TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025089471
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-12
出願番号2025050146,2024516250
出願日2025-03-25,2023-04-17
発明の名称制振装置およびそれを用いた密閉型圧縮機
出願人パナソニック株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類F16F 15/02 20060101AFI20250605BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】 密閉型圧縮機の分野だけでなく他の分野にも適用可能であり、良好な制振作用を実現することが可能な制振装置と、当該制振装置を用いた密閉型圧縮機とを提供する。
【解決手段】 制振装置18は、振動が発生する構造体表面(例えば密閉型圧縮機の上部密閉容器1a)に当接するように変形可能な、弾性を有する板状の弾性部材17と、当該弾性部材17を構造体表面に当接させて保持する保持部材16と、を備える。保持部材16は、構造体表面との間に所定間隔を有して部分的に固定されている。弾性部材17のヤング率は100,000~300,000N/mm2 の範囲内である。この弾性部材17は、保持部材16と構造体表面との間に保持された状態で、当該構造体表面に固定されずに当接している。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
振動が発生する構造体表面に当接するように変形可能な、弾性を有する板状の弾性部材と、
当該弾性部材を前記構造体表面に当接させて保持する保持部材と、を備え、
当該保持部材は、前記構造体表面との間に所定間隔を有して部分的に固定されており、
前記弾性部材のヤング率は100,000~300,000N/mm
2
の範囲内であり、
当該弾性部材は、前記保持部材と前記構造体表面との間に保持された状態で、当該構造体表面に固定されずに当接していることを特徴とする、
制振装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記構造体表面は湾曲しており、前記保持部材は、前記構造体表面の湾曲に対応した曲率を有する部位を含む、
請求項1に記載の制振装置。
【請求項3】
板状の前記弾性部材における角部または長手方向端部の形状は、凸型の曲線状となっている、
請求項1または2に記載の制振装置。
【請求項4】
前記弾性部材の両表面のうち、前記構造体表面に接しない側の表面である非接触面には、複数の突起が設けられ、
前記保持部材には、複数の前記突起に対応するそれぞれの位置に孔が設けられている、
請求項1または2に記載の制振装置。
【請求項5】
前記弾性部材の厚みは、0.1~1mmの範囲内である、
請求項1または2に記載の制振装置。
【請求項6】
前記保持部材は、前記弾性部材を保持する部位が板状であり、その厚みは前記弾性部材の厚みよりも大きい、
請求項5に記載の制振装置。
【請求項7】
前記保持部材は、前記弾性部材を前記構造体表面に向けて付勢した状態で保持する、
請求項1または2に記載の制振装置。
【請求項8】
前記弾性部材は、金属製であり、焼入れ処理が施されている、
請求項1または2に記載の制振装置。
【請求項9】
前記構造体が、密閉型圧縮機が備える密閉容器であり、当該密閉容器の内面が、前記構造体表面である、
請求項1または2に記載の制振装置。
【請求項10】
密閉容器と、
固定子および回転子を備える電動要素と、
当該電動要素により駆動され流体を圧縮する圧縮要素と、
を備え、
前記電動要素および前記圧縮要素は前記密閉容器内に収容されるとともに、当該密閉容器内には潤滑油が貯留され、
さらに、前記密閉容器の内面に取り付けられる制振装置を備え、
当該制振装置は、
前記密閉容器内面に接するように変形可能な、弾性を有する板状の弾性部材と、
当該弾性部材を前記密閉容器内面に密接させて保持する保持部材と、を備え、
当該保持部材は、前記密閉容器内面との間に所定間隔の隙間を有して部分的に固定されており、
前記弾性部材のヤング率は100,000~300,000N/mm
2
の範囲内であり、
当該弾性部材は、前記保持部材と前記密閉容器内面との間に保持された状態で、当該構造体表面に固定されずに接していることを特徴とする、
密閉型圧縮機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、振動が発生する構造体を備える機器において、当該構造体の振動を低減、緩和または抑制することが可能な制振装置と、当該振動装置を用いた機器の代表例である密閉型圧縮機とに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、機器の動作時に振動が発生する場合に、その振動を低減、緩和または抑制する技術(制振技術)が検討されている。特に、振動発生の起因となる加振源から特定の物体(構造体)に振動が伝播するときに、加振源からの振動の周波数が、伝播対象の物体が有する共振周波数に重なったときには、大きな騒音を発生させる。したがって、振動を低減、緩和または抑制すること(制振作用)は、騒音対策ともなり得る。
【0003】
