなる虞がある。更に、上記摩耗と共に異音も発生するため好ましくない。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、回転体に作用する制動トルクの大きさを容易に変更できるにも拘らず、かかる変更操作の操作性を良好な状態で維持可能な、新規且つ改良された遠心ブレーキを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討の結果、弾性片が膨出部を超えて軸方向他側に延出すると共に、径方向から見ると弾性片を超えて軸方向他側に延びる保護片をハウジングに設けることによって、上記主たる技術的課題を達成できることを見出した。
【0007】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する遠心ブレーキとして、断面円形の内周面を有する筒状のハウジングと、前記内周面の中心軸を回転軸として前記ハウジングに対して回転する回転体とを具備し、
前記回転体は前記回転軸に対して垂直に配置される回転板を備え、前記回転板の軸方向片側面における前記回転軸に対して偏心した位置には軸方向片側に延びる支持軸が設けられ、前記支持軸には複数のウェイトが軸方向に配置された状態で軸支されていて、前記回転板の軸方向他側面における前記回転軸に対して偏心した位置には軸方向他側に延びる弾性片が設けられ、前記弾性片の径方向外側面又は内側面には係止突部が形成されており、
前記回転体には調整部材が組み合わされ、
前記調整部材は前記回転軸に対して垂直に配置される調整板を備え、前記調整板は前記回転板の軸方向他側に隣接して配置され、前記調整板の軸方向片側面の外周縁部には軸方向片側に延びる調整片が設けられ、前記調整片は前記ウェイトの外面と前記ハウジングの前記内周面との間に進入し、前記調整片の周方向片側縁は軸方向に直列に配置された前記複数のウェイトの各々の軸方向位置に応じて段階的に周方向に変位されていて、前記調整板の軸方向他側面の中央部には膨出部が設けられ、前記膨出部の軸方向他側端面には、軸方向に直列に配置された前記複数のウェイトの数に応じて複数の係止凹部が周方向に間隔をおいて形成されていて、前記複数の係止凹部の夫々に前記係止突部が係止可能であり、
前記回転体が回転すると、前記複数のウェイト及び前記調整部材が前記回転体と一体的に回転すると共に、前記複数のウェイトが前記支持軸を軸に旋回して夫々の前記外面が前記ハウジングの前記内周面又は前記調整片の内面に当接し、
前記係止突部が前記複数の係止凹部のいずれに係止するかによって、前記外面が前記ハウジングの前記内周面に当接する前記ウェイトの数が変化する、遠心ブレーキにおいて、
前記弾性片は前記膨出部を超えて軸方向他側に延出しており、
前記ハウジングには、径方向から見ると前記弾性片を超えて軸方向他側に延びる保護片が設けられている、ことを特徴とする遠心ブレーキが提供される。
【0008】
好ましくは、前記保護片は周方向に等角度間隔をおいて複数設けられている。前記係止突部及び前記複数の係止凹部は夫々直径方向の両側に一対ずつ設けられているのがよい。前記膨出部は筒状であって、前記膨出部の内側を前記弾性片が通過するのが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遠心ブレーキにあっては、弾性片が膨出部を超えて軸方向他側に延出しているため、弾性片を手指で容易に操作できる。弾性片には係止突部が形成されていることから、係止突部と係止凹部との係止を一時的に解除し、回転体に対して調整部材を回転させる操作の操作性が良好である。本発明の遠心ブレーキあっては更に、径方向から見ると弾性片を超えて軸方向他側に延びる保護片がハウジングに設けられているため、遠心ブレーキが回転軸に沿って軸方向に移動しても保護片が外部機器の壁面等に衝突するだけで、弾性片が外部機器の壁面等に衝突して破損することはない。弾性片が外部機器の壁面等に当接することはないため、調整部材が回転体と一体的に回転する際に、弾性片が摩耗することも異音を発生することもない。従って、本発明の遠心ブレーキによれば、回転体に作用する制動トルクの大きさを容易に変更できるにも拘らず、かかる変更操作の操作性を良好な状態で維持可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に従って構成された遠心ブレーキの好適実施形態の全体構成を示す図。
図1に示す遠心ブレーキを構成部品毎に分解して示す斜視図。
図1に示す遠心ブレーキのハウジングを単体で示す図。
図1に示す遠心ブレーキの回転体を単体で示す図。
図1に示す遠心ブレーキのウェイトを単体で示す図。
図5に示すウェイトを回転体の支持軸に装着する工程を説明する図。
図1に示す遠心ブレーキの調整部材を単体で示す図。
図1に示す遠心ブレーキにおいて、調整片とウェイトとの位置関係を模式的に示す展開図。
図1に示す遠心ブレーキの増速機の全体構成を示す図。
図1に示す遠心ブレーキの作動を説明するための図。
図1に示す遠心ブレーキの作動を説明するための図。
図1に示す遠心ブレーキの作動を説明するための図。
図1のA-A断面図における軸方向他側端部を拡大して示す図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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