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公開番号2025089534
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-12
出願番号2025054321,2023205090
出願日2025-03-27,2019-09-27
発明の名称飲食品の製造方法
出願人株式会社ダイセル
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12P 17/06 20060101AFI20250605BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】嫌気性微生物による発酵を効率よく行うことができ、発酵食品の製造にも使用できる物質を用いた、機能性物質の製造技術の提供。
【解決手段】機能性物質の材料を含有する溶液において、該材料から機能性物質を生成する能力を有する嫌気性微生物に、該材料から機能性物質を生成させる工程を含む、機能性物質の製造方法であって、前記機能性物質の材料を含有する溶液がL-シスチンを含有する、製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ダイゼインを含有する溶液において、ダイゼインからエクオールを生成する能力を有する嫌気性微生物に、ダイゼインからエクオールを生成させる工程であって、前記ダイゼインを含有する溶液にL-シスチンを0.001g/L以上5.0g/L以下添加する工程を含む、工程、及び、
前記生成したエクオールと飲食品の原料とを配合する工程を含む、エクオールを含有する飲食品の製造方法(ただし、前記ダイゼインを含有する溶液にL-システイン塩酸塩を添加する工程を含む態様を除く。)。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記嫌気性微生物が、アドレクラウチア・エクオリファシエンス・サブスピーシズ・セラツス(Adlercreutzia equolifaciens subsp. celatus)に属する微生物、及び/又はアドレクラウチア・エクオリファシエンス・サブスピーシズ・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens subsp. equolifaciens)に属する微生物である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
エラグ酸を含有する溶液において、エラグ酸からウロリチンAを生成する能力を有する嫌気性微生物に、エラグ酸からウロリチンAを生成させる工程であって、前記エラグ酸を含有する溶液にL-シスチンを0.001g/L以上5.0g/L以下添加する工程を含む、工程、及び、
前記生成したウロリチンAと飲食品の原料とを配合する工程を含む、ウロリチンAを含有する飲食品の製造方法(ただし、前記エラグ酸を含有する溶液にL-システイン塩酸塩を添加する工程を含む態様を除く。)。
【請求項4】
前記嫌気性微生物が、ゴルドニバクター・パメラエアエ(Gordonibacter pamelaeae)に属する微生物、及び/又はクロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)に属する微生物である、請求項3に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性物質の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
L-システインは、嫌気性微生物が生育できるように、還元活性化合物(還元剤)として嫌気性微生物用培地に加えられることが知られている(特許文献1)。従来、エクオール類やウロリチン類、コリノイド、糖などの機能性物質を発酵により製造する際に使用される還元剤として、L-システイン、チオグリコール酸、アスコルビン酸、メルカプト酢酸、チオール酢酸、グルタチオン、硫化ソーダ等が使用されてきた(特許文献2~4)。しかし、例えばL-システイン塩酸塩は医薬品であり、食品添加物としては使用制限があるため、嫌気性微生物を用いた発酵食品の製造に使用することを想定する場合には、L-システイン塩酸塩を使用することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許5546037号明細書
特許5996187号明細書
特許5943326号明細書
特公平6-098015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、嫌気性微生物による発酵を効率よく行うことができ、発酵食品の製造にも使用できる物質を用いた、機能性物質の製造技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意検討した結果、当該物質としてL-シスチンに想到し、本発明を完成させた。本発明は下記の通りである。
【0006】
〔1〕機能性物質の材料を含有する溶液において、該材料から機能性物質を生成する能力を有する嫌気性微生物に、該材料から機能性物質を生成させる工程を含む、機能性物質の製造方法であって、
前記機能性物質の材料を含有する溶液がL-シスチンを含有する、製造方法。
〔2〕前記機能性物質の材料がダイゼインであり、前記機能性物質がエクオールである、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕前記嫌気性微生物が、アドレクラウチア・エクオリファシエンス・サブスピーシズ・セラツス(Adlercreutzia equolifaciens subsp. celatus)に属する微生物、及び/又はアドレクラウチア・エクオリファシエンス・サブスピーシズ・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens subsp. equolifaciens)に属する微生物である、〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕ダイゼインを含有する溶液において、ダイゼインからエクオールを生成する能力を有する嫌気性微生物に、ダイゼインからエクオールを生成させる工程であって、前記ダイゼインを含有する溶液がL-シスチンを含有する工程、及び、
前記生成したエクオールと飲食品の原料とを配合する工程を含む、エクオールを含有する飲食品の製造方法。
〔5〕前記機能性物質の材料がエラグ酸であり、前記機能性物質がウロリチンAである、〔1〕に記載の製造方法。
〔6〕前記嫌気性微生物が、ゴルドニバクター・パメラエアエ(Gordonibacter pamelaeae)に属する微生物、及び/又はクロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)に属する微生物である、請求項5に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発酵食品の製造にも使用できる物質としてL-シスチンを用い、嫌気性微生物による発酵を効率よく行うことを通じて、機能性物質を製造する技術を提供することができる。また、L-シスチンは食品上安全であるため、得られた機能性物質を用いて安全な発酵食品を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において、JCMとの文言から始まる菌株の受託番号は、Japan Collection of Microorganisms(国立研究開発法人理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室、郵便番号:305-0074、住所:茨城県つくば市高野台3-1-1)に保存されている微生物に付与された番号であり、同機関から入手することができる。
また、本明細書において、FERMとの文言から始まる菌株の受託番号は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(現 独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター、郵便番号:292-0818、住所:千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)に保存されている微生物に付与された番号であり、同機関から入手することができる。
また、本明細書において、DSMとの文言から始まる菌株の受託番号は、DSMZ (Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH) に保存されている微生物に付与された番号であり、同機関から入手することができる。
また、本明細書において、KCCMとの文言から始まる菌株の受託番号は、韓国微生物保存センター(Korean Culture Center of Microorganisms; KCCM)に保存されている微生物に付与された番号であり、同機関から入手することができる。
【0009】
本発明は、機能性物質の材料を含有する溶液において、該材料から機能性物質を生成する能力を有する嫌気性微生物に、該材料から機能性物質を生成させる工程を含む、機能性物質の製造方法であって、前記機能性物質の材料を含有する溶液がL-シスチンを含有する、製造方法である。
【0010】
(機能性物質)
本発明の機能性物質とは、その材料から機能性物質を生成する能力を有する嫌気性微生物に、該材料から機能性物質を生成させることができるものであれば特に制限されない。本発明の機能性物質としては、例えば、エクオール、ウロリチンA、ジヒドロケルセチン、ナリンゲニン、プレニルナリンゲニン、ジヒドロゴシッペチン、ジヒドロケンフェロール、ジヒドロミリセチン、5-ヒドロキシエクオール、エンテロラクトン、エンテロジオール、テトラヒドロクルクミンが挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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