振動が発生する機器としては、例えば、密閉型圧縮機を挙げることができる。一般的な密閉型圧縮機では、密閉容器の内部に、レシプロ方式、ロータリー方式、スクロール方式等の圧縮機構が収容される。当該圧縮機構によって冷媒が吸引され、圧縮されて、吐出されるという圧縮動作が行われる。
【0004】
この圧縮動作に際して脈動が発生し、当該脈動は、密閉容器内に存在する冷媒ガスまたは潤滑油を介して当該密閉容器に伝播し、密閉容器が励起されて振動が発生する。この振動の周波数は、圧縮機構の運転回転数に依拠する。また、圧縮動作と同時に、圧縮機構が備える吸入/吐出バルブから叩き音等の騒音も発生する。この騒音も、圧縮機構の固体接触部分を介して密閉容器に伝達されて振動となる。
【0005】
前記の通り、これら振動の周波数が、密閉容器のような物体(構造体)の共振周波数に重なると、大きな騒音を発生させる。加えて、叩き音等の騒音は、人間の可聴域に入る高調波であるが、このような高調波の音声(振動)が密閉容器に伝達すると当該密閉容器を加振し、さらなる騒音の発生につながる恐れがある。
【0006】
そこで、密閉型圧縮機の分野では、従来から、制振作用を有する構成を採用することにより、密閉型圧縮機の騒音を抑制する手法が提案されている。例えば、特許文献1では、密閉型圧縮機の密閉容器に弾性部材を直接固定する手法が開示されている。また、特許文献2では、密閉容器の表面に弾性的に接触する接触部を有する制振部材を用いる手法が開示されている。
【0007】
特許文献1に開示の手法では、弾性部材を密閉容器の内面に固定して、当該弾性部材を弾性的に接触させており、これにより、比較的広い周波数帯域の接触摩擦減衰効果が得られる。特許文献1に開示される密閉型圧縮機では、図12に示すように、密閉容器101に対して、複数の接触部104a~104fを有する制振板102を、固定部103で溶接固定している。この制振板102が弾性部材に相当する。
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載されているように、特許文献1に開示されるような、弾性部材(制振板102)を構造体(密閉容器101)に固定して弾性的に接触させる手法では、十分な騒音防止効果が得られない場合がある。
【0009】
そこで、特許文献2に開示される密閉型圧縮機では、図13Aおよび図13Bに示すように、密閉容器201に固定された一部である固定部204と、他部である自由端203と、固定部204および自由端203を連結する連結部206とを有する制振部材202を用いている。
【0010】
この制振部材202は、自由端203を除く他の一部が密閉容器201の表面に、弾性的に接触する複数の接触部205a~205dを備えている。これにより、制振部材202の自由端203の固有振動数を密閉容器201の固有振動数に実質的に一致させることができるため、良好な制振作用を実現することができる。なお、図13Aおよび図13Bでは、制振部材202が密閉容器201の底面に設けられる構成を例示しており、制振部材202は潤滑油207に浸漬した状態にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

パナソニック株式会社
アダプタ、ダクトシステム、及び電気機器システム
5日前
個人
流路体
5か月前
個人
クラッチ装置
5か月前
個人
ホース保持具
2か月前
個人
トーションバー
2か月前
個人
免震留具
6か月前
株式会社不二工機
電磁弁
1か月前
個人
固着具と成形品部材
5か月前
個人
回転式配管用支持具
4か月前
個人
ボルトナットセット
3か月前
株式会社アイシン
駆動装置
5か月前
株式会社オンダ製作所
継手
4か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
3か月前
株式会社ミクニ
弁装置
4か月前
株式会社ミクニ
弁装置
4か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
5か月前
個人
ベルトテンショナ
3か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
6か月前
株式会社三協丸筒
枠体
2か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
5か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
2か月前
株式会社ノーリツ
分配弁
1か月前
株式会社ノーリツ
分配弁
1か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
1か月前
協和工業株式会社
空気弁
4か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
1か月前
株式会社ナベル
直動機構
6か月前
株式会社不二工機
逆止弁
4か月前
株式会社フジキン
ボールバルブ
12日前
日東電工株式会社
断熱材
2か月前
日東精工株式会社
樹脂被覆ねじ
3か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
4か月前
カヤバ株式会社
緩衝装置
4か月前
個人
角型菅の連結構造及び工法
4か月前
株式会社不二工機
電動弁
2か月前
未来工業株式会社
固定体
6か月前
続きを見る